2003年より「バルーン」名義でニコニコ動画にてボカロPとして活動、代表曲「シャルル」はセルフカバーと合わせ、YouTubeで約1億回再生されるなど、楽曲が多くの人に愛されている天才アーティスト、須田景凪。2月3日(水)には待望のメジャー1stアルバム『Billow』をリリースする。そこで、今回独自インタビューを実施。音楽をはじめたきっかけ、楽曲制作スタイルについて、2月11日(木)から開催を控えている自身のライブツアーに向けた想いについてなど、幅広く語ってもらった。また、今回特別にオリジナルプレイリストも作成してもらっているので、彼のアルバムと合わせて、“須田景凪ワールド”を堪能してほしい。
こういう世界だからこそ、今書く必要がある曲が集まったものになったと思います
――音楽を始めたきっかけを教えて下さい。
中学生の頃、友達に借りたポルノグラフィティのライブDVDを観て、サポートのドラムの方がすごく格好良く見えて、ドラムを始めました。
――今までどんな楽曲に影響を受けてきましたか?それぞれ、楽曲のルーツになっているアーティストや楽曲とそれに関するエピソードを教えて下さい。
小学生の頃、幼馴染にポルノグラフィティをお勧めしてもらったのをきっかけに、音楽を好きになっていきました。ポルノグラフィティからはたくさんの影響を受けていますが、強いて挙げるなら「ヴィンテージ」という曲を聴いた時に不思議な中毒性を感じたことを覚えています。
――最近聴いてはまった楽曲、おすすめしたい楽曲がありましたら教えてください。
Still Woozyの「Window」です。ループミュージックの中で、飽きさせない工夫が随所に溢れていると思います。
――作詞の際に意識されていることを教えてください。また、インプットする際に意識していることを教えてください。
1曲の中で必ず、日常生活で自然と発する言葉を使おう、と思いながら歌詞を書いています。
インプットする際に意識していることは、映画であれ本であれ、なるべく頭を空にして眺めようと思っています。意図せず胸に残った感覚はメモをしておくことが多いです。
――制作スタイルは曲先ですか?詩先ですか?その理由も教えてください。
曲と歌詞は同時に作ることがほとんどです。特に強い理由はありませんが、同時に作っていくことで、メロディーと言葉の語呂のバランスなどの調整がしやすいと感じて、この形に落ち着きました。

2月3日(水)にリリースの1stアルバム『Billow』ジャケット写真
――メジャーデビュー後初のフルアルバムとなる『Billow』はインタビューでも「いろんな思想やいろんな価値観を曲にしようと思って書いたアルバム」と仰ってますが、コロナ禍での影響も大きく受けている作品かと思います。改めて、ご自身にとってどんなアルバムになりましたか?
まだ自分にとってもこのアルバムを客観視は出来ていませんが、こういう世界だからこそ、今書く必要がある曲が集まったものになったと思います。試してみたかったサウンドなども多く詰め込めたと感じています。たくさんの時間を掛けて、良いアルバムになりました。
――では、コロナ禍における楽曲制作での変化がありましたら教えてください。
いろいろな外部での仕事がキャンセルになってからは、ひたすら曲を書いていました。制作の時の無意識の癖など、根本的なところを見直す機会になったと思います。結果として、今まででは思いつかなかった音などを作ることが出来ました。
――「ゆるる」は映画「名も無き世界のエンドロール」に大抜擢されました。どのように制作されたのかを教えてください。
まず、本作のエンドロールに音楽がないバージョンを観させて頂きました。起伏のあるストーリー展開の中、一貫して変わらない索漠感を感じ、そこを軸に制作していきました。映画にはリンクするようにしつつも、映画に寄せ過ぎない意識をしました。
――「シャルル」は現在YouTubeでセルフカバーと合わせ約1億回再生となっておりますが、多くの方にこの曲が聴かれ愛されていることをどのように感じていますか?
たくさんの方に自分の音楽が知ってもらえていることは純粋に嬉しいし、感謝しています。活動の幅を広げる大きなきっかけとなった曲だと感じています。
シャルル/バルーン(セルフカバー)
――「シャルル」はカラオケでも多く歌われています。歌う際のコツがありましたら教えてください。
この曲は”歌いやすい曲”とは決してカテゴライズされない音楽だと思うのですが、ここ数年大勢の方が歌ってくれているみたいでとても嬉しいです。『歌うコツ』と言われると難しいですが、自分に合ったキーが見つかれば歌いやすくなるのかなと思います。自分は当時、無理なファルセットの出し方をして喉を痛めたので、皆さんも気を付けてください。
――初めて須田景凪さんの楽曲を聴く人へおすすめするとしたら、どの1曲を選ばれますか?また、その理由も教えて下さい。
「Cambell」という曲です。自分が歌うためだけに初めて書いた曲で、一番思い入れのある曲かもしれません。
須田景凪「Cambell」MV
――今回、オリジナルプレイリストを作成いただきました。プレイリスト名、楽曲のセレクト理由を教えて下さい。
『evening』というタイトルを付けさせて頂きました。本当は『The evening of Saturday』というタイトルにしようと思ったのですが、長いのでやめました。
生活の中で、特にリラックス出来るタイミングに聴くと、一層色濃くなる曲を自分なりに並べてみました。
――2月11日(木)からライブ『須田景凪 HALL TOUR 2021 “Billow”』をスタートされるとのことで、準備真っただ中かと思います。久々のツアーへの想いや、ご準備されていることを教えてください。
コロナ禍の中、そもそもライブが出来るのか。どういう形のライブをすることがこの状況下の中でも楽しめるのか、と考えながらチームで準備を進めています。
声を交わし合うことが出来ないライブは、きっと今までのライブとは根底から違うものになるのだろうと想像しています。無事開催することができたなら、今の世界だからこそできる表現を提示したいと考えています。
文:レコログ編集部
▼須田景凪がセレクトしたプレイリスト「evening by 須田景凪」はこちらから
RecMusic:https://recmusic.jp/playlist/?id=6539
dヒッツ:https://selection.music.dmkt-sp.jp/program/10022141
▼須田景凪 HALL TOUR 2021 “Billow”
2021年2月11日(木・祝)福岡国際会議場 メインホール
OPEN 17:00 / START 18:00
お問い合わせ:BEA 092-712-4221
2021年2月25日(木)愛知県芸術劇場 大ホール
OPEN 18:00 / START 19:00
お問い合わせ:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
2021年3月7日(日)フェスティバルホール
OPEN 17:00 / START 18:00
お問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888
2021年3月12日(金)LINE CUBE SHIBUYA
OPEN 17:30 / START 18:30
お問い合わせ:SOGO TOKYO 03-3405-9999
▽チケット料金
4,800円(税込・指定席)
▽一般発売日
2021年1月9日(土)10:00〜
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須田景凪
2013年より“バルーン”名義でニコニコ動画にてボカロPとしての活動を開始。
代表曲「シャルル」は自身によるセルフカバーバージョンと合わせ、YouTube での再生数は現在までに約1億回を記録しており、JOYSOUNDの 2017 年発売曲年間カラオケ総合ランキングは1位、2017&2018&2019年の年代別カラオケランキング・10代部門では3年連続1位を獲得し、現代の若者にとっての時代を象徴するヒットソングとなっている。
2017年10月、自身の声で描いた楽曲を歌う“須田景凪”として活動を開始。2019年1月、ワーナーミュージック・ジャパン内のレーベルunBORDEより1st EP「teeter」をリリース。8月には2nd EP「porte」をリリースし、オリコンウイークリーアルバムランキングでTOP5にランクインした。
楽曲は作詞、作曲、編曲全てを須田自身が手掛けており、中毒性のある予想外かつ大胆でありながら、隅々までこだわりの詰まったサウンドと、聴く人に絶妙な距離感で寄り添う歌詞とメロディーが、10代から20代を中心に若者から多くの支持を集めている。