今回のアルバムを通して、自分たちの曲がより好きになったと思います
――ではそれぞれ、アルバムで特に思い入れの強い曲や苦労した曲を教えて下さい。
高嶋:苦労した曲は2曲目の「Majestic」です。歌詞も「こんなに詰め込む?」っていうくらい詰まってるし、転調も多いし、今までで一番難しかったです。しかもレコーディングだと練習して、そのパートを歌えばいいんですけど。ライブだと踊りながら歌わなければいけないんで、ここからしっかり練習しなきゃいけないですね(笑)。
今田:私は歌パートが少ないので、わりとすぐに録れて、シャウトパートに時間をかけるんですけど、今回「yours」の歌パートにすごい苦戦して…。自分が覚えていった音程の1つ低い音程が正解だったんですが、そこの部分を何回も録り直しても歌えなくて、初めて苦戦しました。
南:私は「Yin-Yang」という、1分半しかない曲なんですけど。仮のデモが出来た時、「この曲、1分半にするのと、フルで作るのどっちがいい?」と聞かれて、「1分半の曲があれば、ライブで時間がある時に「あと1曲!」って出来るし、その方が面白いです」って答えました(笑)。アルバムで聴いた時、ひとつ鍵となる曲になったし、ライブでも新しい武器が出来たなって思っています。サビのメロディも綺麗だし、バツッと終わる衝撃も好きです。
大上:私は今までいろんなジャンルの曲をやってきたから、激しいだけじゃない「yours」や「Remnants of my youth」みたいな曲も気負わず歌えたし、すごく好きな曲になりました。自分たちの曲って、ライブや練習で歌うので、今までは家とかで自分たちの曲を聴く機会があまり無かったんですけど、今回は家で聴きたくなったり、口ずさんだりしてて。今回のアルバムを通して、自分たちの曲がより好きになったと思います。
――それぞれ、普段聴く音楽の趣味はバラバラだったりするんですか?
南:バラバラですね。みんなPassCodeに入ってけっこう経つので、その間にも趣味が変わったりしているんですけど。私以外は最初、あまり激しい曲は聴かなかったので、「PassCodeに入って抵抗とかなかったのかな?」って不思議なんです(笑)。私はもともと激しいロックも聴くし、ギターロックも聴くし、ロック好きだったんですけど。最近は同じバンドでも静かな曲を好んで聴くようになってますね。PassCodeの曲でも「yours」とか、前作の「horoscope」とか、ミディアム系の曲が好きだったりするんですけど、みんなに「どの曲が好き?」っていうと激しい曲を選んだりするので、みんなの好みも変わってきてるんだなって感じます(笑)。
高嶋:私はもともとバンドの音をあんまり聴かなかったので、新しい世界に飛び込んだなって気がしたんです。でも、PassCodeでしか音楽をやってないので、これが自分の中で王道という感じになってます。普段はジブリの音楽とか聴いてるんですけどね。
南:寝る前に目の上にスマホを置いて、そこから久石譲が流れてたりするんです(笑)。
高嶋:そう、ライブで激しい音楽を聴いた後、優しい音楽が聴きたくなる時があるんです。
今田:私はPassCodeに加入する前は、きゃりーぱみゅぱみゅさんのような、可愛くてポップな音楽が好きでしたが、今はジャンル関係なく、幅広くいろいろ聴いています。好きなアーティストはWANIMAさんで、歌詞の1つ1つの言葉がすごく好きです。
大上:私も加入する前はハロプロとか、女性アイドルの曲ばかり聴いてて。バンドも女性ボーカルの曲が好きで、あんまり男性ボーカルのバンドとかは聴かなかったんです。でも、PassCodeに入ってからはラウドな音楽も聴くようになって、いろんなジャンルを聴くのが楽しくなってきて。移動中は激しいのを聴いたり、休む時は優しい音楽を聴いたり。英詞が多いので、洋楽も聴くようになったり。その時の気分で音楽を聴くのが楽しいんです。
――なるほど。では、PassCodeが他のグループに負けない部分はどこだと思いますか?
南:異色と言われることもあるんですが、私たちは自分たちのことを正統派だと思ってて。性格とか、ライブや楽曲への向き合い方とかが正統派だと思うし、変わったことをしてるって意識はなくて。他のグループと差をつけようというより、自分たちの描くPassCodeを一生懸命やっているうちにこのスタイルになったし、それに似合う曲をいただいていて。自分たちは自分たちでしかないって気持ちも強いし、どこかで違うことをしてたら今のPassCodeになってないと思うんです。だから、これまで辿ってきた歴史の濃さが、他のグループに負けない部分だと思っています。
――PassCodeのカッコいいなと思うところって、これだけラウドなロックサウンドに4人が全然負けてないんですよね。それって技術より気持ちだと思うし、自信の裏付けには歴史の濃さがあるからだと思って。言い方悪いですけど、これが誰かにやらされてるものだったら、絶対にこんなに気持ちが伝わってこないし、曲や演奏に負けちゃうと思うんです。
南:それがちゃんと伝わってたら、一番嬉しいです! アイドルは与えられた歌を歌ってるってイメージがいまも濃くあると思うんですけど、PassCodeはバンドもスタッフも含めて全員がチームで、たまたま表に出るのがこの4人だったと思ってて。小さいチームだけど、みんなで一丸となって前に進めているのが、チームPassCodeの強みだと思うんです。
――ありがとうございました。では最後に、アルバムリリース後、2021年に向けての意気込みを聞かせて下さい。
大上:日本武道館に向けて、いままででも特に大事な一年になると思っています。これまでは具体的な目標よりも、目の前のリリースやツアーに向けてってところを目標にして乗り越えてきたんですが、初めて具体的な大きな目標があって、そこに向けてやらなきゃいけないことも具体的に見えているので、一つひとつのライブや活動を武道館に繋いでいきたいと思います。
南:「PassCodeはホールや座席指定でやるグループじゃない」と言われてきたんですけど、今みたいな状況になって、座りでライブをやるしかなくなって。だからこそ得るものもあったし、ホール会場でも焦らずにライブができるようになれると思うし、常にいまやるべきことをしっかりやっていけば、きっとその先に武道館があると思うんです。そういう意味では、武道館でライブをやった時に「2020年があって良かったな」と思えるようになると思うし、だからこそ、2021年の活動もすごく重要になっていくと思うし。「あの時期があって良かった」と思える日に向けて、ここからもPassCodeを磨いていきたいです!
文:フジジュン
写真:平野哲郎
▼PassCodeが作ったプレイリスト「PassCode メンバーのルーツ 楽曲 selected by PassCode」はこちらから
dヒッツ:https://dhits.docomo.ne.jp/program/10022017
※各記事に記載されている内容は公開時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。
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PassCode
バンドサウンドをベースにスクリーモ、メタルコア など変幻自在の楽曲群を擁し、シャウト・スクリーム が異彩を放つ4人組グループPassCode(メンバー: 南菜生・高嶋楓・今田夢菜・大上陽奈子)。
2016年10月、シングル「MISS UNLIMITED」でメジャーデビュー。これまでSUMMER SONIC、JOIN ALIVE、Vans Warped Tour Japan 2018 presented by XFLAG、ジャイガ大阪など、数々の大型ロックフェス出演を果たし、本格志向のロックファンからアイドルファンまで幅広い支持を獲得する。
2020年1月、新木場スタジオコースト2DAYSの完全ソールドアウトを果たし、同年5月、ニッポン放送「オールナイトニッポン0」に初登場。そして東海テレビ・フジテレビ系全国ネットオトナの土ドラ「隕石家族」の主題歌に抜擢されたメジャー6thシングル『STARRY SKY』がオリコン週間シングルチャートで自身初の1位を獲得した。
12月に待望のメジャー3rdアルバム「STRIVE」をリリース。2022年2月には東京・日本武道館公演の開催を控えている。