―今、話題の4人組ロックバンド、I Don’t Like Mondays. 。
新型コロナウイルスの影響で、年内のライブツアー全公演の延期、アルバム発売の延期を余儀なくされるなか、2020年8月から5ヶ月連続新曲配信リリースを実施、12月30日(水)には、第5弾となる「ミレニアルズ 〜just I thought〜」がリリースされる。今回、 「WIZY」を活用したMV制作プロジェクトを実施。そこでメンバー全員に、コロナ禍での制作秘話や「WIZY」でのMV制作プロジェクトの取り組みや、楽曲「ミレニアルズ 〜just I thought〜」への想いについて、話を聞いた。
『I Don’t Like Mondays.』は「大人の遊び場」みたいな場所なんです
――それぞれの他己紹介をお願いします。
YU (Vo):CHOJIはギタリストなんですけど、「ギターという楽器を人間にしたらこんな人になるんだろうか」というくらいにギターのような男でして。普段はおっとりとしていてマイペースなんですけど、ギターを持つとエネルギッシュな性格に変わるんですよ。あと、発言から学ばせられることが一番多い人でもあって。そんな不思議な空気をまといつつ、趣味は散歩です(笑)。
――ギターを持つと覚醒するんですね(笑)。
YU:普段は老人 みたいなんです。好きな映画は『男はつらいよ』だし。「いつの時代の男だ」みたいな(笑)。
CHOJI(Gt):生まれる時代を間違えたんじゃないかと思います(笑)。
YU:SHUKIはドラマーであり、このバンドのリーダー。でも「なんで彼はドラム をやっているんだ」と思うほどロジカルな人なんです。きっと違う仕事をしていても成功したんだろうな、と(笑)。リーダーっぽい部分もちゃんとあって、それこそ「ドラムを人間にしたらこんな人になるんだろうな」と思います(笑)。いつもバンドを引き締めてくれますし、ライブ中も後ろから見て「今日のライブはこうだったよ」と言ってくれる、頼りがいのあるリーダーです。
――ステージでも、ドラムは一番後ろですもんね。
YU:一番冷静にメンバーを見てくれるので、そこに頼らせてもらうことは多々ありますね。ベースのKENJIはベースを人間にしたら…(笑)。
KENJI(Ba):これ言っておけばいいみたいになってるじゃん(笑)。
YU:でも本当にそうなの!ギターでもドラムでもなくベースなんですよ(笑)。そしてとにかく優しくて。KENJIのケンの漢字は「謙虚」の「謙」なんですが、名前をも体現しているかのように謙虚なんですよ。僕ら、けっこう自己主張の強いバンドなので意見がぶつかることもあるんですが、そういった時にいつもKENJIがまとめてくれて。優しいお兄ちゃんみたいな人です。
KENJI:じゃあYUは僕が。YUは一番自由な人。性格的な部分ももともとあるとは思うんですが、すごく良い子なので、最初の頃は自由な部分を僕らに隠していたんです。でも長く一緒に過ごす中で今はもう自分を全部出してくれるようになったというか。一番自由に物事を考えるし、行動するし。僕らのバンドのキーワードってそれなんですよね。「変えていくことを恐れない面白さ」みたいな。見た目をバンバン変えるのもYUだし、時期によって好きなものが全然違うのも彼。発信側でもあるけれど、受け取るユーザー側にも近い感覚を持っている人なんです。考えが固まりきらない自由さが良いな、と思いますね。
――では『I Don’t Like Mondays.』というバンドを一言で言うと?
CHOJI:バンドって無意識のうちに「ジャンル」が出てくると思うんですけど、わりと僕らは幅広い音楽をやっている印象がありますね。特にギターはジャンルを表現しやすい楽器なので、音色の幅が広すぎてライブで結構困るんです(笑)。でもそのくらい凝り固まらずにいろんな音楽にトライしていけるバンドだと思います。
KENJI:ずっと「創造」と「破壊」を繰り返してきたバンドな気がします。「こんなバンドです!」と言えてしまうバンドになりたくない、という想いを持ちながら新しいことを考えてきたというか。それがこのバンドの楽しさだと思っていて。基本みんな飽き性なので(笑)。どんどん新しいことをやって、みなさんの期待をいい意味で裏切っていきたいんです。それが僕らの根底にあるテーマなんじゃないかな。
――例えば曲調が変わった後に、以前の曲調に戻ることもあるんですか?
KENJI:戻るというよりは「この時のこれは、今回抽出しても面白そうだね」といった感じですかね。完全に一度全てをもとに戻すことは、このバンドではないと思います。どちらかというと、抽出した上で新しいことをどんどんやっていきたい、最新曲が一番カッコいいバンドでありたいんです。例えば10年活動して「デビュー曲をやってください」とは言わせないようなバンドでありたいな、とは思っています。
SHUKI(Dr):パッと出てくるのは「天邪鬼」ですかね。KENJIが言ったように「変化を繰り返し続けていく」バンドではありたいです。4人いて意見が違うのは当たり前。でもそれって逆を言うと、その4人が各々に譲れないものがあるからだと思うんです。それぞれが音楽に触れてきた中で芽生えた「譲れない」ポイント。そのポイントは今まで絶対に譲っていない気がするんですよね。もちろんチームワークとして自分が想像している部分からはみ出すことは全然あるんですけど「ここだけは譲れない」というものは絶対に譲らない。その線引きが確実にあるバンドかな、と思います。
YU: 今メンバーが言ったことは全部、僕もそう感じていて。僕からすると『I Don’t Like Mondays.』は「大人の遊び場」みたいな場所なんです。そしてそういった存在であってほしい。今までの20代は地盤固めで、30代から僕らが本領発揮できる場所かな、と思っています。本気で曲も作るし、本気でクリエイティブにもこだわる。楽しみながらやっていることを世間に発信するための一つのツールとして存在している箱、といったイメージかな。無限の可能性が詰まった空間だと思っています。
――“遊べる場所”の幅が広いんですね。
YU:そうだと思います。もちろんバンドなので「音楽」が中心にはあるんですけど、それこそグッズから派生してブランドとコラボしてみたり、映像を作って派生できることにトライしてみたり「音楽」を基盤にして自分たちの興味があることで遊んでいきたいと思っていますし、それが叶うのが『IDLMs.』の良さかな、と。ゆくゆくは「これ、バンドがやってるんだ!」と思われるようなところまでやってみたいですね。
――I Don’t Like Mondays.として今後やってみたいことは何ですか?
KENJI:僕は今まで通り曲を作り続けたいですね。今回、5ヶ月連続配信を行ってみて改めて「自分たちがどうあるべきか」みたいなものを考えさせられたんです。僕自身、自分と向き合う時間がすごくあって。今までも地盤を固めて「IDLMs.」らしさを出してきたとはいえ、まだ全てをさらけ出せてはいなかったんじゃないかと。それがやっとここまでさらけ出して今の僕らを十二分に発揮できるスタートラインに立てた気がしていて。YUの歌詞の書き方が変わったこと、それをどんどん突き詰めていきたいと思っています。聴いてくれる方の芯をえぐるような作品をどんどん作っていきたいですし、それに共感してくださる方が増えてくれればいいな、と思います。
――5ヶ月連続配信のファンの皆さんからの反響はいかがでしたか?
KENJI:良かったと思いますし、一貫して言えるのは「新しいことをどんどんとやれている」環境が面白いと思いました。地盤が固まった今だからこそ、いろんな方と曲を一緒に作ったりもしてみたいですし、今までにしていなかった新しい試みをすることで、ファンの皆さんにも面白さを共有できたらいいな、と思います。コラボによって生まれる相乗効果も楽しみですよね。
――コロナ禍での制作秘話はありますか?
KENJI:メロディーはSkypeで作っていましたね。
――実際に対面でディスカッションするのとは全然違いましたか?
YU:全然違いましたね。普段作曲する時は4人で集まって1人がパソコンの前に座って各々の出した意見を打ち込んでいくんですけど、誰かが「ポケーッ」としていても流れることが多いんです。でもSkypeの場合、全員の顔が一画面に映りながら短期集中で意見を出さないといけないので、逆に良かった気がします。あとは、アイデア発表の照れくささがなくなった(笑)!対面で発表すると恥ずかしかったり、「却下されたらどうしよう」と思ったりしてしまう時があるんですが、一枚フィルターを挟んでいるからか、意見が言いやすかったです。「あ、思いつきました!これどうですか!」とすぐに聞けて。スムーズに意見を出し合えた感触がありましたね。
KENJI:対面で制作していると、延々と同じ八小節をループで流したりするんですけど、男4人で聴いていると気が狂いそうになるんですよね(笑)。そういったストレスがなく、リラックスした状態の中で制作出来た気がします。
――逆に、リモートのデメリットはなかったんですか?
KENJI:もちろんありました。曲作りでも最初の種を作る段階では、やっぱり直で話し合ってメンバーの持っている“想いの肌感”を感じ取る必要があるな、と思いました。直接会って話さないとクリエイティブは難しい部分はあるんですが、メロディーの制作に関しては意外と良かったので、今後も採用するかもしれないですね。
――そんな中、出来上がった今回の楽曲たち。先ほどYUさんの歌詞の書き方が変わったと仰っていましたよね。
KENJI:YUが書きたいことをどんどん書けるように意識しました。今までは僕らは曲を先に作ってそのサウンドを崩さないようにYUが歌詞を書いていたんですが、今回は比較的自分の言いたいことをサウンド関係なく詰め込んで書いていたと思います。ただ、それをやりつつも今まで『IDLMs.』が培ってきた地盤、ルーツにある“洋楽感”は失わないように。だからと言ってガチャガチャになって「何か変な曲だね」と言われてしまわないように、というのはかなり意識しました。
――らしさはちゃんと残しつつ?
YU:そうですね。それに日本人にスッと入る言葉って日本語なんですよ。英語で歌うとオシャレに聴こえるのは分かるんですが、それはもう長い間やってきたので、これからは違うレベルでトライしたいな、と思っています。
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