SURFACE/ソロとして活動する椎名慶治が、2022年3月にサービスを終了した公式モバイルサイト『ROOM 417』内でファンからのさまざまな疑問・質問に答え、好評を博したQ&A動画179本が、レコチョクが提供するECソリューション「murket(ミューケット)」を活用してオープンした、所属事務所ハイウィンドプロダクションの新たなデジタル商材ストア「ハイウィンドショップ」で販売されることが決定した。7月27日(水)にストアが開設され、7月29日(金)に第1弾としてVol.1~30のダウンロード販売がスタート。その後、毎月30日頃に30本ずつ、12月30日(金)の自身のバースデーまで順次販売される。楽曲のみならず、トークがコンテンツになるのは、ライブのMCに定評がある椎名慶治ならでは。2013年7月から2022年3月まで、レコーディングスタジオやバックヤードなど、さまざまなシチュエーションで時に真摯に、時にはユーモアを交え回答していく光景は、ファンに向けた親密なビデオグラフィであり、約9年にわたる椎名慶治の変化を記録した貴重なVlogでもある。お馴染み奥“ボウイ”昌史氏が、今回の興味深い試みについて椎名慶治へ直撃した。

 

ファンを喜ばせたい思いはやっぱりあるし、みんなが楽しんでくれたからこそ続けられた

 

──今回は2022年3月末にクローズした椎名さんのモバイルサイト『ROOM 417』に上がっていたQ&A動画179本(!)を、デジタル関連の商材を販売できるレコチョクのプラットフォーム「murket」を使って新たに立ち上げたストア「ハイウィンドショップ」で販売するという画期的な話です。

 

人は終わると分かった途端に寂しくなるものじゃないですか? 例えば、普段のライブには1000人もなかなか来ないのに、解散ライブには5000人が即来て「いったい何なんだ!?」ってなるみたいに(笑)。ファンの皆さんから、「できればどこかに残していただけませんか?」という声が上がって、それがマネージャーの耳にも届いて、実現しました。

 

──未発表のデモとか弾き語り動画ならまだしも“トーク”が求められるわけですから、ついに椎名さんも『さだまさしトークベスト』というCDまで出ちゃうレジェンドと肩を並べましたね(笑)。そもそもこのQ&Aは、2013年に始まった企画ということで。

 

当時はガラケーからスマホに変わってきた頃だったから、文字だけの日記より動画の方がいいんじゃないかと。でも、俺がただ自撮りしたところで続かないだろうから、マネージャーがQ&Aに答える企画を考えたんですよ。結果それが9年…不定期だったけど、よく続いたなと思いますね。

 

──今回の動画の数々を見て、FCコンテンツってこんなに膨大にあるんだなと思いました。しかもSURFACEも同時に動いているとなると…。

 

そうなんですよ! ソロだけでもファンクラブの『RABBIT-MAN’s』があって、『ROOM 417』は終わったけど、今はファンコミュニティの『No.4I7』が立ち上がって。だからもうずーっと水面下でバタバタやってるアヒルと一緒(笑)。アーティストは曲を作ってライブで歌うだけじゃないぞと、デビュー当時の自分に伝えたいですよ(笑)。ただ、ファンの方を喜ばせたい思いはやっぱりあるし、みんなが楽しんでくれたからこそ続けられたので。

 

──椎名さんが質問に答える姿を見ているとすごく親密で。まさに『ROOM 417』=椎名さんの部屋という感じがして、ファンの皆さんはうれしいだろうなと思いますね。

 

♪椎名慶治/お節介焼きの天使と悪魔と僕

 

 

──インタビューにあたっては、まず最初の回を見て、その後に最終回を見たんですよ。

 

もう15キロは体重が違うよ!(笑)

 

──ちなみに初回の感想が、「シュッとしてる。優しい。男前。全編ジェントルなONの空気。単純に若くて元気」で、最終回は「小慣れ感がすごい。頼まれてもないのにモノマネ。ゴツい」(笑)。

 

アハハハハ!(笑)

 

──さらに言うと、「より親しみやすさが増してる。カッコつけなくなってOFFに近い。発言にも深みがある」。めちゃくちゃグッとくることを言ってくれてましたね。

 

経験を9年積んできたからこその答え…だから最初のうちに答えた質問に、もう1回改めて答えると全然違うと思うんですよね。趣味とか流行も変わっているし。

 

──だからある意味、この一連の動画は椎名さんの9年間のVlogでもあるなと思って。「この頃は、あのアルバムのレコーディングをしてたな」とか、「あのライブの後に撮ったんだな」とか、そういうシチュエーションも感じられて面白かったです。

 

ただQ&Aに答えるだけじゃなくて、そのときの時事ネタも話してますからね。確かにそこは面白いかも。その点も楽しめますもんね。

 

──ちょうど30代後半〜40第半ばの椎名慶治の人生観が分かる、月2ペースの定点観測。

 

俺の生きざまがQ&Aにも表れてるんじゃないかな。あとはどんどん太っていく姿を見ていくという(笑)。

 

──誰か全部買いそろえて、椎名さんが大きくなっていく姿をコラージュしてくれないかな~(笑)。

 

それに、今は『ROOM 417』から『No.4I7』に切り替わりましたけど、Q&Aの要望は多いので継続してやってるんですよ。だから、過去のアーカイブに関してはmurketのストアで見てもらって、少しでも「面白いな、私も質問してみたいな」と思ったら『No.4I7』でできるので。こうやって点と点が線になるきっかけとして見てもらうのもいいかもしれないですね。

 

──これだけの数の動画をどれも楽しく見られたのは、1人でも回せちゃう椎名さんのトーク術ゆえだなと改めて思いました。ちょっとラジオ番組っぽさもあるし。個人的に面白かったのは、オダクラユウさんのスタジオで撮っていたら犬が乱入する回(笑)。普通なら絶対にカットするじゃないですか(7月29日発売、Vol.12の回)。

 

ほぼほぼノー編集なんですもん(笑)。尺が長いときは長いし、本当に自由気ままにやらせてもらえたからこそ続いたんだろうなと。自分でも見返したんですけど、1カメで特に編集もなくあれだけ見せられるのはすごいなと、ちょっと思いましたね。みんなが「MCが面白い」と言ってくれる理由も分かるよなと。

 

──自分で言う(笑)。のど飴をなめながら始まる回とかも、本当に自分の部屋にいるみたいじゃないですか。

 

仕事感ゼロですよね?(笑)

 

──振り返って印象的な質問とかはありました?

 

音楽についての質問は意外と少なかったんですけど、そんな中で「この歌詞のこの部分はどういう意味合いで書かれたんですか?」とか、「ライブ中に飲んでいるのはどんなドリンクですか?」とか、「あ、その角度からくる?」という質問に答えてるときは楽しいですね。自分から「今回の曲はこういう意図で作ってます」とかは、聞かれたら答えられるじゃないですか。それが爆発してる回があると思うので、そこは見どころだったりするかも。179本中10本ぐらいは生真面目に音楽について答えてるシーンがあるんじゃないかな? それが第何回かは全っ然覚えてないですけど(笑)。

 

──ファンの皆さんが音楽ライターでインタビュアーのようですね。それにしても、皆さん、椎名さんに聞きたいことがいっぱいあるんだなと思いますね。

 

1回でだいたい3~4つの質問に答えるわけじゃないですか。ってことは4×180としても、約720の質問に答えてる。みんなも頑張ったということですよね(笑)。

 

──しかも椎名さんは、「今回はこういう質問だから考えておいてください」と事前に教えられることもなく、その場で考えて答えてると。

 

そうです。事前に全く用意しないからこそ、リアルな俺だったのかもしれないですね。

 

──今後の活動についても聞いておきたいのですが、7月30日(土)東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREでは、初のカバーライブ『Covers』が開催されます。

 

コロナ禍で配信ライブが当たり前になりましたけど、逆に配信だと権利関係の問題でできなかったのがカバーなんですよ。今回は自分のルーツ、たどってきた人生で好きになったアーティストの曲を全部歌いたいなと思って。初恋の人が山口百恵さんで、沢田研二さんが好きになって、その後に米米CLUB、TM NETWORK。TMのファミリーだったB’zをきっかけにビーイング系も好きになって、Mr.ChildrenやTHE YELLOW MONKEYに出会って…。

 

──その辺の椎名さんのルーツやカバーの権利関係の話も、Q&Aには出てきましたね。

 

そういう意味では、カバーライブをやる理由も、今回の動画を見てもらえれば分かるんじゃないですかね。今から当日が楽しみですけど、歌いたい曲が多過ぎてどこまで追えるか分からないので、1回限りじゃ済まないかも。

 

♪椎名慶治/ただいま(DEMO Ver.)[Trailer]

 

──その後も、8月26日(金)東京・原宿RUIDOで『原宿RUIDO復活!椎名慶治ライブやります!』を開催。9月10日(土)東京・神田明神ホールでは、“椎名慶治と永谷喬夫”名義の初ライブ『2NIGHT〜DOUBLE or NOTHING〜』、9月19日(月・祝)東京・大手町三井ホールでは、⽥澤孝介(Rayflower/fuzzy knot)さん、TAKUMA(wyse)さんと『VOCAL SUMMIT CLASSICAL』に出演と、多種多様ですね。

 

しかもどれも一夜限りでセットリストが違うから大変です。原宿RUIDOは、俺が24年前にデビューして間もない頃にできたライブハウスなんですよ。それが一度潰れてなくなったのが復活したので、当時の懐かしい思い出に浸れるような曲順を考えたり。『VOCAL SUMMIT CLASSICAL』は弦楽カルテットとピアノの編成なので、普通ならバラードを歌いそうじゃないですか。でも、それだとつまらないから他のアーティストがやらないような曲を歌いたいなと。あと、椎名慶治と永谷喬夫=SURFACEではないので、自分のソロの楽曲のサポートギターを永谷がやるのは、ちょっと見ものじゃないかな?

 

──9月10日(土)は永谷さんの誕生日でもありますが、メンバー同士で祝い合ったりしたことはあるんですか?

 

俺はサプライズがあんまり好きじゃないんですけど、1つだけ記憶に残ってるのは、俺の40歳の誕生日に『40 -for LOVE-』というライブをやったんです。そのときはまだSURFACEの再始動前だったんですけど、永谷がライブを見に来て40本のバラをくれました。花言葉は“真実の愛”だったかな?(笑) あと、俺も昔、「2人でメシを食おうよ」と永谷を誘って、イタリア料理屋に行ったらスタッフが全員いる、みたいに祝ったことはありましたけど。

 

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『40 -for LOVE-』時に受け取ったバラ

 

──サプライズされるのは苦手だけど、するのはいいんだ(笑)。何でなんですか?

 

少しでも「あ、これはサプライズが来るな」と気づいたら、うれしいんだけど、どうリアクションしていいか分からなくなっちゃって、すっごいつまらない男になりそうだなと思って(笑)。今年は他にもライブが目白押しだし、その水面下でSURFACEとソロのアルバムも作ってるんで、この夏もバタバタするんだろうなと思ってますけど。

 

──それだけ忙しいと、体調管理に気を配ったりしてます?

 

俺が気を配ってたら、179本かけて太っていかないと思うんですよね(笑)。今回の動画を見返したとき、マネージャーが昔の俺を見て「あれ? 椎名ってこんなカッコよかったんだ」と思ったらしいんですよ。それをきっかけにダイエット企画も始まって。(同席していたmurket担当者に向かって)murketのせいですからね!(笑)

 

──ファンからしたら、“murketのおかげ”かもしれないですけどね(笑)。

 

だから今は、朝食はプロテイン。まずいです(笑)。20時までは普通に食べるんですけど、どうしても夜、お腹が空くじゃないですか? そのときに食べないと逆にストレスになるし、ストレスがたまると喉にくる。だからベビーリーフサラダという葉っぱを食べてます(笑)。あと、元々歩くのは嫌いじゃないんで、ウォーキングは続けてますね。もう何カ月も1日平均4キロは歩いてます。murketでは、年末に向けてどんどん太っていく俺の映像を売るわけですよね? でも、リアルの俺は痩せていくわけです(笑)。

 

──最後に、動画の連続リリースを楽しみに待っている皆さんに、思わず買いたくなるようなメッセージを(笑)。

 

まず一つはやっぱり、ルックスがどれだけ変わっていくか(笑)。それと質問への答えが、見てくれた人の背中を押すようなものもたくさんあると思うんですよ。ちょっと元気がないときに見ると励まされるというか、生きていく上でのアドバイスにもなってると思うので。その辺も楽しみに見てほしいなと思ってます!

 

♪椎名慶治/LIVE DVD「KNOCK and OPENED」[Trailer]

 

 

文:奥“ボウイ”昌史

 

 

▼新ストア「ハイウィンドショップ」

https://highwind.murket.jp/

オープン:2022年7月27日(水)12:00~

コメント動画販売開始:2022年7月29日(金)12:00~

「椎名慶治が答える質問コーナー vol.1~179」を毎月販売!椎名慶治バースデー12月30日にコンプリート予定!

 

▼関連インタビュー

 

 

▼椎名慶治の楽曲はこちらから

レコチョク:https://recochoku.jp/artist/2000039640/

dヒッツ:https://dhits.docomo.ne.jp/artist/2000039640

 

▼椎名慶治 オリジナル 5th フルアルバム『and』

収録曲

01:Knock and Opened

02:アイムリアル

03:一旦紅茶飲む

04:DOUBT!!(Album Ver.)

05:「ここは ぶきや です」

06:I and I

07:GOOD GIRL

08:「そんなに好きなら好きって言っちゃえば?」

09:アイクルシイ

10:それだけ

11:KI?DO?AI?RAKU?(Album Ver.)

https://www.yoshiharushiina.com/posts/pages/zbyyxt

 

▼LIVE DVD “Yoshiharu Shiina Live 2021「KNOCK and OPENED」”

2020年ソロ活動10周年イヤーにリリースされた5枚目となるオリジナルフルアルバム「and」を提げて開催されたツアー「KNOCK and OPENED」の模様を収録した映像作品。

https://www.yoshiharushiina.com/posts/news/fquqof

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  • 椎名慶治

    椎名慶治

    1975年12月30日生まれ。
    1998年SURFACEのボーカリストとして「それじゃあバイバイ」でデビュー。人気ドラマ「ショムニ」「お水の花道」や、人気アニメ「守って守護月天!」「D.Gray-man」や「NARUTO」等、幅広いジャンルのテーマソングを歌う。2010年6月13日、東京国際フォーラム・ホールA公演にてSURFACEは解散。2010年11月10日、ミニアルバム「I」でソロデビュー。2011年6月8日の1stフルアルバム「RABBIT-MAN」にてソロ本格始動。
    ソロ活動と平行してAstronauts(May’n & 椎名慶治)では、仮面ライダーフォーゼのエンディングテーマを歌い、さらにタッキー&翼への作詞提供、高橋まこと(ex:BOØWY)氏率いるバンド「JET SET BOYS」のボーカルとしても活動、など、活動の幅は多岐にわたる。
    デビュー20周年を迎えた2018年5月27日に東京・豊洲PITにてSURFACEは再始動。