昨年、ソロ活動10周年イヤーに突入したSURFACEの椎名慶治が、激動の2020年に行った無観客ライブの模様をまとめた『YOSHIHARU SHIINA ONLINE LIVE「FACE TO FACE REMOTE」』、渾身のバラードライブを収めた『YOSHIHARU SHIINA ONLINE LIVE 2020「FACE TO FACE -Ballade-」ARCHIVE』を3月28日(日)までWIZY限定で発売!(https://wizy.jp/project/558/) コロナ禍の手探りの中で音楽を奏でる喜びを取り戻し、ファンとの絆を確かめ合うような時間が凝縮された2タイトルは、NGなしで現場の空気を生々しいまでにパッケージした貴重なアーカイブとなっている。「痛みやマイナスな部分も乗り越えてきた記録として作品を残したい」という願いが込められた逸品について、椎名慶治がその想いを語る。

 

 

今までなら絶対にカットしてるところも残してるのは面白いなと

 

 

――SURFACEとしては2回、椎名さんとしてもWIZYとは2回目のコラボですが、今回は2020年の配信ライブ作品集ですね。

 

人生初の無観客でやった7月9日のSHIBUYA PLEASURE PLEASUREと、その後の8月8日の下北沢440は『YOSHIHARU SHIINA ONLINE LIVE「FACE TO FACE REMOTE」』に。12月4日の目黒・BLUES ALLEY JAPANと6日のSHIBUYA PLEASURE PLEASUREは、有観客だけどソーシャル・ディスタンスを保って、キャパの50%しかお客さんを入れられないライブで、『YOSHIHARU SHIINA ONLINE LIVE 2020「FACE TO FACE -Ballade-」ARCHIVE』に。そういうふうにある意味、痛みやマイナスな部分も乗り越えてきた記録として作品を残したいと事務所から提案されたのが始まりで。ただ、普通に出すより何か企画性があった方が…と思ったとき、めちゃめちゃ都合が良いなと思ったのが、やっぱりWIZYで(笑)。

 

 

椎名慶治/Hello in X’mas from FACE TO FACE「Ballade」

 

 

――あはは!(笑)

 

それじゃあ全部同時に出しちゃいますかと。だから結構なボリュームでしょ? 特典も含めると全部で5つのライブが聴けちゃうから、すごい企画だなと思って。

 

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YOSHIHARU SHIINA ONLINE LIVE「FACE TO FACE REMOTE」 LIVE DVD+LIVE CD(2枚組)

 

 

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YOSHIHARU SHIINA ONLINE LIVE 2020「FACE TO FACE -Ballade-」ARCHIVE LIVE DVD+LIVE DVD(2枚組)

 

――しかも、どれも20曲近く歌ったライブで、椎名さんはただでさえ1曲1曲が濃いのに、それが全部で約100曲とかになってくると、めちゃくちゃ濃厚で。

 

ハッキリ言ってしまえば、うんざり?(笑) 鬼気迫る感じも結構あるもんね。

 

――面白いのは、普通のライブDVDならカットされるであろうシーンも結構入ってるじゃないですか。ライブDVD=生のライブ映像とはいえ、基本的には後からいろいろと編集されるものなのに、今回の作品は現場でどんなハプニングが起きていたのかが本当にわかる(笑)。セットリストもその場で決めていたので、なおさら。

 

今までなら絶対にカットしてるところも残してるのは面白いなと思うし、特に7月9日の初の無観客ライブは、俺以外のメンバーも慣れてるわけじゃないので、カメラはいるけどお客さんがいないTV収録みたいな状態でやる上に、歌う曲すらちゃんと決まってない緊張感で。アーカイブが残るのも決まってたので、=ミスをしたら後からその映像を見られちゃうのに、リハーサルもさせてくれない…そんな俺のサポートをみんなよくやろうと思ったなと(笑)。メンバーには本当に感謝してます。

 

 

椎名慶治/LIVE DVD「FACE TO FACE REMOTE」2020.07.09 [Trailer]」

 

 

――くじ引きでセットリストが決まっていくのに、その場で瞬時に対応できるサポートメンバーはすごいですよね。

 

恵まれてるなと思いますし、逆に言うと育ててきたなとも思いますね。リハーサルがなくてもわかるからこそできることだし、今日から新しいサポートを入れてこういうライブをやろうとしても100%無理なので。今回の作品を見直したときに、改めて良い関係だなと思いましたね。

 

――7月9日のSHIBUYA PLEASURE PLEASUREは本当に和気あいあいというか、ライブをショーとして見せるというよりは、椎名さんが仲間たちと音楽で遊んでるところを見るような親密なムードもありましたね。

 

ライブが終わった後にメンバーと楽屋でも話したんですけど、やっぱりライブができたこと自体が本当に楽しくて。お客さんがいようがいまいが、みんな音を出したくてミュージシャンをやってるわけで、それはすごく記憶に残ってますね。あとはお客さんがいないから、リハーサルと本番の音が変わらない。

 

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――なるほど、音がフロアのお客さんに吸われないから。

 

そう! リハーサルで作った音がコロコロ変わるのが本番なので、友森(昭一)さんと2人で逆に戸惑っちゃって。ただ、2作同時に買うと特典でもらえる『FACE TO FACE REMOTE #3』は、それにちょっと慣れてきた頃にお客さんを入れてやったライブなので、リハーサルで作った音が変わっちゃってまた戸惑ってるんですよ(笑)。裏ではそんな面白いことが起きてましたね。

 

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――2020年はお客さんだけじゃなくて、ミュージシャンもいろんなことに戸惑いながら、手探りでやってたんだなと思いますね。

 

だからこそ、「こういうことが昔あったんだね、もう今はないけど」と言える日が来ることを願って、これは残すべきだなと思いました。個人的にはやっぱり、7月9日が一番印象深かったですね。

 

――でも、そんな光景を残した方が良いと言えるのは、度量と遊び心があってこそで。完璧な姿を見せたかったら…そもそもくじ引きで曲順なんか決めないですよね(笑)。

 

そういうこと!(笑) だから今の配信ライブには、完璧を求めるアーティストと、生々しくリアルな現場を映し出すアーティストとの差が出ていると思うんです。“生ライブ配信”と“ライブ配信”は違って、“生”とうたってないものは収録だったりもするし。それで言うと俺は、音に関しては一切直してないですから。あと、こんなにカメラ目線のライブDVDもなかなかないんですよ。それは無観客=画面の向こう側にいる人に歌ってる作品ならではなんですよね。

 

――椎名さんと配信ライブって相性が良さそうですね。

 

よく言われます。もう2年以上ニコニコチャンネルで『417チャンネル』という番組をやってきたからこそ、お客さんも違和感がないというか。7月9日も、俺からは何も言ってないのに「RABBIT-MAN」でギフトのニンジンが大量に降ってきて(笑)。それは本当に経験したことがなかったし、ビックリしましたね。あと、他の配信ツールはだいたい画面の脇にコメントが出るし、全画面にすると消えちゃう。ニコニコは画面上にコメントを出しながらみんなで参加できるし、コメントが邪魔な人は消せる。俺のお客さんは、ニコニコのあの面白さが好きな人が多いですね。

 

 

椎名慶治/RABBIT-MAN HD

 

 

――今後はDVDの副音声みたいに、コメントが画面上に出る/出ない仕様を選べても面白いですね、いっそのことWIZYの第3弾で(笑)。素朴な疑問として、8月8日の440公演のみ、なぜライブDVDではなくCDなんですか?

 

もともとは映像アリでも良いと思ってたんですけど、この日は俺のライブをいつも撮ってくれてる映像監督じゃなくて、440が撮ってくれたんですよ。それぞれ別の作品なら全然よかったんですけど、7月9日と並べたときに何かちょっと質感が違うなと。

 

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――ライブ単体じゃなく、2つで1つの作品として見たときのバランスで。結果的には、目で楽しむDisc.1と、音で楽しむDisc.2というすみ分けも良かったですね。

 

まさにそれです! しかも440はゲストにZEROが来てることがポイントで、ライブ前日にデジタルリリースされた「DOUBT!! w/ZERO」を、すぐ翌日に一緒に演奏できたのは聴き応えがあったなと思うし。

 

――この日はJET SET BOYSの曲も多めのアダルトな魅力が出たセットリストで。あと、このライブCDを聴いて、MCがないとこんなにスッキリするんだなと(笑)。

 

MCを入れたら1時間ぐらい増えるからね(笑)。めちゃめちゃ聴きやすいですよね。JET SET BOYSの「ZIPPER DOWN」から始まるのも面白いし、良いセットリストだなと思います。しかも、Disc.2はそれぞれの楽器のパラデータを録ってない=当日のツーミックスの音だから、「あそこ間違えた〜!」とかなっても直せない。メンバーが演奏して俺が歌ったものが、うそ偽りなくそのままパッケージされてるので。

 

 

JET SET BOYS「ZIPPER DOWN

 

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