YouTubeと音楽活動という二足の草鞋を履いた3ピースロックバンド・Non Stop Rabbit。キャッチーな歌詞とメロディーで注目を集めつつも、3人それぞれが個性を爆発させている彼らに注目の視線を注ぐリスナーも増えてきている。そんな要注目アーティスト・Non Stop Rabbitが2ndアルバム『TRINITY』をリリースした。今回はアルバムを中心に、今感じる想いや制作秘話を語ってもらった。彼らが三位一体で流れるように繰り広げるトーク、是非最後まで読んでほしい。
その形って最強なんじゃないかと思ったんです
──Non Stop Rabbitの2ndアルバム『TRINITY』が完成しました。まずはこのタイトルに込めた思いを聞かせてください。
田口:コロナの影響もあって、戦国時代というか、氷河期というか、音楽がそういう時代に入ったと思っていて。コロナの影響でライブもできない、いろんなエンターテインメントシーンが死んだに等しい状況まで叩き落とされて、それに対して準備できていた人って誰もいないと思うんですよ。ここで生き残っていけるかどうかっていうのが、なんか戦争みたいだなと思って。そんな中で僕ら3人は音楽だけじゃなくて、YouTubeがあったから今元気だし、なんなら余力もある。そんな状況でいれるのは、僕らが違う武器をもっていたからっていうのもあるし、この3人だから生まれたものだと思っていて。そう考えた時に、3という数字がより強く出てきて、連想したのが三角形でした。三角形って、戦場に出たとしてもそれぞれが背中を向き合ってパッと構えた時に、一番死角がないと思っていて、その形って最強なんじゃないかと思ったんです。そういうところから、三角形、三位一体、それをもうちょっと現代チックにしたくて、『TRINITY』に着地しました。
──1stアルバムはそれまでの集大成だったり、名刺替わりのようなものだったと思いますが、今作は何かコンセプトや目指すところはありましたか?
田口:毎度のごとく一切会議とかしないので、僕がその時に書きたい曲、出したいと思った曲をとにかく詰め込みました。メジャーでアルバムを1枚出して、シングルを出して、それはメジャーでの初めての経験だったので、当時は肩に力が入っていたというか、ちょっと構えていたところがあって。そこから次にということで、よりやりたいところにフォーカスできたし、変な緊張がなくなったので、いろんな方向性、いろんなジャンルに突き進めました。たとえばEDMなら前回よりももっとEDMに、バラードならもっとバラードに行き切る。アルバムを作っていて、前作よりもより奥に進めたかな、という感覚がありました。
──今作の足掛かりとなった曲はどの曲ですか?
田口:それで言うと「優等生」ですね。一番ノンラビらしい、これぞノンラビと言える曲なので。
矢野:物語がすごくしっかりとしている内容だし、身近なアニメの話や漫画、ドラマっていうワードが出てくるんですけど、そういうものに馴染みのある人生を歩んできたので、歌う時にも自然と自分を重ねたりすることができました。そういうところもあって、僕も大好きな曲だし、みんなにも伝わりやすい、共感してもらいやすい曲なんじゃないかなと思います。
太我:曲調も歌詞も含めて、全体的にすごい王道でわかりやすい曲なので、叩いてて楽しいというか、シンプルにドラムをぶっ叩けるというか。だから、ライブとかでもすごいストレートに伝わるんじゃないかなって思うし、ライブでやることを一番楽しみにしている曲です。
田口:この曲は1位にもなれなくて、2位にも3位にもなってない人への曲だなと僕は思っていて。そこからどう這い上がるか、みたいな。自分は表彰台に上がる位置にいないから、大人しくしておかなきゃいけないとか、チャレンジするのはやめておこうとか、そういう優等生精神をどこまでそぎ落として、自分に自信がない奴が自信をつけるか、そういうテーマで僕はこの曲を作り始めたんです。僕自身がネガティブな人間なので、僕みたいな人をどう励ますか、っていう思いが根本にあったんですね。逆に、ある意味僕らは優等生になることをやめてから、ノンラビとしてちゃんとご飯を食べられるようになったんですよ。そういう経験を描きつつ、誰だって夢を見ていいし、憧れていいということを書いています。
──メロディに乗せた言葉や曲調を含め、個性の強い曲が揃っていますが、特に推し曲を選ぶとすれば、どの曲を選びますか?
太我:僕は「BAKEMONO」ですかね。歌詞はダークなんですけど、フレーズはわりとオシャレで、レストランとかでも流れていそうな感じなんですよ。だけど、全然レストランで流しちゃいけないような歌詞なんで、そういうところが面白いかなと思ってます。ドラムも結構激しめなドラムを叩きましたね。
矢野:僕は「上を向くライオン」ですね。背中をすごく押してくれるんですよね。自分で歌っていても自分自身曲に押されるというか、そういう意味でもかなりの推し曲であるんですよね(と、田口を見ながら語る)。
田口:いや、別にうまいこと言ってないけど(笑)。なんでこっち見たん?
矢野:どんな顔してるのかなと思って(笑)。これは百獣の王のことを言ってるんですけど、そのライオンですら上を向いているっていう。僕はその歌詞に自分を重ねて捉えました。すごく背中を押してくれる曲なので、みんなの背中も押したいです。
──田口さんはいかがですか?
田口:僕は「大丈夫じゃない」ですね。歌詞の中に“だいじょばないよ”ってあって、今までなかった単語というか、“え?”ってなるような言葉を使う時って、めちゃめちゃ勇気がいるんですよ。作詞家として、その単語を選んで曲にしたというのが、自分の中で結構大きくて。なおかつ、その“だいじょばない”が変に浮き出過ぎないように、うまいこと入れ込めたのはよかったなと思います。あと、Dメロで思いっきり明るくしたり、そういう展開に関しても、“こうしたい”って強く思うことってたまにしかないんですよ。パズルみたいな感じでいろんなことがうまくはまったので、一番の推し曲ですね。
──個人的には「Needle return」の展開も面白いなと思いました。田口さんのラップも入ってますね。
田口:まさにこの曲が思いっきりEDMに行き切ろうと作った曲で。今まではEDMでも、ちょっとロックの要素も入れようと意識してきたんですけど、今回は思いっきりEDMをやってみようと思って。あと、自分らの良さはメロディにあったりするので、いかにメロディで押し切るか。EDMにJ-ROCKをプラスする思い切ったチャレンジをすることができたなと思います。あと、極論EDMって誰も歌詞を聴いてないなと思って(笑)。だから逆転の発想で、「聴いてないなら何歌っててもいいよな」って勝手に判断して、とんがったことをツラツラと並べてみました。
──今年11月に結成5周年を迎えましたが、5年間を振り返ってみて、どんなことを思いますか?
田口:僕らからしたら全然5年って節目の年ではないんですよ。
矢野:うん。なんとも、っていう。
田口:そんな感じだよね(笑)。目標は“死ぬまでやる”っていうことなんですよ。だからメンバーの誰かが死んだ時が、僕らにとってはようやくの節目になるのかなと。なので、5年続けたぐらいじゃ、まだひよっこにもなってないっていう感覚なんです。全然ひと段落している場合でもないし、みんなは祝ってくれるけど、僕ら自身はわりと淡泊というか。
矢野:周年はファンの人たちが記念にしてくれたらいいなと思うんですよ。僕らはまだまだ満足なんかしてないし。
太我:僕も何周年というよりは、例えば初めてZepp Tokyoに立ったとか、どこまで辿り着いたかが大事だと思っていて。なので、あまり気にせずどんどん規模感を上げていって、謙虚に頑張るしかないなと思っています。
──太我さんは前回のレコログのインタビューで「声を掛けてもらったら、いつでも奢ります」とおっしゃっていましたが、その後そういう機会はありましたか?
太我:つい最近のことなんですけど、友達とサッカーをやっていて、知らない人たちと一緒にサッカーの試合を回していくっていうのをやっていたんですよ。たまたま順番で僕がゴールキーパーをやっていた時に、相手の選手の人が「太我さん、いつも見てます」って話しかけてきてくれて。……いや、なにも奢ってないんですけどね。
田口:奢れよ!
太我:写真は撮りました(笑)。今は基本マスクをつけてるじゃないですか。サッカーの時はマスクを外しているから気付かれた、というのもあったと思うんですよね。だから、このご時世が変わらないと、僕にジュースを奢ってもらえるチャンスはないと思います。
矢野:ジュース?何でも奢るって言ってたのに。
田口:急に安くなった(笑)。
──最後に、読んでくださっているファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。
田口:「未来へ」っていう曲がすべてを表していると思うんですけど、この曲は今までになかったような曲調で、挑戦している曲で締めくくっているんですね。めっちゃノリノリの曲というわけではないけど、みんなで騒げるような日がまた来たらいいなっていうメッセージを込めました。こんな平和な曲でライブを楽しめる日がくるまで、お互いに頑張って、でも頑張りすぎないように。なんとか生きていればいいですから、またライブでお会いしましょう。
太我:コロナ禍で結構いろんなことが制限されたじゃないですか。制限されると、関わる人も減ったんですけど、それでも関わりがある人って、たぶんすごく特別な人だと思うんですよ。この期間をポジティブに捉えると、改めて自分にとって大事な存在を浮き彫りにできたというか。なので、そういう存在を大切にしていってください。……なんか、人生の覇者みたいな発言しちゃいましたけど。
田口:は?(笑)
矢野:最近改めて、ファンの皆さんの口コミってすごく大事だなと思っていて。僕らの力だけでは限られるので、もっと広めたくなるような活動をこれからもしてきたいし、バンドとYouTubeとのギャップもどんどん広げていって、より誰かに紹介したくなるようなそういうグループになっていけたらいいなと思っているので、ぜひNon Stop Rabbitを勧めてください。
文:大窪由香
写真:平野哲郎
▼Non Stop Rabbit2ndアルバム『TRINITY』はこちらから
レコチョク:https://recochoku.jp/album/A2002502048/album
TOWER RECORDS MUSIC:https://music.tower.jp/artist/detail/2001050533
dヒッツ:https://dhits.docomo.ne.jp/artist/2001050533
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タイトル
空間の音楽 by Non Stop Rabbit~食事の手を止めさせるパーティミュージック~
https://otoraku.jp/playlist/curator.html?current=18#CATEGORY
ロケーションはレストランやバーのパーティルーム。バックグラウンドで聴き流すんじゃなくて、つい食事を、会話を中断し、ともするといっしょに歌ってしまうパーティチューン。ノンラビファンならどの曲がメンバーの誰の選曲かすぐにわかっちゃうような(笑)、顔が見えるプレイリスト。
1.X JAPAN「紅」
2.浜田雅功と槇原敬之[チキンライス」
3.EXILE「Lovers Again」
4.SEKAI NO OWARI「スノーマジックファンタジー」
5.KAT-TUN「Real Face」
6.森 翼「すべり台」
7.宇多田ヒカル「SAKURAドロップス」
8.Beethoven「エリーゼのために」
9.KREVA「アグレッシ部」
10.ヒルクライム「純也と真菜実」
11.竹原ピストル「よー、そこの若いの」
12.AKB48「10年桜」
13.Daniel Powter「Bad Day」
14.コレサワ「たばこ」
15.Avril Lavigne「Hello Kitty」
16.GLAY「誘惑」
17.L’Arc~en~Ciel「HONEY」
18.BIGBANG「FANTASTIC BABY」
19.小田 和正「ラブ・ストーリーは突然に」
20.t-Ace「超ヤバい」
21.Non Stop Rabbit「優等生」
22.Non Stop Rabbit「大丈夫じゃない」
▼関連インタビュー(encore)
Non Stop Rabbit『TRINITY』インタビュー――三位一体が最強である!
https://e.usen.com/feature/feature-unext/non-stop-rabbittrinity.html
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Non Stop Rabbit
2016年11月1日、埼玉にて結成した3ピースロックバンド。
活動初期は路上ライブをメインに活動していたが、音量制限の問題などで自粛を余儀なくされ、YouTubeやTwitterに活躍の場を広げる。
SNS上では 音ネタ動画を中心にBuzz動画を複数発信している一方で、音源のリリースもハイペースでおこなっている。
Vo.晴人の甘く高い声とGt.達也が作り出す疾走感溢れるメロディーに、サウンドプロデューサー・鈴木Daichi秀行がアレンジを加える楽曲は、多くの人に愛されている。
なお、ライブには必ずYouTuberとしての活動で培ったトーク力を活かすお笑いコーナーがあり、こちらも必見の内容になっている。
2020年12月9日、ポニーキャニオンより待望のメジャーデビュー。