2番目に登場したのは琴音。彼女はオーディション「Eggs presents ワン!チャン!!〜ビクターロック祭り2018への挑戦〜」でグランプリを獲得し、2019年3月にEP「明日へ」でメジャーデビューした、実力派シンガーソングライター。キーボードが奏でる柔らかなイントロが流れる中、赤いワンピースに身を包んだ琴音がステージに立った。突き刺すような寒さの中で、すくっと立ち、まっすぐに前を見つめる彼女の姿は、とても凛々しくて美しくて力強かった。その印象は、初めて生で聴いた彼女の歌声とまったく同じだった。回っていく日々の中、 “そのままでいいよ”と歌う「今」では、凜とした歌声とファルセットが冬空へと響いていった。 

 

琴音

 

そして2曲目の「ラブレター」は、歌とピアノとのハーモニーが美しいミディアムテンポのラブソング。時折目を閉じて、歌に感情をグッと込める。彼女の歌声は聴き流すことを許さない。一音一音、一言一言をじっくりと噛み締めたくなる。そんな熱量のある歌声に、金曜の夜、帰路へと急ぐ人たちも思わず足を止めていた。時間が経つにつれ下がっていく外の空気は容赦無くて、「震えるレベルで寒いですね」と、もう雪が降り始めたという新潟出身の彼女でも思わず苦笑いしてしまうほどだ。「体を動かしていきましょう。寒いながらも開放感のある曲をみなさんに聴いていただきます」と、11月にリリースしたばかりのニューシングル「白く塗りつぶせ」を披露。透明感のあるヴォーカルで歌うポジティブナンバーが、渋谷の街に響き渡った。全3曲、説得力のある歌声に終始圧倒された。

 

琴音

 

琴音

 

 

 

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