誰かの生きる光や希望になれていると思うと、僕が生かされてる気がする
――「ジュブナイルに捧ぐ」は、ひとつアルバムを象徴する曲になりましたが。やはり、最初に出来た曲だったりしたんですか?
柳田:最初に出来てたのは「Illumination」ですね。ただ、前回のツアーですでにやってたんですが、歌詞もまるっと違うし、その時は自分の中でも方向性が定まってなくて。歌詞も直前まで悩んで、桐木が「俺が書こうか?」と言ってくれるくらいだったんですが。「絶対に自分の中からひねり出したい」というのがあったし、どの歌詞もそういう気持ちでぶち込んでいったので。今作はすごく正直な気持ちが書けたと思っています。
――聴いていると「ジュブナイルに捧ぐ」の歌詞がすごく突き刺さって。“ジュブナイル=若い子たち”に、いまの自分だから言えるメッセージを書いているのかと思ったら<共に泣き笑いながら>って、僕と君の歌になっているのがすごく良かったです。
柳田:「俺はミュージシャンだぜ!」なんて気持ちは全然なくて、僕はみんなと何も変わりなくて。だからこそ等身大でいたいし、音楽を作るのもライブをやるのもファンの人がいないと成立しないことだから。作って満足するだけでなく、誰かの生きる光や希望になれていると思うと、僕が生かされてる気がするんです。
♪「ジュブナイルに捧ぐ」
――「Illumination」では<唄うことだけが全てだから>と歌ってますが、だからこそ内面までさらけ出して、真摯に伝えていて。想いがしっかり詰まった作品になったと思います。
吉田:柳田の歌詞は前の作品は比喩も多かったけど、今回は特にストレートに伝わるものになったと思うし。「揺らめいて候」とかでは、比喩の良さが今まで以上に出てるから、すごく良いと思います。
――「揺らめいて候」は男女の両方の視点からドロドロした恋愛を歌った、面白い歌詞になってますよね。
柳田:僕、「前世はメスだ」って言われるんですけど、感覚が女性に近くて。女性と話してる方が共感出来て、黒川の恋愛相談とか乗ってると、「なんで女心が分からないの!?」ってイライラするんです。
黒川:それはあるね(笑)。
柳田:男女のどっちの気持ちも分かるから、両サイドの視点で描いてみようと思って、これもひとつのチャレンジだったんです。
――それぞれ、各パートのこだわりも聴かせて下さい。
吉田:サウンド面は音像のイメージが定まってきた気がしますね。ギターの音色もジャキッとした音でドロップさせて歪ませてとか、いままではイメージ出来てなかった音も分かるようになってきて。全体のまとまりも出たのかな?と思います。テクニカル的な魅せ方も消化出来たんで、ギタリストとしての幅も出せたと思います。
桐木:レコーディング前は方向性に迷ったりもしたんですけど。僕もサウンド面に時間かけてこだわれたりする中で、作品が出来てバンド像も見えてきて。自分のプレイだけでなく、バンドっていうところに目を向けられるようになったと思います。
黒川:「胡蝶蘭」って曲ではスネアで温かい音を出したくて、クリアファイルをスネアの上に置いて叩いたり。サウンド面でもこだわることが出来たり。ボーカルが活かせる音を出せるように考えることが出来たので、歌と歌詞もしっかり聴いて欲しいです。
――最後に4人に選んでもらった、プレイリストについて聞かせて下さい。ロックだけでなく、かなり幅広い選曲になりましたね。
柳田:今回は4人それぞれがセレクトしたんですが。柳田ゾーンはCrown the Empireから、Why Don’t Weまで共通して、エモーショナルで心が苦しくなる曲です。僕はライブで遠征する時、どんなに距離があっても自分で運転したいタイプなんですが、東京~福岡間も一人で運転してて、東京から名古屋、大阪までは苦痛じゃなくて。でも大阪過ぎたあたりから辛くなるので、その時に聴きたい曲です(笑)。
吉田:僕はZedd & Katy PerryからThe Vampsまで。最近、興味を持ち始めた新しい曲ですね。ラッパー、R&B、UKロックって、ジャンルは雑多なんですけど、頭を空っぽにして聴きたい4曲です。
黒川:僕はMaroon 5。これを選んだ時に心苦しいことがあって、最近の曲でその時の気持ちに近い曲を選びました。
桐木:僕はBlood Red ShoesからSet It Offまでで、僕の趣味が出ている選曲です。Evan Brewerはプロベーシストで、曲もベースしかないんですけど、ベースを弾く人にはぜひ聴いて欲しいです。
――最後に、アルバムツアーについて。ツアーへの意気込みを聞かせて下さい。
柳田:今回、ワンマンツアーを想像しながら、曲を書いて。「解放宣言」みたいな挑戦的な曲や、「胡蝶蘭」みたいなずっと作りたかった曲も入れることが出来て。ワンマンツアーに絶対的に必要な曲を5曲作れたし、これまでとも全然雰囲気の違う神サイを見せられると思ってるので、ぜひ遊びに来て下さい。
文:フジジュン
▼神はサイコロを振らないがセレクトしたプレイリストはこちらから
dヒッツ:https://dhits.docomo.ne.jp/program/10020642
「神はサイコロを振らない Live Tour 2020 “理 -kotowari-”」
【広島】
日程:2020年5月23日(土)
会場: HIROSHIMA BACK BEAT
お問い合わせ: 夢番地 広島 / TEL:082-249-3571 (平日のみ 11:00~19:00)
【仙台】
日程: 2020年5月28日(木)
会場: enn 3rd
お問い合わせ: GIP / TEL:0570-01-9999 (24時間自動音声案内)
【福岡】
日程: 2020年6月5日(金)
会場: INSA Fukuoka
お問い合わせ: BEA / TEL:092-712-4221 (平日のみ 11:00~18:00)
【新潟】
日程: 2020年6月12日(金)
会場: CLUB RIVERST
お問い合わせ: CLUB RIVERST / TEL:025-250-0430
【大阪】
日程: 2020年6月19日(金)
会場: OSAKA MUSE
お問い合わせ: OSAKA MUSE / TEL:06-6245-5389
【名古屋】
日程:2020年6月26日(金)
会場: APOLLO BASE
お問い合わせ: SUNDAY FOLK PROMOTION / TEL:052-320-9100
【札幌】
日程: 2020年7月3日(金)
会場: Spiritual Lounge
お問い合わせ: WESS / TEL:011-614-9999 (平日のみ 11:00~18:00)
【東京】
日程: 2020年7月10日(金)
会場: WWW X
お問い合わせ: WWW X / TEL:03-5458-7688
◆チケット発売について
チケット一般発売日:2020年4月11日(土)10:00~
チケット料金:2,800円(税込・オールスタンディング)※ドリンク代別途
その他詳細は公式HPでご確認下さい。
▼公式HP
http://kamisai.jp/
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神はサイコロを振らない
言葉にならない煩悶をぶちまけるような激しさと、そんな想いにそっと寄り添い、慰めるような静けさと――
「神はサイコロを振らない」の音楽には、一見相反するそれらが共存し、両極が互いに引っ張り合うことで生じる、凄まじい熱量とダイナイズムがある。各楽器が〝歌っている″かのように奏でる情感豊かなフレーズ、意表を突く幻惑的な変拍子、予想を裏切る展開を追求したメロディーライン。いつも何かを探し求めているような、時に哲学的でピュアな歌詞。低音からファルセットまでを自在に浮遊する、叫びと囁きとを巧みに操るエモーショナルな歌声。それらすべてが合わさって生み出されるのが、「神はサイコロを振らない」の〝美しき音のカオス″である。
ライブでは、彼らが持つ静と動のメリハリが際立ち、場の空気を完全にコントロールしてしまう。音を鳴らした瞬間、オーディエンスをその世界に深く引き込み、鳴り止んだ瞬間、まるで催眠術から覚めたかのように、解き放つ。
そんなリアルな手触りを伴った幻想的なトリップ体験をもたらす、中毒性の高いライブを繰り広げ続けている、気鋭のロックバンド。
バンド名「神はサイコロを振らない」は、現代物理学の父、アルベルト・アインシュタインの言葉。観測される現象が偶然や確率に支配されることもある、とする量子力学の曖昧さを批判したもので、アインシュタインは、「そこには必ず物理の法則があり、決定されるべき数式がある」との立場から、〝神″をその比喩として用いた。
柳田 周作、吉田 喜一、桐木 岳貢、黒川 亮介からなる「神はサイコロを振らない」が従うのは、「型にはまらない、誰にも出せない音を生み出し続ける」という、自らが定めた絶対的な〝法則″。それをもって自分自身が司る道を自分自身で切り開いていく、との意を込めて命名された。