YouTube動画が大人気で、総再生数3,000万回、登録者数14万人を有している人気ピアニスト、ジェイコブ・コーラー。日本デビュー10周年を記念し、WIZYではファンと一緒にMV制作を盛り上げるプロジェクト(https://wizy.jp/project/240/)を実施。
彼の日本で過ごした10年についてや彼のピアノとの出会い、そして今回のプロジェクトや盛り上げるアイテムについてなど、様々な話を聞いた。
自分のやりたいことと、聴き手の気持ちというバランスはいつも意識して作っている
――まずはデビュー&来日10周年おめでとうございます! 日本に来てからの10年を振り返っていかがですか?
あっと言う間の10年だったけど、色んなことが変わりましたね。日本に来るまではジャズ・バンドをメインにやってたんですけど、日本に来てからソロで活動することになったり。ソロになったキッカケは、来日して2~3ヶ月した時に偶然知り合った、当時の新星堂の社長さんが、新星堂60周年のピアノCDを作る計画をしていたらしくて、ちょうどピアニストを探していて。
――すごい偶然ですね。
本当に(笑)。そこでピアニストやアレンジャーとしての仕事が出来たんですが。それが評判も良かったし、自分自身も楽しかったので、そこから年に1~2枚、CDをリリースするようになって、ソロアーティストとしての自信もだんだん付いてきて。数年前からはYouTubeを始めたり、新しいことにも挑戦しながら、アーティスト活動をしています。
――バンドとソロは気持ちも全然違いますか?
全然違いますね。自分のフィーリングで演奏するというのは一緒だけど、ソロだと自分がメインで表現しなくてはいけないので。最初は移行するのが難しかったけど、最近やっと慣れてきました。日本語があまり上手じゃないので、ライブでのトークも以前は自分の台詞を全部書いて読むだけだったんです。いまはだんだん慣れてきて、ジョークも言えるようになってきて。お客さんとのコミュニケーションの手段として、演奏だけでなくトークもすごく大事なんです。
――ジェイコブさんの最新作『JAZZ PIANO JAPAN』(https://recochoku.jp/album/A2001562509/)を聴いて、すごく聴き手に寄り添った作品だなと思って。自分を表現するだけでなく、聴き手のことをすごく考えた作品だと思いました。
自分のやりたいことと、聴き手の気持ちというバランスはいつも意識して作っているんですが。つまらないCDを作りたくないから、カバー曲でもコードを変えながら、曲の雰囲気を崩しすぎないようにしたり。その辺のバランスはすごく考えています。
――だから、聴き慣れた曲も新鮮に聴こえるし、驚きもあって。そこに「面白いでしょ? びっくりしたでしょ?」みたいな、ジェイコブさんのいたずらな感じも見える気がしました。
そうだね。みんなに楽しんで欲しいから、「この曲がこういう風になるんだ!」って、驚かせたいって気持ちはありますね。
自由に弾くのが僕の性格にも合っていたのか楽しくて仕方なくて、夢中になりました
――もともとは子供の頃、クラシックピアノをやっていて、ジャズをやるようになったんですよね?
3つ上の兄がピアノをやっていて。何でもマネしたかったんで、「僕もやりたい」といって、4歳からピアノを始めました。最初はコテコテのクラッシックのピアノレッスンをやっていて、高校に入ってからジャズバンドのクラブ活動に入って。即興演奏とかジャズのリズムに出会ったら、自由に弾くのが僕の性格にも合っていたのか楽しくて仕方なくて、夢中になりました。
――ちなみにお兄さんは現在、ピアノを弾いてるんですか?
弾いてないです。でも、カメラをやっていて、年に2~3回は映像を撮ってもらって、一緒にMVを作ったりしてるんです。
――へぇ、兄弟で作品制作をされてるんですね! ジャズをやるのに、クラッシックが基礎にあったのは大きかったですか?
クラッシックを10年やった技術や経験があったから、ジャズが出来たと思います。だから、今やってる音楽も最初のクラッシック、その後のジャズピアノと今までやってきた全てが含まれているんです。
――いま、ピアノのレッスンもやっていますが、そういった自身の経験も踏まえて、教える時に大事にしてることはあります?
僕にとってはピアノを弾くことはすごく楽しいことなので、教える時は「音楽は楽しいものなんだよ」ってことを大事にしてます。だから、ひとつのプロセスじゃなくて、生徒の成長に合った好きなことをやらせてあげられるようにしてるんです。子供たちには最初から、即興演奏を教えるようにしてるんです。子供って自由にやるのが好きだし、その気持ちが大事だと思うし。想像力や自己表現としてもすごく良い方法だと思うので、その教え方をいろんな先生にも広めていきたいと思っているんです。
――コンサートの他に保育園や街のイベントといった、色んな環境でのピアノ演奏もされてますよね?
子供たちに生の演奏を聴いてもらうことをすごく大切にしています。僕も子供の時、生で良い演奏を聴いてインスピレーションを受けたことがあったので、今度は僕が子供たちに届けたいと思ったんです。最近はYouTubeで聴いてくれて、ライブに来てくれる人も多くて。YouTubeで動画を配信し始めてからファンの世代も広がったし、どんどん増えているのが嬉しいです。
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