(写真左から:岩井、高橋)
北海道・札幌在住、同じ学校の軽音楽部に所属する2 人の高校生によって結成されたニューテクノポップバンド・LAUSBUB(ラウスバブ)。Twitterにアップされた彼女たちが歌唱する動画は最大23.4万いいねを記録。、音楽業界の著名人はもちろん、聴いた人を虜にするサウンドが、今注目を集めている。そんなLAUSBUBが6月18日(金)にTOWER CLOUDから「Telefon」を配信リリース。そこで彼女たちにインタビューを行い、本作の楽曲制作についてはもちろんのこと、素顔に迫る質問もぶつけてみた。楽曲制作のことを語る一面とは別に、高校生としての一面も見せてくれたLAUSBUBのインタビュー。是非、最後まで読んでほしい。
好きなものに対する気持ちに多くの人が共感してくれたように感じ、とても嬉しかったです
──改めてとなりますが、自己紹介をお願いします。
岩井:LAUSBUBのシンセサイザー、ギター、作曲担当の岩井莉子です。
髙橋:ベース、ボーカル担当の髙橋芽以です。
──お二人が音楽や楽器を始めたきっかけを教えて下さい。
岩井:私は幼稚園の頃からピアノを習っていました。ピアノは小学生のうちに辞めてしまいましたが、中学生になってYMOなどの電子音楽を知ってからは、シンセサイザーなどの電子楽器に興味を持ち、打ち込みで音楽を作り始めました。
髙橋:小さい頃から音楽を聴くことが好きで、高校で軽音楽部に入部したことをきっかけにベースなどの弦楽器に触れるようになりました。
──お二人の音楽ルーツを教えてください。
岩井:中学生のときにYouTubeでたまたまYMOのミュージックビデオを観てから音楽にのめり込むようになりました。
髙橋:坂本慎太郎さんを初めて聴いた時、自分の中の音楽の存在が大きく変わりました。
──LAUSBUBの結成のきっかけを教えてください。
髙橋:岩井とは高校の軽音楽部に入ったときに、ミーティングで出会いました。最初は3人組でバンドを組んでいましたが、2020年の3月にコロナ禍とドラムの脱退をきっかけに家で作ることのできる電子音楽を制作・配信し、LAUSBUBとしての活動を始めました。
──バンド名の「LAUSBUB」という名前の由来を教えて下さい。
岩井:ドイツ語で「いたずらっ子」という意味のLAUSBUBという単語が由来です。2人ともジャーマンテクノが好きだったので、ドイツ語からバンド名を決めました。
──「いたずらっ子」という意味を持つバンド名にかけて、お二人が最近した・もしくは覚えているいたずらを教えてください。
髙橋:お母さんの靴を雨の日に勝手に履き、どろんこにしました!
岩井:髙橋の髪を食べました!
──お二人の楽曲制作方法を教えてください。
岩井:「Telefon」までは私がGarageBandでトラックを完成させて、オンラインで髙橋に歌詞とベース譜面を渡し、完全に家の中にあるものだけを使い、曲を制作していました。今はパソコンでトラックを制作しています。
──サカナクションなどをはじめ音楽業界の著名人はもちろん、SNSでは最大23.4万いいねを記録し、注目を集めているLAUSBUBですが、そのように注目されていることに対しての心境を教えてください。また、投稿したきっかけは何だったのでしょうか?
岩井:最初は実感が湧きませんでした。「Telefon」は私達の好きな音楽を凝縮したような曲だったので、好きなものに対する気持ちに多くの人が共感してくれたように感じ、とても嬉しかったです。いいねの数よりも、曲への感想や応援のメッセージや感謝の気持ちが届くようになったとともに、少しずつ状況を実感していきました。
ちなみに、いいねの数が一番多かった投稿は、私たちによる発信ではなく、第三者の方が軽音楽のオンライン大会の動画を転載し、投稿したものなんです。
髙橋:今までは身近な人にもあまり聴かれていないと感じていたのですが、Twitterを通じてたくさんの人に聴いていただき、憧れていた方々からもメッセージをいただけたことで広く自分達の音楽が届いているということを感じました。私たちにとって、すごくラッキーな出来事でした。
──メディア露出などがある中で、周りからの反響や変化などはありましたか?嬉しかった声などがありましたら教えてください!
髙橋:身近な友達や、コロナ禍であまり会えなくなった親戚から、反響や応援メッセージをいただけたことが嬉しかったです。
岩井:家で大きめの音を出しても怒られなくなりました(笑)。レコードを爆買いしても怒られなくなり、とても嬉しいです。
──SoundCloudを最初に利用されたきっかけを教えてください。
岩井:SoundCloudは間口がとにかく広くて、世界中から誰でもどんな音楽でも投稿できる。いい意味で無法地帯のような雰囲気がとても好きでよく利用していたため、日本を含めた世界中の人にダイレクトに作品を発表したいと思い選びました。また、本社がベルリンにあることも魅力のひとつだと思っています。
──TOWER CLOUDからも楽曲を配信されていますが、TOWER CLOUDを利用したきっかけを教えてください。また、楽曲が国内外さまざまな音楽配信サービスに一斉配信されるツールについて、どのように感じているか期待感など教えてください。
岩井:TOWER CLOUDは誰でも無料でサブスク配信の申請ができる点に魅力を感じて利用しました。また、配信サービスにより、アマチュアのバンドやソロアーティストがより世界に音楽を発信することが容易になったと感じています。配信することのハードルが下がることでさらに市場がガラパゴス化して、リスナーが面白い音楽や新興的なシーンを発見しやすくなることにつながると思っています。
──LAUSBUBはEggsにも登録されていますが、登録された経緯をお聞かせください。
岩井:私がLAUSBUBを始める前から所属しているもうひとつのバンドで、コロナ禍に遠隔レコーディングをした音源をEggsから配信していたことと、Eggsを利用している同年代のインディーズバンドの多さから登録しました。
──Eggsに登録してよかったことがありましたら教えてください。
髙橋:Eggsに登録してからは、普段テクノなどの電子音楽を聴かない方にも楽曲が届いていると思います。年齢のみならず、ジャンルを超えた交流が生まれていると感じます。
──楽曲についても教えて下さい。「Telefon」はご自身たちにとってどんな楽曲に仕上がりましたか?
岩井:「Telefon」は私たちが好きな音楽を凝縮したような楽曲になりました。聴きやすくても、マニアックな嗜好が詰まったものになっていると思います。
「Telefon」ジャケット写真
──制作時の裏話、収録時に印象に残っているエピソードがありましたら教えて下さい!
髙橋:軽音楽の大会に「Telefon」で出場したんですが、オンライン開催される当日に、急いでボーカルとベースをレコーディング・mixし、なんとかギリギリで大会直後にリリースを間に合わせることができました。
──作詞、作曲される際に意識されたことを教えてください。
岩井:「Telefon」は一曲の中に入れ込みたい要素やテーマをノートに書き出した上で制作に取り組みました。例えば、イントロの場合、電話の音のサンプリングとTD-3によるベースシーケンス、シュプレヒゲザングの相乗効果によって冒頭から聴く人を引きつけることを意識しました。歌詞は、コロナ禍で電話によって人との関わりを感じた経験から、現在における電話の存在と、携帯電話が普及する前の電話の存在の二項対立で書きました。
──普段、どのようなものからインスピレーションを感じることが多いですか?インプットしていることなどがありましたら教えてください。
髙橋:私はじっとしているのがあまり好きでは無いので、自転車に乗っているときや散歩しているときに目に留まるものたちからインスピレーションを受けています。岩井といろいろな音楽を教え合う中で、国ごとの空気感やシーンの移り変わりから感じる雰囲気を取り入れ、インプットにつなげることが多いです。
──お二人はコロナ禍をきっかけにいろいろなチャレンジをされていますが、特に変化したと感じることを教えてください。
岩井:日々SNSやインターネットを見る時間が増えた影響で、国内外での出来事や問題に対する視野が広がりました。
髙橋:私も視野が広がったことはすごく感じます。また、コロナによる休校が無ければLAUSBUBの存在自体なかったという可能性もあるので、コロナの影響は大きいです。
──お二人のプライベートな一面についても教えてほしいのですが、「意外と●●なんです」という部分はありますか?
髙橋:意外と自転車を漕ぐのが速いです!
岩井:意外と凝り性なんです!
──では、お二人の中で流行っていることがありましたら教えてください。
髙橋:これは出会った頃からですが、痺れ坦々麺をよく2人で食べに行きます!
──お二人が尊敬しているアーティストがいたら理由と合わせて教えてください。
髙橋:カネコアヤノさんです。カネコアヤノさんの祈りや希望が込められた音楽は、いつも私を元気づけてくれる、お守りのような存在です。
岩井:私はCorneliusの小山田圭吾さんを尊敬しています。小山田さんのように、自分の好きな音楽を、絶妙なバランスでアウトプットして、現代の音のイメージを生み出し、国内外へ発信できるようなアーティストに憧れています。
──これから挑戦してみたいことや音楽活動での今後の目標を教えてください。
岩井:年度内は受験に専念するため、あまり大きな活動はできないかもしれませんが、今後は活動の幅を広げて、もっとライブに出演させていただいたり、音源を出すペースを早めていけたらと思います。
髙橋:北海道を中心に、ライブやイベントにもっと出演し、2人の地元である北海道を盛り上げることに貢献できるような活動をしていきたいです!
──ありがとうございました。最後に、応援してくれる方へのメッセージをお願いします。
髙橋:いつも楽曲を聴いてくださりありがとうございます。今年度は受験に専念しますが、それ以降は、より多くの人に音楽を楽しんでいただけるような活動をしていきますので、楽しみにしていてください!
岩井:楽曲を聴いて下さり本当にありがとうございます。これからの方も、ここまで読んで下さりありがとうございます。私たちはまだまだ未熟ですが、今後も精一杯活動していきます。ライブやイベントで会いましょう!
文:レコログ編集部
▼LAUSBUB「Telefon」はこちらから
レコチョク:https://recochoku.jp/song/S1011549479
dヒッツ:https://dhits.docomo.ne.jp/artist/2001589925
▼LAUSBUBが作ったプレイリスト「LAUSBUB FAVZ」はこちら
dヒッツ:https://dhits.docomo.ne.jp/program/10022635
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LAUSBUB
【LAUSBUB(ラウスバブ) プロフィール】
岩井莉子(いわい りこ)
2003 年6 月4 日(17 歳)
ギター、シンセサイザー、DJ、エレクトロニクス担当
高橋芽以(たかはし めい)
2003 年8 月17 日(17 歳)
ボーカル、ベース担当
2020 年3 月に北海道札幌市の同じ学校の軽音楽部に所属する2 人の高校生によって結成されたニューテクノポップバンド。
2021年1 月18 日にとあるツイートを機に、爆発的に話題を集め、ドイツの無料音楽プラットフォーム「SoundCloud」
で週間チャート1位を記録、さらにTOKYO FM のラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』内のコーナー、
「サカナLOCKS!」(MC: サカナクション 山口一郎)にゲスト出演するなど
各メディアやミュージシャンからも注目を集めている。