様々なステージに登場した鶴の3人は、大先輩のギタリスト「ウルフルケイスケ」ともコラボ。
入れ替わりで隣のステージでは、これまた鶴の敬愛する先輩、「SCOOBIE DO」がステージに上がり、プラスワンモー(SCOOBIE DOのファンの総称)を踊らせる。コヤマシュウが「アウェイ」の途中から鶴の「カミナリベイベー」を歌い出し、「秋野君、神田君、どん君、ありがとうー!」と感謝を伝えてから再び「アウェイ」へ戻る、この日ならではの曲展開にしびれた。最後は「鶴フェス、最高―!」とコヤマが叫んで、大トリの鶴へとバトンを渡した。
17:00、いよいよ始まった大トリとなる「鶴」のライブは、サウンドチェックから大盛り上がり。ステージの設置された芝生のグランドに入りきれないほどの観客で、始まる前からすでに期待感はマックスとなる。「夜を越えて」の8ビートのイントロが鳴ると、一気にステージ前に観客が集まった。「雨が心配されたけど、なんとか持ったね!今宵も愛と魂を燃やしてワイワイしようぜー!」と、改めてライブをスタートさせた。歌い出した曲は、「低気圧ボーイ」。天気の心配を逆手に取った曲から始める憎い演出だ。
続いて、いつものご挨拶、「こんばんは、鶴です」。「サポートの鍵盤、松ジュンと作った新曲を聴いてください!」と歌われたのは、「マジカルロックミュージック」。MCでは、実家の町名まで紹介するという、地元フェスでしかありえない開放感満点のメンバー紹介も。思い出の曲として、「恋のゴング」「夏の魔物」とライブ定番曲を続けてプレイ。アップテンポな曲で熱くさせた後は、静かにピアノの伴奏だけで歌い出した「夜に太陽」。徐々に楽器が加わり、日が落ちた会場にドラマティックな演奏、歌声が広がって行く。「この曲は、3年前に他界してしまった橋口くん(プロデューサー)、今日まで、そしてこれからも一緒にやりたかった音響の白神さん、そしてずっと長いこと鶴を見てきてくれたんですけど、フェスを前にして帰らぬ人となってしまった鶴ヶ島市市役所の宮崎さんに捧げます」との秋野のMCに、お客さんから改めて拍手が起こった。
ここで、2020年の春から、アルバムを出して“普通に”ツアーをやることを宣言。「良いときも悪いときも、全部振り返ると、楽しいときでした。まだまだ、一緒に歩きましょう!」との言葉から歌われた「歩く this way」で大合唱となった後は、「踊れないtoフィーバー」。ライブハウスの興奮がそのまま、ここ鶴ヶ島運動公園に運ばれてきている。
「楽しいかー!?君たちが作ったんだぞ、この楽しいやつを!」と、応援大使たちに感謝。
続いて歌われたのは、最新シングル曲「バタフライ」。「日々の優しさや思いやりは、巡り巡って誰かの幸せや自分自身の背中を押すエネルギーになると思う。そう思えたのは、全国のライブハウスでワイワイしてるみんなのおかげ。だからこの曲は、“みんなのうた”だと思ってます。鶴フェスのテーマソングとして書くつもりじゃなくて、鶴がそのとき思ったド真ん中の曲を書いたら、そういう曲になりました」と言いながら、ギターをつま弾いて静かに歌い出した秋野。感動的な1曲となった。
再び、秋野がMC。「サンキュー、ソウルメイト鶴ヶ島!16年間、あれよあれよと走ってきた。好きなことができました。今日まで、フェスのために命を削ってくれたスタッフのみんな、実行委員会のみんな、俺たちのワガママを快く受け入れてくれた鶴ヶ島市市役所のみんな。地元のお店、全国からかけつけてくれたお店のみんな、鶴ヶ島市民のあなた、近所のあなた、そして今日のフェスを俺たち以上の熱でワイワイと盛り上げてくれた、全国のソウルメイトのあなた、すべての人に感謝します、どうもありがとう!これからも、鶴の音楽が、あなたのここ(ソウル)に入り込んで、ナイスな明日を迎えさせてあげられたら、それだけで音楽をやっている意味があります。バンドをやっている意味があります。それだけであなたとワイワイする意味があると思って音楽を続けていくので、これからも一緒にワイワイしようぜ~!」
コール&レスポンスから、「最高の鶴フェス、どうもありがとう!鶴ヶ島に生まれて良かったー!俺たちのための歌!」と叫んでから始まった「ソウルメイト今夜」は、会場が、いや鶴ヶ島市が一体となった大合唱となった。最後はいつまでも「ソウルメイト!」とコール&レスポンスが続き、エンディングとなった。そしてステージ上から、鶴フェスに集まったソウルメイトたちと記念撮影。終了後、鶴の3人はお客さんの列が途切れるまで、サイン会を実施。これ以上ない、地元・鶴ヶ島市への“恩返し”で初開催の「鶴フェス2019」は、大団円となった。
取材・文:岡本貴之
写真:おはな / 小川舞 / かじたきょうこ
【「鶴フェス2019」】
■日 時:2019年10月6日(日)
■場 所:鶴ヶ島市運動公園
■”鶴フェス”実行委員会:Soul Mate Record / 株式会社PAMAクリエイティヴ
■協力:鶴ヶ島市、”WIZY”(レコチョク)
■WIZYプロジェクトURL:https://wizy.jp/project/164/
◆「鶴フェス2019」プレイリスト、dヒッツでお楽しみ下さい!
dヒッツ: https://dhits.docomo.ne.jp/program/10019664
※各記事に記載されている内容は公開時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。
-
鶴
秋野温(あきのあつし)うたギター 1981年9月11日生まれ
神田雄一朗(かんだゆういちろう)ウキウキベース 1982年3月27日生まれ
笠井快樹(かさいよしき)テンパリドラム 1981年11月10日生まれ
埼玉県鶴ヶ島市出身の中学校の同級生3人組。2003年に結成。バンド名は鶴ヶ島の頭文字から「鶴」になる。アフロとキモシャツ(鶴が命名)の70sファッションを代名詞にお客さんを巻き込んで展開するライブパフォーマンスで話題になる。2008年「恋のゴング」でWARNER MUSIC JAPANよりメジャーデビュー。2012年映画「アフロ田中」主題歌「夜を越えて」をリリースし8年間トレードマークだったアフロヘアーを卒業。2013年鶴結成10周年を迎え自主レーベルSoul Mate Recordを立ち上げる。
2015年には47都道府県を2周全100公演のロングツアー「47改め94都道府県TOUR「Live&Soul」をおこなう。2018年春に結成15周年「好きなバンドが出来ました」 〜東西大感謝祭〜 開催。