8月4日に3rd Album『愛と例話』をリリースしたteto。レコチョクのアーティストピックアップ企画・Breakthroughの8月度アーティストに選ばれた彼らにインタビューを行い、音楽ルーツや影響を受けたアーティスト・楽曲制作時に考えていたことなどを中心に、話を聞いた。今回、特別にオリジナルプレイリストも作ってもらったので、作品、プレイリストと合わせてインタビューを最後まで楽しんでほしい。

 

 

好き放題やりました。まだまだやりたりないです

 

──音楽に触れるきっかけや音楽活動を始めたきっかけを教えてください。

 

小池貞利(Vo / Gt):友達4人くらいと上半身裸になって好きな子の名前を叫びながら走った深夜の田んぼ道の匂いや蝉の鳴き声、高校生の頃に初めて行った薄暗いライブハウスでの心臓の鼓動や耳鳴り、人を一途に愛せなかった自責の念だったりと、25歳で初めてギターを買って、コードを覚えるまでの人生の道のり、その全てが音楽を始めるきっかけだと思います。

 

佐藤健一郎(Ba):本当の意味で音楽が好きになったのは高校生の頃で、高校で出会った友達が音楽に詳しく、学校の放課後や休みの日にお互いの家で音楽を聴いて過ごすことが何よりも楽しくて、そこから自然と能動的に音楽を聴くようになっていきました。ただ、「音楽活動をしよう」などは考えたことがありませんでしたね。

田舎から上京し、少し経ってから小池さんと出会いました。5年ほど前、当時ふたりでよく行っていた居酒屋で「ベースやらない?」と小池さんに言われ、なんだか面白そうで、すぐに返事をしました。そこから始めた、人生で初めてのバンドがtetoで、現在に至ります。

 

──お二人の中で「人生の中で影響を受けた1曲」がありましたら教えてください。

 

小池:影響を受けたものばかりですが、その中でもストーリーがある1曲を選ぶとしたら今の気分としてはThe Libertinesの「Time for Heroes」かもしれません。

雑なのに繊細で、輝いているのに濁っている曲で、半端者の自分みたいだなって思ったからです。

 

佐藤:これも当時の友達の影響なのですが、HAIIRO DE ROSSIの『TRUE BLUES」というアルバムを高校生の頃に夢中で聴いていました。中でも「KAIROS (feat. Rainy Channel Posse)」という曲が好きで、この曲をきっかけに自分の音楽の聴き方が随分と変わりました。気になるアーティストは所属レーベルや影響を受けたカルチャーなど諸々を掘っていくようになって、そこからまた新しい音楽を知って、また掘って…。音楽をより好きになれた1曲です。

歌詞やメロディ、バックトラックの鳴り方など音楽を構成する成分一つ一つに注目できるようになれましたし、そういった経験の積み重ねが今でも地味に活きている…気がしています (笑) 。

 

──レコチョクのアーティストピックアップ企画・Breakthroughの8月度アーティストにピックアップされましたが、今のお気持ちをお聞かせ下さい。

 

小池:tetoはただのDIYバンドです。(バンドは本来全てがそうあるべきですが)。たぶん周りの方が思っている以上に少数精鋭でやっています。まだ出逢えていない、tetoを求めているであろう人々の元へ届けるのは僕らだけでは難しかったりします。

なので、そういったきっかけ作りやサポートをして下さるのは頼りになりますし、励みになります。ありがとうございます。

 

──3rd Album『愛と例話』が8月4日(水)にリリースされました。かなりバラエティに富んだ楽曲たちが集まっていますが、改めて、どんなアルバムになりましたでしょうか?

 

小池:好き放題やりました。まだまだやりたりないです。一服して2回戦にいきます。

 

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3rd Album『愛と例話』ジャケット写真

 

──アルバムタイトルの由来や名付けた理由を教えてください。

 

小池:ロックミュージックは、人を傷つけてしまう自分自身の弱さやそれを上回る深い愛情、本来は誰ともいがみ合いたくないという切実な気持ちがあって初めて成立すると思います。このタイミングで愛と平和や令和について、実話や例話を歌うのはバンドにとって必然であり必要不可欠だと感じたからです。

 

──本作の制作秘話や裏話などがありましたら教えてください。

 

小池:音のデザイン、フレーズ、リズム、歴史やその他隅々までこだわりました。聴いて頂けたらわかると思います。

 

──3rd Album『愛と例話』の中で、tetoを既に知っている/好きな人にオススメの一曲を選ぶとしたらどの曲を選ばれますか?

 

小池:もちろん全てですが、中でも「とめられない」という曲は1人の人間が爆発していると思います。

 

──それでは3rd Album『愛と例話』の中で、tetoにまだ出会っていない人にオススメの一曲を選ぶとしたらどの曲を選ばれますか?

 

小池:もちろん全てですが、中でも「メアリー、無理しないで」という曲は全人類に伝えたい曲です。

 

──作詞・作曲の際に意識されていることがありましたら教えてください。

 

小池:つまらなくならないように、悪い意味でくだらなくならないように。

 

──アルバム制作時に聴いていた楽曲、もしくは影響を受けた楽曲がありましたら教えて下さい。

 

小池:ビースティ・ボーイズと2010年代のオルタナティブですかね。あとはアニソンとか。

 

──制作される際にインスピレーションを受けることや、インプットをしていることがありましたら教えてください。

 

小池:心から信頼出来る人と会話をすること。

 

──印象に残るフレーズが多いと感じますが、言葉選びはどのようにしてされるのでしょうか?

 

小池:伝えたいが先行しないように。あくまでも音楽として気持ちよく。

 

──アルバム収録曲「メアリー、無理しないで」のMV撮影時の裏話、エピソード等がありましたら教えてください。

 

小池:脳内アドレナリンを出しすぎて、後輩から借りていたギターを壊してしまいました。時間をかけて返済中です。

 

♪teto – メアリー、無理しないで(MV)

 

 

──teto 47 都道府県ツアー 「日ノ出行脚」も決定していますね。中断されていたライブとのことですが、本ライブに込める意気込みを教えてください。

 

小池:目ん玉ぶち抜きます。

 

佐藤:昨年、自分たちのツアーが中止になり、当たり前のようにライブができていた日々もなくなりました。急なことで少々戸惑いましたが、自宅に長く居ることに慣れてきた頃には、普段できないことに余計に時間が割けて「ちょっといいな…?」くらいに思っていましたが、どこか満たされない気持ちはずっとありました。こうしていよいよツアーが再開できることは、楽しみな旅行の前みたいにどこかわくわくしながら、いろいろと準備がしたくなるし、自分はライブをすることがけっこう好きなんだな~と最近気づきました。ライブに来る人は全力で満たしたいし、自分もしっかり満たされるよう、精一杯やりたいですね~!

 

──私は最新の「メアリー、無理しないで」と「9月になること」が大好きなのですが、過去の作品も含めて、tetoさんの楽曲を聴いたことがない方に1曲おすすめするとしたら、どの楽曲をおすすめしますか?その理由も教えてください。

 

小池:基本的にはその人の好きなように聴いてもらえれば大満足ですし、お任せしますが、もし「拝啓」を聴いてピンと来ないのであれば、その人とは一生交わることがないだろうなと思います。

 

♪teto – 拝啓(MV)

 

 

佐藤:私もその2曲、好きですね (笑)。私が1曲おすすめするとすれば、「高層ビルと人工衛星」が最初に浮かびますね。teto結成と同時にあった曲で、この曲の存在は今の自分の哲学に大きく関わっています。ただ、最新の自分たちを知ってもらいたい気持ちはいつもあるので、結局のところ今作『愛と例話』に収録されている10曲をおすすめします(笑)。アルバムから1曲しか選べないとすれば、私は「invisible」を選びますね。

 

♪高層ビルと人工衛星

 

 

──お二人のパーソナルな部分についても教えてください。お二人の中でそれぞれ、「意外と●●なんです」という部分はありますか?

 

小池:自分は女々しいなと思うことがたくさんあり、自覚しているのですが、周りからは意外だねと言われます。男らしくありたいというのは女々しさの裏返しなんですけどね。

 

佐藤:ごはんをたくさん食べます。ごはんを余計に食べるために早起きしています。お米は日に3合食べることはザラにありましたが、最近それを心配した奥さんにより、我が家の主食は玄米になりました。白米より玄米の方がまだ体にいいのではないかという心遣いのようです。玄米は一度にたくさん炊けないので、食べる量が減りました。なんだか体調が良いです。

 

──今回、オリジナルプレイリストを作成頂きました。プレイリスト名、楽曲のセレクト理由を教えて下さい。

 

佐藤:私の場合スマートフォンで聴く音楽と、自宅で聴くCDの音楽ジャンルが何故か大分違うことに最近気がつきました。そこに良し悪しは特にないのですが、せっかくなのでそれぞれをセレクトしてまとめてみました。すると、個人的に意外とちょうどいいプレイリストができました。なので、プレイリストのタイトルは「意外とちょうどいいプレイリスト」です。

 

──今後、歌ってみたい楽曲のイメージがありましたらお聞かせください。

 

小池:晴れの日に似合う曲。あまり作ったことがないと思うので。

 

──今後、ファンの方とやってみたいことがありましたら教えてください。

 

小池:缶蹴り。逆に。

 

──ありがとうございました。最後に、応援してくれる方へのメッセージをお願いします。

 

小池:任せて下さい。

 

文:レコログ編集部

 

▼3rd Album『愛と例話』はこちらから

レコチョク:https://recochoku.jp/album/A2002260739/album

dヒッツ:https://dhits.docomo.ne.jp/artist/2001662045

 

▼teto 佐藤健一郎(Ba)が作ったプレイリスト「意外とちょうどいいプレイリスト」はこちらから

dヒッツ:https://dhits.docomo.ne.jp/program/10022894

  • teto

    teto

    2016年1月、ボーカルギターの小池貞利を中心に山崎陸(Gt)、佐藤健一郎(Ba)らとtetoを結成。
    同年10月、自主音源となるファーストEP「Pain Pain Pain」を発売(現在廃盤)。
    同年12月、福田裕介がドラマーとして正式加入し、現編成となる。

    2017年8月、ファーストミニアルバム「dystopia」を発売。8月度のタワレコメンに選出される。
    同年11月から<teto tour 2017「dystoipia」>を開催。全公演即日完売。

    2018年3月、ファーストシングル「忘れた」を発売。
    同年4月から全国9か所を廻る「teto <60分2,800円ツアー>」を開催。各公演、軒並みSOLD OUTとなる。
    同年7月からバンド初のワンマンツアー「始発」を開催。全公演即日完売。
    夏には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」「RUSH BALL 2018」「BAYCMP 2018」「JOIN AIVE 2018」「MONSTER BASH 2018」等、各地大型野外イベントに多数出演。
    同年9月、ファーストアルバム「手」を発売。
    全22公演のリリースツアーとなる、teto ツアー2018「結んで開いて」は、ファイナルの恵比寿LIQUIDROOMを含め、各地SOLD OUT公演が続出。
    年末には「COUNTDOWN JAPAN 18/19」「RADIO CRAZY 2019」「GT2019」に出演。

    2019年2月から、全国9か所を廻る「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2019」に出演。
    ファイナルのマイナビBLITZ赤坂ではイベントのトリを務める。
    同年4月、セカンドシングル「正義ごっこ」を発売。ワンマンツアーとなる「tetoツアー2019 正義売買 -seigi bye bye-」を開催。ファイナルとなるTSUTAYA O-EAST含め、各地SOLD OUT続出。
    夏には「RUSH BALL 2019」「NUMBER SHOT 2019」「BAYCMP 2019」「WILD BUNCH FEST.2019」「JOIN ALIVE 2019」「SKY JAMBOREE 2019」等、昨年に続き、大型野外イベントに多数出演。
    同 年10 月23 日、ファーストアルバムと同じく15 曲を収録したセカンドアルバム「超現実至上主義宣言」を発売。

    2020 年6 月、通販・ライブ会場限定販売のCD 「4 (for) prologue.」をリリース。
    同年11月、配信限定シングル「夏百物語」をリリース。
    同年12月、配信限定シングル「もしもし?もしもさぁ」をリリース。

    2021年4月、teto LIVE 2021「LIGHT ON EARTH」と銘打ち、日比谷野外大音楽堂となんばHatchで単独公演を開催。
    同年7月に自身初となるアコースティック単独公演、アンプラグド・ライブ「新・ナショナルキッド」を東京キネマ倶楽部にて開催。同公演をもち、約5年間活動を共にした山崎陸(Gt)と福田裕介(Dr)がバンドを脱退。
    同年8月に、1年10か月ぶりとなるサードアルバム「愛と例話」をリリース予定。
    中断していたteto 47都道府県ツアー 「日ノ出行脚」の再開も決定。
    8月28日 名古屋CLUB QUATTROから、9月29日 Zepp Divercityまでの9公演となる。