「好きなことを好きな人と好きなだけ」というコンセプトのもと、楽曲制作・アートワーク・ボーカルが集まり活動を続けるクリエイティブ・ユニットotsumami。2024年第一弾となる新曲「負けるな、わたし」をリリースした。春という要素を様々な観点から感じられる作品に仕上がっており、特に優しいサウンドと背中を押してくれる歌詞が印象的だ。

 

「レコログ」では、otsumamiとして活動する青葉 紘季・福井 伸実・mikanの3名にインタビューを行い、今作に込めた想いを中心に話を聞いた。

 

 

より多くの方にotsumamiを知っていただき、すべての作品を楽しんでいただけたら嬉しいです

 

──2023年8月に「レモン水」をリリースされ、その際にもインタビューをさせていただきました。改めて作品を振り返ってみて思うことをお聞かせください。

 

青葉 紘季:otsumamiに限らず、今までたくさんの楽曲を作ってきて、いつも自分の中で挑戦していることは、初期衝動的に頭の中で思い描いた景色をどこまで音楽で表現できるかというところで、そしてこれがなかなか難しいものでして…。ただ「レモン水」に関しては、どこから切り取っても完璧なまでにそれを表現できたのかな、と今でも思っています。やっぱり自信作ですね。

 

──「レモン水」はYouTubeで現在、約4万回再生されています。反響やいただいたお声で印象的だったことがありましたらお聞かせください。

 

青葉:オリジナル曲のMVでotsumami史上初めてmikan(フィーチャリング・ボーカル)が登場したんです。めちゃくちゃチラッとですが(笑)。それもあって、反響は今までと違うものがありましたね。海外の方からのリアクションもありまして、少しずつotsumami feat.mikanの世界が届いているなぁと感じることが多かったです。もっともっと、たくさんの方々の心の隙間に入り込んでいきたいですね。

 

♪レモン水 / otsumami feat.mikan【Music Video】

 

 

──2023年10月にはカバー・アルバム第2弾として80年代ポップスからセレクトした『ピアノと私 #2』、11月にはシングル「星影のパレード」をリリースされています。

 

青葉:カバーはotsumamiにとっても大事な活動の一つですが、『ピアノと私 #2』は完全にmikanの選曲で、彼女のまた違う一面を引き出せたんじゃないかなと思っています。

「星影のパレード」はその流れを汲んで、というか、引っ張られたというか、80年代から90年代に街中に溢れていたクリスマスソングというものを人生で初めて作りました。またひとつ、別の扉を叩いた感じで楽しかったですね。

 

──3月1日(金)に「負けるな、わたし」をリリースされました。春を感じさせるメロディーと、優しく背中を押してくれる歌詞が魅力的でした。改めて、どんな作品になりましたか?作詞・作曲については青葉さん、アートワークは福井さん、歌唱はmikanさんと、それぞれの視点からお聞かせください。

 

mikan:今回の作品は、レコーディングをした時に私自身がリアルタイムでとても共感した歌詞で、この歌詞が背中を押してくれました。出逢いや別れ、終わりや始まり…春は特に感情が忙しくなりがちかと思いますが、そんな“わたし”に寄り添ってくれるような、みなさんにとっての優しい応援ソングになってくれたら、という想いで歌いました。

 

福井 伸実:“負けるな”というのは、歯を食いしばるというよりは、「負けない、がんばれる私」を肯定するような絵を描きたいと思いました。そのうちに春が来ていたことに気づいたような、少し軽やかな気持ちを大切にしました。

 

青葉:詞は、さめざめの笛田サオリさんに書いてもらいました。実は、この楽曲は2年前にすでにあって、彼女はotsumami結成時の仲間なんです。今作も彼女のワードセンスに感謝ですね。サウンドに関してはなるべくmikanの声にフォーカスして、削ぎ落としていくイメージで、結果的に彼女の言葉をより近くに感じてもらえるようなものになったと思います。

 

 

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「負けるな、わたし」ジャケット写真

 

 

 

──タイトルに込められた想いをお聞かせください。

 

青葉:メロができた時にすでにこの<負けるな、わたし>という言葉だけは決まっていて、そこから広げていく物語にしようと思っていました。春って期待やワクワクだけではなく、不安や、今ここにいる場所への名残惜しさなどの側面もあると思うんです。この曲は一歩踏み出すというより、少し立ち止まってそっと自分に「大丈夫だよ」と言い聞かせるような、そういう応援歌にしたかったですね。

 

──聴きどころやポイントがあればお聞かせください。

 

青葉:聴きどころやポイントは、もちろん全部です(笑)。余すところなく、隅々まで聴いていただいて、どこかの誰かの背中を押すような、そんな楽曲に育っていってくれればすごく嬉しいなと思います。

 

──レコーディング時のエピソードや裏話をお聞かせください。

 

青葉:2年前に作った楽曲だと言いましたが、その時にmikanでボーカルレコーディングもすでにしていまして、ただなんとなくメンバー一同「今じゃない……」という感覚があって。今回録り直すにあたって、キーも上がっているんです。2年前は半音下げでもちょっと苦しそうだったのが今はしっかり表現できていて、彼女の成長も感じましたし、よりこの曲の持つ世界観を表現できたと思います。

 

──MVも公開されました。こちらはどのように制作されましたか?

 

福井:歌詞の中で、空模様と共に変化する心理描写を美しいと感じたので、モチーフは桜に統一しながら色彩が移り変わっていく様を大事にしました。春の訪れを感じる淡い色味で、mikanちゃんの繊細な歌声を引き立てることができたらいいな、と思い作りました。

 

♪負けるな、わたし / otsumami feat.mikan【Music Video】

 

──前回に引き続き、Eggs Pass(旧TOWER CLOUD)から配信いただいています。良かった点などがありましたらお聞かせください。

 

青葉:昨年11月にリリースした「星影のパレード」をαU live (アルファユーライブ ) channelさんの初公開動画にピックアップして頂きました。チャンネルとして初めて公開するMVに選んで頂けたのは嬉しかったですね。

初めてotsumamiを知ったという方もたくさんいたようなので、ありがたいです。

 

──2024年2月3日でotsumami結成から2年を迎えられました。3年目はどんな年にしていきたいですか?

 

mikan:今までリリースさせていただいた楽曲たちに、もっともっと陽の光を浴びせてあげたいです。ライブ活動などを通して、otsumamiを聴いてくださっている方にも直接感謝を伝えられたら嬉しいです。

 

福井:より多くの方にotsumamiを知っていただき、すべての作品を楽しんでいただけたら嬉しいです。これまでもこの先も、全ていい曲なので。

 

青葉:「好きなことを好きな人と好きなだけ」というのがotsumamiのコンセプトなので、これからもただただ最高のotsumamiを作っていくだけです。その中で、皆さんが好きなものをつまんでいっていただければ。

ちなみに、グループ名がotsumamiとか言っておきながら、意外とメンバー全員でお酒を飲んだことがないので、今年はその辺もしっかりやっていきたいなと思っています(笑)。

 

──ありがとうございました。最後に、応援してくれる方へのメッセージをお願いします。

 

mikan:otsumami を気にかけてくださっているみなさん、いつもありがとうございます。自分を信じて頑張ってくださいね。私も頑張ります。「負けるな、わたし」のメッセージをぜひ受け取ってください。

 

文:レコログ編集部

 

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  • otsumami

    otsumami

    国民的ヒットソングにもなった AKB48「365日の紙飛行機」をはじめ、様々なアーティストへの楽曲提供を行っている青葉紘季率いる teamOUCA が楽曲制作を担当、「ゲスの極み乙女」のアートワークで注目を浴びた“恋する絵描き”福井伸実がメンバーとして参加、そしてフィーチャリング・ボーカルには北海道のアイドルグループ「タイトル未定」でも活躍する冨樫優花が mikan 名義で参加。
    音楽やアートなどの分野で活躍するクリエイターたちにより構成され YouTube や TikTok など SNSを中心に活動するクリエイターユニット「otsumami」。
    それぞれの「すきなこと。」を表現することにこだわり、「叙情的」な作品を紡ぎだす。2022 年 2 月の活動開始から 1 年間にわたり、12 ヶ月連続でクオリティの高いオリジナル楽曲をデジタルリリースする一方で、コンスタントにカバー楽曲の投稿をするなど活動を続けている。
    2022 年 6 月にリリースされた「タイムカプセル」が、朝日放送テレビの番組「部活ピーポー全力応援!ブカピ!」のエンディングテーマに抜擢、最新曲「醒めない予感」が同番組の 2023 年 4 月~のオープニングテーマに連続抜擢されるなどで注目を集めている。