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80年代の音楽は両親が聴いているのもあって耳にする機会は多かったんです

 

 

 

ーーさて、ここからは降幡さんの音楽のバックボーンについてお伺いします。降幡さんが愛聴する80年代の音楽ですが、初めて触れたきっかけはなんでしたか?

 

80年代の音楽は両親が聴いているのもあって耳にする機会は多かったんですけど、大人になってしっかり聴き始めたきっかけは岡村靖幸さんでした。自分のよく行っているお店でたまたま流れていて、聴いた瞬間に「誰だこの声!何このサウンド!?」って調べていったら岡村さんで、「ああ~、めっちゃかっこいい!」って思って。そこからC-C-Bさん、竹内まりやさんや山下達郎さん、角松敏生さんとか今流行っているシティポップと呼ばれる音楽を聴いていった、というのがここ1~2年ぐらいの話です。そこから掘り下げていた最中にアーティストデビューのお話が来たという、いろんなタイミングが合わさって今に至るという感じですね。

 

ーー最初の出会いが岡村ちゃんという、またクセの強いアーティストで(笑)。

 

やっぱりクセのある人が好きなのかもしれないですね(笑)。

 

ーーちなみに最近のアーティストで気になる方はいますか?

 

最近ハマっているアーティストだと、崎山蒼志さんや藤井 風さんとか、またクセのあるアーティストさんを好きで聴いていますね。

 

ーー普段音楽はどんなシチュエーションで聴いていますか?

 

最近は移動も車が多いので家で聴くことが多くて、夜寝る前によく聴きますね。で、興奮して眠れなくなるという(笑)。

ーー現在は自身の制作も含めて音楽にどっぷり浸かった生活ですが、もともと歌をうたうことについてはどんな印象を持っていたんですか?
 

声優をやっていて歌をうたうという考えは、最初は全然なかったんですね。デビューする前はとにかく役者としていろいろやっていきたいというスタンスだったんですけど、声をかけていただいたスタッフさんとの縁もあり、自分の声が歌としていろんな方に表現として届けられるのなら意欲的にやりたい、でも自信も全然ない……というなかでのスタートで。でも、結果やりたいことはこんなにあったという感じです。「なんだ、全然やりたかったんじゃん!」みたいな(笑)。ただ、今も自分というよりも”アーティスト降幡 愛”というか、自分をどこか客観的に見ている気はしていますね。

 

ーーやはりそこも演じるというイメージが強いわけですね。

 

令和に80年代のサウンドでやるとなったときに、もっと新しい音でとか、それこそ今流行っているシティポップみたいなアプローチで行くと思いきや、本気の80年代当時のサウンドでいこうよっていう、こんなに振り切ってやれるアーティストも少ないと思うんですよ。声優、そしてアーティストという立場だからこそこれだけコテコテのものができる、それは私だけの特権だなって思います。

 

ーーアーティスト活動を過ごすなかで、何か考え方が変わる瞬間はありましたか?

 

やっぱりライブが大きかったと思いますね。初めてソロアーティストとしてステージに立つ機会が11月にあったんですけど、Billboard Live YOKOHAMA・OSAKAにアーティストとして、しかもいちばん最初のステージとして立ったときに、「こんなライブパフォーマンス、自分にできるんだ」って思いましたし、いろいろな発見がありました。そこから楽曲制作もしているとすごくノレるようになったというか、歌も自分のものになっていった気がして。

 

ーーライブでの経験が楽曲制作にも活きてくると。

 

本間さんが「ライブは100回分のリハーサル」と言っていて、本当にその通りだなって思うぐらい、ライブができてよかったなって思いました。コロナ禍で、なかなか人が集まれない状況でも、お客さんに直接会って歌を届けられる機会を作ることができたので、それは自分のなかでだいぶ大きな出来事でした。

 

ーーそのバンドメンバーも江口信夫さんや根岸考旨さんら、プレイヤーとしてもプロデューサーとしても錚々たるミュージシャンと組んで。

 

本当にとんでもない方たちですよ!リハーサルのときから幸せすぎました。私、基本人見知りなんですけど、みなさん優しく声をかけていただいて、ベースの根岸さんなんて合間にチョコを買ってきてくださって「愛ちゃん食べなよ」って言ってくださったり、娘かなって思うぐらいです(笑)。

 

ーー本間さんをはじめ、素晴らしい師匠たちに囲まれて音楽活動ができることは大きいですよね。またそうした音楽のインプットというのは、自分でも時間をとってやられていますか?

 

なるべくとるようにしていますけど、必死ですね。本間さんたちからのお話も含めていろいろ勉強中という感じなんですが、それでも時間はあまり取れてないかも。でも普段からレコードを買ったりするのは継続してやっていますね。

 

ーーアナログ蒐集が趣味だそうで、最近ゲットしたレコードは何かありますか?

 

最近は山口美央子さんの欲しかったアルバムがレコードショップに偶然あったので買いました。あとは菊池桃子さんとか。レコードショップには週に1回行っています。

 

ーー最近、80年代物は人気なので値段も上がっているし、すぐに買われてしまいますしね。そこはちゃんと定期的にディグっていると(笑)。

 

ディグってます!(笑)ちゃんと行かないと巡り会えないじゃないですか。なので、欲しいものがあれば多少高くても買う、と決めました。ブームではあるのでお客さんは多いんですけど、負けじと自分も頑張って掘っています(笑)。

 

ーー『Moonrise』もアナログ化されましたが、自分の作品がレコードになった感想は?

 

ちょっと衝撃ですよね。当時のアーティストさんの横に並んでも違和感がないようなジャケット写真をカメラマンさんに撮っていただいて。また今後もアナログ盤が出るといいなって個人的には思っていますし、ファンの方もそれをきっかけにアナログプレイヤーを買ってくださったりして、「せっかく買ったからもっと出してほしい」という声も聞くので、また出せたらいいなって思います。

ーーさて、そんな降幡さんの2021年ですが、まず2月にBillboard Live TOKYOで「Ai Furihata ”Trip to BIRTH”」を、そして4月には初のツアー「降幡 愛 1st Live Tour」が控えています。
 

まず2月の自分の誕生日前夜と当日にライブができるというのは、すごく幸せなことだなって思っています。11月のライブが本当に楽しかったんですよ。「こんなにライブって楽しかったんだ、終わってほしくない」っていうライブをまた2月にやれるので、新しい楽曲たちも増えてより自分のワールドというものをみなさんに楽しんでもらいたいなっていうのが大きいです。デビューした当時は、みなさんついてきてくれるかなっていう不安がありましたが、11月のライブで払拭できたので、まず2月は自分の楽しさを伝えつつ、みなさんに楽しいって思ってもらえるようなライブをしていきたいと思っていますね。

 

ーー2021年以降のアーティスト降幡 愛としての抱負を聞かせてください。

 

音楽活動としては引き続き、自分で歌詞をどんどん書いていきたいです。詞先というものをこの時代にやっているからこそいいのかなとも思いますし、その制作過程は変わらずやっていきたいところでもありますね。あと、もし叶うのなら、いつか海外でライブをやりたいですね。今後は海外の方々と交流できるような何かができたらいいなって思ったりしています。ネットやサブスクで海外の方と繋がれるというのは80年代にはできなかったことですし、それを今やれる環境にあるのであればもっと視野を広げてやっていきたいと思います!

 

ーーでは最後に、ファンのみなさんにメッセージをお願いします!

 

みなさん、いつも支えてくださり本当にありがとうございます。本当にみなさんがいなければアーティストとして歌を届けられる環境もできなかったわけで、みなさんがいるからこそ私はステージに立てるので、本当に感謝しかありません。みなさんに直接「ありがとう」を伝えられる機会が2月や4月にライブでございますので、ぜひ会いに来てください!

 

文:澄川龍一

 

 

▼降幡 愛さんがセレクトしたプレイリスト「メイクアップダンシング selected by 降幡 愛」はこちらから

dヒッツ:https://dhits.docomo.ne.jp/program/10022018

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  • 降幡 愛

    降幡 愛

    2月19日生まれ、長野県出身。

    2015年に『ラブライブ!サンシャイン!!』の出演が決まり、黒澤ルビィ役で本格声優デビュー。
    同作品のスクールアイドルグループAqoursのメンバーとして活動し、2018年には東京ドーム2Daysのライブにて、国内外ライブビューイングを含め15万人を動員。同年末の第69回NHK紅白歌合戦に出演を果たした。 声優以外にも多岐にわたって活動しており、2017年からは『フォトテクニックデジタル』にて「降幡写真工房」の連載を行なっていた。
    2019年には、自身初となる写真集『降幡愛写真集 いとしき』を発売。5/6付オリコン週間BOOKランキングジャンル別写真集(集計期間:4月22日~4月28日)では、初登場1位を獲得した。
    多彩な才能を持ち、ファンからは“職人”とも呼ばれる彼女が、2020年初秋、満を持してのソロアーティストデビュー。ソロアーティストとして、80’sシティポップを発信している。

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