人気声優の近藤孝行と小野大輔によるテクノロジック・ヴォーカルユニット、TRD(トラッド)が6月16日(水)に全5曲入りのデビュー1stミニアルバム『TRAD』をリリース。

以前から2人での活動も行っていたが、新たなスタートを切った2人に今回、インタビューを行った。彼らの音楽ルーツ、楽曲制作の際に感じたことや楽曲への想い、そして再始動に対する想いなど、たっぷり語ってもらった。

彼らの新たな決意と熱量を感じるインタビューになっているので、是非ミニアルバムと合わせて彼らの想いを感じてほしい。

 

一筋の光が射したような感じでした

 

──TRDのお二人は、どんな音楽に影響を受けてきたのでしょうか?

 

近藤孝行:今まで何を聴いてきたんだろうと思って、まさに今、レコチョクさんのサイトを見てたところなんですけど、ヒップホップとシティポップが多いですね。ヒップホップやラップを好きになったのはKREVAさんがきっかけで、洋楽だとエミネムさんとかを聴いてます。青春時代はTM NETWORKさんをずっと聴いてました。テクノが好きなのは、その影響かな。昔聴いていたものって、今聴いてもやっぱりいいですよね。

 

小野大輔:僕も最近、自分のスマホにどんな音楽が入っているのか振り返ったところなんですけど、僕はど真ん中のJ-POPを聴いてきたんだなと改めて思いました。CHAGE and ASKAさんとか、福山雅治さんとか。青春時代はもう、ビーイング系のアーティストさんが多かったですね。B’zさんとかWANDSさんとかZARDさんとか。あと、TUBEさんも実はビーイング系だったことに最近気づいて。車の中でよく聴いたりしています。音楽活動をする上で、ベースになってる部分はやっぱりJ-POPだったんだなと気づきました。

 

──TRDの音楽は最先端のK-POPサウンドを取り入れながらも、まさにお二人が青春時代に通ってこられた90年代のJ-POPやエレクトロサウンドの要素も感じられるなぁと、今作を聴かせていただいて思いました。

 

小野:確かに、僕自身のことで言えばJ-POPの歌謡曲がすごく好きだという土壌がある上でK-POPに触れたから、どっちものいいところを取ったような音楽がやっぱり好きなんですよね。そう考えると、TRDの音楽って、日本の歌謡曲のメロディアスな美しさと、K-POPの先進的で攻撃的なデジタルサウンドの両方をあわせもっているなと思います。

 

──TRD以前もD.A.Tというユニットでお二人で活動されていましたが、そもそもお二人で活動を始められたのはどういう経緯ですか?

 

近藤:30代の頃、よく一緒にコンサートを観に行っていたんですよ。その頃は僕らも若かったので(笑)、「あんなふうに歌ったり踊ったりしてみたいよね」ってラジオでぽろっと言ったのがきっかけだったかな。

 

──そのD.A.Tの解散を経て、また一緒にやろうということになったきっかけは何だったんですか?

 

小野:シンプルですけど、ポニーキャニオンさんから「お二人で新しくやりませんか」というお話をいただきました。純粋に嬉しかったです。CDを出したりライブをやったり、自分たちだけで音楽活動をやるのは難しいことなので。折しもコロナ禍という社会情勢になって、僕らも「役者として何ができるんだろう」とか「声優の仕事もこれからどうなるんだろう」とか、いろいろと不安を感じていて。エンターテインメントは何ができるんだろうって、すごく考えていた時期に今回のお話をいただいたんです。それで、これはやるしかないなと。

 

──音楽業界自体も厳しい状態にありますが、その中で不安はなかったですか?

 

小野:どちらかというと、一筋の光が射したような感じでしたね。自分のソロでの音楽活動もどうしようかなと思っていた時期だったし、そんな中でまた近藤くんと組めるということも嬉しかったし、新しい音楽を生み出せることができるということも、すごく嬉しかったんです。

 

近藤:これからも二人で活動ができるのかなと思っていた矢先にコロナになって。D.A.Tの解散も突然のことだったんですけど、まだやりたいことがあったよなって思ったんです。小野先生はいつもライブの時に「一生、二人でやっていくぜ!」みたいなことを言ってて(笑)。

 

小野:“一生どうでしょう宣言”みたいなやつでしょ?

 

近藤:そうそう。ずっと言ってたのに、案外終わりってさくっとやってくるんだなと(笑)。こういう形でリスタートする機会を与えていただいて、本当にありがたいことだなと感じたんですよ。だから、今までの延長線上というよりは、小野くんと新しく、この年齢になったからこそできる表現ってどんなことなんだろうな、楽しみだなって思っています。

 

──心機一転、TRDをスタートするにあたり、コンセプトや方向性についてお二人でお話されたことはありますか?

 

近藤:まずはポニーキャニオンさんにご提案いただいて、そこに僕らがやりたいことをご提示させていただいて落としどころをつけられたらいいかなと思っていたら、ご提案いただいたものがズバズバとはまっていて。なので、僕らから提示したのは楽曲のキーワードとかテーマぐらいでしたね。

 

小野:そうですね。プロデュースしていただかなくては、僕らはまずスタートが切れなかったわけですから。まず、ポニーキャニオンさんがこのTRDというユニットでどんなことをしたいのかっていうのがあって、僕らはそれを具現化したいなと思っていたんです。アーティスト活動って、誰かの思いを形にするっていうところが役者とも似てると思うんです。しかも、僕らのことをちゃんと理解した上で、もっともっと輝かせてくれるような音楽を用意してくれたんですよね。それが何より嬉しかったですね。

 

近藤:そういう意味で、サウンドプロデューサーの西岡和哉さんの存在も大きいなと思いますね。僕らの好みをインプットされている方なので、その舵取りをしていただいたような気がします。

 

TRD/トラッド デビュー決定!Special Trailer

 

 

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