吉田山田『証命』_レコチョク

 

 

 

なるべく嘘のないように、偽りのない姿でステージに立ちたいなって

 

 

――さて、おふたりにとっての11年目は、新たなスタートとなると思いますが、いまどんなことを思っていますか?

 

吉田:一番大きな気持ちは“良かった”ということですね。実は、この2,3年で吉田山田を辞めるという選択肢が初めて頭の中に浮かんできていたんです。だからこそ、最後の作品になっても後悔がないように、ちゃんと出し切るという、ネガティブとは違う想いでやってきたんですが、作品を作ってくうちに、その想いが変化していき、まだまだやれること、やりたいことがあるということに気づいたんです。自分が作った曲から、希望を教えられたんです。

 

――すごく素敵なことですね。

 

吉田:僕たちも、そう思います。あとは、“吉田山田はこうあるべきだ”という理想像があって、それを僕たちが演じているところがあったんですが、いまは“こう見られたい”という余計なものをそぎ落として、ありのままの命の形として、吉田山田で存在できるように、変わっていくのかなと思っています。

 

山田:実はそれって、すごく難しいんですよ。ステージに立って、多くの人の目に触れると、どうしてもカッコつけてしまうんです(苦笑)。でも、なるべく嘘のないように、偽りのない姿でステージに立ちたいなって思うんです。

 

――新たな目標ができたんですね。

 

山田:はい。やっぱり、この作品を作っていくときに、吉田山田を続けていきたいという想いがすごく強くなったんです。これまでいろんな挑戦はしてきましたが、まだまだやっていないこともあって…。この何年かは、自分自身を見つめる作業がすごく多かったんですが、それってすごくしんどいんですよ。みたくない、自分でフタをしていたところを開けていく作業ですからね。でも、その作業はこの3部作を完成させた今、すこし置いておこうかなと思っています。もちろん、自分の中にある言葉を引き出すのは大事なんですが、もっと外に目を向けて、コラボレーションや、いろんな人と音楽を作ることによって、いろんな化学反応を起こせたらいいなと思っています。

 

――すでにやってみたい相手はいるんですか?

 

山田:まずは吉田兄弟さんですね!

 

――なるほど!

山田:この10年で、幾度となく“三味線の2人!”って間違えられたんですよ(笑)。なので、いつか“吉田吉田吉田山田”でやってみたいなって思っています(笑)。

 

 

 

 

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