一度聴いたら忘れられないサウンドを展開し、早耳リスナーを中心に注目を集めいているオルタナティブ・シンガーソングライター、みねこ美根。彼女の表現力は多岐にわたり、作詞・作曲に加えMV制作も本人で手掛けるなど、まさにアーティスティックな才能を存分に発揮している。そんな彼女が4月21日(水)に「さよなら起承転結」をリリース。そこで今回、レコログではみねこ美根にインタビューを行った。楽曲制作時のエピソードについてはもちろん、MV制作の裏話、音楽ルーツ、意外な一面など、幅広く話を聞いた。
この曲によってまた新しい「耳から離れない中毒性」という世界が広がりました
――自己紹介をお願いします。
はじめまして。オルタナティブ・シンガーソングライターのみねこ美根です。ギターとピアノを演奏して唄っていて、弾き語りからバンドスタイルなどいろいろな編成で、東京・横浜を中心に活動をしています。
――ありがとうございます。では、音楽を始めたきっかけを教えてください。
最初のきっかけは4歳頃から習い始めたピアノです。両親が音楽好きで習わせてもらっていました。自分で初めて作曲したのは6歳の時で、小学生5年生のときにギターをやり始め、そこから作詞作曲を始めました。
――今までどんな楽曲に影響を受けてきましたか?楽曲のルーツになっているアーティストや楽曲と、それに関するエピソードを教えてください。
ジャンル関係なくいろいろ聴いてきました。合唱曲やバレエ音楽、ミュージカル、中でも特に「ヘドウィグアンドアングリーインチ」。親の影響でTHE YELLOW MONKEY、BLANKEY JET CITY、エレファントカシマシ、スピッツ、たま、を聴いてきました。様々な楽曲から影響を受けたと思います。
そして私の「好き」の世界を押し広げてくれたのが、子どもの頃習っていたクラシックピアノの先生です。私のオルタナティブな世界は、先生が貸してくれたThe Doors、 Arcade Fire、デヴィッド・ボウイ、The Magnetic Fields、My Bloody Valentine、Chapterhouse、Television、Manic Street PreachersのCDによって基礎づけられました。先生が持ってきてくれたCDを、教室のプレイヤーで一緒に聞く時間が好きでした。そこで培った世界に、親の影響で聴いていた楽曲達が融合したと思います。
――アニメーション/映像制作がお得意とのことで、「映画の指輪のつくり方」というタイトルで映像を公開されています。映像制作をするきっかけはなんでしたか?また、ものを作る時のポイントがありましたら教えてください。
得意というか好きです。連載させていただいてる「映画の指輪のつくり方」は、もともと趣味で映画をテーマに指輪を作っていたところから、連載をやらせていただけることになりました。表現を文章と写真だけでなく、指輪を作ってる様子を映像としても楽しんでもらおうと思い、始めました。
学生の頃から他にもいろいろと映像制作していたのですが、私の楽曲「悲鳴」のMVを作るときにずっとやってみたかったクレイアニメ・ストップモーションで制作しました。時間がかかりましたが、好きなことを好きなだけ、自由に納得いくまでやれました。ポイントは夢中になることです。イメージした世界をどうにかこうにか形にしていくのを楽しんでいます。
連載:「きっと、うまくいく」の指輪“みねこ美根の「映画の指輪のつくり方」”
――今作「さよなら起承転結」のMVもご自身で手掛けられたとのことですが、MVで意識した点、見どころがありましたら教えてください。
「さよなら起承転結」はストップモーションと実写を織り交ぜた構成で作りました。見ていてにぎやかで楽しい、何度も見たくなるような“?”があるような映像を意識しました。歌詞に出てくる言葉の意味を映像で表現していくというアイデアから、たくさん場面が切り替わる映像を作りました。なので、なぜこの歌詞の時にこの映像なのかを考えて注目してもらえたら、より楽しめます。
見どころとしては、サビのシーンはマシュマロが私の口に飛んできたり、実際に床に赤字でダイイングメッセージっぽく書いたりと、1番と2番でも雰囲気が変わるので、そこは注目して楽しんでほしいです。ちなみに、ダイイングメッセージを書いた後に、頭がゴツっとなるのですが、リアル感を出そうとして本当に毎テイク、床にぶつけてました。そこも見てください。
みねこ美根「さよなら起承転結」full.ver
――少し触れて頂きましたが、MV制作時の裏話、制作時のエピソードがありましたら教えてください。
エピソード、裏話がたくさんありすぎる作品なのですが、見ていてにぎやかで楽しいか、何度も見たくなるか、というところにこだわりました。
人形が渦巻きのような背景の中で落ちていくようなシーンが出てくるのですが、この渦巻は、円錐状にした筒にひもを巻き付けて、コマの要領で回転させて撮りました。また、サビでマシュマロが口に入ってくるシーンは、実はマシュマロにひもを巻き付けて思いっきり引っ張ったものを逆再生して編集しました。
ストップモーションも、コマ撮りといえど、スピード感を損なわないために、バッドで振り下ろす速度などはコマ数で調整しています。編集で苦労したのは、音源のリズムにカットを合わせること。再生速度や、秒数、カットの配置を0.1秒単位で調整しました。
――小名川高弘さんがサウンドプロデューサーをつとめられていますが、制作での変化や新しい発見、更に、今作において小名川さんとご相談されたことなどがありましたら教えてください。
これまでリリースしてきた楽曲は制作意図が違う前作の「離れてる間のため」を除いて、すべて小名川さんにアレンジしていただいています。毎回挑戦をしていく中で、今回は“中毒性”という新たなテーマを小名川さんからご提案いただき、そこからアレンジが始まりました。タイトルと同じく、「さよなら起承転結」と唄うキャッチーなサビに加えて、「インパクトのあるイントロやリズムパターン」を目指してご相談、やり取りをしながら制作していきました。この曲によってまた新しい「耳から離れない中毒性」という世界が広がりました。
――「さよなら起承転結」は、その中毒性のあるサウンドがクセになり、1回聴いたらハマる楽曲ですよね。
まさに、なんども聴きたくなる「中毒性」が、サウンドからも歌詞からも溢れて、頭から離れない楽曲になっています。イントロからフックとなるメロディやリズム、サビと、聴けばすぐに耳に残ってつい口ずさんでしまう…。そう思って頂けたら嬉しいし、ぜひ聴いて体験してほしいです。

みねこ美根「さよなら起承転結」ジャケット写真
――「さよなら起承転結」のタイトルの由来を教えてください。
思い描いていたこの先の未来の筋書き、イコール起承転結に別れを告げる、と言う意味です。
「きっとこうなるだろう」と思って憧れて期待していた未来は、自分の頭の中にしかなった。
そう気が付いた時の気恥ずかしさと、でも清々した気持ち、これは実体験から書いた曲であり、つけたタイトルです。
――ここで、みねこ美根さんの活動を深堀りさせてください。Eggsを利用されているのを拝見しました。Eggsに登録された経緯をお聞かせください。
アーティストを応援してくれる音楽サイトと感じて、今ここで何かアクションを起こすのが面白いと思いました。よりたくさんの方に知ってもらえる場所となるように登録しました。
――Eggsに登録してよかったと思うことがありましたら教えてください。
一番は昨年末に「Eggs Choice」に選んでいただき、タワーレコードさんでアルバム『心火を従えて愈々』を置いていただけたことです。応援してくださるファンの方や、家族や友達も喜んでくれて、大変反響がありました。選出していただいたのをきっかけに興味を持ってくれた方も多く、嬉しさと感謝でいっぱいです。そして、配信した楽曲をEggsさんのプレイリストにも選出していただけたことで、そこから出会ってくれた方もいます。たくさんの出会いのきっかけをいただいています。今まであまり参加しなかったオーディションも参加したりしてみました。自分的に楽しんでます。
――Eggsでは通常の楽曲に加え、様々なアレンジされている楽曲を複数出されていますね!これをしようと思ったきっかけや、一番お気に入りのアレンジがありましたら教えてください。
最初Eggsさんをはじめようとした時に他の自分の表現とどんな差別化をすることが出来るか考えました。Eggsさんでしか聴けない、見れないコンテンツもあったら面白いなと思い、LIVE音源や河原で唄ったもの、未発売の曲、カラオケバージョンの音源などをアップしたりしています。お気に入りは、河原で唄っている「砦」という曲の映像です。これからもそんな楽しみ方をしていきたいです。
――ご自身の楽曲を聴いたことがない方に楽曲を勧めるとしたら、どの曲をお勧めしますか?その理由も教えてください。
「さよなら起承転結」からみねこ美根の世界に足を踏み入れた人に次は…と考えた時に、やはりリリースした順に聴いてほしいです。アルバム『心火を従えて愈々』の6曲を聴いてから「数式」「悲鳴」そして「水面へ」「僕らは飛べるようにできている」にいって、「くわの実」、そして「傷跡」まで来たら、弾き語りの「離れてる間のため」を聴いてもらって。からの、新曲の「さよなら起承転結」まで聴いてもらえば、きっとどっぷり、みねこ美根の世界に入っていただけると思います!でも、どの曲から出会ってもらっても、私の世界に入ってもらえる自信はあります。
みねこ美根「くわの実」
みねこ美根「傷跡」full.ver
――では、みねこ美根さんが最近よく聴いている音楽を教えてください。
最近は、自分以外の曲ではフランスやアラビア語圏のインディーズアーティストの曲や、フランスのシンガーソングライターpomme、デンマークのシンガーソングライターsoleima、有名なアーティストだと、Sia、XTC、宇多田ヒカルさん、Thee Michelle Gun Elephant、あと、女性アイドルの曲も聴きます。
――実は私「●●なんです!」という意外な部分がありましたら教えてください。
実は私、たぶん字が汚いんです。綺麗な字を書きそうじゃないですか(笑)。それが、縦と横の線をまっすぐ書けないんです。これまでは何とかごまかせていたんですが、最近象形文字化が進んでいて、サインをお書きするときに、むやみにどぎまぎするので、何とか克服したいです。大人のための練習帳を買いました。ぜひ、サイン入りのグッズを手に入れて、みねこ美根の筆跡の成長にも注目してほしいです(笑)。
――これから挑戦してみたいことがありましたら、教えてください。
まず、昨年中止にした初ホールワンマンを開催したいです。あと、まだ試したいこともありますが、この1年の活動でライブハウスの皆様の協力もあって、自分のライブは有観客ライブ、配信ライブでそれぞれの良さを活かし楽しめるような感じになってきたと思っています。そんな成長を経て、お客様が心から楽しめるホールワンマンを開催したいです。そして、それまでは情勢に合わせたライブをしていくので、お客様は無理をせず、生活にあった楽しみ方で参加してほしいです。それぞれの形でしかできないライブを、スタッフやライブハウスと協力して作り上げて、みんなと楽しめるみねこ美根の世界をつくって広げていきたいです。たくさんの方と出会って、さらに邁進していきます。世に出していきたい曲もたくさんストックがあるので、この便利な世の中やEggsを活用していきたいです。
――ありがとうございました。最後に、応援してくれる方へのメッセージをお願いします。
いつも応援ありがとうございます。皆さんのいいね!やコメント、反応の一つ一つが、本当に大きな支えであり、励みとなっています。まだまだここからも、お届けしたい世界はたくさんあります。
はじめましての方もぜひ参加して一緒に楽しんでください。繋がって、歩んでもらえたら嬉しいです。
皆さんに胸を張って「みねこ美根のファンです」「みねこ美根って最高なんだ」と言ってもらえるように、ここからもたくさん魅せていきます。
文:レコログ編集部
▼Eggs「みねこ美根」
https://eggs.mu/artist/me_chat_3ne/
▼「さよなら起承転結」はこちらから
レコチョク:http://recochoku.jp/album/A1016922983/
dヒッツ:https://dhits.docomo.ne.jp/artist/2001557941
※各記事に記載されている内容は公開時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。
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みねこ美根
2019年春、大学を予定通り卒業。東京都出身。 Pianoと Guitarを弾き、弾き語りからバンドスタイルまで多様にこなし、現在は都内と神奈川県を中心にライブ活動を行う。幼少時よりバレエ、ピアノを習う。
初めて作曲したのは 6歳の時。「夜空」という短いピアノ曲を作る。ギターは 11歳から弾き始め、初めて作ったギター弾き語りの曲は「スタート」という曲。オリジナル曲を作り続け、アレンジ、打ち込みも独学で学び、高校時代からライブハウスなどに出演し始め、なかなか理解をされない中、自信をもって活動を続ける。とあるオーディショ ンで決勝まで残るも、お客様がいないことから「君はオーディション向きじゃないね」と言われたことで一段とやる気になる。
▶好きな映画は「ヘドウィグアンドアングリーインチ」「ロッキーホラーショー」「司祭」「メリーポピンズ」「 IT」
▶ 好きな画家は〈 René Magritte〉〈高畠華宵〉
▶作曲家は〈 Alan Menken〉
▶ミュージシャンは〈 Twenty One Pilots〉〈 Gorillaz〉〈 klischee〉両親の影響で〈 THE YELLOW MONKEY〉〈エレファン
トカシマシ〉〈 BLANKEY JET CITY〉〈たま〉。
▶ 好きな漫画は萩尾望都「ポーの一族」「トーマの心臓」「訪問者」、山岸凉子「日出処の天子」杉浦茂「少年西遊記」、池田理代子「ベルサイユのばら」、佐々木マキ「うみべのまち」
▶好きなアーティストは〈井上涼〉。