2019年に10万枚を超える大ヒットをしたガンダムソングをカバー&セルフカバーした「GUNDAM SONG COVERS」で10万枚を超える大ヒットとなり、「日本レコード大賞」企画賞を受賞した森口博子。2020年9月16日(水)に続編となる『GUNDAM SONG COVER 2』をリリースし、オリコン、ビルボード・ジャパン共にウィークリーチャート2位を記録。10月21日(水)より待望の配信開始となった。既に先行配信されている「星空のBelieve」 ではレコチョク・ジャンル別部門デイリー/ウィークリーともに1位を獲得。さらに「サイレント・ヴォイス / with 寺井尚子」もレコチョク・ジャンル別部門ウィークリー1位と、前回に続き注目を集める作品となっている。そこで、前作に続き今回も森口博子にインタビュー。今作に込めた想いはもちろん、今回特別にdヒッツ限定で実施するお悩み相談企画についてもお話いただいた。森口博子がセレクトしたプレイリストについても紹介しているので、アルバムと合わせて最後までチェックしてほしい。

 

 

 

ガンダムソングのメッセージって、どんなに時代が変わっても、私たち人間に強いメッセージを普遍的に届けてくれる

 

 

 

――大ヒットした前作に続き、『GUNDAM SONG COVER 2』がさらに大ヒットとなっていますが、完成させてみていかがですか?

 

このアルバムは、前作の続編になるからこそ、ファンのみなさんの声を大事にしたくて、歌って欲しい曲をSNSで募集したんです。そしたらなんと10万票を超える投票が集まって驚きました。「そんなに熱い想いを頂いたのだから、絶対に投票というバトンを素晴らしいものにしてお返ししなくちゃいけない」と思いながら作ったので、ある意味、本当に皆さんと一緒に作ったアルバムになりました。“やっとできた”というのが最初の感想です。実は3曲のレコーディングが終わった時点で緊急事態宣言が発令され、制作が中断してしまっていたんです。その間に、ファンのみなさんが「楽しみが先延ばしになった分、良いものができますね」とポジティブな意見を下さっていたんですが、その分ハードルもあがってしまって…(笑)。でも、その声がモチベーションとなり、自粛期間は音楽の熟成期間だと思えました。いざレコーディングを再開したときに、みんなが命を守るために、一緒にいろんなものを失い、その中で生き抜きながら曲を作り上げていったということを実感しながら歌うことができたので、本当に“やっとできた”という気持ちでいっぱいだったんです。そして、ガンダムファンのみなさんにも勿論、前作同様ガンダムを知らなかったアニソンに触れて来なかった方々にも名曲揃いとか、「森口博子の歌声イイ」と言っていただき、純粋に嬉しいです!!

 

 

――いろいろな環境や状況が重なった今だからこそ、よりこの曲たちが今の時代とリンクしているのかもしれないですね。

 

そうなんですよ。こうやって振り返ってみると、『ガンダム』の作品って、根底に争いごとがあって、生きることを問いただされるような哲学的なテーマがあるんです。それが今、ソーシャルディスタンスを保ちながら目に見えないものと闘って生きている私たちに一行一行シンクロしていて…。だからこそ、ガンダムソングのメッセージって、どんなに時代が変わっても、私たち人間に強いメッセージを普遍的に届けてくれることを改めて感じました。だからこそ40年も愛される作品なんだなと。

 

Hiroko Moriguchi_1

 

 

――今回も前作に引き続き、素敵なミュージシャンの方とコラボされていますよね。

 

ジャズバイオリニストの寺井尚子さんとは、前回もご一緒させていただいて、魂の演奏にすごく感動で震えたんです。その感動が忘れられず、このアルバムの1曲目はインパクトがほしかったので、「尚子さんの情熱的なバイオリンのソロだけで始まりたい」とリクエストさせていただいたんです。実際に「サイレント・ヴォイス」のレコーディングは尚子さんと同時に行ったんですが、曲の緊張感や、声にならない命の叫びが一音一音に現れていて、レコーディングの段階で心をわしづかみされてしまい、前回以上にすごいエネルギーを受け取り、より情熱が溢れたアルバムの幕開けになったと自負しています。

 

 

――同時にレコーディングすると、より感情が高ぶりそうですね。

 

本当にそうなんです。その場の化学反応がすごいんですよ。尚子さんの演奏で覚醒されています!熱い音が来たから、私の魂もさらにあがっていくし、そうすると尚子さんの演奏も変わっていくんです。だからこそ何度もテイクを重ねられるものではないので、緊張感のなか、テイク2くらいで決まりました。

 

 

――素敵ですね。さらに、元T-SQUAREの本田雅人さんのサックスが参加した「君を見つめて—The time I’m seeing you-」も印象的でした。

 

この曲は91年にリリースした私のオリジナル曲なんです。ギターサウンドが印象的な原曲を、アダルトなサックスで歌ってみたくて、本田さんにお願いしましたら、本当にセクシーでカッコイイ世界に生まれ変わりました。時を経て大人になった自分が歌うサウンドと声がマッチした実感があったんです。しかも、落ちサビは当時20代だった私の歌声と、現在50歳を超えた私の歌声を重ねてツインボーカルにしているんですよ。

 

 

――…それは感慨深くて泣いてしまいますね!

 

そうなんですよ~。最初は「そのアイディア、いいですね~!」と笑顔でブースに入っていた自分がいざ重ねた音をその直後にみんなで聴いてみたら、思わずウルっときてしまって…。こんなに長く歌わせていただけているんだという感動と、ファンのみなさんとスタッフのみなさんと一緒に、いろんなことを乗り越えてこの瞬間を迎えられているんだという、私たちが生きてきた証がそこにあったんです。しかもこの曲って、当時はメインの曲としてレコーディングしていたんですが、急遽カップリングだった「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」がメインになって、この曲がカップリングになったんです。となると、どうしても歌われる機会が減ってしまっていたんですよね。でも、投票で3位にランクインしてこういう形でやっと日の目を見て、ファンのみなさんもすごく喜んでくださったんです。だって、29年も経ってフューチャーされるカップリング曲なんて、そうそうないじゃないですか。

 

 

――ないです、ないです!すごくドラマティックですね。

 

エゴサをしていたら、「この曲が再び世に知られることを我々は何年待ったんだ」と言っている方がいて、すごく嬉しかったんです。この“我々は”という言葉も、ファンのみなさんの言葉を代表してくださっている感じがして、すごく感動したんですよ。

 

 

――すごく素敵なお話ですね。…というか、エゴサされるんですね?

 

めちゃくちゃします(笑)。毎日!

 

 

――では、メッセージを残すと読んでもらえるということですね。

 

はい。チェックしています!(笑)その中でも、「前作を超えた」という言葉はすごく嬉しかったですね。純粋に、今が一番と言われるのが嬉しいじゃないですか。毎回全身全霊で制作をしているので、これからもその気持ちは大事に歌っていきたいと思っています。今作は前回から参加してくださっている、押尾コータローさんのスパニッシュなカッコイイギター一本の楽曲や、塩谷哲さんの透明感溢れるピアノのみのバラード、20数年ぶりにコラボさせていただいた、武部聡志さんの美しいピアノの演奏とアレンジ、そして、はじめましてと思えないほどの、ソウルフルなコラボとなりましたゴスペルコーラスグループのVOJAさんの熱気と、大評判で手ごたえを感じています。

 

 

 

次ページ:今作のジャケット写真、そしてデビュー35年を振り返って、森口さんが思うこと

1 / 2