6人組アイドルグループ・BiSは2023年5月より新メンバーが加入し、新体制で活動を開始。そんな彼女たちが2024年2月28日(水)に現メンバー体制では初、BiSとしては約4年ぶりのオリジナルアルバムをリリース。リリースを記念して「レコログ」ではBiSにインタビューを行い、本アルバムのレコーディング時に意識したことや推し曲などを中心に話を聞いた。6人の今の想いが凝縮されたインタビュー、ぜひアルバムと合わせて最後まで楽しんでほしい。
この6人でたくさん歌っていくのが楽しみだなと思っています
──今作『NEVER MiND』は約4年ぶりのアルバムとなりますが、制作にはどういった心持ちで挑まれましたか?
トギー:4年ぶりだからこそ期待値がめちゃくちゃ高いだろうなっていうことは思っていて。レコーディングに挑む時点で、私たちができることは歌で曲に貢献することだから、より良い歌を歌うために気合いを入れたところはありましたね。
ヒューガー:いただいた曲が最高すぎて、プレッシャーを感じたり、作らなきゃって思ったり、っていうことより、この歌をうまく歌いたすぎる!っていう気持ちで、一つ一つのレコーディングを楽しみながらやらせてもらいました。
クレナイ・ワールズエンド:2023年5月に新体制になって最初にリリースした曲「イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム」「僕の目を見つめて 君の世界になりたい」も入っているので、このアルバム一枚で成長した今のBiSをすべて見せていけたらいいなって思っています。
シオンエピック:今まではシングルで曲数が少なかったので、単純にバーっといっぱい、たくさんの曲が聴けるアルバムっていうのはいいなと思いました。
イコ・ムゲンノカナタ:レコーディングでは一曲一曲、けっこうガチガチに緊張していたんですけど、もっとうまく歌えると信じて、今できる一番うまい歌い方を研究してレコーディングを楽しめたし、自分の声が入っている曲がこんなに増えたと感じられて、すごく嬉しかったです。
ナノ3:アルバムを出すことは簡単なことではないし、しかもこんなに豪華な方たちにプロデュースしていただけることもなかなかないことなので、気合いを入れました。曲によってプロデューサーさんが別々だからこそ、今のBiSのいろんな色を見せられるアルバムになったと思うので、この6人でたくさん歌っていくのが楽しみだなと思っています。
──最初から歌割りが決まっているパターンや、一人ずつフルで歌ってピックアップしていくというパターンがあると思いますが、今回はどうでしたか?
ナノ3:そこはプロデューサーさんによって異なっていますが、ベースとしては歌割りを決めていただいて、それをもとに録っていきます。ただ、レコーディングがみんなの声を初めてちゃんと聴いていただく機会だったりもしたので、一旦つるっと歌ってみて、そこで歌割りをこっちにしようかなとか、その場で調整してくださったりもしました。
──なるほど。プロデューサーさんの個性と、メンバー一人一人の歌声、そして6人の声が合わさった時の歌声が、曲ごとに見事にはまっているなと思いました。たとえば7曲目の「青風」は、ハモリの部分が違うメロディで歌っているのを重ねていたりして面白いなと。
ヒューガー:ありがとうございます。「コーラス1がこういうラインで、2がこうなって、重ねたらこうなるよ」みたいな感じで、すごく細かく教えていただいたので、そのおかげでみんな準備をして、きれいに重なって、本当に素晴らしい曲になったなと思います。
──みなさんの推し曲と、その聴きどころをそれぞれ教えてください。
トギー:私は「STiLL BE CHiLD」が推し曲です。レコーディングし終わって、みんなの声を歌割りにはめて聴かせていただいたんですけど、さっき言ってくださったように、6人の声の感じが良すぎて感動して。みんなの良いところを最大限に活かして使ってくださっているなとすごく思ったし、6人みんな良い声でよかったなと(笑)。これだけいろんな声質の人が集まることもなかなかないと思うので、「うちら声質よくね?」っていうことを再確認できたアルバムだなと思いました。
「STiLL BE CHiLD」と「NO CHOiCE」はこのアルバムの中で一番レコーディングに時間をかけてくださって、AxSxEさんの歌へのこだわりと、めちゃくちゃ考えてくださっていたのが分かったので、それに応えようと私たちも何回も何回も歌を録らせてもらって。めちゃくちゃ気合いの入った音源になっています。
──「STiLL BE CHiLD」はサビのメロディと、どんどん高くなっていく歌声がとてもエモーショナルで、グッときているところに次の曲の「Olenimorph, Ole」が低音で入ってくるので、ドキッとさせられるんですよね。
イコ・ムゲンノカナタ:「Olenimorph, Ole」は私の推し曲です。この曲は一曲に何曲も入っているみたいなコロコロと変わる曲調が聴いていてもすごく楽しいし、みんなの声質が、ラップに合う声やサビに合う声がちゃんとあって、それぞれの良いところを組み合わせていただいていて。歌詞も、作詞者のabelestさんより事前にアンケートをもらって、メンバーが回答したことが入っていたりするんですよ。たとえば“胃が痛い”とか(笑)、みんなのBiSに入る前の出来事だったりとかを、歌詞のところどころに入れてくださっていて。「この時の自分はこうだったな」という思い出も歌に入っているので、聴いていても歌っていても楽しいなって思います。あと、ラップも初めてだったので、すごい楽しかったです。BiSの振り幅が一気に広がったような曲だと思います。
──歌詞にはそういう秘密があったんですね。“住民票移動して”なんて、他では聴いたことがない歌詞だなと思いました(笑)。ナノ3さんの推し曲は何ですか?
ナノ3:「悲しみを纏う男たちの行進」です。最初に聴いた時は、これを自分たちが歌ったらどうなるんだろう?ってすごくワクワクして。どう歌ったらカッコよくなるのかな、でも普通に歌ってもちょっと違うだろうし…と思って、みんながそれぞれこの曲を聴いて自分の中に落とし込んで歌った結果、ちょっと野太い声で歌ってたりして、このアルバムの中でもちょっと異色な、一気に空気がガラッと変わるのでお気に入りです。みんなの聴いたことがない声が聴けるのも、聴いていて楽しいポイントなのかなって思います。
──野太い声を出してくれというリクエストがあったわけではなかったんですか?
ナノ3:歌い方の指定はなくて、みんな勝手に(笑)。みんなデモを聴きすぎて音程通りに歌ったりしてたけど「自分の好きなように歌っていいよ」って谷口さん(fOUL:Vo./G.)が言ってくださったので、ちょっと崩したような歌い方だったり、けっこう自由にやらせていただきました。レコーディングの時、みんな勇ましく腕を振ったりしながら歌ってたりしてたよね(笑)。
──そうでしたか。シオンさんの推し曲はどの曲ですか?
シオンエピック:「Sakura」です。みんな好きだろうなっていう感じの曲なんですけど、ちょっと切ない感じもあって。一番のサビは後ろがけっこう静かめなんですけど、二番になると音がちょっと盛り上がる。それに合わせて歌声を入れ替えたりしてくださったので、とても合った声になっています。
──「Sakura」はアコースティックな音色から始まって、どんどん熱を帯びていく歌声がいいですよね。クレさんはいかがですか?
クレナイ・ワールズエンド:私は「NO CHOiCE」です。個人的なことなんですけど、初めて私が振り付けを作った曲で。BiSの曲はみんなで振りを作るんですけど、この曲は私一人で作らせていただきました。歌詞も“いかなきゃ”とか“やるっきゃないのだ”とか、背中を押してくれる感じになっていて、自分を奮い立たせてくれる曲だなって思いました。
──振り付けをクレさんが一人でやることになったのは何かきっかけがあったのですか?
ヒューガー:「NO CHOiCE」はキュートな感じの曲調で、クレはキュートな雰囲気を纏っているので、彼女の振り付けが見てみたいなと思いました。私が推薦者です(笑)。
──ではヒューガーさんの推し曲を教えてください。
ヒューガー:私はナカコー(中村弘二)さんプロデュースの「青風」がすごくお気に入りで。さっきもおっしゃってくださったようにハモリが二重になっていてきれいだし、耳が休まる暇がないというか、後から追いかけるようにきれいなハモリがくるので、まさに風がずっと吹いているような感じが曲で表されていてすごいなって思いました。アルバムでこの曲は7曲目なんですけど、私のイメージ的には5曲目の「LAZY DANCE」が夜のパーティー的な感じで、6曲目の「なまえをよんで」もパーティーのクライマックスっぽい曲で、その後のこの「青風」で朝が来るんですよ。だから、この曲順にも注目してほしいです。
──アルバムのタイトルは『NEVER MiND』ですが、このタイトルについて、どんな印象を持っていますか?
トギー:ニルヴァーナや!プレッシャーや!
ヒューガー:ビッグタイトル(笑)。
トギー:ニルヴァーナの『Nevermind』に負けないくらい、めっちゃカッコいい曲たちが集まっているアルバムだと思うので、そこは自信をもって『NEVER MiND』を掲げていきたいなと思っています。
──ニルヴァーナやグランジ・ミュージックからのイメージで、今回の衣装はチェックを使ったグランジ・ファッションになっているということなんですね?
トギー:そうなんですよ。ビリビリのジーパンにグランジカラー。衣装をお風呂場に干しているんですけど、糸がほつれて落ちたりするので、お風呂場が大惨事になってます。
ヒューガー:「めっちゃ着つぶしていいよ」って衣装制作の外林健太さんに言っていただいて。私の衣装も最初は膝の穴が3分の1ぐらいだったんですけど、もうビリビリになって(笑)。みんなそれぞれの味が出てきてます。
──話は変わりますが、昨年11月の「LAZY DANCE」リリース時に、『クラウン ミュージック ストア』限定盤を販売されました。ソロ歌唱音源や、皆さんが購入された方のお名前を呼んでくれる動画など、特別感のある限定盤でしたが、購入された方から反響はありましたか?
ヒューガー:大好評でした。直接会った時に「ビデオメッセージで名前を呼んでもらえるのって、こんなに嬉しいんだ」みたいなことを言ってもらえたりして、私たちもすごく嬉しかったです。
イコ・ムゲンノカナタ:最近特典会で話した人も『毎日見てるよ』って言ってくださって(笑)。動画をスクショしてSNSのアイコンにしてくれたりしてて。
トギー:ソロ歌唱音源っていうのもこのメンバーでは初めて出して、それもけっこう喜んでもらえました。6人のソロを聴けるっていうのがかなりスペシャルなことだったので。
ナノ3:私自身もみんなのソロ歌唱音源を聴いてみて「ここのパートはこの人が歌ったらこんな感じなんだ」みたいな発見がありました。この人の声で聴いてみたかった、みたいなのが全部聴けるので、それもめっちゃいいなと思いました。
──そして同じタイミングでTOWER RECORDS MUSICでは「メンバーが選ぶシチュエーション別おすすめ曲」を公開されました。改めてこのプレイリストをご覧になって思うことや、セレクトした際に印象に残っていることを教えてください。
トギー:自分の好きな曲をプレイリストにして公開するっていうこともあまりなかったので、こうやってテーマを決めて作らせてもらったのが楽しくて、自分でも聴いてました。
──トギーさんは『ムシャクシャした夜に聴きたい曲』でしたね。
トギー:そうです。ロックばっかり入れました。
ヒューガー:それぞれの性格が出てますよね。6人6色になった感じがして、私もみんなのプレイリストを聴いていて楽しかったです。私はBiSの曲の中でも、私の鼻歌に出現する率が高い曲を集めたんですけど、BiSの曲は頭に残りやすい曲が多いなって思いました。
ナノ3:私は仕事に行く時に聴きたい曲でプレイリストを作ったんですけど、聴いてくれた人も「通勤の時にちょうどこの曲聴いてた」みたいなことを言ってくれた人がいて、同じ気持ちで聴いてくれてるんだ、ということが知れて嬉しかったです。
イコ・ムゲンノカナタ:私は長風呂で聴きたい曲を考えたんですけど、けっこう静かめな曲をセレクトしましたね。
シオンエピック:私は自分の好きな曲を入れたんですけど、かわいい曲も好きだし、妖しい曲も好きだから、どっちを入れればいいかなと迷いました。
クレナイ・ワールズエンド:私がよく聴くBiSの曲について、あまりファンの方とも話す機会がないから、プレイリストをきっかけに「こういう曲を聴いてるんだ」みたいな話ができたりして良かったです。
──5月からはLIVE TOUR 2024“We Gotta Go BiS TOUR”がスタートします。意気込みや準備されていることを教えてください。
ナノ3:まだセットリストとかは決まってないんですけど、このアルバムの曲たちをこのツアーでがっつりとやっていくことになると思います。音源が解禁されて、そこからお客さんとこの曲たちをどうやって一緒に育てていくかっていうツアーにもなっていくと思うので、楽しみです。
イコ・ムゲンノカナタ:アルバムの曲が入って自分たち6人のオリジナルの曲が増えたので、それをお客さんに見てもらえるのがすごく楽しみです。
シオンエピック:私は一公演一公演、味わいながらやりたいと思います。
クレナイ・ワールズエンド:『NEVER MiND』は、いろんな楽曲があって幅広いので、いろんなお客さんの心に刺さるように、もっともっとお客さん増やせるように頑張りたいなと思います。
ヒューガー:『NEVER MiND』は私たちの1年がほぼ詰まったようなアルバムで、それを引っ提げるツアーになります。このアルバムの曲を聴いて頑張れるとか、ライブでこの曲を聴いて明日から頑張ろうとか、もうちょっと踏ん張ろうとか思ってくれたらすごい嬉しいなって思っています。たくさんの人と会って、一緒に時間を過ごしたいです。
トギー:このツアーは前回のツアーから半年くらい経ったツアーなので、さすがに半年も経ったら成長してるだろうって思われると思うし、すごくいいアルバムができたので、どうやってよりよく伝えていくかをよくよく考えて、準備して、ツアーに挑みたいなと思っています。そして、1回来てくれた人に、毎回行かないといけないなって思ってもらえるぐらいのライブをしたいと思っているので、最後まで頑張りたいと思います。
──最後に、アルバムやツアーを楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをお願いします。
トギー:TOWER RECORDS MUSICとdヒッツでは、オープニングとエンディングに私たちが喋っている音声とアルバム『NEVER MiND』を一緒に楽しんでいただけるプレイリストが公開されます。それを聴いて、一日を終えてもらえるといいかなと思います。私たちが喋っている言葉とアルバムを聴いて寝るのが一番幸せな寝方だと思うので、ぜひTOWER RECORDS MUSICとdヒッツで聴いてください。寝る前にトギ―と聴いてから寝ることを約束してください。…約束してくれたかな?(笑)
ヒューガー:あと、CDパッケージも見ながら、枕元に置いて寝ていただくと、夢に出てくるかもしれません(笑)。
イコ・ムゲンノカナタ:ツアーではアルバムの曲もたくさん披露するし、来てくれた人と一緒に曲を育てていきたいと思います。この曲たちでたくさん盛り上がっていただきたいので、ぜひ遊びに来てください。
文:大窪由香
写真:平野哲郎
▼TOWER RECORDS MUSIC・dヒッツ限定!アルバム『NEVER MiND』とBiSの音声が聴ける「録りおろしトーク付きBiSスペシャルプレイリスト」はこちらから
TOWER RECORDS MUSIC:
「「NEVER MiND」収録曲でレコーディングが大変だった曲 by BiS」
dヒッツ:
「自分が主人公のアニメが放送されたらEDにしたい曲 by BiS」
▼TOWER RECORDS MUSIC限定!「シチュエーション別 BiSおすすめ曲」プレイリストはこちらから
https://music.tower.jp/special/00014
▼ワンマンツアー BiS LIVE TOUR 2024 “We Gotta Go BiS TOUR”
■2024年5月05日(日) Spotify O-Crest 16:00/17:00
■2024年5月12日(日) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3 16:00/17:00
■2024年5月14日(火) 代官山UNIT 16:00/17:00
■2024年5月19日(日) 水戸ライトハウス 16:00/17:00
■2024年5月25日(土) F.A.D YOKOHAMA 16:00/17:00
■2024年5月26日(日) 千葉LOOK 16:00/17:00
■2024年5月31日(金) Spotify O-Crest 16:00/17:00
■2024年6月01日(土) HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2 16:00/17:00
■2024年6月08日(土) 前橋DYVER 16:00/17:00
■2024年6月09日(日) 代官山UNIT 16:00/17:00
▼『NEVER MiND』リリースイベント
■2024年2月25日(日)13:30~タワーレコード渋谷B1F CUTUP STUDIO
■2024年2月26日(月)19:00~HMV&BOOKS SHIBUYA 5Fイベントスペース
■2024年2月27日(火)18:30~タワーレコード川崎店
■2024年2月28日(水)19:30~タワーレコード渋谷B1F CUTUP STUDIO
■2024年2月29日(木)19:00~タワーレコード錦糸町パルコ店
■2024年3月2日(土) ①14:00~ ②17:30~タワーレコード新宿店
▼関連インタビュー
注目アイドル・BiSが新曲をメンバー全員のソロ歌唱で販売!超レアなアイテムと制作時のエピソードを語る!
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BiS
英語で “Brand-new idol Society”の略/日本語で“新生アイドル研究会”。
2010年にグループ結成し、全裸PVを始めとする破天荒なプロモーションで世間を賑やかす。
目標の“日本武道館”ワンマンを諸事情により断念し、2014年に横浜アリーナで解散。
その後、再結成をするも2019年5月11日にマイナビBLITZ赤坂ライブにて2度目の解散。
第3期BiSオーディションを実施し、応募総数2,000名を超える中、音楽活動経験がない“素人”だけで構成された第3期BiSの活動がスタート。活動開始半年間で、“モザイクMV”、“200km駅伝”、“24時間ライブ”等、BiS伝統の過激な企画を経験しながらフルアルバム2枚/シングル1枚をリリースし、音楽業界に大きなインパクトを与える。
コロナ禍でも、ゲリラでの新曲発売や同楽曲を101回連続でパフォーマンスするドキュメンタルMVを公開するなど、泥臭くもエモーショナルな活動を展開し、勢いは加速し続けている。“日本武道館”という夢の続きは、第3期BiSに託される。