解散したことによって現在があるなら、無駄じゃなかった

 

 

 

――2人で作ったらSURFACEの音になるという自信がありつつ、新しい風を積極的に取り入れて、さらなる勢いや推進力を付けてってところに、アルバムの現在進行系って印象があったんでしょうね。

 

椎名:なるほど、言われて納得しました(笑)。したたかに計算してやったわけじゃないですけど、そう感じてもらえるものになってたら嬉しいですね。昔の永谷はギタリストだけでなくサウンドクリエイターの部分も担っていたし、性格的に抱え込んでしまうタイプだったんですが、今は任せられる部分は任せて、ギターに専念する時間もできたと思います。

 

永谷:若い人と組んで、任せられる部分もたくさんあったので、レコーディングでもギターに集中出来たし、ギターを弾くのが楽しかったですね。非常にギタリストらしく、無駄のない音が録れました。

 

 

ニューアルバム『ON』

SURFACE

 

――お話を聞くだけで充実ぶりが伝わってきます! 一緒に活動するようになって、2人の関係性の変化とかはありました?

 

椎名:仲が悪かった時期はないですけど(笑)、今は確認事項もどっちかが納得してれば良いじゃなくて、お互いが納得しようって気持ちが強くて。

 

永谷:年も取って素直になったのかもしれないけど(笑)、意見の相違がないのはすごく良いですね。

 

椎名:だから、8年という期間がお互いにとってすごく良かったと思っています。綺麗事ですけど、解散したことによって現在があるなら、無駄じゃなかったと思ってます。ファンには悲しみを与えたかも知れないけど、僕はソロやバンドをやったからこそ見えたもの、レコーディングの違いも感じることがあったから、SURFACEだから出来ることも見えてきて。すごく良い経験をさせてもらったと思っています。

 

SURFACE

 

 

 

このデジタル時代に、こんなアナログなものを作ることにビックリしました(笑)。

 

 

 

――素晴らしいです。そして、SURFACEを支えてくれてるファンと何か一緒に作りたいというところでは、昨年秋にはWIZYで永谷さんの“笑いボイスキーホルダー”制作プロジェクトが実施されました。

 

永谷:もともとは再始動ライブのMCで、椎名くんが言ったことをWIZYさんに乗っかっていただいて。

SURFACE

 

椎名:普通、乗っかんないですよ(笑)。「永谷のこの笑い声、笑い袋にすればいいじゃん」って、思いつきで言ったことに「じゃあ、作りましょう」ってなります(笑)?

 

永谷 僕もこのデジタル時代に、こんなアナログなものを作ることにビックリしました(笑)。

 

SURFACE

――あはは。この笑い声はどうやって録音したんですか?

 

永谷:家のスタジオで、一人で5パターンくらい録音して、データで送りました(笑)。

 

椎名:面白いよね、録ってるところ見たいもん(笑)。動画で撮ってないの?

 

永谷:あっはっは! 一人で思い出し笑いしながら録ったんですけど、これが好評らしくて、第二弾も作ることになりまして。

SURFACE

 

――第二弾は永谷さんの笑い声だけでなく、椎名さんのライブでの定番セリフが入るということで。椎名さんも他人事じゃなくなっちゃいましたね(笑)。

 

椎名:僕、一度は断ったんですけどね(笑)。定番セリフって言われても何を入れていいか分からなくて。思いつくのは、ライブが始まって数曲やって必ず言う「よく来たな~~!」ってセリフとか。

 

――お~、いいじゃないですか。カッコいい!

 

椎名:ただ、それ以外思い浮かばないから、いま一生懸命考えてるんです。

 

永谷:あるんじゃないですか? 女性のファンが喜びそうなセクシーな甘いセリフが。

 

椎名:そんなのライブどころか、プライベートでも言わないよ(笑)。

 

 

 

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