カラオケルームで新たな音楽体験⁉JOYSOUND話題の新サービス「みるハコ」開発者へインタビュー!~新たな音楽との出会いの場が誕生~

2019年6月から導入されたエクシングのカラオケ最新機種「JOYSOUND MAX GO」の発売とともにサービス開始された「みるハコ」がSNSなどで話題を呼んでいる。音楽ライブやミュージカルなどの長編映像のほか、レコチョクが提供する公式ミュージックビデオ観放題サービス「RecTV for JOYSOUND」、さらに、ライブ・ビューイング・ジャパンと連携し、アーティストのライブ中継も配信、カラオケルームを“歌う”だけでなく“観て楽しめる、新たなエンタテインメント空間”として提供しようという「みるハコ」には、新たな音楽との出会いも待っているはず。今回、企画・開発に携わった(株)エクシング エンタテイメントイノベーション室 部長・伊藤智也氏と(株)レコチョク 取締役・板橋徹に都内のJOYSOUNDの一室でインタビュー。カラオケ市場を取り巻く状況から、「みるハコ」に懸けた想い、今後の展望などを語ってもらった。

 

 

 

「カラオケを歌う」のではなくて、「映像を見る」という楽しみ方があるのなら、そこに何か新しいニーズがあるのではないか

 

 

――本日伺ったJOYSOUND品川港南口店は、オフィス街にありますが、12月の平日午後でほぼ満室と大盛況ですね。現在のカラオケ市場の状況や課題について教えてください。

 

伊藤:カラオケ業界では、カラオケボックス市場は1990年代半ばにピークを迎えていまして、現在の市場は横ばいです。酒場などのナイト市場は年2%ぐらい減少傾向にあります。今後の日本の人口動態を考えると、お子さんも減ってきていますので、我々メーカーとしては、まだカラオケルームにお越しになっていない新しいお客様を誘引したり、来店頻度を増やす取り組みが必要じゃないかなと考えているところです。

 みるハコ

 

――そのカラオケ市場に向けて、「みるハコ」という新サービスの構想に至った経緯について教えて頂けますか?

 

伊藤:弊社の子会社にて100店舗以上の直営店を運営しているのですが、カラオケを歌わずに部屋を利用されているお客様がいらっしゃるという情報を持っていたんです。ライブDVDの持ち込みをするお客様も多くて、プレイヤーを貸し出すこともあることから、以前から映像の需要があるのではないかと思っていました。そこで、よくカラオケを利用されるお客様にアンケートを取ったところ、約4割が「カラオケを歌わずに店舗を利用したことがある」という結果が出たんです。1位は飲食での利用で、2位が本人出演映像やDVD等の映像を見るためにカラオケを利用したということでした。お客様に「カラオケを歌う」のではなくて、「映像を見る」という楽しみ方があるのなら、そこに何か新しいニーズがあるのではないかというところから「みるハコ」の構想が始まりました。何度もトライアルやリサーチを重ねる一方で、映像のサブスクリプションサービスを始められたレコチョクさんにお声がけさせていただいたんです。

 

みるハコ

 

板橋:僕らも音楽配信サービスをはじめ、さまざまな音楽体験ビジネスを進めていく中で、カラオケも音楽体験だと考えていましたので、新しいサービスの構想をお伺いする機会があって、エクシングさんのリアルな空間と我々のネットサービスを掛け合わせると、新しい音楽体験が提供できるんじゃないかなという話はずっとしていたんです。

 

伊藤:我々は、カラオケで歌うということしかやっていませんので、映像サービスを始めるにあたって、レコード会社さんや音楽関連のコンテンツホルダーさんとビジネスを展開されているレコチョクさんのお力が必要だったんです。

 みるハコ

 

板橋:エクシングさんが実施されたユーザー調査のデータを見て、カラオケルームで歌う以外に、特に音楽DVDを友だちと一緒にワイワイ見ている割合が非常に高いというお話を聞いて、これはカラオケ以外にも新しい音楽体験を提供できる可能性があるなと感じました。ご一緒させていただくことで、新しいサービスができるんじゃないかと僕自身も期待感が高まりました。

 

 

 

音楽コンテンツの配信や音楽企画の展開ができれば、音楽業界全体にとっても、ビジネス的な期待感が高まる

 

 

 

――「みるハコ」のサービスを構築するなかで苦労された点などありますか?

 

伊藤:権利者の方々との交渉や調整はレコチョクさんにご対応いただけたので、我々は仕組みを作る方に特化させていただきました。「みるハコ」にはレコチョクさんの映像配信サービス「RecTV for JOYSOUND」(以下・「RecTV」)と、ライブ映像や映画、ライブ・ビューイングの配信をはじめとした長編の映像配信の仕組みがあるんですが、苦心したのは長編映像の配信技術でした。カラオケ店舗は全国に5,500店舗以上あるんですが、そこで何時間という長さのある映像を安定して観ていただける環境を作ることは結構難しいんです。カラオケはちょっとでも映像が途切れたりすると歌いにくいので、安定して映像が流れるようにしているんですが、同じように高品質な長編映像をストリーミングで安定的に配信するというところは結構苦労しました。

みるハコ

 

 

板橋:権利者の方々へのご提案では、カラオケルームという空間で、新しい音楽体験の価値を提供することによって、「新しい収益の拡大に繋がる」というマネタイズ視点。もう1つは、「新しいアーティストとの出会いの場を提供できる」というプロモーション視点の2つのポイントと、「既存のカラオケ事業とはきちんとすみわけができている」点もご説明させていただきました。総論の方向性は権利者の方々にご了解を頂くことができたかと思います。その結果、ローンチ時には比較的数多くの映像コンテンツをお客様に届けることができたと思います。

 

伊藤:我々もカラオケルームならではの大音量・大画面で観ることができる環境は、アーティストをより「体感」いただくことで新たな認知の場にできるのではないかと考えていました。カラオケは平均3人くらいで利用すると言われていまして、友だちが歌った曲を覚えて、自分も十八番を作るみたいこともあると思うんです。

 

板橋:そうですね。「歌う」以外にも仲間でワイワイ映像視聴できることで音楽コンテンツの配信や音楽企画の展開ができれば、音楽業界全体にとっても、弊社にとってもビジネス的な期待感が高まることになるのではと感じました。

 

みるハコ

 

伊藤:まさに、「RecTV」でアーティストのMVを観ることで、板橋さんがおっしゃった「新しいアーティストとの出会い」の接点にしてもらいたいんです。曲やアーティストを覚えないと、結局カラオケでも歌いませんので。まずは、「RecTV」を使って「観る」ことで認知していただき、一緒にいる友だち2~3人にも知ってもらい、次にカラオケで歌うというフェーズになると思います。もちろんカラオケでのアーティスト本人の出演映像なども充実させていくという方針も変わらず強化していきますが、新しい入口として「RecTV」を使うことで音楽やアーティストとの出会いの場になってもらいたいですね。

 

 

 

次ページ:構想から実現まで、「みるハコ」で楽しめるライブ・ビューイング

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