真夏のアイドル大博覧会「@JAM EXPO 2020」は今夏の開催を断念、来年へ延期が決定した。その代替フェスとして、8月29日(土)、30日(日)に配信サーキットフェス『@JAM ONLINE FESTIVAL 2020』が開催される。コロナ禍でキャンセルを余儀なくされた複数のライブハウスを舞台に、2日間で100組超のグループと次代のシーンを担う約20組が出演する。本イベントや、この大変な時期を一緒に乗り越えるためのWIZYのプロジェクトについてなど、橋元恵一総合プロデューサー、「@JAM ONLINE FES トークチャンネル」MCスベリー杉田、「@JAM実況チャンネル」MC高見奈央に話を聞いた。
新しい形でアイドルのエンターテインメントを届けることに期待感を持ちました
――新型コロナウイルス拡散拡大の影響から@JAM EXPO 2020が来年に延期され、@JAM ONLINE FESTIVAL 2020というオンラインフェスに代替されることになりました。昨年、インタビューさせていただいたとき(https://recochoku.jp/ch/recolog/2019_jamexpo2019/)、橋元さんは「来年@JAMは10周年なので大きな花火を打ち上げたい」とおっしゃっていたので、苦渋の決断だったと思うのですが。
橋元:そうですね。11月で丁度10年を迎えるので、今年は一年かけて@JAMを盛り上げていこうと考えていたんです。今スペースシャワーさんと組んで10周年のアニバーサリーカフェ「@JAM 10th Anniversary Cafe」を3月から12月まで「Q-PLAZA原宿」で展開していまして、他にも@JAMのイベントでスタンプラリーを作ってスタンプを集めた方にプレゼントを渡したり、イベントでも毎回Tシャツにサインを入れてみなさんにプレゼントしたり、1月からスタート出来ることはやっていたんです。でも、それ以外の地方や海外で行おうとしていた公演やプロモーション施策はほぼダメになってしまって。「@JAM EXPO」に関しても5月25日に東京の緊急事態宣言が明けてから、ステップを踏みながら8月1日以降には上限なしで半分の集客が行えそうだったので何とか横浜アリーナでやれる方向を模索したんですけど、換気問題やスタンディングだと難しいとかロビーのステージは作れないとかいろいろな条件を精査するうちに、これって「@JAM EXPO」ではないんじゃないのかな?っていうところにいきついてしまったんです。要はメイン1ステージだけの3時間で完結するイベントをやらないといけないみたいな。それでやむなく断念することになりました。6月26日にホームぺージで代替のメッセージを出す2、3日前までは横浜アリーナで開催する予定で検討していたという状況でした。
――オンラインフェスに関しては、発表後からどのように進んでいった感じだったのでしょうか?
橋元:オンラインフェスへの代替を発表した時点では、全会場、内容ほか、細かなことは決まっていなかったんですけど、EXPOの出演者に関しては早い方だと去年の年末ぐらいからお声がけさせて頂いていたので、その方達には「EXPOがなくなってオンラインイベントになりますがどうですか?」というご連絡を急ぎさせて頂きました。だから今回の出演はほぼその時点での100組で、新しい方達をお呼びするということがあまり出来ていないんです。「@JAM EXPO」は毎回一年かけて準備していて、どのタイミングでどういう発表をしたら効果的かというのを例年のデータに基づきながらやっているんです。今回は6月に代替フェスをやりますと言ってから丸2カ月しかなくて、マーケットデータはないし、どれだけ見てもらえるのか前例もないし、初めて尽くしで正直悩みながら進めています。
――ライブハウスを分けたサーキット形式にしたのはどういう考えからですか?
橋元:僕のいる会社はグループ会社にZeppという会場を持っていますけど、Zeppって本当に人気の会場で365日あったら360日以上埋まってしまっているような感じなんです。それがコロナ以降3カ月、4カ月開かなくて、会場が動かないというのはこんなに大変なことなんだと身に染みて思ったんです。それはどこのライブハウスも同じで、そのうちにライブハウス閉店の話も聞こええきて。。だから横浜アリーナを手放した時にライブハウスを支援したいというか活用したいなと思い、沢山のライブハウスがある中から検討して今回は@JAMと親和性のある6つのライブハウスとご一緒しようと決めました。
――サーキット型のオンラインフェスでいうと、6月に「やついフェス」がありましたね。
橋元:「やついフェス」は今よりも厳しいコロナ禍の中で準備も大変だったと思うのに、あの規模でフェスを作ったということが本当に励みになったし、負けていられないなという気持ちになりましたね。資金をクラウドファンディングで集めて、やついさん的には一か八かだったと思うんです。でも「やついフェス」にも「@JAM」にもやらなきゃいけない意義みたいなのがあると思うんですよ。うちで言うと横浜アリーナを返した時点で損益は出てしまうんですけど、イベントとしての夏のアイドルシーンを壊したくないというか、やめてしまうのは簡単だけど、そこはやるという選択肢にしないといけないという、勝手な使命感はありました。
――高見さんは今回実況チャンネルを任されていますが、「@JAM ONLINE FESTIVAL 2020」の話を聞いた時はどんな感想をもちました?
高見:いろいろなイベントやフェスが中止になっているのをSNSとかで見ていたので凄いなって思いました。実は、去年に続いて今年も「@JAM EXPO 2020」の総合司会の話を頂いていて、司会者としてのコメントも既に送っていたんです。でも感染者数も増えていたし、コロナ禍の中やっぱり「@JAM EXPO」も難しいだろうなと思っていたんです。そうしたらオンラインフェスやりますってなって、さすが@JAM、さすが橋元さんだなと。橋元さんはアイドルが大変な時に助けてくれる救世主という風に私は思っているので(笑)。
――スベリ―さんは@JAMに関しては関りが多くほぼ中の人と言ってもいい存在ですよね。トークチャンネルを担当されますが、どんな感想を持ちました?
スベリ―:橋元さんとは@JAM応援宣言!「@JAM THE WORLD」収録などで週一でお会いしていて経緯とかもお聞きしていたので、残念な気持ちはありました。ライブ現場の熱が今年は感じられないんだなという残念さというか。でもオンラインという新しい形でチャレンジすることに関してはワクワクする部分があって、話を聞いた時はゼロにせずに新しい形でアイドルのエンターテインメントを届けることに期待感を持ちました。
――橋元さんは初めてチャレンジするこのオンラインフェスで、どのようなものを見せたいとと思われていますか?
橋元:ライブに関していうと、通常だと転換時間を出来るだけタイトにして次から次に出演者が出て来るのが@JAMの楽しさだったんですけど、今回は30分のパフォーマンスが終わったら10分消毒とか換気をしないといけないので、30分のワンマンライブを10本見るみたいになってしまい、縦軸で見るとどうしても間延びしたり、ライブ自体の熱量が一回途切れてしまう形になるんです。だからその間は他のステージが見られるようにタイムテーブルを少しずらしたりして、出来るだけ本来のフェスっぽくしたいなと思っています。あとは、お二人(高見、スベリ―)のチャンネルがバラバラにやっている縦軸のライブを横につなぐ役割になってもらえればと思っています。スベリ―の番組は、ライブ前後の出演者が各ライブハウスの配信楽屋に入って来てもらって6つの会場の楽屋をZoomでつないでトークをします。スベリ―が管理人役になって「今秋葉原の劇場楽屋に〇〇ちゃんが来てくれました」「あっ、Zeppには〇〇が入ってきましたー」みたいな。高見の方は会場に来たかったお客さんの気持ちを代弁してもらおうという企画で、彼女が6会場をリアルに移動します。高見に見たいタイムテーブルを作ってもらい自らが動くという実況チャンネルで、移動中も極力配信してもらいたいなと思っています。
――高見さんのフェス回しドキュメンタリーが見られるわけですね(笑)。
高見:本当ならここに僕がいるのにと思っている人達が疑似体験できるようなイメージで、何時までに次の会場に行かないとあのアイドルが見られないのにいい曲始まっちゃったよ!みたいな(笑)、そういう感じで見て欲しいなと思っています。
――スベリ―さんは各会場に来るアイドルをさばく役回りが大変そうですね。
スベリ―:そうなんです。どれぐらい画面に出るのかイメージつかなかったんですけど「基本映りっぱなしだよ」と言われたので、この日はトイレにも行けなくなるのではないかなと(笑)。
――しかもお二人のチャンネルはライブとは別チケットなんですよね。
橋元:そう、だから頑張ってもらわないと(笑)
高見:ヤバイ、数字に出ちゃう(笑)。
――チケットと言えば今回はその売り上げ以外にWIZYでのクラウドファンディングが行われています。@JAMとしては初めてのクラファンだそうですが。
橋元:そうなんです。オンラインで特典会やライブをやっている方達もいましたが、コロナ禍で活動が止まってしまっていたアイドルや閉まっていたライブハウスが多い状況の中で何か出来ることがあるんじゃないかと考えて、クラウドファンディングをやることにしました。それはフェスに充当するためではなく、僕らはチケット代を頂いている以上、そこで勝負するべきだと思っているので、WIZYの企画は経費を除いて集まった金額全てを出演者とライブハウスの支援に回したいという、今現在大変な人達に還元しましょうよというシンプルな考えです。
――10月の「TOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)」もオンラインになって、「@JAM ONLINE FESTIVAL 2020」がこの先のアイドルオンラインフェスの基準や指針になるような気がするのですが、最後に開催前の意気込みを各自お聞かせ頂けますでしょうか。
橋元:そもそもが、こうせざるを得なかったというものではあるんですけど、終わってみたら楽しかったねっていう風にはしないといけないし、その使命感はあります。夏のアイドルフェスって毎年僕らがTIFからバトンを渡されてそれを持ってゴールしてきましたが、今年に限っては僕らがTIFにバトンを渡す係で、それもオンラインという初めてのバトンだからいい面も悪い面も出て来るとは思うんです。でもこれがTIFにつながって、さらにその先来年にもつながって行くかもしれない。だから開催まで短い時間ですが後悔なきよう精いっぱいやって、夏フェスのバトンをつなぎたいなという気持ちが強いです。
高見:この夏のアイドルフェスを楽しみにしていた方達が沢山いらっしゃって、今もお家時間を過ごされている人が多い中、それでも楽しめるコンテンツだと思うんですよ。やっぱりこのフェスがあるとないとじゃ全然違うし、フェスに行きたかったなーというみんなの気持ちが私は凄くわかるから、見てくれている人が全力で楽しんでもらえるよう、当日は頑張って移動します(笑)。
スベリ―:僕はトークチャンネルをやらせて頂くので、出番前の各ステージなるべく多くのアイドルさんを交えて距離を感じさせないようなクロストークが出来たらと考えています。ヲタTを着てサイリウムやタオルを持って汗だくで見てほしいですね。それで疲れたらトークチャンネルを見て(笑)。そんな風に本当のフェスに来ている感じで楽しんでもらえたらいいなと思っています。
(取材・文:山村哲也、撮影:平野哲郎)
【橋元恵一】@atjam_hashimoto
ポップカルチャー音楽フェス「@ JAM」総合プロデューサー / TOWER RECORDSとの共同レーベル「MUSIC@ NOTE」レーベルプロデューサー / 配信番組「@ JAM THE WORLD」レギュラー出演 / その他 番組企画・監修/アーティストプロデュースほか
【高見奈央】@lespros_naosuke
1996年11月28日三重県出身。2010年にファッション雑誌「ラブベリー」専属モデルとなり、2012年アイドルグループ『ベイビーレイズ(その後ベイビーレイズJAPANに改名)』でデビュー。2018年に解散後、舞台、ラジオ等で幅広く活動。特技はゲーム・キャンプ・麻雀、「アウトドア検定3級」の資格を持つ。
▼「@JAM実況チャンネル」MC。マイタイムテーブルを作成し、ファン代表として5現場をまわしながらリアルタイムで実況。
【スベリ―杉田(スベリー・マーキュリー)】@SUGITASENSEI
QUEENのフレディ・マーキュリーリスペクト芸人。
神奈川県大井町笑顔特派員、「@JAMくん」の親友
▼「@JAM ONLINE FESトークチャンネル」MC。出演グループも参加するトークチャンネル。出番前の意気込みや、ライブ後の感想などなど、ライブでは見られない一面もチェック!
【ポップカルチャーフェス”@JAM”によるアイドル支援プロジェクト】
■プロジェクト期間:2020年8月11日(火)18:00~8月30日(日)23:59
■プロジェクトURL:https://wizy.jp/project/511
■主なアイテム
・MC高見奈央、@JAM総合プロデューサー橋元恵一からの感謝のメール
・フェス終了後に@JAMのHP内ページへのお名前掲載
・トリプルコラボステッカー+特製マスクケース
・タオル
・トートバッグ支援
・ロゴA デザインTシャツ支援
・ロゴB デザインTシャツ支援
・ロゴ デザインTシャツ(ロゴA または ロゴB)
・ロゴA デザインロンT支援
・プレミアム支援A「ライブ応援パネル」+「アクリルスタンド」
・ロゴA デザインTシャツ(バックプリントにサポーター名入り)
・プレミアム支援B「ライブ応援パネル」
・@JAMライブシリーズ年間パスポート
【@JAM ONLINE FESTIVAL 2020公演詳細】
http://www.at-jam.jp/series/onlinefestival2020
全会場オンライン配信視聴となります。ライブ会場現地での鑑賞はできません。
【日時】2020年8月29日(土)、30日(日)
【開演】13:00(予定)
【配信】楽天チケット×RakutenTV/Hulu/Streaming+/PIA LIVE STREAM/ローソンチケット(ZAIKO)/ミクチャ/Thumva
【料金】ライブ1日チケット:6,800円
各会場ライブチケット:2,500円
FutureステージSupported by Thumvaチケット:1,500円
トーク&実況チャンネルセットチケット:1,200円
トークチャンネルチケット:700円
実況チャンネルチケット:700円
※料金は全て税込み
※各日料金
※ライブ1日チケットは6会場全てのライブが見れるチケットです(トーク&実況チャンネルは除く)
※各会場ライブチケットはFutureステージを除くライブステージのチケット価格です
▼チケット発売
各プレイガイドはこちらからご確認ください。
http://www.at-jam.jp/series/onlinefestival2020/news/1514
※各記事に記載されている内容は公開時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。