(写真左から:SHIN、LIN、YOU-TA、KAƵUKI、YUKI)
TVアニメ『盾の勇者の成り上がり Season 2』のオープニングテーマ「Bring Back」を5月18日(水)にリリースする5人組ダンスボーカルグループ・MADKID。過去にも本作のオープニングテーマを務めたことがある彼らが自信をもって放つ新曲は、既に公開されているMVでのパフォーマンスや楽曲のクオリティーを中心に話題を集めている。
そこで今回、彼らにインタビューを行い、本作に込めた想いや制作時の裏話などを中心に話を聞いた。さらに、意外な一面に迫る質問や、カップリング曲について、今後の活動についての意気込みなど、様々な話を聞いているので、是非最後までチェックしてほしい。
いろんな方にフィットするような幅の広さもあるので、まずは楽曲を聴いてどんどん興味を持ってもらえたら嬉しいなと思います
──5月18日(水)リリースのニューシングル「Bring Back」は、TVアニメ『盾の勇者の成り上がり Season 2』のオープニングテーマとして現在オンエア中です。Season 1のオープニングテーマを飾った「RISE」「FAITH」に続き、今作でも担当することが決まった時、どんなことを思いましたか?
SHIN:率直に嬉しかったのと、プレッシャーというか責任感というか、「RISE」「FAITH」を超える作品にしたいという気持ちが強かったので、頑張ろうって思いました。
LIN:最初に沸き上がった感情は嬉しい、だったんですが、せっかくこういう機会をもらえたので、あとはもうやるだけだなと思っていました。そこからはもう、制作に向けて気持ちを高めていかなきゃいけないなと切り替えました。
YOU-TA:実は、過去にレーベルを一度離れていたり、いろいろな事情があって今回僕たちはこのタイアップは出来ないと当初は思っていました。そこから紆余曲折あってオープニングテーマに決まったので、より強い想いがあったっていうのは事実です。みんな一緒だと思うんですけど、本当に沸々と沸き上がるものがありました。
KAƵUKI:今YOU-TAも言ったんですけど、本当にできないものだと思っていたんで、最初聞いた時は嬉しかったし、めっちゃ泣きました(笑)。それと同時に、前作を超えたいっていう想いが強くなってきましたね。
YUKI:聞いた時は単純に嬉しかったですね。そこから制作だったり、そういうものにフォーカスを変えていきました。
──「Bring Back」はロックファンにもぜひとも聴いていただきたい、ヘヴィーでクールなロックチューンですね。この曲を聴いた時、どんな印象を持たれましたか?
YOU-TA:いろいろと選考して、最終的に残った曲の中から僕たちが選ばせていただいたのですが、僕たちらしさっていうものを1番大切にして楽曲を決める必要があるなと思っていたんですよ。この「Bring Back」が持つ今までにない激しさは、「RISE」「FAITH」を超えたいっていう僕たちの気持ちとシンクロしていたので、満場一致でこの曲に決まりました。
──そのMADKIDらしさとは、どういう部分だと思っていますか?
YOU-TA:ダンスを踊るグループではあるけれど、ロックサウンドを取り入れていて、なおかつLINとYUKIの2人のラップが僕らの特徴的な部分かなとも思うので、それも生かしやすいトラックだなと思いました。
LIN:そうですね、かっこいいトラックだなって思いました。
SHIN:僕も選曲の時にこの曲しかなかったなと思ったし、この曲で挑戦したいっていう気持ちがありました。すごくインパクトのある楽曲だなと思いましたね。
KAƵUKI:最初に聴いた時は、正直“なんだ?この曲は”ってなりましたね。展開がすごかったので。でも、圧倒される感じがあって、前作を超えるにはこの曲がいいのかなと思って。それでコンペも満場一致で決まった気がします。
YUKI:この曲以外にも1曲、個人的にいいなと思った曲があったんですよ。その曲はどちらかというと「RISE」寄りのテンポの曲だったんですけど、他のメンバーの意見を聞く中で、勢いのあるこの曲でもっと挑戦してもいいんじゃないかって話になって。たしかに、展開とか速さとか、全体的に「RISE」を超えるような気がして、最終的にこの曲を選びました。歌詞を作る時はYOU-TAとLINの3人でディスカッションしていくんですが、この曲は特に自分たちの境遇を歌っているような感じがあったので、スムーズにいけました。大半はLINちゃんが書いたんですけど。
LIN:タイアップがあったので、最初に1分30秒の1ハーフ部分を作るために僕が書いて。2番やその後の展開は3人で話し合いながら、単語をもらってはめていったり、ディスカッションしながら作っていった感じです。
──歌詞のテーマや方向性も、まずLINさんが決められたのですか?
LIN:この楽曲に関しては、僕ら全員が同じ共通認識として持っているイメージというのがあって。それを制作の度に提示していったっていう感じです。先程も話に出ていましたけど、もうこの作品のタイアップは出来ないと思っていたし、コロナ禍で活動がうまくできなかったりして、そういった中で失ったものって皆さん大なり小なりあると思うんですけど、それを取り返していくっていうイメージがあったんです。やっぱり僕らの中にフラストレーションがすごく溜まっていたこともあって、そういう想いをダイレクトに歌詞に反映できたんじゃないかなと、完成してから改めて歌詞を見て思いました。
──YOU-TAさんとYUKIさんはいかがですか?
YUKI:LINちゃんが言ったように、基本的にはみんなが同じイメージを持っていたので、それに沿って、ひたすら言葉をはめていった感じですね。
LIN:いつも自分がラップを書いた後、結構乱暴にYUKIにパスを渡すんですけど、今回の楽曲は俺が先に出した韻とかをYUKIが全部引き継ぎながら、咀嚼しながら、考えてやってくれたのがよかったです。2番のラップなんて別々に書いてるんですけど、世界観が繋がってひと塊になってるな、と思ったんです。なんか、前までできなかったことが、できるようになっている感じがして嬉しかったです。
YOU-TA:僕もアイデア出しをして制作に関わっていったんですけど、改めて曲があがってから歌詞を見ながら聴くと、アニメの世界観にぴったりでありながら、自分たち自身の境遇にも合っているなんて、なかなかないと思うんですよね。だから、この曲に感謝したいっていう気持ちが大きいです。
──確かに、このコロナ禍で世界中が同じ思いを経験したからこそ、共感できるところの多い歌詞だなと思います。今回のレコーディングで何かチャレンジしたことはありますか?
KAƵUKI:まずこの曲のキーが、今まで僕たちがやってきた曲の中では結構高いキーで、レコーディング前に「キー設定はどうしようか?」という話になったんです。「安牌でいくなら半音下げだよね」ってなったんですけど、「いや、それだったらこの曲のうま味が出ないよな」ってなって、そのままのキーでやることになりました。サビの頭からトップの音が4連続出てくるんですけど、サビの勢いが出たので、ほんとにこのキーにして良かったなと思います。ただ、レコーディングではやっぱりそこに苦戦しました。この曲、実は2回録り直したんですよ。今までのMADKIDのレコーディングで、1度完成させたものを録り直すというのは初めてのことで。それぐらい僕らの中で大切な曲なので、みんなが納得いくまで試行錯誤してレコーディングしました。
LIN:その録り直したっていうのは、1回目に録ったのがすごく前だったんで、今やったらもうちょっとできるだろうっていうこともあって録り直したんです。なので、パッケージが出来上がって世の中に出るまでの期間が、今までで一番長い曲かもしれない。そういうこともあって、今までにない感じで自分も出来上がったものを聴いているので、より面白いんだと思います。レコーディングは結構この曲に対する思い入れが強かったこともあって、楽しかったです。
SHIN:僕はサビの最後の部分を全部歌っているんですけど、その次に歌う人にしっかり繋げることや、その次のメロディにしっかり繋げるという意識を持って歌いました。
YOU-TA:僕はやりたいことは全部できたかなと思っていて。KAƵUKIも言ってましたけど、「RISE」や「FAITH」より、この曲は半音高いんですよね。なので、ボーカル陣もそれぞれいろんな課題があったんですけど、2度目のレコーディングで最終的にはそれもクリアできて、良い作品が出来たんじゃないかなって思います。
YUKI:ラップは速い部分もあったんですけど、特に構えることなくできたかなと思います。あとは、さっき言ったように歌詞の書き方だったり、ラップのフロウだったり、制作の段階である程度いろんな意見を出して作れるようになったので、それが1番でかいかな、と思います。
──先月MVも公開されましたが、どんな仕上がりになりましたか?
YOU-TA:今までにない洗練されたMVになっているなという印象を受けました。あと、今まで以上に僕らのダンスやパフォーマンスにフォーカスが当たっているので、ぜひ皆さんに見てほしいです。
♪MADKID / Bring Back
──撮影現場で大変だったことや、印象に残った出来事はありましたか?
SHIN:今回は初めて廃墟じゃなく、スタジオで撮影したんです。セットもすごかったし、自分たちが想像してる以上の仕上がりになったので、見ていて感動しました。あとは寒くなかった(笑)。今までは結構寒い時に撮影することが多かったので、今回はあったかいなと思って。
──ソロショットの時のバックの色は、メンバーカラーというわけではないですよね?
KAƵUKI: そうですね。僕は赤の背景で、今まで自分が赤を合わせることがあまりないキャラだったんですが、それによって金髪が映えたかなと思っています。
──2曲目の「Critical Point」は、ギターサウンドの効いた、シンプルなようで展開が面白いナンバーに仕上がっていますね。
YOU-TA:この曲はすごい前衛的というか、結構攻めている感じのイメージで、完全に僕好みの曲でした。たぶんライブのセットリストを決める時に、必ず入ってくる曲だなと思っています。
YUKI:この曲は1stアルバムに入っている「Never going back」という曲があって、その曲をイメージしてテンポも寄せた形で作られた曲なんです。「Never going back」もラップが多い曲なんですけど、それを超えるイメージで制作したので、僕らの成長を感じていただける曲になったなと思いました。
♪MADKID / Never going back
──そして6月4日(土)に新宿ReNYでワンマンライブが開催されます。どんなライブにしたいと思っていますか? 意気込みなどを聞かせてください。
YOU-TA:TVアニメ『盾の勇者の成り上がり Season 2』が始まってから最初の大きなライブになるんですけど、5月18日に発売されるシングルに昼公演の無料チケットが封入されていて、CDを買ってくださった方はワンマンライブ当日に開催する僕たちの無料ライブを観ていただくことができるんです。僕たちはやっぱり生のライブ感が魅力なので、アニメで知ってくださった方にもそれを知ってほしいなっていう気持ちが強くて。アニメファンの方にも喜んでもらえるような演出も考えているので、ぜひ来てほしいなと思います。
YUKI:僕たちの魅力の一つにライブというものがあって、この7、8年ずっと100%出し切る高い意識をもってやってきています。コロナの期間を経て、ライブ離れという言葉が広まってたりしますが、これを機に少しでも音楽の力を取り戻せるような、そういうライブができたらいいなと思っています。
LIN:いろいろ楽曲も出したんですが、まだ大きい会場でやれていない曲もあるので、僕もシンプルに楽しみです。来てくれるお客さんにも楽しんでもらいたいなと思います。
SHIN:ワンマンライブは、今もそれまでも応援してくれているファンの人たちに感謝をする場所でもあるので、ファンの人たちに幸せだなと思ってもらえたり、嫌なことを忘れさせるくらい楽しませなきゃいけないなと思ってるので、しっかりと皆さんの記憶に残るワンマンライブができるように、頑張っていきたいと思います。
KAƵUKI:アニメがきっかけで僕たちのことを知ってくれた人たちにもライブに来てもらえたら嬉しいですね。で、そのワンマンから2カ月後に「Animelo Summer Live 2022 -Sparkle-」の出演が決まっているので、そこに向けてさらに僕たちも加速していけるように、まずはワンマンライブが成功できるように頑張りたいです。
──「Animelo Summer Live 2022 -Sparkle-」出演は、MADKIDの2022年の目標でしたね。出演が決定した時はどんな気持ちでしたか?
YOU-TA:僕がスタッフの方から手紙をいただいて、それをみんなの前で読んで出演決定を知るっていう形だったんですけど「今年は無理だから」って聞いていたんですよ。来年に向けてまた頑張っていこうっていう中でのサプライズ的な発表だったんで、すごく嬉しかったです。僕たちらしく暴れるべきだなと思っています。
──ファンクラブも新たに立ち上げられたばかりということですが、そこでは他とは違うコアなこともできそうですね。
KAƵUKI:そうですね。久々のファンクラブなので、いつも応援してくれている皆さんに僕たちの魅力を見せられたらいいなと思います。もっともっと好きになってもらいたいという気持ちで、いろいろとやっていきたいと思います。
YOU-TA:僕たちはすごく怖いイメージを持たれがちなんですけど、実際はただの純粋な5人の少年みたいな感じなので、僕らのパーソナルな部分を見せられる場所になればいいなと思います。
──皆さん、怖い印象を持たれているんですか?
YOU-TA:そうなんですよ。デビューした時からそういう印象があったみたいで、共演者の方とかもなかなか……いや、僕たちが人見知りなだけなんですけど。
KAƵUKI:こちらからなかなか話しかけにいったりしないから、それが余計に近寄り難いんですかね。
──グループの結束力が強いと、近寄り難い印象になるかもしれないですね。そんな皆さんが思う、メンバーの意外な一面を教えてください。
KAƵUKI:ファンの方たちは最近知ってきたと思うんですけど、LINは初めましての方にとって、一番怖い印象を抱かれるかなと思うんですけど、楽屋とかで一番うるさいんですよ。一番しゃべってる。
LIN:いや、うるさくはないでしょ。もっとうるさい人いるよ。
KAƵUKI:いや、一番しゃべってる。ギャップがすごいんですよ。ステージ上のかっこいいLINとは全然違う。
YOU-TA:それで言うと逆もあって、SHINが一番明るい印象があると思うんですけど、楽屋では一番しゃべんないんですよ。
SHIN:はい、しゃべんないですね。
KAƵUKI:輪に入ってこないんだよね。
YOU-TA:うん。静かにしてるタイプだよね。
──LINさんもSHINさんも意外です。特にステージ前の楽屋は、精神集中したい人もいれば、リラックスしていたい人もいたり、いろいろですよね。
YUKI:そうですよね。本番3秒前までずっと笑ったりハラハラしたりしながらスマホを見ている人もいれば……ね(と、KAZUKIを見る)。
YOU-TA:そうそう。本番1分前まで野球を見ていたりするんですよ。それはどうなの?
KAƵUKI:テンション高く、モチベーションを上げなきゃいけないから(笑)。
──YOU-TAさんやYUKIさんの意外なところはありますか?
LIN:意外なところって、お客さんの方がよく知ってる気がする。自分たちはずっと一緒にいて、ステージも普段も知ってるから、どっちも普通になっちゃうから。
YOU-TA:確かに。裏表のあるメンバーはいないですね。
YUKI:さっき言っていたファンクラブでは、メンバーで撮り合った動画をあげたりしていて、そこでの表情とかは意外とみんな知らなかったりする部分だと思うので、ファンクラブに入っていただけたら意外な一面が見られると思います(笑)。
──うまいこと繋がりましたね(笑)。最後に、これを読んでくださっているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
YUKI:楽曲制作の裏側だったり、MV制作の裏側だったり、そういうものも見ていただける時代の中で、MADKIDは自分たち自身で作り上げていることが強みの一つだと思うので、そういう部分を見ていただきつつ、ライブにぜひ足を運んでいただけたら嬉しいです。僕たちはこういう見た目とは裏腹に、とっつきやすいというか……自分たちで言うのもなんですが、かわいらしいところもあるので(笑)、ぜひ怖がらず、僕たちの魅力を知っていただけたらいいなと思います。
KAƵUKI:レコログさんをきっかけで僕らのことを知ってくれた方も、SNSや音楽配信サイトで聴いていただいたり、YouTubeでMVを見ていただくと、いろんな曲調あるので、ぜひ好きな曲を見つけてください。メンバーもそれぞれ個性的なので何かしらハマるかなと思います(笑)。ぜひともライブ会場でお待ちしております。
YOU-TA:このインタビューを読んでくださってる方は音楽好きな方が多いと思うので、そんな方にも僕たちの音楽をお薦めしたいなと思います。KAZUKIも言いましたけど、サブスクにもかなりの曲数がアップされているので、その中でお好みのロックを探してもらいたいなと思います。ラブソングもありますし、いろんな方にフィットするような幅の広さもあるので、まずは楽曲を聴いてどんどん興味を持ってもらえたら嬉しいなと思います。
LIN:今回「Bring Back」というシングルをテーマにインタビューしてもらいました。今年もまだ半分以上ありますが、その中で自分たちにできることを精一杯やって、またいい報告ができるように頑張りますので、ぜひチェックをお願い致します。
SHIN:「Bring Back」を聴いて、たくさんの方が興味を持ってくれるんじゃないかなと思うので、そんな方たちにもぜひライブを観に来ていただいて、MADKIDのことをたくさん知ってもらえたら嬉しいです。
文:大窪由香
写真:平野哲郎
▼MADKID「Bring Back」はこちらから
レコチョク:https://recochoku.jp/artist/2000324933/
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