構想から実現まで7年程かかっているんです。
――実際に「みるハコ」が完成したときの手応えはいかがでしたでしょうか?
伊藤:実は、アイディア自体は、構想から実現まで7年程かかっているんです。最初は社内もネガティブだったんですよ(笑)。「映像はスマホで見ればいいじゃないの?」とか、「映像を見るニーズって本当にあるの?」という反応もあって。でも実際にモノができて、お店でデモをしたり、コンテンツホルダーさんに提案をしていくと、すごく反応が良かったんです。「臨場感とかリアルな場での体験価値が圧倒的だ」という声もいただいて。体験していただいたユーザーさんからも好反応をいただきましたので、これはいけるんじゃないかなという実感は持ちました。
板橋:カラオケルームに「カラオケしに行こうよ」というだけでなく、「〇〇の映像観に行こうよ」とか、これまでと違うキーワードが入ってくることによってシチュエーションが広がってくるんじゃないかなって思います。自分自身も、カラオケのヘビーユーザーで、土日とかも家内と「今日は何しようか?」というときにカラオケが選択肢に出てくるぐらいなんです(笑)。昔から私にとってもカラオケルームは仲間や家族と気軽にワイワイできるプライベートスペースで、歌う以外にもみんなと映像を視聴したりできるようにな空間になることは一利用者としても期待しています。
「歌えないけど好き」「映像が面白い」という曲がランクイン
――ところで、JOYSOUND「RecTV」で視聴された2019年年間ランキングが発表されましたが、この結果をご覧になった印象はいかがでしょうか?
■公式ミュージックビデオ観放題サービス「RecTV for JOYSOUND」年間ランキング2019
■2019年JOYSOUND カラオケ年間ランキング 特集ページ
伊藤:斬新な、観て楽しい楽曲やダンスもののMVが多いですよね。1位のサカナクション「新宝島」なんて、まさにそんなMVですし。
板橋:「このMVみんなで観てみようか」っていうものやアイドル系が多くランクインしていますね。
伊藤:アーティストさん毎のカラオケ楽曲ランキングでは歌いやすい曲が上位に来てるんですが、「RecTV」では若干順位が違うんですよね。「歌えないけど好き」という曲がランクインしてるんです。打首獄門同好会の「日本の米は世界一」が6位にランクインしていたり、映像が面白いですもんね。
板橋:やっぱり面白い映像とかが観られているんでしょうね。
伊藤:そうですね。「RecTV」で観ていただけるMVは、2019年内で1万本にいきました。現在、「RecTV』を楽しめる機種も2020年1月時点で全国に約8,000台導入されていて、利用できる店舗数は約1,700店舗になります。今年はさらに導入店舗を増やしていきたいと考えています。
――「みるハコ」で楽しめるライブ・ビューイングへの反響はいかがですか?一部屋を2名で利用したとして、大規模なライブ会場に匹敵する1万人以上の方々が全国のカラオケルームで同時視聴できるというのもすごいですね。
伊藤:ライブ・ビューイングは、お客様にカラオケルーム料とは別で、チケットをご購入いただく必要があります。そこも新しいビジネスモデルとしてご提案したいポイントです。ライブ・ビューイングと、「アーカイブ」と呼んでいるオンデマンド的にご覧いただける映像もあります。チケットが必要ないコンテンツもあって、一番人気があったのは映画でした。今後、カラオケルームという空間を利用して、音楽に限らず、過去に撮り溜めていらっしゃる映像の活用の場として検討いただければと思います。
板橋:音楽のライブ・ビューイングはもちろん、芸人さんのお笑いライブとか、スポーツとか、そういったものも増えてきたらいいですね。お客様は音楽だけが好きというわけではないので、映画やスポーツといった多種多様なジャンルが「みるハコ」で観ることができるようになって、その中に音楽があると、相乗効果が出て、エンタメの中の1つとして利用シーンも高まってくると思います。
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