不思議なバンド名にポップなキャラクター、キャッチーな楽曲と歌詞への絶対的なこだわりを持つ新潟発5人組日本語ロックバンド・終活クラブ。レコチョクが今後ブレイクが期待される注目の新人アーティストを、サービスを通して積極的にPUSHしていく企画・Breakthroughの2024年4月度ピックアップアーティストにも選出された。

今回「レコログ」では、5月22日(水)にEP『終活新布教盤』でメジャーデビューする終活クラブにインタビューを行い、結成のきっかけやバンド名の由来、新作について、そして、ファンへの想いなど、様々な話を聞いた。

ポップなキャラクターの下に秘められた終活クラブの魅力を感じてほしい。

 

 

ライブ行きたい!行ったらめっちゃ楽しかった!って言ってもらえるようなサイクルを生み出したいです

 

──2024年4月度のレコチョク「Breakthroughアーティスト」にピックアップされました。その時のお気持ちをお聞かせ下さい。

 

石栗(Gt.):シンプルにとても嬉しいです。なにより「レコチョク」といったら自分自身もお世話になっていて、誰でも名前を知っているサービスだと思うので、ブレイクするアーティストとして選んでいただけたのは光栄ですし、感慨深いです。

 

──ありがとうございます。スタッフのレコメンド楽曲「テレキャスター・テレキャスター・テレキャスター」についても制作当時のエピソードなどお聞かせください。

 

少年あああああ(Vo./Gt.): この楽曲は終活クラブとして初めて制作した楽曲なんです。コロナ禍の真っ只中だったので、手拍子がメインで曲を構成しました。サビのシンガロングで言う「オエオエオ」とかはコロナが明けた時の希望でしたね。

 

♪終活クラブ「テレキャスター・テレキャスター・テレキャスター」

 

 

──結成された2020年8月はコロナ禍でしたね。

 

羽茂さん(Key):声出しがNGだったため、会場が一体になれる方法として『クラップ(手拍子)』を積極的に取り入れたらいいんじゃないか。とライブでのノリ方を結構話し合ったのが思い出です。結果として、一体感のあるライブをコロナ禍でも出来ていたなと思います。

 

──改めて、終活クラブ結成のきっかけを教えてください。

 

少年あああああ: ぼくが元々配信をやっていて、そこからバンドをやろうとメンバーを集め始めて、友達にパート関係なく声をかけました。ベースとキーボードは初心者でしたが、努力してくれました、というか、せざるを得なかったよね(笑)。

 

イシダヒロキ(Ba.): バンドに誘われてから即ライブ、即レコーディング、MV撮影が決まった印象でした。何から始めていいのか分からず、まず「ベース 初心者」で検索をして基礎を無理矢理頭に入れ込みました。そこから少年(少年あああああ)や石栗に手伝ってもらいながら曲をひたすら弾けるように練習する毎日でした。

 

──皆さんが音楽活動をはじめたきっかけ、影響を受けたアーティストを教えてください。

 

少年あああああ:ぼくは2000年代のJ-ROCKですね、ギターがシンプルで歌詞がいいバンドがとにかく好きでしたし、今も聴いています。

 

石栗:インターネット上でゲーム音楽のアレンジから音楽を始めました。バンド音楽として は90年代から2000年代のヴィジュアル系バンドが好きで影響を受けています。特にLUNA SEAの SUGIZOさんからはプレイヤーとしての思考やスタイルまで強く影響を受けていると思います。

 

イシダヒロキ:ワイは姉の影響でHi-STANDARDに始まり、そこからB-DASH、 Dragon Ashと英文の歌詞が多いバンドにハマっていきました。歌詞の意味はわからないけどノリの良い音楽を聴くのが好きでした。そこから友達とバンドしようぜ~からギターを買ってFコードで挫折するって王道のお決まりパターンを通ってきましたね。

 

羽茂さん:僕は80年代の曲を良く聴いています。杉山清貴&オメガトライブが好きですね。「君のハートはマリンブルー」「Eastern Railroad」「LONELY RUNNER」が好きです。音楽始めたきっかけはUVERworldの「7th Trigger」を聴いて衝撃受けて、やばっ!僕も音楽やりたい!って思ったのが始まりです。

 

ファイヤー・バード(Dr.):僕はELLEGARDEN好きで、何気なく本屋さんいったときに ELLEGARDEN好き必見!みたいなコーナーがあったんです。そこにはBIGMAMAとかLAST ALLIANCEとか6バンドくらい置いてあって。聴いたらそれはもうどハマりしますよね。 バンドずーっと頑張ろうと思いました。

 

──終活クラブというインパクトあるアーティスト名に込められた想いを教えて下さい。

 

少年あああああ:ぼくが音楽を一生懸命やろうと思ったのは人生で後悔を残したくなかったからで、それは一種の終活だなと思ったところからですね、わりと重たい言葉ですが、すごく ポジティブに考えています。後悔したくないですもんね。

 

──楽曲制作について教えてください。

 

少年あああああ: ぼくが基本的にデモを作って持っていって、それにメンバーがいいようにアレンジを加えていく形です。できるだけメンバーのオリジナリティは尊重して制作しています。曲作るの楽しいので、わりとずっと作ってるんで結果としてリリースも多くなってますね。

 

石栗:少年は楽器セクションのアレンジに解釈を求めるので、メンバーそれぞれ楽曲への理解は大切にしています。そのすり合わせにかなりの時間をかけているので、2ndアルバム『終活のてびき』以降はさらに楽曲の精度というかクオリティは高くなっていると思います。そのぶん制作にかかる時間も増えているので制作期間は地獄ですが、まあ、楽しいです(笑)。

 

──“歌詞に絶対的なこだわりを持った日本語ロックバンド”とのことですが、歌詞はどのようにして生まれているのでしょうか?言葉選びで大事にされていることも教えてください。

 

少年あああああ:大体嫌な気持ちの時に書いてる気がします(笑)。やっぱりハッピー!最高!っていう時はあまり書けないですね、家にいる時の深夜とかゴールデンタイムだと思ってます。言葉選びで大事にしていることは、聴いてくれる方の感情を決めつけないことですかね。

 

──アートワークはどなたが担当されているのでしょうか?

 

石栗:基本的には知り合いのイラストレーターのゆずさんにお願いしています。立ち上げの際のキャラクターデザインから関わっていただいているので、作品イメージによく合ったアートワークを仕上げてくださるので、とても信頼しています。

 

ファイヤー・バード:キャラクターも、メンバーのそれぞれの特徴を捉えているなと思ってます。石栗は頭のネジの本数が外れてるんですけど、もっと多くてもよかったかも!(笑)

 

 

終活クラブ_メンバー

少年あああああ、石栗、イシダヒロキ、羽茂さん、ファイヤー・バード (L to R)

 

──インディーズ時代はEggsに登録されていて、2022年2月には「Eggsレコメン!」にも選ばれました。

 

少年あああああ:「Eggsレコメン!」嬉しかったですね。やっぱりいいバンドを探しているリスナーさんと見つけて欲しいバンドを結びつけるツールとしてすごくいいなと思います。

 

──メジャーデビューが決定し、4月4日(木)には、新宿LOFTで『メジャー決定記念無料ワンマンライブ「終活超決起集会」』が開催されましたが、どのようなライブになりましたか?。

 

ファイヤー・バード: 1番印象深かったのは、ライブ中に少年が「音楽やってて幸せだ」的なニュアンスのことをすごく嬉しそうに叫んでて、普段そういうの言わないからとてもハッピーな気持ちになりましたね。あの空間にいた人達全員がニコニコしてたからぼくもとってもニコニコしました!

 

羽茂さん:すっっっごいお客さんがいてびっくりしました。これが正直な感想です。それだけ、皆さまに期待していただいているんだな、これからも頑張らないといけないなと思いました。あとは、VAP(所属レコード会社)の田中さんのスピーチがよかったです。「事故物件あーこわいこわい」という、ちょっと歌詞に乗っけて来る感じが。あと100回聞きたいので100回田中さんがスピーチできるように頑張ります。

 

終活クラブ_ライブ1 終活クラブ_ライブ2

メジャー決定記念無料ワンマンライブ「終活超決起集会」

 

──5月22日(水)にはメジャー1st EP『終活新布教盤』がリリースされますが、先行配信された「しょうもないなあ」について制作時に意識されたことをお聞かせください。

 

少年あああああ:メジャー1曲目ということで、出来る限り終活クラブらしさ、というのを意識して書きました。メジャーに行っても変わらないぞ、というのを伝えたかったですし、歌詞も、「始めますか」で終わるのがすごく終活らしいと思ってます。

 

石栗:ギターアレンジに関しては “変わらないこと” をより強く意識しました。インディーズ時代やそれ以前に自分がインプットしてきたサウンドの枠組みの中だけで、最大限の表現を追求しています。結果的に終活クラブらしいと言えるような楽曲になったので、自信を持って世に送り出せました。

 

──MVも公開されましたが、撮影時のエピソードを教えてください。

 

イシダヒロキ:まずいきなり「コレかぶれる?」って昔のPCモニターみたいなのを出された時はびっくりしました。でもスチームパンクみたいでカッコイイな~って思ったのを覚えてます。あとは石栗が39度の高熱を出しながら来て、撮影して即帰るのもカッコイイな~って(笑)。翌日には熱下がったみたいなんですけどね(笑)。

 

羽茂さん:映像としては公開されていませんが、羽茂さん、撮影中に大転倒しました。いきなり、画面から消える羽茂さんをいつか皆さまに見せられたらいいですね。空中を舞ったような感じで転倒したので、生きてて良かったです。本物のおばけになりかけました(笑)。

 

♪終活クラブ「しょうもないなあ」

 

 

──今回のMVも近藤岳(a crowd of rebellion)さんがディレクターですね。

 

少年あああああ:元々新潟の先輩で、とてもいいMVを作られるので頼みたいなと思っていて、1作目からずっと作っていただいてます。MVの内容も全てお任せしています。出来るだけ客観的というか、そういう作り方がしたかったのもあって。毎回思ったよりすごいのが出来るので感動しますね。

 

──他の収録曲についてもお聞かせください。

 

少年あああああ:「六畳にて」は元々ぼくがソロで配信してた曲だったんですよ。曲が足りなかったので初ライブとかでもやってました。終活クラブを組むきっかけの大きな要因だった曲なので、再録嬉しいです。

 

石栗:「詠唱」はライブでこんな曲があったらいいなから生まれた楽曲です。展開やチルめのビート感だったり、今までの終活クラブにはあまりなかったアプローチなので、チャレンジと言えばチャレンジですが、同時にこれまでの終活クラブを聴いてきた皆さんにとっても安心できる楽曲になっていると思います。ちゃんと根暗なので。

 

イシダヒロキ:「めぐる」は今までの終活クラブの曲とは違って、少年以外があまり目立たないイメージの曲で、みんなそれぞれのパート構想に苦しんでた気がします。ベースとしてはただ地面のように目立たず、ただそこにあるイメージで弾いてます。

 

終活クラブ_J写

 

♪終活クラブ 『終活新布教盤』Trailer

 

 

──5月30日(木)には【全国終活化計画】ツアーがスタートしますね。

 

少年あああああ:今回のツアーは今までのつながりを大事にするのがメインで、対バン相手も、初日の peanut butters さんはシンプルに一緒にやりたかったのでブッキングをお願いしました。新しい出会いもたくさんしたかったので、ライブハウスのおすすめバンドをブッキングしていただいたりもしてます。総じて楽しみですね。

 

羽茂さん:間違いなく、いろいろな意味で熱いステージになると思います。全国19公演は長丁場ですが、テーマとして“変化”を持ってやりたいなぁと思います。毎回同じことしてても飽きますからね。その地域やステージでしかできないことを見つけていつ来てもお客さんが楽しめるステージにしたいです。

 

── そんな終活クラブの“終活クラブらしい音楽”とはどういったものだとお考えですか?

 

石栗:難しいですが…“型にはまっていない音楽”かなと思います。良くも悪くも、自分たちらしさみたいなものをあまり明確に定義していないので、作品によってアッパーだったりダウナーだったり、ポップだったりメロウだったり、その節々のいろんなリアルな表情を自然体で見せられているのは強みなのかなと。ひねくれているのは一貫して変わらないと思いますが(笑)。

 

──今後の目標を教えてください。

 

羽茂さん:もっと幅広い人に終活クラブを知ってもらうことです。そのために、このようなメディア出演やSNSを通じて知ってもらい、なんか終活クラブ面白そう、終活クラブって楽しそうだなって幅広い人に感じてほしいです。結果的にライブ行きたい!行ってみたらめっちゃ楽しかったって言ってもらえるようなサイクルを生み出すことが目標です。

 

──少しプライベートな一面についても教えてください。皆さんの「意外と●●なんです」という部分をお聞かせください。

 

少年あああああ:ぼく、意外と料理できないんですよ。本当にまずいものを生み出すことができる。人に食べてもらうときはレシピを完璧に守るのでそんなに失敗しないんですけど。

 

石栗:意外と、というか全然想像通りかもですが、わりとポンコツです。電車で降りようと思っていた駅と全然違う駅で降りちゃうし、家のトイレを壊して水浸しにしちゃうし、家具を説明書通りに作っても何か傾いてるし。どうして私っていつもこうなのってことばかりです。

 

イシダヒロキ:ワイはPCとか電子機器が苦手ですね、使えると便利なのはわかりますが、なかなか理解して使うのが難しいです。その点でメンバーにはいつも助けてもらってます。

 

羽茂さん:僕、意外と大食いです。ご飯いっぱい食べちゃいます。特にカレーとか瞬殺で食べちゃいます。白米うめぇ~って思ってたらいつの間にか3合の白米1食で食べちゃいました。

 

ファイヤー・バード:意外かどうか分かんないですけどYouTuber気質ですね。動画撮るのが好きで、よく行く公園があるんですけど、1人でカメラ回して1人でコントやって、1人で見返して笑うみたいなことをしてます。SNSにあげるときもありますが、基本お蔵入りにしてますね、面白くないから。

 

──これからも新潟ベースで活動されるのでしょうか?

 

イシダヒロキ:今後も新潟を拠点に活動を続けていくつもりです。ツアーなどで日本各地に赴いて良い街だな~ってのは多いですが、結局新潟が一番落ち着きます。シンプルに新潟が好きなんでしょうね。ご飯もラーメンも美味しいし。

 

──そんな新潟でのライブに遠征予定のファンの方へ、おすすめの観光地などがあったら教えてください。

 

ファイヤー・バード:僕らは新潟のCLUB RIVERSTがホームなので、よくそこでライブをしていますが、その近くにある公園がめっちゃおすすめです!木がとっても良い感じだし、雨降っても遊具あるからしのげます!全然観光地じゃないかも…でも新潟いい場所だよ!

 

──ありがとうございました。最後に、応援してくれる方へのメッセージをお願いします。

 

少年あああああ:いつも応援ありがとうございます。というか生かしていただいてありがとうございます。ずっと試行錯誤の日々ですが、いつかはミラクル救ってやりたいな、と思ってます。これからもよろしくお願いします。

 

石栗:いつも応援していただきありがとうございます。今回の「Breakthrough」はあなたと掴んだ大きな1勝だと思います。これからもさらにワクワクできることを一緒に経験できたらいいなと思っています。あなたも含めて全員で終活クラブ!LOVE!!

 

イシダヒロキ:ワイらが終活クラブでいれるのは確実に皆さんのお陰です。ありがとう。これからもずっと終活クラブでいれるように精一杯身を粉にして頑張ります。

 

羽茂さん:いつも終活クラブを応援していただきありがとうございます。皆さまのお力添えもあり、やっとスタートラインに立てたなという感じです。これからも成長し続ける終活クラブで楽しい日常を届けられるように頑張りますので応援よろしくお願いします!

 

ファイヤー・バード:いつも応援していただいてありがとうございます!皆さんのおかげで僕らいつも楽しくライブ出来てます!これから先の未来も一緒にいようね!あと、少年を王様にするぞ!

 

文:レコログ編集部

※各記事に記載されている内容は公開時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。​

  • 終活クラブ

    終活クラブ

    2020年8月「音楽を終わらせる為の音楽」を始めるため、少年あああああ(Vo/Gt)を中心に同じ志を持つメンバーが集結し、終活クラブを結成。新潟を拠点に置き全国区で活動中。
    不思議なバンド名やポップなキャラクター等、他者の目を惹くキャッチーさを武器としつつ、少々ひねくれながらも歌詞に絶対的な拘りを持った日本語ロックバンドです。