声優としての活動を中心としながらも、今年アーティストデビュー4年目を迎えた石原夏織。4月21日(水)にニューシングル「Plastic Smile」をリリース、本作はTVアニメ『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』のEDテーマとして起用されており、本作に声優としてもアーティストとしても携わっている注目作である。今回リリースを記念して、石原夏織にインタビューを行い、楽曲制作時のエピソードはもちろん、MV撮影時に苦労したことやプライベートなことまで、幅広く話を聞いた。今の石原夏織がぎゅっと詰まったインタビューとなっているので、是非最後まで読んでほしい。

 

 

明るいだけじゃないところを表現できたらいいよねって話しながら、作っていただきました

 

 

ーー2018年にシングル「Blooming Flower」でアーティストデビューを果たして4年目に入りました。改めて、これまでのキャリアを振り返ってみていかがですか。

 

私はそこまで自信があるタイプではないので、デビューさせてもらえたことはすごくうれしかったんですけど、当時は緊張でいっぱいでした。取材をしていただくときも「ちゃんと説明することができるのかな?」とか思っていたんですが(笑)、今はやったことのないことでも「なんとかなるか!」って、いい意味で気楽さが出たので、そんな2年前の春から比べると成長できたのかなと思います。

 

ーーご自身の成長も感じる一方で、共にそのキャリアを駆け抜けたファンへの想いもより強くなったのではないでしょうか?

 

デビューしたときには”ファンの方と心の距離の近いアーティスト”になりたいなって思っていて、それを目標に活動していたんですけど、日に日に関係性がファンから友達になっていくような、そんな近さを実感します。例えばお渡し会とかでお会いする機会でも、短い時間ではあるんですけど、直接ファンの方たちの声も聞くようになって、最近はいっぱい来てくださる方は自分の近況も語ってくれるんです。「進学したよ」とか「就職したよ」って報告してくれる、身近な友達みたいな存在にもなっているなと思います。

 

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ーーそれこそ10年以上、それだけの時間を石原さんと重ねているファンもいらっしゃいますしね。

 

そうです、そうです。なかには「結婚したよ!」という方もいらっしゃって。自分も歳を重ねるごとに、ファンのみんなとも「10年前こんなことをやっていたよね、懐かしいね」って思い出を共有したりできますし、最近出会った方とはこの先そういうお話ができるのかな、って思うと、それはそれで楽しみです。

 

ーーそんな石原さんがこの春にリリースするニューシングル「Plastic Smile」ですが、石原さんの中で本作をどのような楽曲にしたいと考えていましたか?

 

この曲はテーマ決めから会議に参加させていただいて、その時点でタイアップとなるTVアニメ『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』の原作も読ませていただきました。この作品はタイトルこそ「え、どんな作品?」って思うかと思うんですけど、中身はヒューマンドラマというか、本音で語ることや人間同士が支えあうことが描かれた、優しい作品だと思っています。あと、明るい中にもせつなさがあるような曲がいいよねって話していて。歌い方においても明るいだけじゃないところを表現できたらいいよねって話しながら、作っていただきました。

 

ーーたしかに、序盤は切ないメロディが印象的な楽曲になりましたね。

 

はい。でも、途中からだんだん明るくなっていくんですが、どこかちょっと切なさを感じるような、笑顔だけど少しアンニュイな感じが出ていると思います。

 

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ーーサウンドも、fhánaの佐藤純一さんによる優しいアレンジがその絶妙な切なさに拍車をかけていますね。

 

メロディだけでも素敵だなって思っていたのに、佐藤さんのアレンジが加わることによって世界観がまた深まるし、より心に沁みるような音がいっぱい入っています。いつも音楽を作るときに思うんですけど、曲がちょっとずつ変化していくのが面白いなって思っていて。私も最初から制作に入って一緒に作っていくからこそ、変化を重ねて、自分の想像を超えた良い作品ができるんだな、って思っています。

 

ーーそうした制作の中で、レコーディングした感想はいかがでしたか?

 

いいものにしたいと意気込んでいたのもあって、少し緊張しました。この曲は、自分のキーよりもちょっと高めな曲なんです。最初のAメロの段階から高くて、本来はサビに向かって盛り上がっていくには少し抑えて歌わないといけないんだけど、この曲では声もうちょっと張って歌いたい…。その匙加減が難しくて、レコーディングでは佐藤さんとプロデューサーさんと私の3人で、いちばんしっくりくるところを探しながら収録したので、いつもよりは時間がかかりました。

 

ーー「Plastic Smile」がEDテーマとなるTVアニメ『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』では、石原さんは主人公である吉田の職場の後輩、三島柚葉も演じていますね。改めて石原さんから見て柚葉はどんなキャラクターですか?

 

吉田の後輩のOLなんですけど、この作品に出てくる人物でいちばん明るくて、吉田に対していつも積極的に話してアピールしたり、感情をわかりやすく出す女の子で、私は犬っぽい女の子だなって思っています。でも、そんな明るい一面がありつつも、悩みを持っていたりして、そのギャップがまたかわいくもあって。守ってあげたいと思う女の子なんじゃないかなって思います。

 

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ーー「Plastic Smile」では石原さんが出演されるMVも公開されています。ドラマ仕立てとなっている本作で初めて、石原さんが本格的に演技をされるシーンがありましたね。

 

そうですね。MVは歌詞やアニメにも合うような内容で、上京した主人公が周りの環境に馴染めなくて、笑うことがうまくできなくなっちゃったんですけど、ある人と出会ったことをきっかけに本当の笑顔を取り戻していく、というようなストーリーになっています。フィクションではあるんですけど、リアルとフィクションを混ぜてもらって制作しました。

 

 

石原夏織 6th Single「Plastic Smile」MV short ver.

 

 

ーーMVでは石原さんが笑顔を見せるシーンに加えて涙するシーンもありましたが、演じてみていかがでしたか?

 

笑顔も最初はぎこちなくて、ちょっとずつ変化していくというものだったので、私にそうした細かいニュアンスができるのかな?って思っていました。自分からやりたいと発信したんですけど(笑)。あと、今回のMVは2日間かけて撮らせていただいたんですけど、撮影初日の最後に泣きのシーンがあったんですよ。アフレコで泣くことは普段やっているのでできるんですけど、実際にカメラが回っているところで涙を流すことができるのかが不安で、初日の終わりが近づくにつれて、「…あ、そろそろ泣かなきゃ…」って思ってて(笑)。スタッフのみなさんとは10年ぐらいの付き合いで気心も知れた仲で、普段から大笑いするような現場なので、その気持ちと泣くの気持ちが反対すぎて、気持ちを作るのが大変でした。

 

ーー普段とは違ってテイクを重ねるところもありましたか?

 

テイクを重ねたところは…にんじんを切るところですね。最初は丁寧に切っていたんですけど、「もっとトントンいってくれ」と言われて(笑)。

 

ーーそんなディレクションも普段の声優活動の中ではないですよね(笑)。

 

そうですね。「でもにんじん硬いしなあ……」って思いながらも、必死にやりました(笑)。

 

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ーーそして本作のカップリング「キミと空とクローバー」ですが、こちらはどんな楽曲に仕上がりましたか?

 

この曲は軽快なリズムで、聴いていて気持ちがワクワクする曲ですね。歌詞も、いまちょうど訪れている春を感じながら未来や希望を願って夢見ている、みたいなものになっています。歌詞もメロディも温かみがあって、こちらも明るすぎないというか、ちょうど春の気温に合う曲になったかなと思います。フレーズが若干難しかったりするんですけど、一度聴いたら思わず口ずさみたくなるような、暖かい気候のなかで外を歩きながら思わず歌ってしまうような曲になっていると思います。

 

 

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