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コロナ禍で休業を余儀なくされた神戸市内のライブハウス4店(CHICKEN GEORGE/VARIT./太陽と虎/ART HOUSE)による無観客ライブ配信によるサーキットフェス「ライブハウスジャッジメント in KOBE」が6月21日(日)に開催される(https://judgement-kobe.com/)。当初4月に開催予定だったこのイベント、公式グッズ販売プロジェクトをWIZYで展開していた(https://wizy.jp/project/476/)。主催者のひとりで神戸VARIT.代表南出渉氏に3カ月にわたるイベント開催までの苦労、出演アーティストへの想い、そして、いち早くWIZYでプロジェクトへサポートしてくれた方へのメッセージなどを聞いた。神戸の映像・IT技術を持つ仲間とともにつくりあげるライブハウスの未来系、3日間視聴可能のフェスを楽しみながら読んでほしい。

 

 

 

ライブハウスにはアーティストと作り上げてきた歴史があって、特に神戸はそれが強くあるという自負がある。これまで固く仲間とやってきたことを世の中にアピールする機会が作れないか?

 

 

 

――神戸市内の4つのライブハウスが開催する、無観客ライブ配信サーキットフェス「ライブハウスジャッジメント in KOBE」。コロナ禍の状況で、ゼロから作り上げるのは本当に大変だったと思いますが。まずは開催に至るまでの経緯についてお話を聞かせてもらえますか?

 

3月になって新型コロナウイルスの感染拡大防止の影響でライブのキャンセルが相次いだ時、同じ神戸でライブハウスをやっているCHICKEN GEORGE、太陽と虎、ART HOUSEの店長に電話をしまして。「状況どう?」って話してるうちに、「一度集まってみませんか?」って話になったんです。その頃、大阪のライブハウスでクラスターが出たこともあって、関西地方のライブハウスの風当たりが強くなっていて、「ライブハウスが誤解されているよな」という話になって。「ライブハウスにはアーティストと作り上げてきた歴史があって、特に神戸はそれが強くあるという自負がある。これまで固く仲間とやってきたことを世の中にアピールする機会が作れないか?」という話になったのですが、お客さんを入れてライブをやることは難しいということで、「だったらバンドを集めて配信でサーキットフェスみたいなことがやれないか?」というアイデアを出したところ、みんなが賛同してくれたというのが最初ですね。

 

――それが3月の話で、最初は4月に開催しようとしてたのですから無茶苦茶ですね(笑)。

 

そうですね(笑)。普段はライバル関係のライブハウス同士で何か一緒にやるということにワクワクもしてまして、1ヶ月しかなかったけど、そこからみんなで必死でバンドに電話をして、「こういう事態やけど、ライブやってくれないか?」と交渉したり。あっという間に過ぎていった時間ではありました。最初、4月は生で配信ライブをやる予定だったんですけど、4月8日に緊急事態宣言が出て、兵庫県の休業要請が出るという話があって、生でやるのは難しいんじゃないか?という話になってきて。

 

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(VARIT.代表 南出渉氏)

 

――現在もですけど、日に日に状況が変わっていきましたからね。

 

延期の判断を下したのが、開催予定だった4月14日(火)の前日。当日はCHICKEN GEORGEで録った映像や、神戸に来れないかも知れないということでスタジオで録っていただいた東京のアーティストの映像をいただいて、無料で配信を行いました。

 

 

 

【ライブハウス ジャッジメント in 神戸(4月制作の告知CM)】

 

 

 

――主催者側としては中止にするのではなく、事態の収束を待って開催しようと気持ちも切り替えたということですか。

 

そうですね。4月の段階ではどこで収束するのか分からなかったので、ライブハウスが良いとか悪いとか言ってる場合じゃないと。事態の収束は見えないけど、やるしかないということで6月に設定させていただきました。本来、6月21日(日)はアルカラ主催の「ネコフェス」の日だったんですが、中止が決まっていたので。その日だったら4つのライブハウスも空いてるということで、2021年の「ネコフェス」に繋ぐためにもこの日にサーキットフェスを開催しようというのが、我々の考えでした。今回、神戸にゆかりのあるアーティストとやるというのがメインテーマで、「ライブハウスジャッジメント」にはアルカラも出演してくれるので、「ネコフェス」推薦枠として、UNCHAINの谷川くんとHEREに出てもらうというストーリーも出来たという感じですね。

 

ライブハウス組み合わせ写真

 

――開催は決定しても、緊急事態宣言や休業要請でライブスケジュールは変わらず白紙のまま。南出さんはどんな気持ちで日々を過ごしていましたか。

 

営業ができないってことでスタッフも休んでもらいましたが、その間のお給料も保証しなくてはいけなくて。経営的なところで頭の半分を悩ませながら、自分たちが楽しいと思えるイベント制作も頭の半分で考えられたので、気持ちのバランスは良かったなと思います。ミーティングのたびにライブハウス同士で情報交換も出来て、自分ひとりで悩むだけじゃなかったのも良かったですね。

 

――ずっと出てくれているバンドマンやライブハウスに通ってくれるお客さんのことを考えると、色々考えることもあったと思いますが?

 

そうですね。5月下旬、休業要請の解除が通告されて。行政からは「6月1日から営業しても良いですよ」と言われたんですが、「いやいや、ライブハウスってそういうもんじゃないんですよ」って話じゃないですか? お店を開けたら、お客さんが来てくれるという仕事じゃなくて。イベントを作るために準備して告知して、ようやくお客さんが来てくれる。アーティストを招いて、我々が安全に開催する。そういったことを行政の方々が理解していないし、そこに振り回されるのがたまったもんじゃないなと思いまして。

お客さんやアーティストの安全を守るのが一番ですから。6月中はライブハウスのスタッフが配信する方法を学んだり、アクリル板だったりを準備する期間として使わなきゃいけないなという話をライブハウス同士でしたり、『だからこそ「ライブハウスジャッジメント」が意味あるんじゃないか』という話を改めてしました。

 

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――初の試みですから、ゼロから作り上げる大変さもありますし。実際にお客さんが電子チケットを購入して参加してくれるのか? という不安もあるし。いまも蓋を開けてみないと分からないことはたくさんありますか。

 

そうですね。アーティストや裏方さんの仕事を作るというのも、地元のライブハウスから作っていかなきゃいけないと思っているので。やはりチケットが売れなければ成立しないし、出演料や裏方さんのギャランティを支払っていくことは、ハードルが高いと思っています。

 

――今回、「ライブハウスジャッジメント」ではWIZYを使ったプロジェクトも行いましたが。WIZYを使ってのフェス前のグッズ販売といったアイデアに至った経緯は?

 

VARIT.がマネージメントしてるTHE TOMBOYSというバンドが、今年3月にSXSWに出演予定だったんです。そのときに何か面白いことをしたいということで、WIZYのサービスを利用して公式グッズを売ろうという話になったのがWIZYを知ったキッカケだったんです。

 

――今回のプロジェクトは公式グッズという形で、ラバーバンドや缶バッジ、タオルを販売するというのが、フェスらしくて良いなと思いました。

 

はい。一般的な「クラウドファンディング」ではなく、公式グッズを販売して、手に入れていただくというやり方ができたのが、WIZYでやらせていただいた決め手でした。

 

――実施期間が短かったのに、601人のサポーターが参加してくれました。

 

こんなにご支援下さるというのが、本当に嬉しかったですし、サポートいただいた方から「ライブハウスが無くなったら困るので、頑張って下さい」とかたくさんのメッセージを頂いて、その一つ一つが心の支えになったし。我々はもっと良いイベントをたくさんやって、こういう時代だからこそ心の栄養にしてもらえるような音楽を真摯に届けないといけないなと改めて思いました。こういうご支援して下さる方と僕たちライブハウスの想いがきっちり交錯しながらイベントを作るという機会がなかなかなかったので、すごく貴重な経験になりました。

 

――そういう想いって、ライブハウスをやるってことの本質だったりして。改めてそういう気持ちになって、初心に立ち返るということが出来たのはすごく意味がありましたね。

 

そうですね、本当に。「なんのためにライブハウスをやっていたのか?」ということを、初心に戻って考えることが出来た2~3ヶ月でした。

 

――WIZYで公式グッズを購入するということが、「神戸のライブハウスが楽しそうなイベントやってるからライブハウス行こうぜ」という感覚に限りなく近いことができてるなと思いました。

 

そういう空気は僕も感じます。ホンマにフェスに行って、グッズを買うみたいな感覚でWIZYをサポートしてもらえたのが、すごく良かったと思います。

 

 

 

 

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