舞台やミュージカルを中心に活躍する人気俳優・鎌苅健太。8年ぶりのバースデーイベント「39th birthday event 〜Come on!NAKAMA!〜」をレコチョクにて開催した。今回、イベント参加券付きNFTの“デジタルパスポートを”発行、デジタルとリアルでのコミュニケーションを複合し、ファンの方と楽しんでいただくという企画を実現。NFTの発行や基盤はレコチョクがサポートしており、バースデーイベント終了後に本人にインタビューを行った。終演後の感想やファンへの想いなどを中心に、話を聞いており、ここでしか見られない撮りおろし写真と合わせて、ぜひ最後までチェックしてほしい。

 

よりたくさん、いろんなものが届けられるように頑張ろうと思います

 

 

──バースデーイベント「39th birthday event 〜Come on!NAKAMA!〜」を終えられたばかりですが、今の率直なお気持ちを聞かせてください。

 

応援してくれるファンのみなさんもそうだし、このイベントを作ってくれたスタッフのみなさんや、このイベント内で流した、僕の誕生日に対するメッセージ映像をくれた仲間・友人たちに対して、本当にありがたいなと心から思いましたね。続けてきてよかったな、もっと頑張らなきゃな、って思いました。

 

──バースデーイベントは8年ぶりだったそうですね。

 

そうなんですよ。ずっと“やってほしい”という声はいただいていたんですが、なかなかタイミングが合わなくて。今回、30代の最後に開催することができて本当によかったです。

 

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──イベントでは1公演に1曲ずつ、計3曲の歌を披露されていましたが、メロディアスな楽曲をセレクトされていましたね。

 

僕も少し大人になったので、勢いだけで歌うような曲ではなくて、今の自分に合った曲を選曲しました。「魔法の絨毯」は、コロナ禍に先輩俳優の波岡一喜さんがやられている「TOUCH」というオンライン企画があって、そこで歌ったんですよ。でも、それは普通に僕の部屋で歌ったものだったので、いつかみんなの前でオンラインじゃなくて歌えたらいいなという想いがあって、今日の一曲に選びました。「サボテンの花」は、みんなの心に残る曲を歌いたいなっていう想いと、単純にこの曲が大好きだから、っていう理由です。「嘲笑」は、聴いた瞬間から僕が虜になった曲で。とても優しい曲で、この優しい空間の中で歌いたいなと思ったので、選びました。

 

──3公演目を拝見したのですが、ファンのみなさんからの質問コーナーも面白かったですね。食べ物に関連するような、同じ質問が連続で出て(笑)。

 

そうなんです。質問コーナーのまさかの同じ質問が続くっていうのもそうですけど、ある意味、僕自身も“よし、よく引いた”って思いました(笑)。そして“よく書いてくれた。よく引いた”って思って。お客さんと繋がった瞬間ですよね。あれもイベントならではの奇跡なので、とてもいいイベントだなと思いました。

 

──素敵な関係性ですね。

 

はい(笑)。僕がお笑い好きな人間なので、ファンクラブの配信でも、ファンの方がすごいボケてきてくれたり、いじってくれたりするんですよ。一緒に遊んでる感じですね。今回のイベントはファンクラブの方だけでいっぱいにしていただいたので、とてもアットホームな雰囲気だなと感じました。

 

──最後にファンのみなさんからの寄せ書きメッセージのプレゼントもあって。あれはサプライズだったんですか?

 

はい。本当に何も知りませんでした。心がポカポカしました。応援してくれているみんながいて、本当にありがてぇって心から思えて、年甲斐もなく、想いが抑えられなかったんですけど(笑)。質問コーナーの中で“最近嬉し泣きしたことは?”っていう質問があったんですけど、まさにこの日、この瞬間でしたね。

あと、メッセージ映像をくれた友人たちも、僕の自慢です。こんなに面白くてあったかくて、素敵な言葉をくれる友達がいるんだ、っていうことが自信にもなりましたし、心から嬉しかったです。最高の仲間をもっている俺は“大丈夫、強い”って思えました。

 

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──鎌苅さんがファンのみなさんとのコミュニケーションの中で大切にされていることは、どういうことですか?

 

僕の人間らしいところを見てもらうことで、またはお芝居などで何か表現している姿を見てもらうことで、僕を応援してくれる人の何か生きる力になれればいいなと思っているんですよ。年齢を重ねると、生きることの苦しさを感じることもあると思うんです。そんな中で、僕みたいな存在が、少しかもしれないけど何かの活力になれればいいなって。おこがましいことだとは思うんですけどね。1番しんどい時に、ちょっとだけ救えるような存在になれたらいいなと思っています。もちろん逆もまた然りで、みなさんの存在が僕の活力になっていて。そういう関係でいられるのが1番素敵なことだなと思いますね。エンターテイメントってたぶんそういうことで、このコロナ禍でなくならなかったのも、不要不急なものではなく、とってもおっきなことやったやんって、たぶんみなさんそう思ってくれたと思うので、そこは大切にしたいと思いますね。

 

──今回のこのバースデーイベントは、レコチョクのNFTの技術を使った“デジタルパスポート”という形での販売になったわけですが、NFTというものをご存知でしたか?

 

NFTという名称自体は知っていて、どういうシステムなのかということは、なんとなく知っている程度でしたが、実際に“デジタルパスポート”を見せてもらった時に、すごい時代だなと思いました。携帯の中に入れておけば、いつでも見たい時に見られるじゃないですか。しかもそれが自分だけのものとして。

 

──ファンの皆さんから何か反応はありましたか?

 

「動画届いたよ」っていう声をもらったりしました。喜んでもらおうと思ってやってみたことだけど、実際にこれが届いて、みなさんどういうふうに観てくれているんだろう?ってやっぱり想像するじゃないですか。そういうのも楽しいですよね。

“デジタルパスポート”自体はデジタルなものではありますが、こうやって生で会えるイベントと共存できるというのもすごいなと思って。生の温度と、デジタルのワクワクが融合されたので、ファンのみなさんも満足していただけたんじゃないかなと思います。

 

──こういったデジタルコンテンツで今後何かやってみたいなと思うことはありますか?

 

今はまだよく知らないんですけど、AIアバターとかメタバースとか、いろんな技術があるじゃないですか。なので、1回メタバース内で、ファンのみなさんと会ってみたいなと思ったりはしていますね。そこでみんなと共有して何か一つ作って、それをNFTにするとか。

 

──あ、それは面白そうですね!

 

そのうちどっちがリアルな世界なのかわからなくなってきそうですけど(笑)。でも、そういうデジタルな世界があるから、リアルな世界も面白いっていう感じになっていったらいいですよね。

 

──最近の活動についてもお伺いしたいのですが。ミュージカル『憂国のモリアーティ』が2月12日で幕を下ろしました。今改めて振り返ってみていかがでしたか?

 

僕はジョン・H・ワトソンという役で、シャーロック・ホームズの相棒として一緒に謎を解いていくんですけど、今回屋根の上でシャーロックとワトソンが話をするシーンがあったんですね。ワトソンが結婚をすることになって、シャーロックとは友達だけど今までみたいにずっと一緒にいる関係ではなくなるっていう中での1シーンなんですが、そのシーンを原作で読んだ時から、このシーンをシャーロック・ホームズ役の平野良くんと僕とでやりたいって思っていて、そこに向けてずっと役作りをしてきました。

 

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──原作を読まれた時から、このシーンは特別だと思われたということですか?

 

特別でしたね。普段、友情とか友達っていう言葉を言わないシャーロックが、初めて本当の気持ちを言うシーンで、ワトソンも自分の結婚観とかを話すんですけど、ワトソンはシャーロックに対してどこかでコンプレックスを抱いていたんだと思うんですよ。シャーロックに対して「俺は結果が欲しかった。お前みたいな天才じゃないし」って言うシーンがあったり、ワトソンが「誰かに認められたかった」って言った時に、シャーロックが「認めてるぜ」って言うくだりもあって。すごく大好きだし、こいつのためならって思う友達だけど、その1番の親友に対しても、コンプレックスってあったりするじゃないですか。そういうところをお互いに見ることができたし、そんな二人だけの関係性をうまく表現することができたなと思っていて。本当にありがたかったですね。

 

──これまでいろんな方がシャーロックやワトソンを演じてきましたが、鎌苅さんはどういうワトソンを演じたいと思われましたか?

 

もちろん原作があるので、そこでの関係性を一番大事にしたいと思いつつ、シャーロックは暗闇にいるので、シャーロックがもっている闇が何か浄化されていくようなものをワトソンはもっておかないといけないなと思っていました。ワトソンは常識人なので、とても真っ当なことを言うんですけど、普通の人はシャーロックとあんなに一緒にいないし、あんなにずけずけとシャーロックに対して言えないし、あんな難事件を解決しようとは思わない。そういう意味で、ワトソンもどこか普通の人とは違うところがあって、しかもコンプレックスを抱えている。特に4作目の今回は、そういう人間味が増えた回でもあったので、そういうところが見せられてよかったなと思っています。

 

──鎌苅さんご自身は、他の人が知らない意外な一面をもっていたりしますか?

 

わりと直情的に見えると思うんですけど、実は一つのことをやり始めるとけっこう研究したくなるんですよ。たとえば僕はビリヤードが趣味でもあり特技でもあり、一度はプロになろうかなと思ったこともあったぐらいなんですけど、若い頃はそうじゃなかったのに、最近になってすごい研究をし始めていて。研究し始めちゃうとそれしか見えなくなって、ドツボにはまっちゃうこともあるので(笑)、バランス力がほしいなって思っています。

 

──若い頃はそうじゃなかったということは、元々の性格ではなさそうですけど、どうしてそうなったんでしょう?

 

若い頃は勢いだけで、もちろんそういう面ももっておかないといけないと思うんですけど、やっぱり年齢を重ねてくると、違う武器も見つけたいなと単純に思うところがあったりして。それは歌に対してもそうで、ミュージカルをやっている中で、昔もっとちゃんとやっていればよかったなと思うところが正直あるので、今また必死にやっています。

 

──役柄に対して研究することもあるんですか?

 

研究しすぎちゃって逆に変になっちゃうこともあるし、それこそ今回のバースデーイベントで河合(龍之介)くんがメッセージの中で言ってくれたんですけど、「変なところを気にして、周りを気にしすぎて、自分をおろそかにしていた時期もある」って。その通りだなと思いました。そういう意味でも今年のテーマは“自分らしく”としていて、自分と向き合って自分らしくいることで、いいパフォーマンスに繋げられると思いますし、そういうふうになれたらいいな、と先月ぐらいに思いました(笑)。

 

──では最後に、いつも応援してくださっているファンのみなさんにメッセージをお願いします。

 

今日は本当に心から力をもらえました。みんながいるから頑張れているっていうのが一番にあるので、やっとみんなに会えた、みんなの顔が見られたってことは大きなことだなと思いました。なかなか顔が見られない時も多いですが、その中で、こういうNFTとかでみんなに届けられるものがあるっていうのもとてもいいことだと思うので、よりたくさん、いろんなものが届けられるように頑張ろうと思います。本当に心から、ありがとうございました。

 

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文:大窪由香

写真:平野哲郎

ヘアメイク:小林麗子(do:t)
スタイリスト:小田優士

 

▼鎌苅健太 公式Twitter

 

▼鎌苅健太 公式Instagram

https://www.instagram.com/kenta_kamakari0217/