(写真左から:大原拓真(Ba)、浪岡真太郎(Vo, Gt)、矢野慎太郎(Gt))

 

 

6人組ツイン“リード”ヴォーカル・バンドPenthouse(ペントハウス)。2019年に活動を開始し、都会的で洗練された音楽から、早耳リスナーを中心に注目を集めてきた。

そんな彼らが7月12日(水)に「夏に願いを」を配信リリース。リリースを記念して、レコチョクが音楽業界に向けて新たに立ち上げたワンストップECソリューション・murketを採用したビクターオンラインストアにて、Penthouseの「ミニジャケキーホルダー」を数量限定で販売することが決定。今回「レコログ」では新曲についてや本グッズを中心に、メンバーの浪岡真太郎(Vo, Gt)、矢野慎太郎(Gt)、大原拓真(Ba)に話を聞いた。彼らの想いとパーソナリティーを感じられるインタビューを作品と合わせて楽しんでほしい。

 

 

──新曲「夏に願いを」はいつ頃制作されたのでしょうか。

 

大原拓真(Ba):アイディアは1年前くらいからあったよね。

 

浪岡真太郎(Vo, Gt):そうだね。レコーディングも早めに始まっていましたね。

 

──最初からサマーソングとして制作されていたんですか?

 

大原:いや、最初は夏というテーマもなくて。

 

浪岡:そうだったね。ただ、今までのPenthouseにはなかったような、アップテンポでちょっとロックテイストな曲なので、瑞々しさは意識したいと思ったんです。そこで、“恋”がテーマになるなら“夏”がいいのかなってなったんだよね。

 

矢野慎太郎(Gt):そうだね。歌詞もけっこう最近できたもんね。

 

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──皆さんの掛け合いから、常に自然とディスカッションしている様子が伝わってくるのですが、普段はどのように曲を作られているのでしょうか。

 

浪岡:だいたい僕がデモを打ち込みで作ったものをスタジオで合わせて形にして、歌詞をあとから乗せるパターンですね。

 

大原:この曲も、最初にデモを聴いたときから、瑞々しい  ラブソングになるだろうなというイメージをメンバーみんなで共有することができていたんです。

 

矢野:実際にデモが上がってきたときに、浪岡がこういう曲を書くことにビックリしました。もともとハードロックバンドをやっていましたし、もっと土臭い音楽を好むので、“振り切ったな~!”って思ったんです。

 

──心境の変化があったんですか?

 

浪岡:いや、まったくないです(笑)。もともとメンタルで曲を書くタイプではないので、今回はまだ出していないものを表現できるのではと思い、書き始めました。

 

──大原さんは演奏してみていかがでしたか?

 

大原:僕は中高生の時にこういった曲をよく聴いていたんですが、Penthouseではこういう曲に取り組んでこなかったので、実際に演奏すると初心に返った気持ちですごく楽しかったですね。 かなり若い気持ちで演奏しています(笑)。

 

──高校生がカバーしてくれたら嬉しいですね。

 

矢野:まさにそういうことですね!

 

大原:めちゃくちゃしてほしい!

 

浪岡:でも、ちょっと難しいかもね。

 

大原:ベースは簡単ではないけど、ほかの曲よりはやりやすいかな。

 

矢野:ギターも簡単だと思いますよ。

 

──いや、絶対に簡単ではないですよね(笑)。

 

大原:そこは頑張って練習してください(笑)。

 

矢野:難しい曲にトライすることで音楽がより楽しくなると思いますよ。僕たちも、たくさんカバーしてきましたしね。ただ、例えばヴォーカルがこの曲をやりたいって言って人を集めたときに、ドラムが一番嫌がるかも(笑)。

 

浪岡:ドラムはちょっと大変かもね(笑)。

 

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──あはは。矢野さんは演奏してみていかがでしたか?

 

矢野:コードをジャカジャカ鳴らしているのですごく楽しいです。Penthouseではこういった曲が少なくて、地味に細かく難しいことをやっている曲が多いので、この曲はそれこそ学生時代に戻ったような感覚で、ギターを鳴らすのがただただ楽しいですね。

 

──こういった曲が増えると、またライブが変わってきそうですね。

 

浪岡:もともと速い曲を書くのがあまり得意ではないのですが、この曲が増えたことでライブのセットリストを組みやすくなるんじゃないかなと思います。

 

──歌詞は今回、どのようにして作っていったのですか?

 

大原:実は、歌詞は制作時にモメやすいんです。今回もモメて(笑)。

 

矢野:大原と浪岡がね(笑)。

 

──どうモメるんですか?

 

大原:まず何を大事にするかというところですね。瑞々しい恋をテーマにするならそれを追求することを大事にするのか、それとももうちょっと歌詞として耳に入りやすい、韻をしっかり踏むことを大事にするのかというバランスでいろんな議論があったんですが、結果的に耳への入ってきやすさを主に起きつつ、その中で瑞々しさやそこから来る真っ直ぐさみたいな要素も入れられたらというところで作っていきました。最終的にはすごくいいバランスになったと思います。

 

矢野:浪岡が音の響きに対してめちゃめちゃシビアなんです。そこの制約があると、使えるワードの選択肢も限られてくるので、難しいんです。

 

浪岡:あとは、Penthouseの曲は、歌詞が覚えづらいという課題が常々あったんです。なので、韻を踏むということがすなわち母音の繰り返しになるので、たくさん韻を踏むことを心がけたり、サビの頭の言葉は統一するなどして、覚えやすさを重視しました。

 

──モメるときは冷静にディスカッションをするのでしょうか。

 

大原:いや~!なんていうか、冷静なことを温度高く言うみたいな…(笑)。

 

矢野:言っていることはめちゃくちゃ理屈っぽいんですよ。でも、テンションは喧嘩っぽくて(笑)。最初は冷静にやっているけど、だんだんヒートアップすることもありますね。

 

大原:もちろん、怒鳴り合い、殴り合いはないので安心してください(笑)。

 

──良かったです(笑)。MVはどのようなものに仕上がったのでしょうか。

 

浪岡:これも挑戦になるのですが、全編アニメーションとなりました。いままでは僕たちが演奏していたり、歌ったりしているところを映していたのですが、思い切ってアニメーションに振り切ったんです。歌詞も入っていて、リリックビデオのような感覚もあるんです。

 

♪Penthouse – 夏に願いを [Official Music Video]

 

 

大原:アニメの方が分かりやすいしね。

 

浪岡:僕自身がそんなに爽やかな人間ではないので、映ってもしょうがないので(笑)。

 

一同:あはは!

 

大原:映像にしたとしても役者さんにお願いしていたかもね(笑)。

 

浪岡:そうだね。パーソナリティーが曲と離れすぎているので。

 

──この曲は“いちかばちかの夏の恋”がテーマとなっていますが、それを生んだ浪岡さんのパーソナリティーが曲とかけ離れているんですか?

 

浪岡:はい(笑)。

 

大原:たしかに、浪岡は“いちかばちかの恋”しなさそうだもんな~!

 

浪岡:しないですね。自分のことを好きじゃない人と付き合っても楽しくないですからね。

 

大原:そんな合理的なこと言わないでよ!(笑)振り向かせたいのが恋愛でしょ⁉

 

浪岡:それは高校生のときに…(笑)。

 

──あはは。さて、今回はこの曲の配信を記念して、ビクターオンラインストアにて「ミニジャケキーホルダー」が発売されます。このキーホルダーをスマホにかざせば、Penthouseの魅力が分かるサイトにつながるという面白い試みですが、最初にこの企画を聞いたときの印象はいかがでしたか?

 

浪岡:見た目ももちろんですが、スマホをかざしてサイトに飛べるというのは単純に面白いなと思いました。

 

大原:実際にやってみて、これはみんながやりたくなるだろうなって思ったんです。

 

矢野:これを活用したいろんなアイディアをたくさん持ってきてくださったので、我々3人とスタッフさん達とでミーティングをして、どれだけ分かりやすく伝わるかを考え、最終的にこういう形に仕上がりました。

 

Penthouse「ミニジャケキーホルダー」ジャケット写真

 

──パカッと開くと、ちゃんとCDの形をしたものが入っているんですよね。

 

浪岡:そうですね。このCDは飾りのようなものではありますけどね。

 

大原:見た目もすごくかわいらしいので、単純にキーホルダーとしても魅力的だと思います。

 

矢野:最近はシングルだと配信のみのことが多いですが、こうやってグッズとして手元に残してもらうことができるのは嬉しいですね。

 

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──スマホをかざすだけでサイトにつながるというNFCを用いた「ミニジャケキーホルダー」と、NFTを活用した購入後も継続的なコミュニケーションが取れる「夏に願いを 公式サポーター証明書」が組み合わせられたアイテムです。グループ初の試みとなりますが、デジタルを活用して音楽を届けることに、どんな可能性を感じていますか?

 

浪岡:やってみないと分からないことは多いなと思いつつ、僕たちはずっとオンラインでやってきたバンドなので、オフラインで友達と会った時に、このキーホルダーをタッチして曲やアーティストを布教するのはすごく面白いなって思ったんです。

 

矢野:学生の頃は、CDの貸し借りのようなことがあったからこそ、僕たちの世代はちょっと懐かしさがありますよね。

 

大原:新しいことに取り組むことの良さ、面白さもありますし、さらにそれが楽曲のプロモーションにつながるのはすごく嬉しいですね。それに、これを買うと「公式サポーター証明書」というNFTが手に入り、購入してくださった方限定で見られるコンテンツがあります。また、次の曲を取り込んだ際に、またそこに「公式サポーター証明書」が増え、CDを並べるような感覚で僕たちの曲を聴いてくれた証が残っていくと、今の時代に、ちゃんと積極的に応援して聴いているカタチを残せそうで素敵ですよね。

 

浪岡:「夏に願いを」の今回採用されたジャケット以外にも、最後まで悩んだ末にボツになったデザインが見られるので、新しい楽しみ方ができると思います。

 

──今回のジャケットはすごく爽やかですよね。

 

浪岡:このジャケットはMVの世界観を切り取ったものになっています。いま、ジャケットって、スマホの画面で、サブスクのサイズで見ることが多いと思うんです。なので、縮小されても分かりやすいシンプルなものとしてこれに決まりました。

 

大原:普段からバンド内で話していることなんですが、サブスクなどの小さなサムネイルで並んだ時に目を引くようなジャケットにしよう、というのは常にジャケ選びのテーマになっていて。雲、海、青と分かりやすく表現された、良いジャケットになったと思います。

 

「夏に願いを」ジャケット写真

 

──さて、パーソナリティーな部分も聞かせてください。矢野さんは現在も会社員とミュージシャンを並行されていますが、両立は大変なのではないでしょうか。

 

矢野:ポジティブなところは、刺激を受けられる機会が倍あるというところですね。仕事で気づいたことがバンドにも活きるし、その逆もすごくあるんです。なので、本当に自分が成長できているなと思うんです。

 

浪岡:僕も1年半くらい前までは会社員として働いていたので、その当時の方が、社会性があったのかもって思うんですよ。メールの返信も丁寧でしたし…(笑)。でも、僕は仕事よりも曲を書く方が才能があるように思えたので、ミュージシャン1本に絞ったんです。それはそれでよかったのかなと思っています。

 

──そんなみなさんは10月に『PIA MUSIC COMPLEX2023』への出演が決まっていますが、どのようなライブにしたいですか?

 

浪岡:ツアーが明けてのフェスへの参加になるので、Penthouseを知らない人たちにも好きになってもらえるように、気合いを入れてやりたいですね。

 

大原:これまで、コロナ禍での活動が長かったので、あまりライブも数をできていなかったんです。今回のツアーでいろいろ得られたことがあったので、ライブもカッコいいんだなって思ってもらえるように頑張りたいですね。

 

矢野:ピアノのCateenが、活動の関係で忙しく、フェスはサポートの方が入ってくれるんです。でもそこに対してネガティブには考えていなくて、CateenはCateenで、ソロ活動で刺激を得るし、我々もサポートの方とやることで刺激を得ることがあるので、ツアーとは違う形のPenthouseではありますが、そこで違う良さが出せたらいいなと思っています。

 

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──みなさんは、アウェーに強いタイプですか?

 

大原・矢野:それぞれですね。

 

浪岡:でも、全体的に強くないよね。僕は頑張ろうが、頑張るまいが、できることしかできないというタイプですが(笑)。

 

──浪岡さんは、どこかサバッとしていますよね(笑)。

 

矢野:なんでしょう、極端に合理的ですよね…(笑)。

 

大原:夢っぽい話をしないよね。

 

──できないものはできない、やれないものはやらない、できることを全力でする。

 

浪岡:そうですね(笑)。

 

──よくわかりました(笑)。さて、今回販売する「ミニジャケキーホルダー」を含めて、最後にメッセージをお願いします!

 

浪岡:今の時代、ファンのみなさんに布教をしてもらうことが大事というのをひしひしと感じているので、そういったときにすごくいいアイテムだと思うんです。

 

矢野:さりげなくバッグに付けて、同族を見つけるのにも向いているよね。

 

大原:あとは、コレクションとして持ってもらえるのもすごく嬉しいですね。フェスに持ってきてくれたら、僕らの曲を聴いていいな、って思っていそうな人にサッとキーホルダーを出して布教することができますから!(笑)

 

──これは、落としたくないですよね。

 

矢野:たしかに!

 

大原:でも落としたら落としたで、見つけた人が聴けるからいいのかも(笑)。

 

──胸キュングッズとして、「ちょっと聴いてみてよ」ともできますしね。

 

大原:おぉ!これで“いちかばちかの恋”をする人もいるかもしれない!

 

一同:あはは!

 

浪岡:ということで、ぜひ布教のほど、お願いします!

 

大原:実際に、皆さんと一緒に大きくなれているなと感じていて、ファンの人が増えているのが、みなさんの布教だったらすごく嬉しいです。メンタル的にも、みなさんの応援が力になっているので、これからも応援してもらえたら嬉しいです。

 

矢野:僕も、何かのファンだったりするので、みなさんの応援する気持ちがすごく分かるんです。なので、自分たちのバンドが応援する楽しさ、みなさんに日々の楽しさに繋がっているならすごく嬉しいなと思っています。ぜひ、ライブにまた遊びに来てください!

 

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文:吉田可奈

写真:平野哲郎

 

▼Penthouse「夏に願いを」リリース記念「ミニジャケキーホルダー」はこちらから

https://victor-store.jp/item/37805

 

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    浪岡真太郎(Vo, Gt)、大島真帆(Vo)、角野隼斗[Cateen](Pf)、矢野慎太郎(Gt)、大原拓真(Ba)、平井辰典(Dr)が、R&B/ソウル、ジャズ、ファンク、ゴスペルなど様々な音楽を昇華したオリジナリティ溢れるサウンドを紡ぎ出す、6人組ツイン”リード”ヴォーカル・バンド。
    大学時代に所属したバンドサークル「東大POMP」のOBである現メンバーが、ヴォーカルの浪岡を中心に集まり2019年6月より活動開始。
    11月24日にメジャー1st EP『Living Room』を配信リリースし、iTunes Store R&B/ソウルランキング1位、総合ランキング5位を獲得。
    2022年1月には、オーディオストリーミングサービスSpotifyが選ぶ、2022年に飛躍が期待される注目の国内新進アーティスト「RADAR: Early Noise 2022」に選出され、4月には東海テレビ・フジテレビ系土ドラ「クロステイル ~探偵教室~」の主題歌と挿入歌を同時に担当、2023年1月よりフジテレビ系TVアニメ「デジモンゴーストゲーム」エンディング主題歌を担当、3月末からはTBSドラマストリーム「私がヒモを飼うなんて」主題歌を書き下ろすなど、これまでに担当したタイアップやアーティストへの楽曲提供も多数。2023年3月には1stフルアルバム『Balcony』をリリースし、オリコンデイリーアルバムチャートにて7位を獲得。ポップな世界観と音楽的素養の高さにより各方面から注目を集めている。
    浪岡真太郎と大島真帆によるソウルフルな男女ヴォーカルを軸に、“かてぃん”こと角野隼斗の卓越した表現力と強固なリズム隊が生み出すグルーヴにより、洗練された都会的なサウンドスケープへと誘う