シティ・ポップ・アーティストとして“あの方”風な歌声やMVが話題のポセイドン・石川が、ソニーミュージックの新プロジェクト「Be」の所属へ。10月28日(水)に全曲オリジナル書き下ろし、通算5枚目となるアルバム『MUSIC LAUNDRY』を発売する。このアルバム先行予約プロジェクトを8月31日(日)迄WIZYで展開中、限定特典として『ポセイドン・石川ワンマン配信ライブ』への特別ご招待も決定(https://wizy.jp/project/500/)。アルバム制作中のポセイドン・石川に今の心境や最新アルバムの制作、配信ライブへの想いなどを聞いた。

 

 

 

自分で自分をカテゴライズせず、面白い音楽を作っていきたいと思っています

 

 

 

――10月28日(水)にニューアルバム『MUSIC LAUNDRY』のリリースが決定。WIZYのアルバム予約特典プロジェクトもスタートしているポセイドン・石川さんですが、ステイホーム期間はどう過ごしていましたか?

 

一昨年、DA PUMP「U.S.A」のカバーからの流れで、華々しくメディアに出るなどの活動はジェットコースターに乗ってるような感覚で、自分自身がよく分からない状況だったんです。僕自身がもともと制作志向の人間なので、今は家の防音室の中にこもって新作に向けて宅録をしていて。やっと自分のやりたいことを、本腰を入れてやれているというのが正直な気持ちです。

 

――“あの方”の歌い方で「U.S.A」をカバーして、YouTubeで話題を集めて。歌番組だけでなく、お笑いのネタ番組にも多く出演されていましたね。

 

今だからこそ言えるんですけど、芸人さんの中に混じって自分がいるという状況に、僕自身も違和感を感じていた時期はずっとあったんです。いまは自分がやりたい音楽を追求できる状況をいただけているので、ここからはポセイドン・石川の新しい音楽をしっかり聴いていただけると思っています。今回のWIZYの企画はそれがテーマになっているので、自分自身も心躍っています。

 

 

 

ポセイドン・石川「U.S.A.」ミュージックビデオ

 

 

 

――アルバム収録曲は絶賛制作中ということですが、基本的にはオリジナル曲で、いまのポセイドン・石川の音楽を全面に押し出した作品になるわけですよね。

 

そうです。シティ・ポップというジャンルにはなると思うし、どうしても“あの方”風にはなると思うんですが。自分で自分をカテゴライズせず、面白い音楽を作っていきたいと思っています。

 

――ポセイドンさんのJ-POPのルーツとして“あの方”の音楽が根強く存在していますが、あの方に寄せようというよりは、いまはポセイドンさんの中でしっかり咀嚼して、自身の音楽として鳴らせていますよね。

 

寄せてる感は若干あると思いますが(笑)、音楽性として切り離せない部分は大きくあって。もともとはジャズやブラック・ミュージックが僕のルーツとしてあるのですが、あの方もそういったところから派生した音楽をやってらっしゃって。何の抵抗もなく影響を受けたし、コーラスワークや和音の使い方 なども、僕がやりたかったことをすでに“あの方”がやってらっしゃったという説明の方が正解かも知れません。

 

――J-POPを最初に聴いて影響を受けたアーティストが“あの方”だったから、J-POP=“あの方”みたいなところもあったと聞きました。

 

はい。洋楽の引き出しは多い方だと思うんですけど、それを自分の音楽として鳴らす時の引き出しが山下達郎さんしかないというか……。達郎さんって言っちゃいましたけど(笑)。邦楽アーティストでレコードが擦り切れるほど聴き込んだアーティストは山下達郎さんくらいですし。多大な影響を受けていることは間違いないと思います。

 

 

 

ポセイドン・石川「丸の内サディスティック〜Collaboration瑛音」ミュージックビデオ

 

 

 

――“あの方”以前の音楽ルーツというところで、憧れたミュージシャンはいたんですか?

 

ジャズのオスカー・ピーターソンという“バップピアノの神様”と言われたピアニストがいて、高校生の頃に彼の超絶技巧に憧れていまして。ずっとピーターソンの音楽を耳コピしてたし、コーラスワークの作り方も大きな影響を受けています。当時、「♪ブンチャブンチャ」っていうストライド・スタイルにすごく憧れていたんですけど、手の大きさで限界を感じて挫折して。京都に移って、絵の勉強を始めたという流れでした。

 

――高校時代から、自身を表現するということに興味あったんですね。

 

そうですね。僕は日本画を描いてたんですが、色を重ねていく感じがコーラスを重ねる感じにすごく似ていて、全く違うことをやってる感じはなくて。いまは音楽という形で突き詰めた作品を聴いてもらいたいという強い気持ちで、楽曲制作に臨んでます。

 

――コロナ禍の状況下で、曲作りや音楽活動で何か変化はありましたか?

 

変な話ですけど、いまもライブが変わらずバンバンやれてる状況だったら、こうして楽曲制作に専念出来ていなかったかも知れないと。あとは大前提として、カバーをやらなくて良いというのが大きくて、全く新しいところから作れるのがすごく新鮮です。デビュー前に『東京SHOWER』というオリジナル作品を作らせていただいていて、自分のやりたいことだけを追求出来ていて、あの時に近い気持ちで新作にのぞめています。上京してから、「宅録にはこのプラグインがいいよ」みたいな情報交換も出来る音楽仲間も増えて。

 

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――音楽仲間が増えたことで、音楽的な部分やアイデアも大きく広がった?

 

広がりましたね。僕の曲作りの方法というのが、昔、絵を描いていた頃に近くて。絵を描いていた頃は本画を描く前に30~40点と作って、その中から師匠に選んでもらった絵を煮詰めていくというやり方だったんです。いまはサビメロだけ幾つも作って、信頼しているミュージシャンの先輩などに聴いてもらって選ぶという方法でやっていて。「現状ある自分の感覚に従わない」というのが、昔からの僕の制作方針なんです。たくさん作った中から厳選して構築するというやり方が一番合っていると思うし、一番初めの原石を作るのがとても楽しいんです。

 

――7月下旬の今は原石をたくさん作って、厳選したり構築したりという段階ですか?

 

まさにそれくらいの段階ですね。8月は今まで溜めてきたものから、一気に形をつくっていこうと思っているので、ここからどんどん仕上がっていくと思います。いままで、出来上がった時に自分でも「何これ?」と思えるような曲の方が面白がってもらえることが多いんです。今回、セルフプロデュースでやらせてもらう中で、神がかり的な偶発的な部分も生かして、新しい音をとことん追求していこうと思ってるので、その辺も期待してほしいです。

 

――YouTubeでも映像を定期的にあげていますが、YouTubeという存在はどのようにとらえていますか?

 

もともと出だしがYouTubeで、今も定期的に作品を出させてもらっているんです。まだ手探りでやっている段階ですが、映像の編集、画面制作など全部ひっくるめてクリエイトできるのが性に合っていると思います。最近は音楽より映像に力が入ってしまっていたので、8月からCD制作の方にもっていこうと話していたところです(笑)。他にも制作している楽曲をYouTubeでアルバムに先行して公開したりと。今までは「ドラクエ」とか「鬼滅の刃」とかだったので、これからはオリジナルソングに深く入り込んで、ミュージシャンなんですよ、というのを示していければと思います(笑)。

 

 

ポセイドン・石川「ドラゴンクエスト序曲」ミュージックビデオ

 

 

 

――ところで『MUSIC LAUNDRY』というタイトルをつけられた理由は?

 

昔からシティ・ポップというと「コインランドリー」でヘッドフォンをかけながら聴くというイメージがあって(笑)。コインランドリーは、洗濯をしながら待つ間に音楽を聴く、すごく居心地のいい場所なんですよね。いろいろな視点から楽しんでいただけるようなアルバムになればというところがあって、ランドリーというのがいいのではないかと思ってタイトルにしました。

 

 

 

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