独自のセンスと多彩な才能を存分に発揮し存在感を放つアーティスト・vVeSt(ウエスト)。5月にはWIZYでクラウドファンディングを実施し、見事目標金額を達成させた。本プロジェクトで作成した「24/7 in da House」のMV がついに公開したということで、今回はその記念として、vVeStと本作の振り付けを担当した超人気ダンサー・ReiNaに話を聞いた。
本プロジェクトを振り返っての想いについてはもちろん、MVの制作秘話や注目ポイントなどを中心に話してもらったので、是非MVと合わせてインタビューもチェックしてほしい。
もう、これは勝ったなと思いました(笑)。
──MVが公開されましたが、このMV制作のためのWIZYのプロジェクトにはさまざまなアイテムがありました。実際にやってみていかがでしたか?
vVeSt:まず良かったなと思ったのは、締め切り一週間前ぐらいまで目標金額100万円の36%ぐらいしか達成できてなかったんですけど、最終的には106%で達成できたことです。ファンのみなさん、応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。
あとは、配信メインのワンマンライブの現地特別観覧権を販売できたり、MVのエンドロールにお名前を記載させていただいたり、お手紙を書かせていただいたり、あなただけの楽曲を作らせていただきます、など、普通のECサイトじゃできないようなものまでみなさんにご提供することができて、本当にやってよかったなと思いました。
──CDのプランでは、師匠であるAkkeyさんとのコラボレーションを、何よりvVeStさんご自身が楽しみにされていましたが、一緒に作ってみていかがでしたか?
vVeSt:Akkeyさんは僕もすごくリスペクトしていて、僕の師匠でもあるすごいダンサーさんなんですが、今まで一緒に音楽を作ったことがなかったので、自分の師匠と一緒に何かをできるっていうのがすごく嬉しかったです。
Akkeyさんには一緒に歌詞やメロディーを考えてもらって、当初は一緒に歌う予定だったんですけど、最終的に歌唱は僕だけという形になりました。僕の曲は今までラップがメインだったんですけど、今回は歌ものに寄せた形になったので、今までのファンの方、僕の音楽を聴いてくださっている方たちにも新鮮な曲になっていると思います。
──この先WIZYでやってみたいと思うことはありますか?
vVeSt:最近、自分の中でNFTにも注目をしていて、今回やった“あなただけの楽曲をプレゼントします”みたいなものだったり、たとえば僕が絵を描いて、それを買った人にしか複製できないようなデータにして送ったりできたら面白いなと思いました。あと、シンプルにWIZYさんをどんどん使って、ワンマンライブやCD制作などを引き続きできたらいいなと思っています。
──それでは「24/7 in da House」のMV制作について具体的に伺っていきます。まずはこのMVのコンセプトを教えてください。
vVeSt:「24/7 in da House」は音声SNSのClubhouseをテーマにした楽曲になっていて、今はちょっとブームは去ってしまった感じではあるんですけど、コロナ禍でも楽しいことがあったよね、っていう曲なんです。この曲はありがたいことに、ラジオやTikTokでも広がって、「コロナ禍でも楽しいことを見つけていこうよ」っていう、広い意味の曲になっていった感じがしたので、それをそのままダンスのコンセプトにしました。
MVの設定としては、「24/7 in da House」という曲名自体は“家の中にずっといる”っていう意味なんですけど、僕の夢の中では渋谷のいろんなところでみんなと一緒に踊っている、というようなものにしました。
──そのダンスの振り付けをReiNaさんがされたということですが、ReiNaさんにオファーをされた経緯を教えてください。
vVeSt:今回、僕の活動をサポートしてくださった方がいて、その方がReiNaちゃんを紹介してくださいました。そもそも僕の中ではReiNaちゃんは動画の中の人、本当に大好きなダンサーさんで、何年も前からInstagramを見たりしていたので、「ReiNaちゃんはどう?」って言われて、「あのReiNaちゃん?無理でしょ?!」みたいな感じだったんです。
NCT U さんや Stray Kids さんの曲を振り付けされているような方なので、「俺なんか無理でしょ」って思っていたら、めちゃくちゃ快く引き受けてくださって。僕の中でめちゃくちゃテンション上がりましたね。
──もうその時点で、このMV間違いない!と思いますよね。
vVeSt:もう、これは勝ったなと思いましたね(笑)。
──ReiNaさんはこのオファーを受けた時、どんなことを思われましたか?
ReiNa:最初にお話を聞いた時に、シンプルにワクワクしました。ゼロから作品を作るということに、私もクリエイターとしてなにか力になりたいなとも思いました。あと、私も最初は名前も知られていないダンサーで、事務所にも入らずにやっていて、自分の力で這い上がる苦労も大変さも知っていたので、そういった面でも力になりたいなと思って即答で「やります」と言いました。
──それから制作はどんなふうに進んでいかれたんですか?
vVeSt:まずはリモートで打ち合わせをして、そのあと何度か電話でも振り付けのイメージを話して。僕はReiNaちゃんのダンスが大好きなんですけど、もともとブレイクダンサーでB-boyなので、ReiNaちゃんのダンスは苦手な分野だったんですよ。それで、自分の頭の中にあるイメージをフリースタイルで踊った映像を送って、アイデアの一つとして提案させてもらったりしました。その後、ダンサーさんのオーディションワークショップを迎えましたね。
──ReiNaさんは「24/7 in da House」を聴かれた時、どんな印象を受けましたか?
ReiNa:すごくかわいい曲だなと思って。いい意味で現代風というか、歌詞にもそういう言葉が入ってますし、今でいう、“バズりそう”な曲だなと直感的に感じました。後で聴いたらやっぱりTikTokでも流行っていたみたいで、個人的にも好きな曲調だったし、振り作りもすごくワクワクしました。
──ダンサーさんをオーディションで決めることになったのは、おふたりの意見だったんですか?
vVeSt:打ち合わせの段階で、30人くらいのダンサーさんが大勢で踊るっていう絵があったら絶対にいいMVになるよね、っていう話になっていました。さらに、今回はEn Dance Studioさんと、その中のNEXT in DANCEさんのご協力もあったので、スタジオを使わせていただき、オーディションを実施し、実現することができました。
──オーディションには九州や東北など、全国各地からいらっしゃったそうですね。
vVeSt:そうなんです。60〜70人ぐらいの方に来ていただいて。ReiNaちゃんがワークショップで振り付けを教えて、その後、5人ずつ入ってもらって一斉に踊ってもらって、僕とReiNaちゃんとお力添えいただいている方々がチェックするという感じで選出しました。
──踊りがうまいというのは絶対だと思いますが、それ以外におふたりが注目したポイントはどこですか?
ReiNa:スキルはもちろんのことですが、それプラスvVeStくんのイメージがあったので、そのイメージに合った表現ができる人、今回はハッピーな曲なので、笑顔が自然にできる人、あと、MVなので、映像映えできるようなクリアなダンスができる人。スキルがあっても、クリアな感じじゃなくてふわっとしている感じだと、集団で踊った時に浮いちゃったりするので、そういう意味で映像映えがする人だったり、表現力がある人、ソロパートを踊ってもらった時に映えそうだなと思う人を選びました。
──撮影は朝から夜まで、渋谷の8カ所を巡られたそうですね。
vVeSt:そうなんです。朝から代々木公園で撮影をして、その後En Dance Studioさんに行って、その後はミヤシタパークの歩道橋や渋谷横丁、ミヤシタパーク内のスムージー屋さんの「ジャンバ」、渋谷警察署の前の歩道橋やセンター街、スクラブル交差点とかでも撮りました。すべてのパートで30人が踊ってるわけじゃなくて、ここでは10人、ここでは5人みたいな感じでピックアップしたメンバーと踊っています。
──ReiNaさんがMVでこだわった点を教えてください。
ReiNa:振り付けに関しては、やっぱりキャッチーなものがいいなと思ったので、見た人の印象に残るような振り付けをしました。Clubhouseがテーマだったので、電話のような振り付けにしたり。年齢や男女問わず、ダンス初心者の方でも誰でもマネができるようにサビの振りにはこだわりました。
──vVeStさんが今回の撮影で印象に残ったことはありましたか?
vVeSt:撮影中は、ずっと夢の中にいるような気分でした(笑)。すべての時間が楽しくて、すべて印象に残っているんですけど、やっぱりReiNaちゃんと一緒に踊れたことですね。隣で左右対称のシンメトリーな位置で、みんなの前で僕とReiNaちゃん2トップで踊れたというのは、すごいことをさせてもらってるな、と思って嬉しかったです。
──ReiNaさんから見て、vVeStさんのダンスはいかがでしたか?
ReiNa:いやもう、素晴らしかったですよ(笑)。さっき言っていたようにブレイクダンスをやっていたと聞いたので、ヒップホップはたぶん得意ではないだろうなと思ったんですけど、すぐにナチュラルに踊れるようになっていました。オーディションの時にもずっと後ろで踊ってたんですよね。
vVeSt:そうです(笑)。早く覚えないとまずいなと思ったんで。
ReiNa:それもすごいなと思ったんです。リハーサルの時も「ここはどうやってやるんですか?」って積極的に聞いてきてくださって、向上心もすごいあったので、他のダンサーさんたちと高め合いながら、いい空間を作ることができたと思います。vVeStくんのダンスも、リハを重ねるたびにどんどんレベルアップしていて、素晴らしかったです。
vVeSt:ありがとうございます(笑)。本当に、30人のダンサーさんたちや撮影クルーのスタッフさんとか、関わってくださったすべての方がチームになった感じがあったんですよ。僕は、アーティストがいてバックダンサーがいる、っていう形にはしたくなくて、みんな対等でいたいなというのがあったので、全員ちゃんと覚えたいから、ってみんなのInstagramを教えてもらったりして。ダンサーのみんなと過ごす時間は本当に楽しかったです。終わってから地元のお土産をもらったり、手紙をもらったり、手作りのクッキーをもらったりして、そういうのも嬉しかったですね。
──MVの中でも特に見てほしいポイント、おすすめのポイントはありますか?
vVeSt:渋谷のいろんな場所で撮影してるので、渋谷に行くたびにこの曲を思い出すぐらいのMVになると思うんです。なので、ロケ地巡りをしてもらえたら嬉しいですね。あと、やっぱり注目してほしいのはReiNaちゃんの振り付けですね。めちゃくちゃ可愛いし、カッコいいので見てほしいです。そして、すごく覚えやすいアイコニックになる振り付けがあるので、ぜひみなさんMVを見て、マネして、TikTokにあげてください。
Tシャツのアパレルもチェックしてほしいし、ダンサーさん一人一人が主役なので、それぞれのダンサーさんにも注目してもらえたら嬉しいですね。
ReiNa:全員で椅子に座って手振りだけでできるような振り付けもあったりして、みんなでできるようなキャッチーな振り付けにしているので、ぜひみんなで覚えて遊んでみてほしいです。あとvVeStくんが言ったように、今回オーディションという一つの壁を乗り越えて選ばれたメンバーなので、一人一人に個性がありますし、短いリハでしたがみんな努力して頑張ったので、その人たちのことも見てほしいです。あと、Tシャツは、私とvVeStくんとNEXTinDANCEさんの3つのグループに分かれているので、その衣装にも注目してほしいです。
【Official Music Video】vVeSt – 24/7 in da House feat. MAD LEMON (Choreo by ReiNa)
──vVeStさんの今後ですが、延期になっているワンマンライブもありますし、その後も主催イベントを企画されているそうですね。
vVeSt:延期になったワンマンライブは、普段僕が一人でやっていることをブラッシュアップして、そのままステージに持っていこうっていう試みがあるんです。僕は、ほぼ毎日近所の河川敷に行って、ひたすらラップをしてるんですね。ラップしたりヒューマンビートボックスをしたり、家ではDJの機械をいじったり。今回はそれを全部一人きりでやろうと思っています。主催ライブは、普段からいいなと思っているアーティストさんと一緒に面白いライブができればいいなと思っています。
──最後に、おふたりに憧れてダンサーを目指している人や、夢を追っている人達に向けてメッセージをお願い致します。
ReiNa:ダンスは男女問わず、年齢問わず何歳からでも始められるものなので、この映像を見てやってみたいなと感じてもらえたり、マネしてみたいなと思ってくれる方がいたら、ぜひやってみてほしいと思います。私も最初は何もできないところから始まったので、努力すれば何でも叶うんだよっていうことを、今の若い世代の方や、ダンスに限らず目標に向かって頑張っている人に伝えていきたいですね。ダンスって一緒に踊ると楽しさが倍増するんですよ。なので、一人で落ち込んだり思い悩んでしまった人がいたら、私のレッスンに来るなり、誰かと一緒に踊ってみるなりして、人と繋がって何か一緒にやってみるといいですよ。ダンスはより人生を豊かにするものなので、前向きに前進していってほしいです。
vVeSt:僕も諦めない心というのは絶対に大事だなと思っていて。僕は40歳でグラミー賞を取るって言っているんですけど、客観的に見れている部分もあるので、最近では43歳ぐらいになりそうだなと思っているんですけど(笑)、そういうとてつもない大きな夢、人に笑われるぐらいの大きな夢を持つことは大事だなと思っています。
めちゃくちゃでかい家に住みたいとか、いい車に乗りたいとか、イケメン・美人と付き合いたいとか、そういう妄想のような夢だっていいと思っていて、そういうのをもつと、自分の心に正直になって、それに向かって進んで生きていけると思うんです。僕も、年齢関係なくずっとやり続けて、何歳からでもチャレンジできるし、どういう状況からでも夢は叶えられるんだよっていうところを見せたいと思っています。みなさんも周りの目とか年齢とか気にせずに、自分のやりたいことを正直にやっていきましょう。一緒にやりましょう。何かあったら連絡してください。一緒に夢を見ましょう。
文:大窪由香
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