127日(水)に2ndアルバム『Note』をリリースする錦戸亮。WIZYでは今年8月に開催されたファンミーティングの映像とスペシャルフォトブック付きのWIZY限定盤アルバムを予約受付中(https://wizy.jp/project/527/)。そこで彼に『Note』に込めた想いや制作時のエピソード、限定映像に関する話、前作『NOMAD』を振り返って思うことなど、幅広く話を聞いた。来年2月と3月に予定されているリリースイベントに向けた想いも語ってもらったので、最後までチェックしてほしい。

 

 

 

いつか『Note』というアルバムが作れたらいいなと頭の中にあったタイトルだったんです

 

 

 

――2ndアルバムのタイトルを『Note』にした理由について、教えてください。

 

実は、ずっと前から、いつか『Note』というアルバムが作れたらいいなと頭の中にあったタイトルだったんです。ノートって、いろんな意味があるじゃないですか。書き留めること、音程という意味もあれば、香水のトップノート、ミドルノート、ラストノートと匂いの変化を表す言葉でもある。今回のアルバムの構成ともリンクしているので、ちょうどいいかなと。ノートに手書きっていうのは、僕はほとんどしないんですけどね(笑)。手書きなのは、コード譜を書くときぐらいです。

 

――ドキュメンタリー映像でも曲が生まれるきっかけなども話していらっしゃいますが、基本の制作スタイルというのは、ギターでの作曲が多いのでしょうか?

 

ピアノを弾きながらのときもあれば、鼻歌のときもあります。ギターで構成やオケを全部作ってからのこともあるし、バラバラですね。

 

――今作は、どんな内容になりそうですか?

 

ライブでも歌ったことのある「オモイデドロボー」「キッチン」「Silence」と、あとは新曲になります。なかなか制作が進まなかったんですが、ある日、急に動き出して、2日間で3、4曲作りました。もう少し曲が必要なので、またあの波が来ないかなぁと信じて待っているところです(笑)。

 

――その波が来るタイミングは、ご自分でも分からないのでしょうか?

 

わからないですね。本当にヤバい、マズいと思ったときなのかな?オケだけ作って、メロディーがつかずにずっと寝かし続けているものも結構あるんです。時間が経ってから思い浮かんで、一気に完成することもあります。「オモイデドロボー」は、もう何年も前に作っていたオケでしたからね。去年、アルバムを作り終わって、楽屋で今まで作ったデモとかを流していたら、なんで、これ出さなかったの?って言われて、それで急いで完成させたんです。自分でも忘れていたというか、完全に埋もれていました。曲の断片みたいなのはあったとしても、締め切りというものがないと、本腰入れて動かないものなんですよね(笑)。

 

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――歌詞は、普段から携帯などにメモをしていたりしますか?

 

していますよ。でも、それが使えるかどうか、それを使おうとする状況もタイミングにもよりますから。メモした段階では、ただの言葉の羅列でしかない。そのメモを見て、そこから歌詞として完成することは、今のところ、ほぼないですね。

 

――よく、アーティストの方が口にする“降りてくる”っていう体験はありましたか?

 

降りては来ないです。作ろう、作ろうと思って作っているわけだから。ただ、心が健康なときに作らないと、次の日に聴いたときに「うわ、暗っ!」ってなります。そんな曲もいっぱいあります。

 

――作り出したらあっという間にできたというのは、どの曲ですか?

 

「ハイボール」という曲です。僕はハイボールが飲めないんですけどね(笑)。でも歌詞的に、麦焼酎や、焼酎ソーダ割りよりハイボールのほうが言いやすい。かといって、マティーニとかになると、カッコつけすぎというか。ハイボールがちょうどよかったんです。飲まれへんけど(笑)。

 

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――ソロになって1枚目のアルバムと、それがあった上で2作品目を作るというのとでは、意識は変わりましたか?

 

どうだろう? 前より冷静だったかもしれないです。1stを聴き直したら、ちょっと恥ずかしいなって思うような曲もあったから。でも、基本は変わっていません。流行りの音とかもあるかもしれないけど、僕はずっと変わらないもののほうがいいなと思っているので。

 

――アルバムを作る場合、1枚のコンセプトから考えてそこに曲をあてはめていくのか、それとも、1曲1曲に集中していくのか、どちらですか?

 

コンセプトっていうのはないかな。まだその域まで行けていないのかもしれないけど、1曲1曲作っていって、並べてみたら、こうなりましたっていう感じです。全体のバランスを見て、もうちょっと速い曲も欲しいとか、スタッフの意見も参考にしますよ。自分でもそう思っていたけど、テンション的にそういう曲にならなかったりもして、難しいんですよね。これまで、いろんなことをやらせてもらう環境下でやってはきたけど、ひとりで作ったり歌ったりというのは、まだ2年目ですから。そこまで実績があるわけではない。アルバムを通して聴いたときに、いい感じの印象になればいいなとは思うけど、そこまで全体を見通して作り上げるほどの能力は、まだないんでしょうね。その辺は、これから経験とともに積み重ねていければと思います。

 

――今回、アルバム『Note』のWIZY限定盤には「FAN MEETING 2020」のドキュメンタリー映像が収録されていますが、裏側の映像がパッケージ化されることに対しては、どう捉えていますか?

 

ずっと撮られることにそこまで抵抗はないというか、まぁ、慣れていますから(笑)。カメラが入っているからといって、カッコつけたり、取り繕ったりもしません。そんなのはしんどいし、アホなこと言って笑っている姿は見られたくない、っていうのもないですしね。ドキュメンタリーやメイキング映像で、あとからカットしてほしいっていうのは、言いたくないし、言わない。カットしてくれって言うのなら、最初からしなければいい話であって、カットすればすむ話じゃない。そいういの、なんだかズルいなって思うから、出したものは出したもので、あとは好きにしてくださいっていう感じです。まぁ、嫌われないといいなぁっていうのはありますけど(笑)。僕自身、人前に出るときも、そんなに作ってはいない。普通に出て、しゃべりたいことをしゃべって、ありがとうって思ったら「ありがとう」って伝えるだけ。ムスッとしていたとしたら、何か理由があってのことでしょうし。取り繕ってない人の裏側って、「こんなに取り繕ってないんだ!?」と思われるかもしれないし、意外と裏ではカッコつけてるなって映るかもしれない。受け取り方は人それぞれだろうけど、どんな形でも、楽しんでもらえたらいいなとは思います。

 

 

 

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