吉田山田『証命』_レコチョク

 

 

 

こういった曲が出てくるのは、自分たちの中でも新鮮でしたし、驚きました

 

 

 

――すごくいいターニングポイントだったんですね。

 

吉田:はい。それに、デビュー直前とか、それより前はこの状態だったよなと思いだしたんです。初心に戻り、「二人で作る」という意思を一緒にしっかりと持ったというところが大きな変化でした。

 

山田:さらに、曲の話をしているようで、お互いの人生の話をよくするようになりました。もともと、高校の同級生なので、出会って18年も経つんです。人生の半分を共にしているので、仕事や生活を飛び越えたところで、今は一緒に音楽をやっているなという感覚ですね。

 

――今作に入っている曲で、それが象徴された曲はどの曲になりますか?

 

吉田:「街が夜になる」という曲の原型は、はるか昔にあったんです。でも、言葉やアレンジのピースが足りなくて、自分たちが納得できるところまで持っていけなくて悩んでいたんです。いざ、今の年齢になって、自分たちもお酒を飲んだり、お酒で失敗したり(笑)、そういった人たちを見ていたりするうちに、人生の面白みのひとつのように楽しめるようになったんですよね。もちろん、お酒のことだけじゃないですよ(笑)。そうやって日々を過ごしていくうちに、やっと必要なピースが揃って、やっと歌詞を書くことができたんです。どうしても完成できずに曲を置いておくと、心が痛むんですよ。でも、10年目で、やっとできることもあるんだなということを発見できました。

 

山田:あえて選ぶのであれば、「SODA!」ですね。2人でいると感性も倍になるので、1曲に対して揉むことが多いんですよ。だからこそ、1曲に対して入れたい想いが多くなり、言葉も多くなるんです。でも、この曲はあまり言いすぎていないんですよ。肩の力が抜けていて、何も言っていないように感じて、何かが伝わってくるんです。特に3部作の完結編というなかでこういった曲が出てくるのは、自分たちの中でも新鮮でしたし、驚きましたね。ある意味、自分たちの尻に火をつけてやってきた中で、こういった曲が生まれるんだという発見がありました。

 

 

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