歌手としての活動を中心にしつつも、自身の活動の幅を広げながら様々なことにチャレンジし続ける宮脇詩音は、2022年7月にアーティスト活動15周年という節目を迎える。それを記念して、6月に初のセルフプロジェクトによるミニアルバムを制作、同時に、WIZYを活用してクラウドファンディングを実施中(https://wizy.jp/project/618/)。そこで今回は、歌への想いや活動を振り返って思うこと、ミニアルバム制作やクラウドファンディングへの想いなどを中心に話を聞いた。プライベートな一面についても含め、様々な話を聞いているので、是非最後まで読んでもらい、彼女の今の想いを感じ、受け取ってほしい。

 

15周年って、今この瞬間しかないので、精一杯自分が届けたい音楽をみなさんと一緒に作らせていただいて、精一杯発信していきたいなと思います

 

──宮脇さんは先日2月28日にお誕生日を迎えられたばかりですが、一つ歳を重ねられての抱負はありますか?

 

基本的にはずっと変わらなくて、いろんなことに挑戦したいです。“トライ・アンド・エラー”という言葉をすごく大事にしていて、何事もチャレンジしてみないと良いも悪いも分からないので、できることは何でもチャレンジしていこうと思っています。

 

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──2022年7月にはデビュー15周年を迎えますが、宮脇さんにとってこの15年はどんな道程でしたか?

 

めちゃくちゃ険しかったですね。まず2007年7月25日に「BOY」でデビューしたんですけど、その売り上げが良くなかったから、次の「Shinin’ Star」をインディーズで1000枚売り切るまで2ndシングルを出せません、という試練があって…。

 

──そんなに早い段階で試練がやってきたんですね。

 

そうなんですよ(笑)。オーディションを受けてからデビューするまでも5年ぐらいかかって、自分の中でも当初は“デビューしたい”がゴールだったんですけど、デビューしてからが本当のスタートで、いろんな壁にぶち当たりました。それから一度レコード会社との契約が切れて、2015年にもう一度出戻りしてリスタートを切らせていただいて。いろいろと試行錯誤しながら活動をしていたんですけど、もう歌をやめようかなと思った瞬間もけっこうあったんです。だけど、自分にとっては歌をやめようかなと思っている時間の方が、先が見えない不安な状態で歌い続けることよりも辛かったんですよね。だから、やっぱり歌を続けたいなと思って、そこからもう一度頑張って。

 

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──“トライ・アンド・エラー”という言葉は、2015年にリスタートをした時の宮脇さんの指針でもありましたね。試練の中、歌い続けることへのモチベーションはどう保っていかれたのですか?

 

やっぱり一番は“歌うことが好き”という純粋な気持ちです。あとは、ライブやイベントがあまり出来ていない状況の中でも、応援してくださる方がいて。「今度いつ大阪に来るの?」とか「今度いつ新曲を出すの?」と声を掛けてくださるので、私の歌を聴いてくれる人がいるのなら歌を届け続けたいなと思ったし、あとはたぶん、ここまできたら正直意地もあると思うんですよ、私の中で(笑)。“詩音”は本名なんですけど、父と母が音楽が好きで、音楽の素晴らしさを知ってほしい、っていう願いを込めてつけてくれた名前ですし、何より家族全員が長崎から東京に引越しをしてまで、アーティストになりたいっていう私の夢をサポートしてくれたんです。つけてもらったこの名前もそうだし、私の声質や歌もいろんな方に褒めていただくんですね。それも全部両親からもらったものだから、やっぱり私には歌しかないなって、歌い続けてよかったって思える人生でありたいなって思っています。だからこの15年間は険しかった分、たくさんの幸せを感じられたこともあったなと思います。

 

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──今こうして笑顔でお話してくださっているのを見ていると、15年間大変だったけれど良い選択をしてこられたのだなと思います。

 

しんどい時もありましたけど、そうですね。今はまたフリーランスになって活動していますが、良い意味で大人になれて、“もっと自由でいいじゃん”って思えるようになったのかもしれないです。若い頃は大人の方たちに意見をもらわないと自分もどうしていいのかわからなかったので、誰かが作ったレールを歩いて、その分期待に応えなきゃいけないと思ったりしていたんですけど、年齢を重ねるごとに“もっと自分の好きなようにやったらいいじゃん、ダメならダメでいいじゃん”みたいな、良い意味での能天気さを身につけたかもしれないです。

 

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──ただ、自由であるためには、それまでとはまた違う責任感だったり、決断力が必要だったりしますよね。

 

それはめちゃくちゃありますね。これまではスタッフさんが周りにいてくれて、ライブをするにもCDをリリースするにもいろいろとサポートして下さっていたんですけど、一人になった時に、何からどう手をつけたらいいのかもわからなくて。お恥ずかしい話なんですけど、仕事のメールの仕方すらわからなくて、ビジネスメールの送り方を検索したり…。フリーランスになって初めて買ったのは“請求書在中”の印鑑ですからね(笑)。そうやってフリーで走り出した途端、すぐにコロナ禍になってしまって、イベントやいろんなことがストップしてしまったんですけど、やっぱり歌を届けたいという想いでライブ配信を始めさせていただきました。ライブ配信をやっていると、「いつ新曲が聴けるの?」とか「いつライブするの?」とか、ファンの方からすごくリアルな声をいただくんですよ。いろんなことをやって頑張って進んできているけど、私の中で一番モヤモヤしている“歌を届けたい”という想いがあったので、今回WIZYさんも活用させていただいて、ファンの方と一緒にミニアルバムを作ろうと思いました。

 

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──CDとしては久しぶりのリリースとなりますが、今作の制作にあたって何かコンセプトはありますか?

 

今回は15周年というのもあって、気持ちも原点に戻って、私が本当に歌いたい歌、届けたい音楽を作らせていただこうかなと思っています。私は王道のバラードやJ-POPがすごく好きなんです。今までいろんな楽曲を歌わせていただいた中で、一番私らしい、宮脇詩音らしいものはこれだろうなって思える楽曲を今作ってもらっています。もちろんバラードだけじゃなくて、ちょっと爽やかなエモい感じの曲も入れたり、ミニアルバムでもしっかりと聴き応えのある楽曲たちを作っていきたいなと思っています。

 

──ちなみに今、制作はどのくらい進んでいますか?

 

ゆっくりゆっくり進んでいて、じっくりとこだわって作っています。今、試行錯誤しながら二曲目に取り掛かっています。やっぱり歌詞ってめちゃくちゃ大事だと思っていて、納得いってない部分があれば、しっくりくるまでそこだけに一週間ぐらい時間をかけたりします。言葉の意味だったり、伝えたいことがちゃんと伝わるかどうか、そういうことを重点的に考えながら書いています。やっぱり15周年だから妥協はしたくないですからね。だけど、ちゃんとリリース日には間に合わせますよ、安心してください(笑)。

 

──そのミニアルバムをもとにWIZYでプロジェクトがスタートしました(https://wizy.jp/project/618/)。今回のプランを作るにあたって、どんなことを考えましたか?

 

一番は15周年にあたって、自分の音楽を届けたいという想いが強いので、CDはもちろん、リアルイベントを入れさせていただいたり、いつも応援してくださっているみなさまに、どうやったら喜んでいただけるのかなっていうことをすごく考えて作らせていただきました。今まで2ショット撮影とか、トークとかもやったことがないし、手作りでTシャツを作ったこともないし、私物をプレゼントしたこともないと思うんですよ。今回、楽曲制作で使用したミニキーボードをプランの一部に出すんですが、この15年を一緒に歩んできた、すごく思い出のあるものなので、正直出すかどうかめちゃくちゃ迷いました(笑)。

 

──初めての試みが詰まったプランになっているんですね。

 

はい。このクラウドファンディングは自分にとっても本当に大きなチャレンジで。やるかやらないかということから、めちゃくちゃ悩んだんですよ。だけど今の自分の力だけじゃ、自分が届けたい音楽を届けることができないし、アルバム制作にしてもライブを開催するにしても、今の自分の力じゃ実現できないことがたくさんあって。15周年を迎えるにあたって、応援してくださる方たちと一緒に物作りができたらいいな、と思って実施することにしました。

 

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──プロジェクトが達成したらミュージックビデオの制作が行なわれるとのことですが、ミュージックビデオのイメージはできていたりしますか?

 

まだ完成していないんですけど、曲のイメージで言うと、儚さもあり、でも前に進む力強さもあり、ちょっと壮大な感じの曲にしたいなと思っています。ミュージックビデオを作れるかどうかはみなさまの手にかかっているところもあるので、よろしくお願いします!(笑) こういったプロジェクトは、たぶん人生で最初で最後だと思っているんですよ。…もしかすると今後もあるかもしれないですけどね(笑)。でも、それぐらいの想いを込めてプランを考えさせていただいたので、ぜひ応援していただけたらなと思います。

 

──宮脇さんのプライベートな一面についても教えてください。ファンのみなさんが知らない“意外な一面”はありますか?

 

最近ライブ配信でコミュニケーションを取っているので、みなさんなんとなく気がついているかもしれないですけど、私はめちゃくちゃ寂しがり屋です。その寂しがり屋度合いが……ちょっと引かれるかもしれないですけど、親友とかに対して、ちょっとでも時間があったら電話を繋いでいてほしいんですよ。

 

──それはどういうことですか?

 

たとえば、仕事に行く途中の電車を待っている時間とか、乗り換えの間とか、駅から目的地に歩いている時間とか、その度に電話をかけるんですよ(笑)。別に話すことが何もなくても、人と繋がっている安心感がほしい。私、一人でカフェに行っても、ご飯食べ終わったりするとすぐに出ちゃうんですよ。…カフェってみんな一人で何をするんですか?

 

──本を読んだり、ぼーっとしたり…(笑)。

 

その、ぼーっとができなくて…。基本一人は嫌です。相当の寂しがり屋ですよね(笑)。だけど、いつか一人旅をしてみたいなっていう気持ちはあります。挑戦です。

 

──でも、旅先から電話はしちゃいそうですね(笑)。

 

しちゃうかもしれないですね(笑)。私はけっこうアウトプットすることが多いので、インプットすることもめちゃくちゃ大事だと思うんです。インプットしないと歌詞のインスピレーションも出てこないし。自分の中身がカスカスの状態で歌詞を書きたくないので、たくさんのインプットをしたくて、一人旅がしてみたい…。…と言いながら、やっぱり一人は無理かもって思ってきました(笑)。

 

──インプットするためなら、お友達と一緒の旅行でもいいのでは?

 

確かに!友達と行きます(笑)。

 

──即答しましたね(笑)。では、最近ハマっていること、気になっているものはありますか?

 

今、毎月長崎の釣り番組「釣り聖地化TV」に出させていただいていて。それまで釣竿を持ったことも、海の上で釣りをしたこともなかったんですよ。だけど、毎月やらせていただいていると、めちゃくちゃ楽しくて。キャッチアンドイートで食べたりもするんですけど、とにかく今は魚釣りが楽しいです。ただ、プライベートでは一回しか行ったことがないので、またプライベートで行ってみたいなと思います。

 

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──長崎ではどんな魚が釣れるんですか?

 

いろいろ釣れますよ。ブリも釣れるし、高級魚のクエも釣れるし、タイも釣れるし。この間はヒラメも釣れました。現段階での最高記録は90センチのブリです。だけど、よく船に乗せてもらっている船長さんいわく、10キロを超えないとブリとは言わないらしいです。厳しいんですよ(笑)。長崎では本当に毎回いろいろと釣れます。関東だとここまでたくさん釣れないし、いろんな魚種も釣れないし、贅沢だねっていろんな方に言われます。長崎は釣りの聖地ですよ。

 

──クラウドファンディングも釣りもそうですけど、本当にいろんな挑戦をされてきていますが、さらにこれからやってみたいことはありますか?

 

いつも挑戦しているから、他にと言われるとすぐには思い付かないですが…、やっぱり音楽を届け続けるということは自分の中で一番重要なポイントではあるので、リリースした後は生の歌を届けられるように動いていきたいなと思っています。あとは、一人旅ですね(笑)。

 

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──ありがとうございます。最後に応援してくださるみなさんにメッセージをお願いします。

 

この約2年間、アーティスト活動がなかなかうまくいかない中で、応援してくださっているみなさんが楽しみに待っていただいたことは、私の中ですごく力になりました。15周年って、今この瞬間しかないので、精一杯自分が届けたい音楽をみなさんと一緒に作らせていただいて、精一杯発信していきたいなと思います。これからもぜひ応援していただけると嬉しいです。

 

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文:大窪由香

写真:平野哲郎

 

 

▼「宮脇詩音 デビュー15周年を記念した初のセルフプロジェクトによるミニアルバム制作」プロジェクトはこちらから

2022年3月31日(木)23:59まで。

https://wizy.jp/project/618/

  • 宮脇詩音

    宮脇詩音

    12歳で参加した「エイベックスオーディション2002」で優秀者として選出されたのを機に、故郷の長崎から上京。
    約4年間に及ぶ長期レッスン期間を経て2007年7月25日にシングル「BOY」でデビュー。
    デビュー9年目の2015年には気持ち新たにリスタートを切ることを決め、約2年の制作期間をかけ
    14曲の新曲を収録したアルバム「GIRL」をリリース。
    アルバムの発売前にタワーレコード全店を巡り、自らの手で来店者にフライヤーを配布するなどのプロモーション活動を行う。
    2015年12月には「ハウステンボス」のクリスマスCMソング「最後のやさしさ」を収録した両A面シングルをリリース。
    この「ハウステンボス」クリスマスCMでは自身もタレントとしてCM出演を果たす。
    2016年にはテレビアニメ「暗殺教室」のエンディングテーマを担当したことに機に更に人気を上げ、その後、7月に当時の人気アプリ「SNOW」とコラボレーションを行い、アーティスト史上初となるSNOWアプリのスタンプのデザインも手掛ける。
    そのコラボレーションを記念して制作した新曲「#どこでもシェア〜girlyparty〜」のMusic Videoでは世界初となるSNOWのアプリ動画だけで制作されたことで話題となった。
    まさに飛躍の年となった2016年を締めくくるべく、12月にセカンドフルアルバム「SHARE THE HAPPY」をリリース。
    2017年、自身がファションアンバサダーを務めるシューズブランド「AcureZ」と組み、オリジナルモデルのパンプスのデザインを手掛ける。
    2018年、Every Little Thingの伊藤一朗との企画ユニット「はじめあきらとつくもちゃん」として活動開始。1年間で30会場以上のショッピングセンターでイベントを開催。
    2019年10月よりフリーランスとしての活動をはじめ、同年の11月にはAbemaTV「こじらせ森の美女」に出演し注目を浴びる。
    2020年からは、生のライブだけではなく、より多くの人に自身の歌声を届けたいという思いから、生配信アプリ「Pococha」を活用したオンライン上でのライブも開始させている。