129()にバラードソング「備忘録を綴る」を初のデジタルシングルとしてリリースするドラマストア。レコチョクが運営するWIZYでは、WIZY 限定盤として期間限定でCD でのリリースも行う。CDには彼らが考えたアイデアだというエコバックも付いており、ファン必見のアイテムとなっている。そんな彼らに、楽曲に込めた想いをたっぷり語ってもらった。「COUNTDOWN JAPAN 20/21」への出演も決定し、注目が高まっている彼らの今を感じてほしい。

 

 

 

ちょっと面白いことがしたくて。先行で出すシングルと、来年盤で出すシングルで内容をわけようってなったんです

 

 

 

――「備忘録を綴る」は彼女と別れた男の気持ちを綴ったバラードソングですが、どんな曲になりましたか?

 

長谷川:まず、自分がギターを弾いていないのが初めてで、3人にサウンドを任せて、僕が歌に専念するといったアクションが挑戦的な部分だと思います。ギターが欠けてるサウンドだからこそ、より歌が響きやすくなるんじゃないかと思ったとき、寂しくも強い部分を歌いたいなと思ったんです。そこで思い付いたのが、先行で出すシングルの後に、バージョンを分けたものを出したいなと。

 

「備忘録を綴る」WIZY盤ジャケット写真

 

 

――つまり、WIZY限定盤とも違った、今後リリースされるシングルに「備忘録を綴る」の別バージョンを収録することまで見越して、この曲を作ったということですか?

 

長谷川:そうなんです。ちょっと面白いことがしたくて、リーダーの和也くんの提案もあって、先行で出すシングルと、来年盤で出すシングルで内容をわけよう、ってなったんです。

 

 

――バージョン違いの曲も、もう出来ていたりするんですか?

 

松本:もうバージョン違いも出来てて、レコーディングに入ります。

 

長谷川:同じメロディで2曲作るというのは、制作前から想定していて。最初、サウンド面を変えたいという意向だったんですけど、それに応じて歌詞も変えたいなと思って。そこで思い付いたのが、「男性の恋は名前を付けて保存、女性の恋は上書き保存」とよく言うので、それを2形態で表現してみたいなと思って。今は女性版を書いてるんです。

 

 

――それは面白そう!じゃあ、バージョン違いは「備忘録を綴る」を女性の視点から歌った曲になるんですね。

 

長谷川:そうです。「備忘録を綴る」はフラれて一人になったであろう男性の虚無感や独白感を描いて、「最終的に自分を救えるのは自分だよな」と自嘲するようなテイストに仕上げたくて。コロナ禍でファンやメンバーと距離が出来てしまった経験からも、「最終的には一人で地に足つけて何をするかだな」というところまで視点を落として描けたので、サウンドと相まって力強く聴こえてくれたら嬉しいです。

 

 

――バージョン違いというアイデアは松本さんの提案もあった?

 

松本:そうですね。海くんが言っていたように、まずハンドマイクでやるという挑戦がしたかったのと、これまで作った曲のMVを並べてみて、次はどんなMVがほしいかな?と思ったとき、バラードがいいなと思って。かといって、普通のバラードを作るのはイヤなので、お涙ちょうだいのスローバラードではなく、ストリングスが入った壮大なバラードでもなく。ミディアムテンポのギターレスのシンプルなサウンドで作るという、反骨精神の塊で出来上がったバラードだと思ってます。

 

――シンプルなサウンドが逆に反骨精神なんですね(笑)。

 

松本:毎曲、どこか捻りたいというのがあって、今回はそこがバージョン違いやシンプルなサウンドという形で表せていると思います。

 

 

――髙橋さんと鳥山さんは今作についていかがですか?

 

髙橋:僕は加入して2年になるんですけど、楽曲を制作していく中で、最近は自分の作りたいものが着々と見えてきているんです。そんな中で「備忘録を綴る」を作ることになって、いつも以上にベースの音が顕著に出る曲なので、一音一音に今まで以上に気を使ったし、メンバーとの意見交換も曲に活かせました。ドラマストアのチーム力も感じたし、すごく繊細に作れた、というのが感想です。

 

鳥山:僕はギターが無い分、音使い的にはピアノの自由度が上がって。「ここまで行けるんだ」みたいな感じで、広くいろんなことが出来て楽しかったです。

 

「備忘録を綴る」通常盤ジャケット写真

 

 

――長谷川さんは新しい挑戦への不安はなかったですか?

 

長谷川:ありましたね。ギターを置いて歌うのはやってみたかったことでもあるし、身近な先輩でこういうサウンドに挑戦している方もたくさんいるので、通用しないことはないと思ってたんですよね。でも、メンバーのことはもちろん信頼しているんですが「どこまで行けるんだろう?」という一抹の不安はありました。ただ、サウンドが出来て歌詞を書き始めたとき、筆が止まらないほど書きたいことがたくさんあって。逆に尺が足らないくらいイメージがたくさん湧いたし、「こういうMVが撮りたいな」って映像視点でもイメージが湧いたことで、「この曲に自信を持っていいんだ」というのが確信に変わったんです。

 

――曲から表現したいものがどんどん湧いてきたと。

 

長谷川:はい。MVも想像して映像から世界観が作れたし、2部作で次も作るって考えたとき、「どんな面白いことが出来るかな?」ってことを考えながら書くことも出来たし、歌詞を書くことに喜びを感じながら作ることが出来ました。デモの段階ではサビだけ僕が作ってて、サビの歌詞を書いたらバシッと当てはまって。そこからは曲を聴きながら画像をスワイプさせる感じで、「<くだらない話で笑おう>と言ってる、こいつの気持ちはどうなんだろう?」と妄想を広げていって。その時に一番簡単で分かりやすいテーマが、フラれ曲なのかな?と思ったんです。男性版と女性版のフラれ曲があって、男性版は自嘲や独白、女性版は愚痴で描いて。男性にも女性にも「この気持ち分かるわ~」と言ってもらえたら嬉しいなと思ったんです。そこで男性版は「フラれた自分がちょっとカッコいい」みたいな感じで、<二人の想いは春風に消えてゆく>とかペラい言葉を入れてみたりして(笑)。

 

――男ってそういう所ありますけど、この曲の主人公はかなり女々しいですよね(笑)。

 

長谷川:女々しいですね。で、女性版は元カレのせいにしがちなんです(笑)。だから、女性版を聴いてから、男性版を聴いてもらっても楽しんでもらえると思うし。MVも含めて、いろんな見方をしてもらえたら、いろんな楽しみ方をしてもらえると思います。

 

――さて、「備忘録を綴る」のCD+エコバック期間限定発売についてもお聞きしたいんですが。エコバックというのは、どんなところから出てきたアイデアだったんでしょうか?

 

松本:レジ袋も廃止になって、あったら便利かなと思って。ツアーでも販売しようかと思ったんですけど、みんな持ってるしと思って作らなかったんです。でも、エコバックって形や大きさや用途が違ったら、いくつ持ってても良いかなと思って。いろんなかばんに入れるって考えたら、ドラマストアのエコバックがひとつ増えても良いでしょ? しかも限定ですよ?ってところで、エコバックを付けました。

 

 

――なるほど。ドラマストアの恋愛ソングは「備忘録を綴る」に限らず、ただの恋愛ソングにならないですよね?

 

長谷川あ~、わかってますね! もう言うことないです(笑)。

 

 

――妄想の要素もすごく多い気がするんですが。変な話、長谷川さんはモテます?(笑)

 

長谷川:モテなくはないです(笑)。モテなくはないけど、追われるより追いたい側なので、失敗も多いです。でも、恋愛は好きですね。

 

――女性の気持ちを書く時、女心ってわからないですよね? 僕もそうですけど、男はわからないからこそ必死に探ろうとしたり、想像したりするんですけど。

 

長谷川:そこは漫画とかドラマとか映画の恋愛描写から、あたかも自分が恋愛してるかのような妄想をしてますね。僕の書く女心はほぼ妄想です(笑)。

 

――あはは。でもそこで「これは私の歌だ!」と思って聴いてくれる人もいて。ドラマストアには“君を主人公にする音楽”なんてキャッチも付いてますが、聴く人の日常をドラマチックに演出してくれる音楽が鳴らせてると思います。

 

長谷川:あ~、嬉しいです。そうなってくれたら本望なんですけどね。

 

 

 

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