LIVE NATIONの日本支部が主催する、世界に通用するアーティストを発掘し育成するための『世界へ~LIVE NATION×Eggsオーディション』が11月5日(火)迄エントリーを受け付けている。

今回、インディーズおよび新人アーティストの音楽活動支援プロジェクト「Eggs」が応募受付プラットフォームを提供、LIVE NATIONの日本支部とEggsにて選考を行い、最優秀者を決定。最優秀アーティストは来年3月にフランスで開催されるLIVE NATION主催のスペシャル・ショーケース・ライブへの出演権が贈られるほか、Eggsレーベルからの全世界へ楽曲配信、ライブイベントへの出演もプライズとして用意されている。

これまでさまざまなアーティストの世界進出を手掛け、現在はBAND-MAIDのワールドツアーをバックアップするなど、数多くの実績を残してきたLIVE NATION。そこで常に先頭に立ち指揮をとってきた竹下フランク氏(現在は、LIVE NATION本社・日本アーティスト開発 社長)に、今回のオーディションに期待することなど語っていただいた。

 

LIVE NATION×Eggs

 

 

まっさらな原石のような方もいれば、かなり完成度の高いデモを送ってくださる方もいてとても楽しいです(笑)

 

 

──まずは、『世界へ~LIVE NATION × Eggsオーディション』開催の経緯についてお話しいただけますか?

 

LIVE NATIONはロンドンに本社(アメリカ、カナダ、南アメリカ地域以外)を置く、コンサートやアーティストのマネージメントなどを手がける世界的なイベント・プロモーター会社です。グループ内にはチケット会社Ticketmaster.comもあり、年間30,000以上ものコンサートをグローバルで展開し、また、世界中で350以上のアーティストのマネージメントを手がけています。

LIVE NATION JAPANでは、これまで洋楽アーティストの来日公演を取り扱ってきました。しかし日本人アーティストによる音楽市場が全体の90パーセント以上を占めている、現在の日本のマーケットを踏まえると、LIVE NATIONの活動を日本において“本当の意味で”浸透させるためには、さらに邦楽市場に入り込まないとビジネスとしては成立しないのではないかという思いがずっとありました。

 

LIVE NATION×Eggs 竹下フランク氏

 

──つまり今回のオーディションのグランプリは、LIVE NATIONの日本人の所属アーティストとしてマネージメントなど全面バックアップする体制を作るのが目的というわけですか?

 

はい。コンサートを成功させるためには、何よりもまずチケットを売らなければなりません。すでにブレイクしているアーティストと専属契約を結べればよいのですが、私たちもそこまで実績が伴っている状況ではありません。そこで、まずは自分たちで新人アーティストを発掘し育成していくということが、遠回りのようですが、最も効果的な方法ではないかと考えました。そこでLIVE NATION JAPANの代表を1年以上前に降りており、日本での邦楽ビジネスを開拓するために、本社から直接雇用されて今回のプロジェクトを行なっています。

 

──なるほど。今回のオーディションをEggsと組んだのはどのような理由からでしょうか?

 

実をいうとLIVE NATIONは、過去に一度オーディションを行なったことがありました。それをうまく次につなげることが、なかなか出来なかったというのが正直なところでして……。そこで、今回、オーディションに対するしっかりとしたノウハウや、プラットフォームをお持ちであるEggsさんにご相談させていただき、合同開催で実施することになりました。

エントリーを開始して10日間程度ですでに応募者が200組以上という夢のような事実も、それを実現させたのも、Eggsさんのお力だと思っています。それに、「Eggs」と銘打っているだけあり、まっさらな原石のような方もいれば、かなり完成度の高いデモを送ってくださる方もいてとても楽しいです(笑)。

 

──オーディションに優勝した後、LIVE NATIONによるバックアップはアーティストにとってどのようなメリットあると考えていらっしゃいますか?

 

今は世界中ではストリーミングやサブスクリプションが主流となっていますが、日本のマーケットではまだまだCDの力が強いです。なのでゴールとして「レコード会社とのメジャー契約」を実現させたいところですが、そこへ向かうには様々な方法があると認識しております。先に海外展開をするという考えもあるかもしれません。今回、オーディションではEggsさんのお力をお借りしたように、今後の展開に関してもLIVE NATIONが持つ様々なコネクションを駆使しながら、アーティストにとって最も相応しいバックアップの仕方を考えていきたいと思っています。

 

 

 

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