ロックバンドでありながら、何より歌を大事にするという気持ちがみんなにある
――わはは。バンドのイメージとエピソードが釣り合わないです!(笑)。その後、「秋明菊」を動画サイトにアップして、SNSで話題になるまですごく早かったですよね?
柳田:僕たちもビックリしました、「なんでそんな褒めてくれるんやろ?」って(笑)。当時、みんなでお金を出し合って、初めて福岡のスタジオでレコーディングをして。個人的にはもっとこうしたかったというのもあったんですが、100円でデモCDを作って売り出したら、「いいじゃん!」ってなって。
黒川:「秋明菊」はバンド結成して、最初に出来た曲なんです。
柳田:そう。曲が出来るまでに1年くらいかかっててね? 最初はメロディもアレンジも全然違ったんですが、ある日、トイレで用を足している時にメロディが降ってきて……。
――だから、イメージとエピソードが釣り合わないんですよ!(笑)
柳田:嘘は付けないですから(笑)。福岡時代に住んでた、海の目の前のアパートのトイレで、窓を開けると潮風が入ってくるんですけど。降ってきたメロディにその時の情景を歌詞にぶち込んだら、「いいじゃん!」ってなって。そこに辿りつくまで長かったんです。
――始めての曲作りはやっぱり難航しました?
桐木:最初はみんな目立ちたくて、テクニカルな感じを出したいって気持ちが強かったんですが、最近はちょっと落ち着いているかな、と思います。
柳田:それも良さではあるんですけどね。歌に寄り添いながら、テクニカルな部分を見せるっていう。
――なるほど。『理 -kotowari-』を聴いて思ったのは、軸にある強い歌と言葉を楽器隊がちゃんと支えて、感情を増幅させられてて。それぞれが曲ごとに役割を分かった上で主張出来てると思いました。
柳田:曲はアレンジの基本段階を僕が作ってて、歌に寄り添ったリフやソロ、リズムだったりという基本がある上で、みんなでアイデア出し合う作り方なので。あまり自己主張が強くなりすぎないし、みんなが曲を理解してくれてる気がします。ロックバンドでありながら、何より歌を大事にするという気持ちがみんなにあるので。
『理 -kotowari-』
――作品が出来上がってみての感想はいかがですか?
柳田:今回、「ジュブナイルに捧ぐ」で始まって、「Illumination」で終わるんですが。実はこの2曲って歌のキーが一緒で、「イルミネーション」でふわっと終わった所から、「ジュブナイル~」の歌い出しに綺麗に繋がるように出来てて。リピートして聴くと、ずっとループして聴けるようになっていたり。1曲ごと色が違うというのもあって、ずっと聴いていられる作品になったと思います。
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