黄色いエレキギターを手に、80年代のオーバードライブサウンドをこよなく愛するギターシンガー伊谷亜子が、クボナオキ作詞作曲の新曲「Get Back」のミュージックビデオをファンの応援で制作したい!とWIZYで3月31日までプロジェクトを実施している(https://wizy.jp/project/457/)。得意なイラストによる似顔絵や一緒にカラオケなど、さまざまなプランが用意されている。そんな伊谷亜子の音楽ルーツや現在の活動スタイルのきっかけ、新曲への想いやファンへの想いなど、さまざまな話を聞いた。ファンへ向けたメッセージもあるので、是非、最後まで読んでほしい。
カラオケまねきねこさんに行って、700円のフリータイムで朝から晩まで自主練習しました
──まず、伊谷さんはどんな音楽を聴かれていたのか教えていただけますか?
昔からアニメが大好きで、アニメソングをよく聴いていました。それと、両親が歌謡曲が好きだったので、音楽番組をよく見ていて、その影響で歌謡曲も好きになりました。アニメソングと歌謡曲にはすごく影響を受けています。
──確かに、「キヲクノカケラ」や「ゆめこい」など、伊谷さんが作詞作曲される楽曲には歌謡曲テイストがちりばめられていますね。
はい。ちょっと懐かしかったり、切ないメロディのものも多いと思います。
──特に影響を受けたアーティストはいらっしゃいますか?
たとえば水樹奈々さんや坂本真綾さんなど、声優アーティストとして活動されている方々に憧れを抱いていて、こんなふうに表に出る仕事や、声の仕事に興味をもったんです。表現するという、今の活動に繋がっているかなと思います。
──それが、ご自身も音楽をやろうと思ったきっかけですか?
もともとは舞台で演劇をやっていたんですけど、音楽活動を始めたのは2017年にカラオケまねきねこさんが開催された“すきドルPROJECT4”というコンテストがありまして、そちらに参加したことがきっかけです。その時から、コスプレをしてエレキギターを弾く、というスタイルで活動を始めました。
──演劇やコンテストと、伊谷さんは昔から人前に立つことが好きなタイプだったんでしょうか?
実はもともとはあまり人前には出たくないと思っていたタイプで、人の目を見てしゃべれないし、発表会で泣き出すような子だったんですよ。あのまま大人になっていたら、この社会で生きられなかったかもしれませんね(笑)。
──何がきっかけで自分を変えられたのですか?
小学生ぐらいから、そんな自分を変えていきたいなと思い始めてはいたんです。人前ではっきりと自分の意見を言えたり、明るく人と接することができる人を見ると、すごいなあって思っていて。当時は男の子と目を合わせることもできないぐらいおとなしい子だったんですよ。それが、学校の文化祭で歌を歌ったりお芝居をしたりした時に、友達がすごく褒めてくれて。それまであまり人に褒められたことがなかったんですが、「歌がいいね」とか、「声が好き」と言ってくれる人がいたのをきっかけに、どんどんのめり込んでいきました。もともとアニメや映画が好きだったので、お芝居をしたり、歌を歌ったりと、表に立つような仕事をしたいなと憧れるようになりました。
──演劇で自分とは違う人物を演じたり、コスプレをしたりすることで、自分を解放することができたんでしょうか。
そうかもしれないですね。人見知りで根暗な自分に対して、変身願望も強かったので。コスプレして、しかもエレキギターを弾いている女の子ってそんなにいないのかなと思いまして、ほかにない感じを目指していたら、こういうチャカチャカした感じになりました(笑)。
──ギターは音楽活動を始める前から経験があったんですか?
それが、弾いたことがなかったんですよ(笑)。まったく弾いたことがない状態だったんですが、そのコンテストで披露するために練習を始めました。
──なんと(笑)。短期間のうちにかなり練習されたんですか?
それまでギターに触ったことがなかったので、とにかく毎日触って。何度も挫折して楽器はもう無理だ!と思ったこともあるんですけどね。
──しかもギターを弾きながら歌うなんて、初心者にはなかなかハードですよね。
最初は全然体が思ったように動かなくて。家では大きな声で歌えないですし、それこそカラオケまねきねこさんに行って、700円のフリータイムで朝から晩まで自主練習しました。マイクスタンドを借りて、一人でギターを弾きながらよく練習してましたね。
──黄色のモッキンバードがトレードマークになっていますが、そのギターを手にされたきっかけは?
黄色が自分のテーマカラーみたいなところがあって、黄色いエレキギターを求めていたらこのギターに出会いました。それがこのモッキンバードなんですけど……最近調子が悪くて、先日新しいギターを購入しました。黄色いフェンダーのストラトキャスターなんですが、これからはこちらにチェンジして一緒に活動していこうと思っています。
──そうでしたか。新しい相棒ができたんですね。歌ったり楽器を弾いたりすることと、ご自身で作詞作曲をすることというのは、また違う能力だと思いますが、オリジナル曲を作り始めたのはどういう理由からですか?
活動をするにはオリジナル楽曲が必要だなと思って。最初は有名なアニメソングなどをカバーしていたんですけど、やっぱりオリジナル楽曲がないと、ただコスプレしてギターを弾いてるチャラチャラしたアイドル、みたいな感じで終わってしまうんじゃないかと思ったので、自分の曲を生み出さなきゃと。そうすることで自分が成長できるんじゃないかなと思って作り始めました。とにかくガムシャラだったんです。活動を続けるためにはCDも作らなきゃいけないし、遠征にも行きたいし。そうやって一つ一つ目標を決めて進んでいたら、いろんなことができるようになっていました。周りの方々にも恵まれていたと思います。
「エレキごりごり(シングルver.)」伊谷亜子 Ako Itani in 渋谷
──現在は「カラオケ まねきねこ」専属アーティストとして活動されていますね。
はい。音楽活動を始めるきっかけになった“すきドルPROJECT4”に参加して、それからすぐにというわけではなかったんですが、カラオケまねきねこさんからイベントのお誘いをいただいたりして、積極的に参加していたら、2年前ぐらいから専属アーティストとして活動させていただいています。
──具体的にはどんな活動をされていますか?
今年からはカラオケルームの中のテレビで流れている「ココプラ!」というオリジナルエンタメ番組で、MCを務めています。カラオケ屋さんって、お年寄りから若い方まで、本当にいろんな世代の方がお越しになるので、幅広い年代のお客様に楽しんでもらえるような番組をお届けしています。私はMCとしてインタビューをしたり、懐かしい歌謡曲や唱歌を歌ったり。あと3月からはカラオケの採点コーナーも始まったりと、いろいろなコーナーがちりばめられています。全体で30分ぐらいの番組なんですが、ぜひ見ていただきたいなと思います。
──そして今回、WIZYにて「Get Back」のMV制作プロジェクトが立ち上がりました。MV制作をクラウドファンディングすることにしたのは、どういういきさつですか?
今回は「Get Back」という楽曲でみなさんを元気にしたいという想いがあって。音楽だけじゃなく、映像も含めてみなさんにパワーを伝えられたらいいなと思いまして、クラウドファンディングでMVを制作することになりました。
Get Back/伊谷亜子【オリジナル】
──この「Get Back」は、SILENT SIRENのサウンドプロデューサー、クボナオキさん作詞作曲によるロックナンバーですが、初めて聴かれた時の印象を教えてください。
めちゃくちゃカッコ良くて、私の声やテイストにもすごく合っているなと思いました。あとはやっぱりギターのリフがカッコ良いので、とにかくこれをカッコ良く弾けるようになりたいと思って、めちゃくちゃ練習しました。
──歌詞は、このコロナ禍でいろいろと止まってしまったものや、失ってしまったものを取り戻すといったような、そういう印象を受けました。
そうですよね。こんなに大変な時ですけど、この曲を聴いて元気になってほしいなと思って、すごいエネルギーで歌っています(笑)。
──カバー曲以外のオリジナル曲として、他の方が作詞作曲された楽曲を歌うのは今回が初めてですか?
はい、今回が初めてです。今までは全部自分で作った曲だったので。やっぱり自分では作れないなっていう曲だと思いますし、第一線の著名な方に作っていただいて嬉しいなと思いました。この「Get Back」を何度かお客様の前で歌わせていただいているんですが、歌うたびに言葉やメロディがどんどん自分のものになっていくような感覚があって、お客様と一緒にそれを体感しています。
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