【ライブレポート】藤巻亮太主催の野外音楽フェス「Mt.FUJIMAKI 2019」大盛況!

藤巻亮太が昨年に引き続き、地元・山梨で主催する野外音楽フェス「Mt.FUJIMAKI 2019」が9月29日(日)に開催された。天気予報によれば、雨降りはほぼ確実とのことだったが、フタを開けてみれば嘘のような晴天が広がった。もともと楽しい非日常感が堪能できる山梨県・山中湖交流プラザ きららの会場だが、夏のような太陽が照りつけ、富士山がニッコリと笑うこの日のそれはハンパないものがあった。そんな奇跡のような出来事に、オーガナイザーである藤巻をはじめ、出演者全員が大きな感動をおぼえたようで、その気持ちを体現するような素晴らしいパフォーマンスをみせてくれた。このイヴェントへ向けた藤巻亮太の想いが開催前に語られているので、チェックしてほしい。

 

 

 

【Eggsステージ】KOIBUCHI MASAHIRO / 室井雅也 / KEISUKE / keiji

 

藤巻が自信を持ってお届けできるアーティストが揃っている本フェスだが、今年新たに設えられたフリースペース・ステージにもまた見逃せないメンバーが揃った。ここに出演した4組は、新人アーティスト音楽活動支援プロジェクト「Eggs」のオーディションで勝ち抜いた面々。メイン・ステージでライヴが始まるまで彼らが時間を受け持つことになったのだが、藤巻が新たな試みを実践するために用意したこの企画も、「Mt.FUJIMAKI」が未来に向かって開かれたイヴェントであることを証明する結果になったように思う。トップバッターは、茨城のヴォーカリスト&コンポーザー、KOIBUCHI MASAHIROで、フランスのフェニックスなどを連想させるカラフルなエレクトロ・ポップが青空に鮮やかに映えた。2番手は、兵庫県出身・東京在住のシンガー・ソングライター、室井雅也。ひとつひとつの言葉をきちんと届けようと汗だくになりながら転がるように疾駆するヴォーカルはかなり魅力的。3番手は広島発のシンガー、KEISUKE。パーカッシヴなアコギとパワフルでハートフルな歌、フレンドリーで独特な世界観がクッキリと浮かびあがるライヴだった。そして4番手は、東京を拠点とするシンガー・ソングライター、keijiが登場。ソウルフルで艶やかなハイトーン・ヴォイスと、ギターやカホンなどで構成されたバックのグルーヴィーなアンサンブルの絡みがやたらと気持ちよく、極上のメロウネスを演出していた。

フリースペース・ステージ出演者(左から):KOIBUCHI MASAHIRO、室井雅也、KEISUKE、keiji

 

そして赤とんぼがひらひらと飛び交うメイン会場へ向かう。最初にステージに立ったのは、主催者である藤巻亮太。海なし県である山梨に生まれた為に海へのあこがれが強かった、という藤巻のMCに次いで歌われたのは、「Mt.FUJIMAKI」のテーマソング「Summer Swing」だ。気のせいか、去年この場所で聴いたときよりも、ノスタルジーな感触がいっそう強まった気がする。たぶん夏の終わりのムードがより濃厚に漂っていたせいもあるだろう。

 

 

 

曽我部恵一

ゲスト・アーティスト1人目は、曽我部恵一。「普段はサニーデイ・サービスというバンドをやってます」と口を開いた彼。このロケーションにいたく感動したらしく、「最高ですね。いいとこだね」としきりに喋っていた。セットリストは、「青春狂走曲」や「キラキラ!」などサニーデイ・サービスや曽我部恵一バンドのレパートリーを交えたものとなっていたが、「Mt.FUJIMAKIバンド」の鉄壁なアンサンブルにも支えられて、曲が内包している爽快感や照度がいずれもグッとアップ。ジリジリと照りつく日差しも相まって、一足遅い夏休みをもらった気分になる。もっとも盛り上がったのは、曽我部と藤巻がTBSラジオ「アフター6ジャンクション」のジョイント・ライヴにおいてセッションしたサニーデイの名曲「サマー・ソルジャー」。忘れがたい名演の再現に会場の全員が酔いしれた。

 

 

 

teto

気温がグングンと増すなかで登場したのが、粗削りでハングリーな音を鳴らす4人組、tetoだ。藤巻の同世代や先輩たちが多く顔を揃える「Mt.FUJIMAKI」だが、若い力も取り入れたい、という藤巻の意向もあって彼らに出演をお願いしたとのこと。そんな藤巻の期待に応えるように、徹頭徹尾勢い溢れるパフォーマンスを披露。ヴォーカル&ギターの小池貞利のつんのめり気味のMCに終始圧倒されっぱなしのオーディエンスだったが、「山中湖を光るまちにして帰りましょう!」という叫びと共に演奏された「光るまち」が奏でられた頃には、大きな歓声が沸き起こるなどエモーショナルな反応を返すようになっていた。たぶん、彼らはあの場所に集まった全員の胸の内に消えない火傷の跡を残したことと思う。

 

 

 

ORANGE RANGE

3番手を受け持ったのは、藤巻と同期にしてレーベルメイトでもあるORANGE RANGE。オープニングで「上海ハニー」をぶっ放すと、一気にお祭りムードが上昇。<イヤサーサー>の掛け声と指笛を駆使したりしつつ、踊り子(=観客)たちのハートをグイグイと引き付けていく。その後も手を休めることなく、沖縄の風を運んでくる「Ryukyu Wind」、軽妙なテクノポップ・サウンドが駆け巡る「以心電信」と畳みかけ、会場中は往く夏を惜しむようにひたすら飛び跳ねまくり。そして新曲「Enjoy!」では、観客の誰も知らないコール&レスポンスを実現させるという難易度の高い技にチャレンジ。こちらでも天才的なテクニックを発揮し、みごと成功させてみせる。まったく熱気冷めやらぬ会場。空を見上げると、さっきまで雲に隠れていた太陽もひょっこりと顔を出している。それを確認しつつ「だったらこの曲やるしかないよね~」というMCに導かれてラストの「イケナイ太陽」へ。羽織っているすべてのものを思わず脱ぎ捨てたくなるまさにイケナイ音楽。遠くに広がる山中湖が、読谷のニライビーチに見えた。

 

 

 

大塚 愛

徐々に上昇していく会場の温度をゆっくりとクールダウンさせたのが、4番手となる大塚 愛の歌声だった。「Mt.FUJIMAKI」初の女性アーティストとなる彼女は、代表的なバラード・ナンバー「プラネタリウム」など華を添えるという表現が似つかわしい華麗なパフォーマンスを披露していく。が、落ち着いた感じに見えた彼女も内心は、晴れ渡った空に感動をおぼえていたうちのひとりだったようで、「藤巻さん、晴れてますね!」という喜びの言葉をリピート。天気に相応しいキラキラした新曲「Chime」や歌詞の<地球っ子>を<藤巻っ子>と変換して歌った「ロケットスニーカー」で、楽しくてたまらない思いを爆発させていた。ラスト・ソングとなったのは、弾き語りによる「クムリウタ」。「(この曲のせいで)曇ってしまったらごめんなさいね」と言葉を添えて演奏されたこの曲だが、しっとりとした美しい彼女の歌声が心のなかを穏やかかつ晴れやかにしてくれたことは確かだ。

 

 

次ページ→岸田 繁、トータス松本、藤巻亮太

1 / 2

new post