本業を声優としつつ、アーティストとしても大活躍中の小倉唯。331日(水)にニューシングル「Clear Morning」をリリース。MVでは振り付けも担当し、カップリングでは作詞も手掛けるなど、今作でさらにアーティストとしての幅が広がった彼女だが、レコログでは、リリース記念として小倉唯にインタビューを実施。彼女が本作に込めた想いや制作時のエピソードについて、たっぷり語ってもらった。さらに、自身の朝の過ごし方や最近ハマっている料理についてなど、彼女の素顔が知れるインタビューになっているので、是非最後までチェックしてほしい。

 

 

聴いている方が心地良くどこか不思議に感じていただけたら良いな

 

 

ーーニューシングル「Clear Morning」は小倉さんのディスコグラフィのなかでもまた新しいアプローチの作品となりましたが、表題曲を最初に聴いた印象はいかがでしたか?

 

今回の楽曲は、アプリゲーム「ブルーアーカイブ -Blue Archive-」のテーマソングになることが元々決まっていました。なので、ゲーム制作サイドの意見や方向性を忠実に再現して曲のコンセプトや細かいディテール、楽曲の選定を進めていったんです。作品の世界観と同じように、楽曲からも透明感を感じましたね。また、こういったエレクトロニックなサウンドは自分のなかであまりイメージがなかったので、すごく新鮮でした。この楽曲を自分が歌うことによって、より良いものにできたらいいなと思いながらも、自分がどれだけこの曲に寄り添えるのだろうか、という不安もありましたね。

 

ーーそうしたエレクトロニックで独特の浮遊感のあるトラックをどう歌おうと考えられましたか?

 

曲を最初に聴いたときに、「この曲ならこう歌いたいな」というビジョンが自分の中で見えていたので、歌い方は少し息成分を多めに、ウィスパーで優しい透明感を意識しました。あとは、聴いている方が心地良くどこか不思議に感じていただけたら良いなと。それが、この楽曲から感じる浮遊感なのかもしれませんが、私自身も少しリラックスして、さりげなく体に入ってくるような歌声を意識してレコーディングに臨みました。

 

ーーたしかに小倉さんの声がサウンドと溶け合う、不思議な心地良さのあるボーカルですよね。また浮遊感のある序盤からリズムがはっきりしていくサビでは、芯のあるボーカルもまた素敵だなと。

 

ありがとうございます。この曲は繊細なイメージだったので、そこは歌ううえでも意識した部分です。歌うというよりも語るに近いというか、言葉ひとつひとつの響きを大事に歌わせていただきました。サビに関してはおっしゃっていただいた通り、芯がありメッセージ性の強い歌詞やメロディになっているので、AメロBメロとはギャップをつけて、伸びやかに、聴いている人の気持ちや感情に訴えかけるような情緒的な歌い方をしました。曲の中でもメリハリを意識して歌いましたね。

 

ーーこの曲が主題歌になった「ブルーアーカイブ」で小倉さんはシロコ役を演じられていますね。

 

シロコは口数が少ない子なので、言葉やその声色でプレイヤーの方をどれだけ引き込めるかが重要だなと思ったんです。収録のときはすでにキービジュアルが固まっていたので、素敵なビジュアルに近づけるような声色をイメージしましたし、絵だけじゃなくゲーム全体から感じた透明感というものも意識して演じました。

 

ーーそんなシロコが動く姿が見られ、「Clear Morning」も流れるアニメーションMVも素敵でした。

 

私もあの映像を観たときには感動しました。楽曲のオーダーはゲーム制作サイドの方々にお任せでしたが、映像を観て、全て自分の中で納得がいったというか。「これが作りたかったんだ」というメッセージが伝わってきました。曲やキャラクター、ゲームの世界観もこだわり抜いて作られていて、すごく愛情を感じましたね。

 

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ーー映像でいうと、「Clear Morning」のMVもまた印象的です。今回は小倉さんが振り付けを担当されたそうですね。

 

はい。この曲はレコーディングした段階で、アバウトですけど「こんな振り付けにしたいな」という完成形の映像が頭をよぎったんです。プロの先生に頼んでもよかったんですが、楽曲制作とはまた違うかたちで、この曲の幅を広げられたら良いなと思い、振り付けのご相談をさせていただきました。

 

 

小倉 唯「Clear MorningMUSIC VIDEO(Short Ver.)

 

 

ーー今回はご自身だけではなく、ダンサー陣も含めた全体的な構成も考えられたそうですね。

 

そうなんです。普段振りをつけるときは自分の動きだけだったり、ライブで歌うことを見据えた、いわゆる歌って踊りながらという部分に焦点を当てた振り付けを考えることが多いんですよね。ただ、今回はいちコレオグラファーとして、自分のみならず周りのダンサーの動きや、フォーメーションも含めて全体的な、360度を意識した振り付けを作ってみたいなと思って。私だけで成り立つというよりは、ダンサーもいてフォーメーションもあって初めてこの楽曲の世界観になるという、そんなイメージのダンスを想像しながら作りました。

 

ーーたしかにダンサーとのフォーメーションも多くて、また、ダンスとしても手の動きひとつまで考え抜かれた、繊細な振り付けになっているなと思いました。

 

ありがとうございます。全体的な振りを作るうえで意識したのは、この楽曲が持つ繊細さを細かな手の動きを用いて、些細に表現するということです。歌うという大前提をいったん忘れ、この楽曲をより盛り上げられるような大胆な振り付けをイメージしていたので、コンテンポラリーダンスに近いような、体全体を使っての身体表現が多いのが特徴です。いつかライブで歌うときには、ちょっとドキドキしてしまいそう(笑)、フォーメーションも含めて、映像映えする振り付けにできたんじゃないかな、と思っています。

 

ーー小倉さんの新しい表現のひとつとしての映像作品になりましたね。

 

あと、今回はクレジットで初めて振付師として”Yui.”という名前を入れていただきました。ただの小倉 唯ではなくて、いち振付師として関わったんだという証を残したくて。なので、クレジットまで注目して観てほしいですね(笑)。

 

ーー今後、Yui.としての活動も楽しみですね。

 

振付師として今回挑戦させていただいたことで、自分の表現の幅も広がったんじゃないかなと思っています。せっかくペンネームを考えたのでこれからは、自分の曲のみならずほかのアーティストさんにもYui.として関われる日が来たら楽しいなと思いますね。

 

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ーーまた、MVでは小倉さん演じるシロコに合わせて、銀髪姿の小倉さんが登場します。黒髪の印象が強い小倉さんですが、こういった髪色にした経験は……

 

ないですね。明るいヘアスタイルにはずっと憧れがあったので、なにかの機会でチャレンジしたいなと前から思っていたんです。今回、私が演じたシロコが銀髪だったので、「これはひょっとしたらチャンスなのでは!?」と思って(笑)。MVの仕上がりとしてもちょっとしたスパイスになるし、みなさんをドキッとさせられるんじゃないかなと、私から提案させていただきました。

 

ーー実際に銀髪にしてみていかがでしたか?

 

すごく新鮮でしたし、自分だけど自分じゃない人を見ている感覚というか、とっても不思議な気分になりました。あと、周りのスタッフさんたちもいつもと少し対応が違って(笑)。はじめましての人と話すような距離感を感じて、不思議な体験をさせていただきました。

 

ーーこれまでを知る人からするとすごく新鮮でしたが、これがまたお似合いでしたよ。

 

本当ですか?うれしいです。本当は20代のうちにお人形さんみたいなヘアカラーのスタイルにチャレンジしてみたい願望があるんです。みなさんの反響が良ければ、いつかまた挑戦してみたいなと思っています。

 

ーーさて、カップリングの「pyu♥a purely 」ですが、こちらは小倉さんが作詞を担当されていますね。

 

はい。曲自体は表題曲とのバランスを考えて決めたんですが、作詞は自分から立候補させていただきました。今作を通して、私の挑戦を含めた世界観を堪能してほしいし、ここで作詞を担わせていただくことで、また意味のある13枚目のシングルになるんじゃないかなと思ったんです。

 

 

小倉 唯「pyu♥a purely」リリックビデオ

 

 

ーーそうしてできた歌詞は、ファンとの絆を感じさせるものになりましたね。

 

まずテーマとして浮かんだのが、コロナ禍だからこそ心のつながりや、ハートフルなメッセージ“を伝えたいなという想いがあったんです。ツアーも中止になったりして、ファンのみなさんとも直接的にはコミュニケーションを取れない現実がありました。今までの作詞スタイルはライブ会場ありきで、ステージに立つ前の心情や、実際に立ったときの感情を表現する曲が多かったんです。でも、今回は少し視点を変えて、離れているからこそ、私からファンの方に向けて何かメッセージを届けたいなと思ったんです。

 

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ーー今という時代だからこそ、伝えられるメッセージというか。

 

どこか温かくて、包み込むような安心感というか、押しつけるのではなくてそっと隣に寄り添っているような、そんな温かみのある楽曲にしたいと思いました。こういった状況下で大変なことも多いですが、そんな日々を乗り越えていく皆さんを励ませるような、そして背中を押せるような、そんな優しさをイメージしました。いずれライブで歌えたときには、この歌詞がすごく大きな意味を持つんじゃないかなと思っています。

 

ーーだからこそ「アイコンタクト」や「キモチ」というワードをチョイスされたと。

 

そうですね。見えないところでも繋がっている部分、「アイコンタクト」というのはまさにコロナ禍を意識しました。今はライブでも、大きな声を出せる環境ではないんぶん、心と心、目と目で繋がっている、気持ちが伝わりあっているよね、というメッセージを込めさせていただきました。

 

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ーーそうしたメッセージがあるからこそ、曲調もポップだけど底抜けに明るいわけではなく、優しさを感じさせるものですね。

 

そこに関しては、切なさも少し意識しましたね。こういった生活のなかで前向きに生きたいけど大変な思いをされている方も多いと思います。むやみやたらに明るく元気に「がんばれ!」というのではなく、共感しあって、「きっと気持ちは繋がっているから大丈夫」と思いながら、少しずつ前に進んでいける、そんな温度感を意識しました。

 

 

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