数々の有名アニメ作品に声優として携わり、確実に進化を遂げている内田雄馬。アーティスト活動開始から5年が経ち、アーティストとしてもステップアップをしている彼が11月29日(水)に約2年ぶりのアルバム『Y』をリリースする。自身で初めて作詞・作曲を手掛けた「旅路」を含む全13曲入りで、アーティスト内田雄馬を堪能できる作品。今回、「レコログ」ではリリースを記念して内田雄馬にインタビューを行い、アルバムに込めた想いやアーティスト活動を通して感じることなどを語ってもらった。「レコログ」でも約2年ぶりのインタビュー、ぜひ彼の“今”を感じてほしい。

 

 

自分の言葉で作った曲が、しっかりと伝わってくれたら嬉しいです

 

──3枚目のアルバム『Y』が完成した今の心境を聞かせてください。

 

アルバムを制作する際、これまでに2枚作ってきたからこそ、ある程度方向性も見え、作りやすくなってきているのではと思っていたんですが、今作では自分自身と向き合うようなテーマにしたので、これまでにない大変な作業となりました。なので、今は完成してすごくホッとしています(笑)。

 

uchidayuma_JK3rd Album『Y』通常盤ジャケット写真
 

──なぜ、このタイミングでより自分自身と向き合おうと思ったのでしょうか。

 

3枚目のアルバムを作るという大きなタイミングは、新しい挑戦をするにはすごくいいタイミングなのではと思って、今回、初めて作詞・作曲を1曲やらせていただいたんです。2枚目のアルバムを制作した時くらいから、いつか自分で曲を作りたいという気持ちはあったんですが、そこに対して踏み込む勇気がなかったんですよね。もちろん、これまでも楽曲として頂いた言葉の中に、自分の解釈をしっかりと交えてお届けしていたからこそ、アーティスト・内田雄馬として見せたいもの、届けたいものを受け取っていただいている実感はありました。でも、あらためて“芯”となるものを届けたいと思った時に、ちゃんと自分の言葉を紡がないといけないと思ったんです。

 

──これまで、様々な方から楽曲提供を受けていた中で、改めて自分で作るとなると、そのハードルはさらに高くなるのではと思ったのですが…。

 

その通りです(笑)。自分で曲を作り始めたことで、改めて気づくことが山ほどありました。いつもレコーディング中は、“このアプローチはこういう仕掛けになっているんだな”とか“この言葉と音がリンクしているな”と思いながら歌っているんですが、それを自分が実際に作ることが出来るかと思うと、そんなことはなくて…。プロのクリエイターの方たちのすごさを改めて、ひしひしと感じました。

 

──そんな中作られた「旅路」には、どのような想いを込められたのでしょうか。

 

僕は今まで、自分が感じてきたことはあまり人に見せないようにしていたんですが、そこをすべてさらけ出したいなと思い、作り始めました。

 

──となると、本当に自分との対峙が必要になってきますよね。

 

そうですね。僕はもともと声優というお仕事をする中で、頂いた言葉をどう解釈して、表現していくかということを大事にしてきたんです。でも、この曲は自分が0から1を生み出したものなので、それがちゃんとできるかどうか、不安が大きかったんですよね。それと同時に、もっとちゃんと気持ちを伝えるために、いろんな言葉や、伝える方法を持ちたいと思ったんです。

 

──そうやってさらけ出したからこそ、この歌詞には、共感する人が多いと思いますよ。

 

そうだと嬉しいですね。僕は音楽を作り、ライブもしていますが、声優という仕事柄もあり、僕が本当の自分の気持ちや芯を伝えることは少ないんです。でも、こうやって自分の言葉で作った曲が、しっかりと伝わってくれたら嬉しいです。

 

──ライブでファンのみなさんの前で歌ったら、涙腺が弱くなりそうですね。

 

そうですね。泣いて歌えないかもしれないです。

 

──リード曲である「Joyful」も、ライブで盛り上がりそうな楽曲になりましたね。

 

この曲は、明るくてポップで、アーティスト・内田雄馬らしい曲になりました。ライブでもみなさんと一緒に楽しめる楽曲になったと思います。

 

♪内田雄馬「Joyful」MUSIC VIDEO

 

──アルバムタイトルは『Y』ですが、どんな意味が込められているのでしょうか。

 

“Y”って、3本の線で作られているんですが、見方を変えると、二つの道が一つになり、一緒に歩んでいくというように解釈できるんですよね。僕からすれば、声優とアーティスト、二つの道が一つになるという意味にもなりますし、さらには音楽を作った僕らと、聴いてくれるお客さまたちが一つになり、エンターテイメントになるという意味もあると思ったんです。さらに、聴いてくれる人達とは、楽しい時はもちろん、辛い時も、どんな時でも、気持ちを共有して、さらにいい方向に向かっていけたらいいなと思っていて。リード曲の「Joyful」でも、そんな僕の音楽に出会ってくれた人のおかげで感じられたことを歌っているんです。

 

──すごく素敵な意味が込められているんですね。

 

1枚目のアルバムが『Horizon』ということで、地平線を描くと1本の線になりますよね。2枚目のアルバムは『Equal』で記号にすると『=』と、2本の線を使ったものでした。今度は3本線を引いて何かメッセージを込められないかと思った時に『Y』が思いついたので、すごくいいタイトルになったなと、思っています。

 

──このCDについている特典もかなり豪華ですよね!

 

今回はカードに写真集と、手に取った時に楽しいなと思えるものを作らせてもらいました。写真集はタイに撮影しに行ったんですが、すごく楽しかったです。なによりも食べ物が本当に美味しくて!タイの街も、ものすごく進化していましたし、個人的には日本のお店がバンコク店として構えてあったり、日本のアニメというカルチャーが愛されていることが伝わってくる場所でもあったので、たくさんの刺激をもらうことが出来ました。

 

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──タイでも日本のアニメがかなり愛されていますよね。

 

すごく嬉しいですよね。僕が音楽をやっている理由の一つとして、僕の歌を知った人が、普段何をしているのかを調べたときに、声優をやっているらしいぞ、という流れでアニメを見てもらえたらいいなって思うんです。

 

──そうだったんですね!

 

はい。アニメは日本が誇る文化ですし、何十年も第一線で作り続けている中で、いろんな進化をしているのが本当にすごいなって思うんですよね。アニメは夢と希望、そして知らないことと出会えるものでもあるんです。現実的な作品もあれば、ロボットに乗るファンタジーもあったりと、いろんな世界を体験することが出来るところが、アニメの面白いところだと思うし、誇れる部分だと思っています。

 

──さて、アーティストデビュー5周年を迎えた今、改めて感じる心境の変化はありましたか?

 

実は、僕はアーティスト活動を始めたときに、歌うことが好きだから始めたのですが、“アーティスト・内田雄馬はどうあるべきか”ということの答えがなかなか出てこなかったんです。でも、アーティスト活動という、知らなかった世界に踏み込んだことで、新たな自分と出会えましたし、大きく成長できたと思うんです。きっと、多くの人が同じで、興味があることや新しいことをすることで、絶対に世界が開けると思っていて。もちろん、新たな挑戦をすることはすごく勇気が入りますし、怖いし、諦めようかな、今の場所に戻ろうかなって思うこともあると思います。でも、ちょっと踏み出すだけで、人間は大きく変わることが出来る可能性があるんですよね。実際に、5年前は僕が武道館に立つなんて思ってもいませんでしたし(笑)。もちろん、山も谷もありますが、踏み出すことで素晴らしいことに出会える可能性があるなら、僕はその可能性を大事にしたいんです。そして僕は、アーティストとして活動をしていくうちに、みなさんのパワーになるように歌いたいと思うようになれました。

 

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──そういった想いが作詞・作曲にも繋がっているんですね。

 

そうですね。また機会があれば曲を作りたいと思っています。それに、僕が今言っていることって、「ポジティブだからそう思えるんだよね」「元気な人だからいいよね」って思われてしまったらダメだと思っていて。だからこそ、僕は自分の言葉を紡ぐことは決して得意ではないけれど、ちゃんと自分の言葉で書こうと思ったんです。本当なら、弱い自分を見せるのは恥ずかしかったんですけどね(苦笑)。

 

──でも、それを決心したからこそ、より説得力のある曲が生まれたんだと思います。

 

そうですね。僕がそうしたように、いま、踏み出すことに二の足を踏んでいる人に対して、ちゃんと届いたらいいなと思って書いた曲が「旅路」なので、聴いてもらえたら嬉しいです。

 

──より音楽が楽しくなった5年間だったんですね。

 

そうですね。考えることって、すごく体力を使うんですが、考えたことが形になり、みなさんのもとに届き、それがなにかひとつでもいい影響を与えてくれたのなら、それ以上に嬉しいことはないので、やってみて良かったなと思っています。

 

──さて、2021年のレコログ取材時に、“マグロにハマっている”とおっしゃっていましたが、今はいかがですか?

 

そんなことを言っていましたか!?(笑)マグロは今でも大好きです(笑)。いまは白身魚も好きですね。あとは、お米にハマっています。

 

──原点回帰ですね(笑)。

 

はい(笑)。筋トレをしているんですが、身体を鍛えるときにガソリンとなるお米は大事なんですよね。よくお米は糖質だからと敬遠してしまう人もいるんですが、僕個人としては、ある程度は食べた方がいいと思っていて。……食べたいだけの自論かもしれないですけど(笑)。

 

──おいしいですからね。

 

間違いないですね。なので、毎朝納豆ご飯を食べています。胃腸の調子も良くなりますし、必須ですね。

 

──さて、もうすぐ2024年ですが、どんな1年にしたいですか?

 

2023年はいろんな挑戦をさせていただいたので、2024年はそこで得たものを育てていき、自分の特技にできるようにしていきたいですね。ありがたいことにイベントやライブも決定しているので、丁寧に取り組んでいきたいですね。

 

──ちなみに、2023年の内田さんを一文字で表すと…?

 

なんだろう~!?…“進化”ですかね…!

 

──いいですね!

 

2024年はいろんなものをブラッシュアップして、この先を見据えてよりステップアップしていきたいと思っています。挑戦も続けつつ、やり始めたことの基盤をしっかりと整えていきたいですね。

 

文:吉田可奈

 

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  • 内田雄馬

    内田雄馬

    「呪術廻戦」伏黒恵役、「ちいかわ」ラッコ役、「BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-」カワキ役、「BANANA FISH」アッシュ・リンクス役など、数々の人気作で存在感を発揮。
    2019年「第十三回声優アワード」主演男優賞を受賞した後も、更なる飛躍を遂げ、現在最も注目を集める実力派声優・内田雄馬。

    2018年5月30日にアーティストデビュー。爽やかな魅力と確かな歌唱力で着実にその人気を拡大し、2021年9月にリリースした2ndアルバム「Equal」ではオリコン週間ランキング7位を獲得、2022年11月には初の日本武道館2DAYSライブを開催。合計で16,000人を動員し、その存在感を強めた。
    2023年5月には自身最大規模となった6都市9公演のライブツアーを敢行、アーティストデビュー5周年を迎えるなど、アーティスト活動においても着実に進化を遂げている。

    誕生日:9月21日
    血液型:A型
    出身地:東京都
    趣味・特技:ドライブ、ゲーム、料理、焼肉