写真右から:USEN営業本部 Wedding Market Unit 部長の横山洸介氏、レコチョク 提携事業部 部長の松本秀雅氏

 

2022年11月22日(いい夫婦の日)に本格提供を開始した『WEDDING MUSIC BOX』は、結婚式シーンでのお困りごとをオンラインでワンストップ解決することを目指したBGMサービスパッケージで、株式会社USEN(USEN-NEXT GROUP)と株式会社レコチョクの協業により実現した。

今回は、本サービスに込めた想いや意図、そして今後の展望などをUSEN営業本部 Wedding Market Unit 部長の横山洸介氏と、レコチョク 提携事業部 部長の松本秀雅氏に語ってもらった。

 

──レコチョクとUSENが協業して実現した、披露宴BGMサービスパッケージ『WEDDING MUSIC BOX』。立ち上げのきっかけを教えてください。

 

横山:弊社USENとブライダル業界の繋がりでいうと、USENは以前、 『ウエコレ』というブライダル関連のサイトを運用しており、広告等でブライダル業界の方とお取引がございました。すでにこのサービスは終了してしまいましたが、当時、ブライダル業界の方々から「USENさんには広告だけではなく、本業のBGMのところで、ブライダル業界と何か一緒に取り組んでほしい」「ブライダル業界にBGMで貢献していただくようなサービスを作ってほしい」というお話をいただいていました。そこで、いろいろと調べてみたら、披露宴で使用したBGMの権利処理や、BGMの再生方法などに課題があることを知ったので、「ブライダル業界に向けた音楽の新しいサービスを作ろう」となったのがそもそものきっかけです。

加えて、ここ数年のコロナ禍で、ブライダル業界も大きく打撃を受けた業界です。これは弊社社長の想いでもありますが、“店舗様があってこそのUSEN”だという考え方がございますので、店舗様と共に生きていくという考えの中で、コロナで打撃を受けたブライダル業界を、USENのDX推進というところと、BGMのサービスというところで力になれることはないか、という想いがありました。

 

松本:レコチョクは音楽を軸に事業を展開しており、我々提携事業部では、様々な業界の会社様に対して「音楽が皆様のお役に立てないか」、また「すでに音楽を事業でお使いの場合は、配信という技術によって今ある音楽課題を解決できないか」、そのような提案をしてまいりました。そんな中、披露宴会場の会社様とお話をさせていただいた時に「披露宴で使う音楽は課題がたくさんあります。何とかなりませんか…?」というご相談をいただきました。そこでヒアリングや調査をさせていただいた結果、この業界では音楽が式場様だけではなく、新郎新婦様にも音楽権利者様にも、全ての関係者にとって大きな課題となっていることが分かりました。課題は様々ですが、一言でいうと「誰にとっても複雑で分かりにくく手間がかかる」という実態がありましたので、取り組む意義があると強く思い、検討開始しました。店舗用BGMサービスで協業関係にあったUSENさんとも “この課題解決はブライダル業界にも音楽業界にも貢献できる”とすぐに意気投合、全国の営業サポートの観点も含めて一緒に検討する流れとなりました。

 

横山:多くの業界がどんどんDX対応し、IT化されている中で、ブライダル業界ではまだまだレガシーな風潮もありました。特にBGM利用時の著作権処理のところは課題も多く、それに対してレコチョクさんとUSENという、音楽を届ける事業を運営している2社としては、結婚式シーンでのお困りごとの解決を目指し、また、「アーティストの皆様の権利を守る」サービスを立ち上げました。

 

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披露宴BGMサービスパッケージ『WEDDING MUSIC BOX』

 

──様々な課題がある中で『WEDDING MUSIC BOX』は、ブライダル業界、音楽業界、また利用される新郎新婦様に対して、どのように貢献できると思われましたか?

 

横山:ブライダル業界に対しては大きく2点あり、1点目は業務の運用の効率化ですね。お話を伺っていると、ブライダルプランナーさんの業務はかなり多岐にわたるので、業務過多になる傾向があるとのことでした。その中でせめてBGM関連の部分だけでも、プランナーの方たちの業務が少しでも楽になるようにお手伝いできれば、と思いました。

BGMは、今の運用ではCDを使っているので、CDの管理や傷チェック、再生する箇所の確認などにすごく時間がかかっており、そういった進行が本サービスによって簡単にできればと思っています。

もう1点は先ほども申し上げた、著作権周りのところですね。音楽利用時の著作権に関してはプランナーさんも1から100まで理解できていないことも多く、また、処理方法も複雑なので、新郎新婦様へのご案内が難しい。でも、この『WEDDING MUSIC BOX』に入っている音楽に関しては、著作権周りもクリアした、問題なくご使用いただける楽曲なので、自信をもってご紹介していただけるんです。この2点が、ブライダル業界に対しての貢献部分ですね。

 

新郎新婦様に対しては本当にシンプルで、1300万曲(※2023年5月1日現在)という豊富な楽曲ラインアップから好きな曲を好きなように選べますし、スマートフォンを使っていつでも選曲できるので、ご自身たちにとって音楽という面で妥協のない結婚式にしていただけるというところです。現状では、式の1カ月くらい前に紙を渡されて「このリストを埋めてください、CDを用意してください」って言われることが多いんだそうです。一番忙しい時期にCDの用意をするのも大変じゃないですか。

音楽って、結婚式の中でもけっこう重要だと思うんです。僕も友達の結婚式で流れた音楽が、シーンと共に記憶に残っていることってあるんですよね。音のボリュームだったり、流れるタイミングだったり、当日の演出の中でかなり重要度が高いはずなのに、準備段階ではまだ軽視されているという状況があると思っていて。このサービスを利用していただければ、二人で観に行った映画の主題歌や、二人で行ったレストランで流れていた曲など、一緒にいる時に、気になった曲があればその場でお気に入り登録をしておくことができます。そうするうちに、お二人の想い出と紐づいた楽曲がアプリに溜まっていくので、いざ選曲する時には、そのお気に入り登録をした楽曲から選んでいけばいい。一緒に想い出を振り返ることにもなるし、最初の共同作業にもなるので、準備も楽しい想い出にしてもらえるようなご提供ができるのではないかと思います。

 

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松本:新郎新婦様、式場様、音楽権利者様、“それぞれが抱える音楽に関連した課題解決ができる”という点で貢献できると考えました。

具体的には、新郎新婦様にとっては「使いたい曲が使えない」「使える曲がわからない」「CDを準備しないといけない」「記録用ビデオでは音源変更が必要になることが多い」という課題解決による貢献です。

また、式場様にとっては「新郎新婦様のお二人に満足いただける音楽の提案ができない」「音楽が原因でお客様が他の式場に流れてしまう」「お客様ごとのCD管理、傷チェック、利用申告までのオペレーションが大変」という課題解決による貢献ですね。

式場様としては楽曲ごとに使えるか確認せずとも、この1,300万曲の中から選べます、というシンプルな形で新郎新婦様に紹介ができるので、音楽に関する課題の大部分は解決できるようになります。

そして、音楽権利者様にとっては「利用実態がつかみづらい」「十分な権利処理がなされていない」「配信限定の最新曲を含め、使われやすい環境になっていない」という課題解決ができると考えました。

 

──『WEDDING MUSIC BOX』がスタートして、お客様からどのような声が返ってきていますか?

 

横山:日々の営業活動の中から、式場の方から生の声を頂戴していて、その中でもやはり代表的なところで言うと、先ほどの話と重複しますが、業務時間の削減ですね。煩雑だった業務がすごくシンプルになったので、「BGMの打ち合わせに1時間ぐらいかかっていたものが、15分くらいになったよ」といったお声をいただきました。また、このサービスで効率化されたので、空いた人員で別の業務を行うことができ、会社の新しい部署の立ち上げにもつながった、といった例もあります。

新郎新婦様については、今までは各プランナーさんのところである程度定番のBGMラインアップというものが存在していて、その中から選ぶような形が多かったのが、このサービスを導入してからプランナーの方も驚くほど、結婚式でかかる音楽が様変わりしたそうです。「これまで新郎新婦様に対してリミッターをかけてしまっていたんだなと自覚しました」と、ある式場の方がお話してくださいました。最近はTikTokで流行っている曲が披露宴で流れたりするそうです。それってこのサービスがなければ、おそらく選択肢にもあがらずに使われていなかった楽曲だったんじゃないかなと思うんです、CDになっていない楽曲も多くありますので。でも「『WEDDING MUSIC BOX』で探したらあった!」という喜びの声もいただいています。

あとは音響の作業として、今まではミキサーを使ってCDコンポを2台接続して、CD2枚を入れ替えてフェーダーで曲を操作して…というような、テクニックが必要な作業だったので、「こんなアプリひとつじゃ出来ないよ」って最初は門前払いされていたんですよ。ですが、導入していただいた会場の音響の方曰く「今後新しい人材が入ってきた時に、今までのオペレーションを教えるよりもこのアプリを教えた方が、学習コストが格段に下がる」とおっしゃっていただいて。若い世代はスマホ世代なので、未来の人材に対しての学習コストの点でも圧倒的に軽減できると伺っています。

 

松本:レコード会社さんからは、ありがたいことに、大変可能性を感じていただいています。だからこそ、1,300万曲という許諾もいただけたと思っています。また、先日、中島美嘉さんやOmoinotakeさん、Skoop On Somebodyさんが作ってくださったプレイリストも公開しているのですが、その後も「協力したいです」と言ってくださるレコード会社さんも多いので、音楽権利者様とブライダル業界を繋ぐ、新しい接点を作ることができたのかなとも思います。

ですので、次のステージとしては、アーティストやレコード会社がブライダル関連で何かしたいなと思った時や、たとえばウェディングソングが出来た際、この『WEDDING MUSIC BOX』を思い出していただいて、あの場所を利用すれば新郎新婦様に想いを届けられるなとか、新しい企画ができるなとか、そういう新しい場所として認知していただけるようなものにできたらと思っています。

 

──今は“推し活”という言葉もありますし、同じ趣味・同じものを好きな人同士がご結婚されることも多いそうですから、こういったアーティストの方のプレイリストがあるといいですね。

 

横山:確かに、コンセプト結婚式みたいな式もありますしね。

 

松本:新郎新婦様に音楽をより楽しく選んでいただけますし、選曲の選択肢も増えると思うんですよね。何よりこうやってアーティストの方々が協力してくださるのって、「新郎新婦様をお祝いしたい」というアーティストの想いがあるので、それは本当に素敵なことと思いますし、だからこそそういう想いを、このサービスを通して丁寧に繋げていくことは、いい試みだとも思うので、大切に続けていけたらなと思っています。

 

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──よりこのサービスが多くの方に使われるといいですね。5月30日(火)・31日(水)に開催される“ブライダル産業フェア 2023”というイベントに出展されるそうですね。

 

横山:そもそもこの“ブライダル産業フェア”というイベントは、「ブライダル産業新聞」という業界紙の発行をしている新聞社が主催されています。

このイベントは年に1回開催される、業界唯一の企業・法人向け展示会です。こちらに出展を決めたのは、新郎新婦様はもちろんですが、より多くの式場の方々にこのサービスを知っていただきたい、と思い、全国の式場でご勤務されている方が集まって今のトレンドを取りに来るようなホットなイベントに参加していこうということになりました。

 

──最後に、今後このサービスをこうしていきたい、という想いをお聞かせください。

 

横山:ブライダル業界に対しては今コツコツと営業させていただいていますけれど、最終的にはこのサービスがスタンダードになり、このサービスを使うことが当たり前という世界を作っていきたいと思っています。今はCDが当たり前の世界ですけど、CDやCDプレイヤーを持っていない方も昨今は増えてきている、というように、スタンダードって気づいたら変化していると思うんです。なので、ブライダル業界での音楽もこの『WEDDING MUSIC BOX』が当たり前になるっていう展開をしていけたらいいなと思います。

また、今は式場で音楽を流す時に、外部の音響会社さんを入れていることがほとんどなんですが、このサービスを開始した当初、このサービスによって音響会社が淘汰されるんじゃないかと懸念されていたんです。だけど私たちは、誰かの仕事を奪うことを考えても望んでもいません。このサービスを使うことによって業務が楽になり、三方良しとなる状況を作りたいと思っています。そのことをしっかりと周知したいと思っています。

新郎新婦様に対しては本当にいいことしかないと思っているんです。今後Z世代やα世代のような、生まれた時からスマホがある世代の方たちが結婚する時に、CDを持ってきてください、と言われても困ることもあると思うんですよ。なので、この『WEDDING MUSIC BOX』が、日本のどの式場様でも使用できる、というような状況を作っていけたらいいなと思っています。

 

松本:披露宴には音楽が欠かせません。音楽業界とブライダル業界がより近い距離で情報交換をし、両社にとってポジティブな状況を生み出す、そのひとつのツールになればいいなと考えています。新郎新婦様はこだわりの音楽で妥協のない披露宴ができ、アーティストは自身の想いをのせたウェディングソングを届けられる場所のひとつになる、そして披露宴で使われている音楽の実態がオープンになり面白い情報になる、そんなものになって欲しいと思っています。

更には、これは少し先の話かもしれませんが、私たちが届けられるものって音源だけじゃないと思っているんですね。たしかに音楽は披露宴に使われるし、必要なものだと思うんですが、新郎新婦様からするとアーティストに求めるものは音源だけではなくて、もしかしたらアーティストからビデオレターをもらいたいと思っているかもしれないし、披露宴に来て歌ってもらいたいと思っているかもしれない。そして、もしかしたらアーティストの方々もそういった期待に応えたいと思っていらっしゃるかもしれない。式場様はもっと個々のお客様に喜んでいただけるサービスを提供したいと思っているかもしれない。なので、まだまだ求められるものってあると思っていて、そういった披露宴に関わるすべての方の想いや形をこのサービスに乗せていけたら最高だなと思っています。理想論ではあるかもしれませんが、披露宴というシーンで、そういったもっとワクワクする話を実現できるようなサービスを、USENさんと一緒に目指していけたらいいなと思います。

 

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文:大窪由香

写真:平野哲郎

 

■WEDDING MUSIC BOX

「BGMの選曲・管理」「披露宴でのBGM再生」「複雑な権利処理」など、結婚式シーンでのお困りごとをオンラインでワンストップ解決することを目指したBGMサービスパッケージです。1,300万曲以上のJ-POP、洋楽、JAZZ、クラシック、ボサノヴァ、インストゥルメンタルまで幅広いジャンルの楽曲から、新郎新婦様のご希望にあった楽曲を披露宴の各シーンのBGMに簡単に選曲・設定が可能です。カスタマイズでの選曲はもちろん、お好みでそのまま使用できる披露宴プログラムや、選曲に迷ったときに便利なおすすめの各種プレイリスト、結婚式場オリジナルのプログラム・テンプレート作成機能などをご用意しています。

本サービス導入企業さま事例詳細はこちら:

https://weddmusicbox.com/case