2019年10月21日にデビュー10周年を迎え、11月6日(水)に7枚目のアルバム『証命』をリリースした吉田山田。今回のアルバム『証命』は、『変身』『欲望』に続く3部作となり、彼らにとってはとても大切な作品となるだろう。そんな彼らに、本作に込める想いや制作秘話、11年目に向けた意気込みなどを語ってもらった。
“自分の命をちゃんと歌う”ということとなると、3年は絶対的に必要な時間だった
――ニューアルバム『証命』は、『変身』『欲望』に続く作品となる、3部作になるんですね。
吉田結威:はい。この3部作を3年のスパンで作るということ自体が初めてでしたし、このようなことをやりたくても、誰もができることではないので、自分たちがどれだけ恵まれている環境にいるのかということを実感しました。普通なら、ひとつのテーマで長くても半年くらいの制作期間で作品を作っていくんですが、“自分の命をちゃんと歌う”ということとなると、3年は絶対的に必要な時間だったんです。だからこそ、いま、ついにその作品を完成させることができて、すごく感慨深いですね。
吉田山田「証命」
山田義孝:3部作の完結となると、自分たちでもかなり肩に力が入っていたので、どんなものができるのか心配になることもあったんですが、いざ作り始めてみたら、出てくる言葉がものすごく色とりどりなもので驚いたんです。例えば、自分の心の中を掘り下げていくような独白のような言葉や、あまり人に伝えたくないような、心のフタを開けた作品だったり…。さらに、ものすごくシンプルな言葉で、逆に肩の力が抜けた曲もあったりと、思っていたものとはいい意味で違うものが出来上がったなと思っています。
――この3部作を作り上げたからこそ、思うこともあったのではないでしょうか。
山田:素直に、「まだまだこれからも歌っていたいな」と思いました。この先の自分たちが、まだまだもっといいものができるという想いが湧いてきたんです。この3部作は完結したけど、新たな始まりの1枚になったなと思っています。
――この3年間、深いテーマに向き合うことで、おふたりの関係性はどう変化しましたか?
吉田:まず、ふたりで決めることが圧倒的に増えました。実は3,4年くらいまでに、制作チームが変わり、今まで一緒にやってきたスタッフさんが抜けてしまったんです。その時は、吉田山田と、もう一人のメンバーだと言っても過言ではないくらい、いろんなことを相談するスタッフさんだったので、ものすごく困ったんです。でも、今後もスタッフさんが変わるということはきっとあるし、この人がいないと困ると言う人がこれ以上増えたら、絶対にダメだと思ったんです。その時に、「この人がいなくちゃと思うのは、山田だけでいい」し、「山田からしたら、僕だけでいい」という状態で、吉田山田を作っていかないといけないと思ったんです。
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