メンバー同士で呑みに行ったり、言いたいことを言い合って意思の疎通が出来てたり、バンドとしてはすごく良い状態
――ベスト盤の選曲はどうやって決めたんですか?
小関:基本、メンバーで話し合って選曲していきました。テーマとしてはライブを意識した選曲です。SNSでファンからもリクエストを募ってみたり、何がベストなのかを4人で色んな方向から話し合ったり。事務所やレコード会社の意見ではなく、メンバーの意思が強めの選曲になっています。
――今作には新曲「FUN」も収録されてますが、音の厚みや説得力ってところで、最新型のBenthamをしっかり見せられた曲になりましたね。
小関:アレンジは各パートに任せて、それぞれ出来ることをいつも通り100%出せました。5年間の積み重ねもあったり、ここ1~2年で変わってきたサウンド構築のやり方の効果もあって。歌とサウンドのバランスも上手くハマってきたのかな?って感じはあります。
辻:いままではスタジオで色んなやり方を試していたんですけど、最近はDTMを使うようになって、各パートが何してるかとか、曲に対する理解力がすごく増してきて。曲作りの方法が変わってきたのも考え方が変わった一因なのかなと思っています。
須田:あとは曲ごとに舵を取れるようになってきて、その曲の最善の道筋を選択出来るようになってきました。ひとつの道筋だけでなく、こっちにも行けるけど、こっちの方が最善という選択が出来るようになったのが、5年間で力になった部分だと思うし。そういった色々が「FUN」にはしっかり落とし込めたと思います。
鈴木:最近もメンバー同士で呑みに行ったり、言いたいことを言い合って意思の疎通が出来てたり、バンドとしてはすごく良い状態にあって。それも音にも表せてるよね。僕ら、ほかのバンドにも「Benthamって、いつも一緒にいるよね」って言われるくらい仲良いんです。
「俺の進む道はこの道で間違ってないんだ」と思わせてくれたのが、この曲
――最高じゃないですか(笑)。今回、新曲「FUN」を入れて全21曲が収録されてますが、それぞれ特に思い入れの強い曲や印象に残ってる曲はありますか?
小関:僕は「Cry Cry Cry」かな。僕の作った「クレイジーガール」という曲で道を切り開いていって、曲作りに少し悩んだ時期もあったんですが。この曲が出来て、「俺の進む道はこの道で間違ってないんだ」と思わせてくれたのが、この曲だったんです。曲作りって自分がやりたくてやってるし、自分との葛藤や戦いも音楽に落とし込んでいるつもりで。それを聴いて何かを感じて欲しいと思ってやってるんですけど、「Cry Cry Cry」で、自分のやりたいことの答え合わせが出来たというか。この曲で自分を表せたと思うし、自分を放出出来る曲になったので、すごく思い入れのある曲ですね。
須田:僕は「サテライト」ですね。この曲はそれまで考えてなかった、“Benthamっぽさ”というのを僕なりに考えて工夫して作った曲なんです。結果、すごく大事な曲になったし、強力なライブチューンになったし、この曲が出来たことで引き出しが増えて。バンドを成長させてくれたし、バンドの武器になる曲になりました。あとは「cymbidium」という、2ndアルバムのリード曲なんですけど、ミドルテンポの曲を初めてリード曲にするというのが、あの時はバンドとしてすごく勇気のいることで。結果、ファンにも受け入れてもらえたし、バンドにとって大きな転機になった曲でした。
辻:僕は「アイマイミーマイン」です。この曲は僕らを育ててくれたKOGAさん(K.O.G.A Records)と出会うキッカケになった曲で。もともとはアマチュア時代にやっていた「満足な豚」って曲のデモをK.O.G.A Recordsに送って。それがプロデューサーのTGMXさんにアドバイスをもらってどんどん良くなって、「アイマイミーマイン」に名前を変えて、「パブリック」と一緒に1stE.P.に収録されることになって。リリースされた時の喜びは凄かったし、すごく思い出深い曲です。今作でも「cymbidium」でしんみりした後に、この曲が始まると空気が変わる感じがあって、その流れがライブっぽかったり、すごく好きなんです。
鈴木:僕は初のアニメのタイアップ(TVアニメ「潔癖男子!青山くん」のOP主題歌)になった「White」ですね。元ネタは僕が持っていったんですが、「こうして欲しい」というオーダーもあって。コードやアレンジも4人で考えて作って、そういう作り方をしたのも初めてで。DTMで作るという、今のやり方に繋がる作り方が出来たのがこの曲だったし、この曲をキッカケに僕らを知ってくれた人も多かったので。苦労して作って良かったと本当に思ったし。アニメの最終回で流れた時は、凄い感動と喜びがありました。
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