ハイトーンボイスとキャッチ―なサウンドに加え、印象的でありながら飾らない歌詞が印象的な4人組バンド・シンガーズハイ。2020年とコロナ禍の結成でありながら、TikTokをきっかけにより一層注目を集め、ブレイク必至の彼ら。
レコチョクが独自の視点で、これからの音楽シーンで活躍を期待する注目アーティスト数組を選出し、サービスを通してPUSHしていく企画・Breakthroughでも、ダウンロード数・再生数、そして、ファンの投票を経て、シンガーズハイが4月のフィーチャーアーティストとして選ばれた。
5月24日(水)にNEW EP『DOG』をリリースし、今勢いのある彼らにインタビューを行い、作品に込めた想いや制作時のエピソードなど、様々な話を聞いた。
彼らのヒストリーや考えがたっぷり知れる、個性が凝縮された読み応えのあるインタビューとなっているので、ぜひ最後までチェックしてほしい。また、彼らが作ったオリジナルプレイリストやプロフィール帳なども展開されているので、合わせて見てもらいたい。
これから僕たちがどんなバンドになっていくのか、僕たちすら想像もつかない未来に胸を踊らせていて欲しいです
──アーティスト名・シンガーズに込められた想いや背景、きっかけを教えて下さい。
内山ショート (Gt./Vo.):バンド名は、あえて強い意味や由来を持たないようにつけました。その方が縛られずに音楽ができるような気がしまして。今思えば名を呈したようなバンドになっているような気がしないでもないですが…。
居酒屋で飲んでいる時に友人が「シンガーズハイってものは本当にあるんかもなぁ…」と言って、何その言葉カッコイイって思ったのがきっかけです。
──では、シンガーズハイの活動や音楽を一言で表すと?その理由も教えてください。
内山:”王道”です。ロックバンドは反骨精神が源と言いますが。曲がりなりにもロックに定義されるであろう音楽を作る人間としては、ド直球で活動しているかと思います。
──音楽活動を始めたきっかけと影響を受けたアーティスト、そのエピソードや理由も合わせて教えてください。
内山:NHKの『SONGS』に出ていたスピッツのBa.田村さんに憧れて、でも田舎に一緒に音楽をやる人もいなさそうだったのでギターを始めました。大学生のときにオリジナルソングでバンドをやっている友達を見て「俺もやってみたい」、「俺だったらこうするのに」と思ったことがきっかけで、自分の曲を書き始めました。
みつ(Ba.):UNISON SQUARE GARDENや04 Limited Sazabysに影響を受け、バンドやってみたいなと思った時に、自宅に親父のフレットレスベースがあったので、なんとなくベースを始めました。
ほりたいが(Gt.):B’zにどっぷり影響を受けています。もともと両親が好きで、母親の実家にたんまりとCDが置いてあったのが始まりです。ギターも松本さんに影響を受けていて、フレーズに困った時は今でも聴き返します。
りゅーいち(Dr.):KEYTALKを聴いていた影響で、バンドに憧れがあって、最初はギターをやりたいなって思ってたんですけど、ドラムをやってみたらドラムの方がやれそうかも、って思って始めました。
──結成のきっかけや、メンバーとの出会いのきっかけを教えてください。
内山:最初は1人で活動しようと思っていたのですが、上京をしたタイミングで僕の前のバンドを知っていたBa.みつが声をかけてくれて、芋づる式にDr.りゅーいち、Gt.たいがと4人で集まってスタジオに入ってみたところ、今までで1番シックリ来た気がして。絶対この4人でバンドをやるべきだなとなり、結成しました。
──コロナ禍である2020年に結成していますが、難しい環境の中での活動だったかと思います。活動の際に意識していたことはありますか?
内山:今の時代、自分たちの音楽を広めるならライブよりも前に制作が大事だと思ったので、そういう意味では逆に焦らず4人での音楽の在り方を擦り合わせることが出来たんじゃないかなと思います。
──5月24日(水)にNEW EP『DOG』がリリースされました。改めて、どんな作品になりましたか?
内山:楽曲や歌詞の方向性の乱雑さから、傍から見ると不細工、不格好に見えるものかもしれませんが、そういった矛盾こそ自分の人間らしさが出ている気がするし、そういうところも愛してほしいなと思って作れた作品になっています。

NEW EP『DOG』ジャケット写真
──リード曲「Kid」は歌詞やサウンドが癖になる、ライブでも盛り上がること間違いなしの楽曲かと思います。楽曲に込めた想いをお聞かせください。
内山:口は悪いかもしれないですが、音楽が好きな人ほど、自分の好みでない音楽に否定的だったり攻撃的になってしまったりする気がするのですが、そういうことなんか忘れて、もっと純粋に音楽を楽しんでもらえるようになるといいなといった気持ちから生まれた曲です。
♪シンガーズハイ – 「Kid」 MUSIC VIDEO
──「Soft」のMV制作時のエピソードをお聞かせください。
内山:今まで監督のしらしげと2人で絵コンテやロケハンをして何作品も作ってきて、新しいMVを作る度にお互いの考えを共有し、その上で新しい発見もあったりして、成長を感じられるのが嬉しいです。
♪シンガーズハイ – 「Soft」 MUSIC VIDEO
──レコーディング時のエピソードを教えてください。
内山:「Kid」の歌録りのときは、メロディという概念を捨ててとにかくパンチラインを詰め込むということをしてみました。今までやったことがあまりなく、僕たちにとっても珍しかったので、とても楽しかったです。
──作詞・作曲時に意識されたことを教えてください。
内山:どの曲もそうですが、とにかく頭に残るような音楽を作りたいので、メロディと譜割の気持ちよさに1番こだわっています。
──では、楽曲制作時に大事にされていることを教えてください。
内山:曲を出すたびに、「次はどんな曲を出してくるんだ?」とワクワクしてほしくて、毎回常に少しだけやったことないことに挑戦してみるように心がけています。
──制作される際は曲先ですか?詞先ですか?
内山:両方です。詞もメロディも同時にフレーズが降りてくることが多くて、それに肉付けをするといった形です。
──楽曲全体を通して歌詞が特徴的ですが、どんなことからインスピレーションを受けて制作されていますか?
内山:語彙力にはあまり自信がなくて、それが故に文語のような難しい言葉は無理に使おうとせずに、口をついて出てくるような口語言葉をあえて使うようになりました。
──「JAPAN JAM 2023」「VIVA LA ROCK 2023」に出演されました。ステージの感想をお聞かせください。
内山:僕個人としては、ロックフェスの会場に足を踏み入れること自体が初めてでしたが、他のアーティストを見に来たであろうお客さんごと会場を巻き込んでいって一つのステージを作り上げるってことがこんなにも楽しいことだと知りませんでした。好きな音楽というよりも、音楽という文化そのものを愛したい自分としては、ジャンル間の掛け渡しをする役割の一端を、一演者として担えたような気がして、本当に嬉しかったです。
──ラジオ番組「シンガーズハイの”Moonlight Lovers”」もスタートしました。実施してみての感想をお聞かせください。
内山:今まで4人で、ノンストップで話を回す機会って意外となくて。難しいけど、自分はなんだかんだお喋りするのが好きなんだな、と改めて自覚しました。
──5月に『HANGOVER TOUR 2023』を開催されました。振り返ってみていかがですか?
内山:ドタバタな日程であっという間でしたが、それが故に厳しいスケジュールを耐えるために必要な力と、ステージを作る上で関わる人が増えてきて、一人一人に対する感謝が増しました。
──6月より全国ツアー『DOG tour 2023』が開催されます。どんなツアーにしたいですか?
『HANGOVER TOUR 2023』はお客さんに望まれて開催できたツアーだったので、見に来てくれた一人一人とコンタクトを取るように意識してみました。それを経験した上で、今度は自分たちから望んで実施するツアーの意義と、それにしかない良さを見出していきたいなと思います。
──ここからはプライベートな一面についても教えてください。ご自身の「意外と●●なんです」という部分はありますか?
内山:意外と優しいです。東京に来て、見くびられたくなくて地元のツッパリヤンキーの見た目や所作を真似していただけなんですが、戻り方が分からなくなってしまいました。
みつ:意外と寝坊助です。自分はしっかり者だと思っていたのですが、初ビバラの時に大寝坊をかましました…。思い返してみると今までギリギリ間に合っていただけで、何回も寝坊してたなあ。多分これからもします。
ほりたいが:意外と足が臭いんです…(笑)。ちょっと外出して家帰った時にウッ…ってなりますね(笑)。自覚症状があるので、なるべく人様に迷惑かけないようにしてます…(笑)。
りゅーいち:意外と声でかいんです。自分的には普通だと思ってたんですけど、リアクションや返事をすると、周りから耳が壊れる、って言われたりします。声ちっちゃいと思ってたんですけど…なんかごめんなさい。
──今回、オリジナルプレイリストを作成頂きました。プレイリスト名、楽曲のセレクト理由を教えて下さい。
内山:プレイリストのタイトルは、「あつまれ!逆張りピーポー」です。皆が知らない音楽が大好きな逆張りピーポーのために、僕たちがマイブームなお気に入りの曲を選んでみました。
──今目指している目標をお聞かせください。
内山:正直できることならどこまでも行きたいと思っているのですが、今はとにかく目の前の課題を一つ一つ確実にクリアしていけたらいいなと思っています。
──では、これから挑戦してみたいことを教えて下さい。
内山:多すぎて、どれを挙げるべきか分かりません…。少なくとも僕は、もっといろんな曲をたくさん書きたいです。
──ありがとうございました。最後に、応援してくれる方へのメッセージをお願いします。
内山:どんな形や距離感でも、自分たちの音楽を楽しんでもらえることがとても嬉しいです。そしてこれから僕たちがどんなバンドになっていくのか、僕たちすら想像もつかない未来に胸を踊らせていて欲しいです。
みつ:いつも本当にありがとう。
ほりたいが:NEW EP『DOG』は、最新で最高なフレーズがたくさん詰まっています。5曲でいろんな表情が見られると思うので、推し曲とか作ってもいいんじゃないでしょうか。こちとら全部推しですけど。またツアーも回ります。各地で生の『DOG』を浴びに来てください。
りゅーいち:これからも変わらずよろしくお願いします!!!頑張ります!!
文:レコログ編集部
▼シンガーズハイが作ったプレイリスト「あつまれ!逆張りピーポー selected by シンガーズハイ」はこちらから
dヒッツ:https://dhits.docomo.ne.jp/program/10070789
▼Breakthrough特設ページはこちら(彼らが書いたプロフィール帳も公開!)
https://recochoku.jp/special/100956
※各記事に記載されている内容は公開時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。