6月9日(水)に2nd DEMO『ミス・ファンタジア』をリリースした、ソロ活動中のアーティスト・ゆきみ。1st DEMO『オーバーチュアと約束』の際にはWIZYにてクラウドファンディングを実施し、インタビューをさせてもらったが、今回もリリースを記念してインタビューを行った。今作に込めた想いを中心に、彼女の音楽との向き合い方までが分かる内容となっている。さらに、今回は「レコログ」だけの撮りおろし写真も公開。是非、楽曲と一緒にインタビューも楽しんでほしい。

 

女性ならではの目線や思考というものを取り入れた作品にしたいと思っていました

 

──前回WIZY1st DEMO『オーバーチュアと約束』収録曲「アーモンドとチョコレート」のMV制作プロジェクトを実施されました。(https://wizy.jp/project/484/)改めてやってみていかがでしたか?

 

当時は目の前にある支援だとか、自分がやりたいと思っていることと向き合うということに本当に一生懸命になっていて。改めて振り返ると、本当に大変なことをやっていたなぁと思いますね(笑)。その時は怒涛のスケジュールだったので、とにかく決めたことをやっていくという感じでしたが、本当にいい経験をさせていただきました。支援してくださった方と向き合って制作するプランもたくさんあったので、ライブハウスやSNSでのやり取りとはまた違う、濃密なやり取りをする機会もいただけたと思っています。

 

──完成した「アーモンドとチョコレート」のMVは、どういうイメージで作られましたか?

 

みんなが笑顔になれるような作品はいっぱいあると思うんですが、というよりは、私の中にある色味や雰囲気をそのまま可視化したような映像作品にしていただいたなと思っています。

 

♪ゆきみ – アーモンドとチョコレート(official music video)

 

──MVの最後には、支援してくださった方たちのお名前が入っていましたね。プロジェクトの支援者の方々をはじめ、反響はありましたか?

 

SNSなどでいろんな反応をいただけました。今回も、この作品を出すという発表をした時に、本当に待っていてくれたんだなということが実感できる反応をたくさん頂けたのでので、一作目が次の期待に繋がったのかなと思うと嬉しかったです。

 

──その前作からTOWER CLOUD(音楽配信サービス)で配信をされていますが、登録されてよかったなと思うところはどういうところでしたか?

 

以前もバンドでこういった配信ツールを使って音楽配信をしていたこともあるんですが、TOWER CLOUDは、ただ曲の情報を登録してオーディエンスに届けるツール、というだけではなくて、それこそ今回のようにインタビューをしていただいたり、いろんなところで“人”を感じられるんですよね。CDショップでもバイヤーさんがコメントを書いていると、人を感じるじゃないですか。そういう “人”を感じることができるサービスは素敵だな、と思いました。

 

──69日(水)にデジタルリリースする2nd DEMO『ミス・ファンタジア』もTOWER CLOUD経由で聴くことができますね。この2nd DEMOを制作する上で、何かテーマがあったのでしょうか?

 

前作にも通ずるところですが、もともとバンド(あいくれ)のボーカリストだったので、ソロプロジェクトだからこその表現をしたいなと思っていて。今回は女ひとりになったというところで、女性ならではの目線や思考というものを取り入れた作品にしたいと思っていました。

 

──その思いをどんなふうに曲に落とし込んでいかれましたか?

 

今回は完全にテーマが先行していて、既に自分の頭の中にあった曲の中で、基本的な骨組みは不完全な形ではあるものの、「女性ならではの目線」というテーマに沿ったものを4曲集めた感じですね。

 

──ということは、それぞれ作った時期もそれぞれバラバラですか?

 

そうなんです。一曲目の「アイスクリームのように」は、私が19歳の頃に作ったので、もう8年近く前の曲です。ただ、作った頃と比べて私自身が成長しているところもあったので、そういった部分を反映させて、一部新たに書き加えたりもしました。

 

yukimi_0113BW_2

 

 

──その「アイスクリームのように」ですが、言葉以上のものを想像させられる歌詞にまず引き込まれました。まず出だしの“36℃の体温が今わたしを溶かしているで、相手と密着していることが想像できますし。きっと主人公の相手はダメな人で、このままでいいのかなと思いながらもズルズルと関係を続けている。

 

たぶんこの曲に出てくる人たちは、揃いも揃ってダメなんだろうなって(笑)。人間のダメな部分がすごい出てますよね。それを感じていただけているなら嬉しいです。メロディや歌うことにも重きをおいていますが、特に歌詞に命をかけているので。ただ、歌詞を聴いて、私と同じものをイメージしていただく必要はなくて、その人なりの想像をしてもらうことが一番嬉しいんですよ。「これってこういう意味なの?」とファンの方から聞かれることもあるんですが、すごく嬉しい瞬間ですね。

 

──この曲に限らず、ゆきみさんの歌詞は、いろいろと読み解きたくなる歌詞ですね。歌詞を書かれる時は、実体験をもとにされているのですか?

 

多少はありますね。それが本当に実体験なのか、本や映画を通して擬似的に体験したことなのかは別として、自分が感じたものの中で作品にしたい、言いたい、歌いたいということを常日頃メモしたり、頭のどこかにおいておいたりします。

 

──「アイスクリーム」をイメージする、キンキンとした感じやコロコロとした感じがトラックにも表現されているなと思いましたが、加藤俊一さんにトラックを依頼されたのはどういった経緯ですか?

 

今回、4曲それぞれ別のトラックメイカーさんにお願いをしたのですが、加藤さんは唯一前作にも携わってくださった方で。「アーモンドとチョコレート」のトラックを担当していただいたんです。なので、加藤さんがどういうアレンジをされる方なのか分かった上で、ピアノの弾き語りをした音源をお送りしたんですが、それを超えてくるというか、いい意味ですべてを壊してくださって(笑)。私としても、すごく前に作ったものだったので、まったく新しいものに生まれ変わった状態で出せて良かったと思います。

 

yukimi_0074BW_2

 

 

──2曲目の「ミス・ドレスコード」はいつぐらいに作られた曲ですか?

 

これは比較的新しい曲ですね。この曲が今作の顔になっているかなと思っています。この曲は、好きな服を着て、好きな物を身につけて、自分により自信をつけて自由に生きていく、というのがテーマになっていて、それが今作の一番のテーマでもあるんです。どうしても自分に自信が持てない人はたくさんいるし、自信を持っていても今日はなんとなく自信がないとか、ダメな日だっていうこともあると思うんです。そういう時に自信を借りられるものがあるんだ、っていうことを曲にしておきたかったんです。お気に入りの服を着たり、新しい靴を履くことで、なんとなく今日の自分が好きになれたり、少し顔を上げて歩くことができる。何か外側にあるものから力を借りて、少し自分のことを好きになっていけたらいいなという、私の曲の中では珍しくメッセージみたいなものが込められています。

 

──服やメイクや鎧だとか、戦闘服に例えられることもありますしね。歌詞にあるジェンダーレスという言葉もキーワードになっているのかなと思いました。

 

今作を作るにあたって一番注意したのが、“女ってこうあるべき”とか“女性だからこうだ”みたいな固定概念は外していこう、ということだったんです。だけど最初に言ったように“女性ならではの目線”をテーマにしているので、この言葉は女性らしいなとか、私の中のイメージが反映されている。そこに矛盾があるんですが、だからこそ、私が女性らしいなと思ったところが男性にとって共感できるところであったり、女性には共感されないところがあったりするんじゃないかなと思うんです。性別関係なく、ちょっとでも自信を借りられるような曲になっていれば嬉しいなと思います。

 

yukimi__0082BW_3

 

 

──この曲のトラックはjunchai / HyperVideo2さんですね。

 

私がバンドを始めてからすぐ、同じくバンドマンだったjunchaiさんに出会って。元々ギタリストで、彼のギターがむちゃくちゃ好きだったんです。他のアーティストさんの音楽を聴いた時に、このトラックめちゃくちゃ素敵だなと思って、誰が作っているんだろうと調べたらjunchaiさんだということがわかって。聴いたその曲が良かったという感想とともに、この曲を作って、と連絡しました(笑)。

 

──「ミス・ドレスコード」のどういうところが彼の音楽とリンクしたんでしょうか?

 

その時に聴いた曲がファッショナブルだったんですよ。「ミス・ドレスコード」はどうしてもファッショナブルな曲にしたかったので、その部分をきっと叶えてくれるだろうなというところでお願いしました。

 

 

次ページ:3曲目「1LDK」、4曲目「普通の人間」に込めた想いとファンへのメッセージ

1 / 2