レコチョクが独自の視点で、次世代の要注目アーティスト数組を選出し、サービスを通してPUSHしていく企画・Breakthrough。ダウンロード数・再生数、そして、ファンの投票を経て2月度のフィーチャーアーティストとして選ばれたのは、インターネットシーンを中心に活動し、注目を集めている、空白ごっこ。今回、彼らにインタビューを行い、音楽を始めたきっかけや彼らの人となりが見えるような質問もさせてもらった。さらに、Twitterにてボーカル・セツコが書いたプロフィール帳の公開や、今回のために作ってもらったオリジナルプレイリストも公開している。是非、楽曲と合わせて、さまざまな視点で、注目を集めるアーティスト・空白ごっこを感じてほしい。
音楽という型にハマりすぎず、たくさんのコンテンツを音楽に巻き込んで面白いものが作れたらいいな
──まず最初に…皆さんで他己紹介をお願いできますでしょうか?
セツコ:針原さんは、熱い人!という感じがします。実行力もあるし、そこにかける熱量も妥協がないです。koyoriさんは、1人で黙々と作業をこなす印象があります。といっても、愛想がないわけではなく穏やかです。
koyori:セツコさんはクールでありながらお茶目、一匹狼でありながら幼気。
はりーさんは全てに置いて実直に生きる男。そんなところが素敵です。
針原翼:セツコさんは出会ってからもう3〜4年になりますが、歌に限らず音楽的なスキルはどんどん進化しています。とにかく勤勉で良いと思ったらなんでも吸収するから、知識なども飲み込みが早い。根っこからの秀才ですね。空白ごっこのフロントマンとして頼もしい存在です。
koyoriくんは僕の中では偉大な作曲家です。もう10年くらいですかね。ライバルだしお互いの音楽を称え合っていると思います。つい先日、koyoriくんに「僕らって友達かなあ」って聞いたことがあるんですが、その際には「友達だと思います」と言っていました。
──アーティスト名の由来を教えてください。
セツコ:まず、最初に「空白」という言葉が出ており、それ単体だと印象や親しみやすさに欠けるね、ということで「ごっこ」がつきました。何もない空っぽな精神世界を遊ぶというか、さまざまな心の空白を描く意味合いを込めています。
──では、空白ごっこを一言で表すと?その理由も教えて下さい。
セツコ:「お楽しみ箱」。 3人いることで曲のテイストもそれぞれなのですが、そこが面白いというか、互いが互いの曲を尊敬し合えた上でどんなものを作ってくるのか読めないのが特徴だなと思います。
──皆さんが音楽活動を始めたきっかけを教えてください。
セツコ:針原さんがわたしに「一緒に音楽をやらないか」とはじめに声をかけてくださりました。それで、針原さん主催のアコースティックライブで、koyoriさんのゲストボーカルとして出演したときに曲調と声が合うね、となり、3人で活動が始まりました。
koyori:koyori(電ポルP)として活動を始めたきっかけは、ryoさんの「メルト」とジミーサムP(OneRoom)さんの「Fake Lover」という曲を聴いて衝撃を受けて、僕もボカロで曲を作りたいなと思いました。
空白ごっことしての活動は、はりーさんから「とんでもない人を見つけた」と、セツコさんの歌を聴かせてもらったのがきっかけです。その時は「空白ごっこ」という名前はまだありませんでしたが、それ以外の選択肢はありませんでした。
針原:針原翼(はりーP)として、中学生くらいの時には作詞作曲をはじめていました。まわりに楽器をやっている同世代はほとんどいなかったですね。だから一人でギターを触り出してから「弾ける!」って言えるようになるまであまり記憶がないです。すぐに上手くなったってことにします(笑)。
空白ごっことして活動を始めたきっかけは、koyoriくんとセツコさんとの出会いですね。結成する前に2人が同じステージに立つのを見ているのですが、その時に確信はありました。koyoriくんの曲をセツコさんが歌唱する、その組み合わせは天才的でした。2人のおかげです。
──今回、レコチョクのオリジナル企画・Breakthroughで2月度のフィーチャーアーティストにピックアップされました。
セツコ:さまざまなアーティストが増え続けている中で「Breakthroughアーティスト」という先を見越した枠に選んでいただけたことをすごく嬉しく思っています。私たち空白ごっこはまだまだ進化していくので、これからも見守ってくださるとありがたいです。
──空白ごっこは2月に「ラストストロウ」をリリースしました。改めてになりますが、どんな楽曲になりましたか?
セツコ:生と死の間というか、どちらも選択していない状態の中にただただ今までの経験や記憶が流れ込んでくるような楽曲になったと思います。

空白ごっこ「ラストストロウ」ジャケット写真
──TVアニメ『プラチナエンド』2ndシリーズEDテーマにもなっていますが、タイアップを意識して制作されたのでしょうか?その場合、どんな点を意識されたのか教えてください。
セツコ:『プラチナエンド』をすごく意識しています。作者の意図として、わたしから見ると生死を前に、 明確な答えを求めないことを選んでいる気がしたので、そこ一点に寄り添って集中しました。
──本作の制作秘話や裏話などがありましたら教えてください。
セツコ:曲の2番が終わり、間奏に入ったあとオケがシンプルになり急に終わっていく印象を持つ方が多いと思いますが、デモの段階ではもう少し長かったです。
──MVも大変印象的でしたが、制作の際にご相談されたことなどがありましたら教えてください。
セツコ:生きているのか死んでいるのかすらよくわからない状態の中、死んだ世界を思わせるように影を追い続けたり、ちゃんと生きているんだと思わせる人間そのものの血色感みたいなものを一瞬見せたりと、とにかく明確な答えをMVでも表さないようにと決めました。
♪空白ごっこ – ラストストロウ(Music Video)
──普段はどのように楽曲制作をされているのでしょうか?
セツコ:3人曲書きがいるので、互いにデモを作ってきて聴かせ合うことから始まっています。私以外のお二人はどこから入るのかわかりませんが、私は歌メロに合わせたコードの打ち込みから入ることが多いです。針原さんはアコースティックギターから、koyoriさんはけっこう完成形に近い状態で届くことが多いです。そこからみんなで詰めています。
──楽曲制作の際のコツ、意識されているポイントがありましたら教えてください。
セツコ:作曲者によってまちまちだとは思うのですが、音の情報量が多いのは共通だと思うので、聴きごたえがありつつも長たらしくならない満腹感を意識している点ではみんな一緒なのではないのかな?と思います。あと、印象的なフレーズを詰め込みすぎない、とかの足し引きを慎重に行っています。
──言葉選びも印象的ですが、意識していることを教えてください。
セツコ:言葉選びの点で言うと、最近は瞬時にわかるけどなかなか出てこない単語や文章を選ぶようにしています。全体の歌詞の中で、どこでハッとさせるかをすごく考えるのですが、ハッとする文章って難しくないけどありきたりではないし、まとわりついてくるなと思っているので、消耗されない部分というか、自分を客観視してもなおしめっぽく感じる部分を拾うようにしています。
──皆さんの中で「意外と●●なんです」という部分はありますか?
セツコ:おちゃらけキャラで通してますが、それは最近習得したキャラで、根本は真面目です。小学生の時は毎年学級委員長でした。
koyori:意外ではないと思いますが、けっこうズボラです。部屋は汚くても別に良い派、メールなどの連絡も気を抜くとひどく怠慢になるし、食生活も崩れたら終わりです。ただ、最近は気をつけています。
針原:意外とって難しいですね。僕らのことをある程度知っている前提でないと…。なんでしょうね、意外と…って(笑)。…すみません。考えてからだいぶ時間が経つので、また今度機会があったら答えさせてください。意外と頭回らない方なんです。
──今回、オリジナルプレイリストを作成頂きました。プレイリスト名、楽曲のセレクト理由を教えて下さい。
セツコ:「お気にいり」にしています。好きなアーティスト、特定のアーティストを挙げるのが選べなくて苦手なので、どんなものが好きか知ってもらおうと思って純粋に好みな楽曲たちを選びました。
──今後、歌ってみたい楽曲のイメージがありましたらお聞かせください。
セツコ:かなり多様な曲調をやっているのですが、スロウテンポで落ち着きのある楽曲もやってみたいなと思います。
──では、これから挑戦してみたいことがありましたら、教えて下さい。
セツコ:音楽という型にハマりすぎず、たくさんのコンテンツを音楽に巻き込んで面白いものが作れたらいいなと思ってます。
──音楽をやる上での最終目標や目指していることがあれば教えてください。
セツコ:最終目標というほど明確なものはないですが、とにかく聴いて下さる人に共有していく自分たちの頭の中の再現率がどんどん高くなっていけたらいいなと思います。
──ありがとうございました。最後に、応援してくれる方へのメッセージをお願いします。
セツコ:これからもよろしくねー!!!セツコより
文:レコログ編集部
▼空白ごっこが作ったプレイリスト「お気にいり selected by セツコ(from 空白ごっこ)」はこちらから
dヒッツ:https://dhits.docomo.ne.jp/program/10040334
TOWER RECORDS MUSIC:https://music.tower.jp/playlist/detail/2000001928
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空白ごっこ
下北沢発、インターネットシーンを中心に活動中。
心に刺さる切ない歌声が特徴のVo.セツコが歌唱し、何もないけど何かある「空(くう)」の世界観を「心」に例えて、
その精神世界で遊ぶ(ごっこする)ことをコンセプトにした音楽プロジェクト。
楽曲のエネルギーに負けないパワフルでエモーショナルなヴォーカルを「セツコ」が担当し、
「koyori」「針原翼」がそれぞれの特徴を活かした楽曲を制作している。
結成のきっかけはヴォーカルのセツコがSNSにメンバーの「針原翼」の楽曲を弾き語りしている動画を投稿し、
その圧倒的な声に衝撃を受けた「針原翼」が声をかけたことをきっかけに結成。
2021年元日にリリースした「運命開花」がサブスクリプションサービス各社多数のプレイリストに選出された他、 MusicVideoは投稿から現在まで120万回以上再生されるなど注目を集めている。
9月22日に配信リリースした「プレイボタン」では、高校生監督シタンダリンタとコラボした全編スマートフォンで撮影編集したショートフィルム風ミュージックビデオを公開し話題を集めるなど、音楽ジャンルや世代の幅を超えた支持を獲得。Spotify公式プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』のTOPカバーアーティストにも選出されるなど注目の存在となっている。
今夏7月22日からは下北沢の老舗ライブハウス10箇所を回る初のライブツアー「全下北沢ツアー」を開催。 Hakubi、 レルエ、 空想委員会、シナリオアートなど、各会場ごとに魅力の強いゲストアーティストとの対バンを発表し話題となった。ツアーチケットは耳の早いリスナーからの反響により、全会場ソールドアウトした。また先日急遽発表したツアー追加公演「全下北沢ツアー~OKAWARI 2DAYS~」でもゲストにcadode、ポップしなないでを迎え話題となり、直前の告知にも関わらず大勢のファンが足を運んだ。