LR):脇山翔(Key)、川原徹也(Dr)、安宅伸明(Gt.Vo)、フジカケウミ(Ba)、小山るい(Gt

 

 

 

16歳から10年間、一人で楽曲をつくってきたギターボーカルの安宅を中心に、2019年夏に活動を始めたdaisansei。どこか懐かしさを感じるメロディーラインと情景が浮かぶ歌詞が魅力の彼らは今年4月から4カ月連続でデジタルシングルをリリース、1111日(水)には初のフルアルバムをカセットテープでリリースする。WIZYではオリジナルのカセットプレイヤーやスペシャルグッズ付き配信チケットも期間限定販売する(https://wizy.jp/project/528/)。自粛期間中に感じたこと、楽曲制作への想い、今後の活動など話を聞いた。メンバーが好きな楽曲をセレクトしたプレイリストも紹介しているので、最後まで読んでほしい。

 

 

 

ひとつの夢だったので、それが叶って良かった

 

 

 

――まずは1111日にリリースされる、1stアルバム『ドラマのデー』が完成しての率直な感想を聞かせて下さい。

 

安宅伸明(Gt.Vo:良かったなぁって思います(笑)。フルアルバムを作るというのは、ひとつの夢だったので、それが叶って良かったなという感想です。

 

 

――この5人で活動を始めたのが、2019年。すごいハイペースで曲を発表してきましたね。

 

安宅:そうですね。僕は16歳くらいから約10年曲を作り続けてて、初めて組んだバンドがdaisanseiなんです。でも、これまで作り続けてきた曲が脇山の検閲を通らなくて、ほとんどボツにされてるんです(笑)。そこでみんなで曲を作っていく中で、曲作りのやり方も変化していって、daisanseiの曲ができてきた感があって。活動期間は短いけど、成長の過程もアルバムに収められてると思います。あと、daisanseiで作った曲に関してはボツがないんです。「これだ!」って曲だけを録っていってるから、全部発表してるので、俺らにしてみればハイペースでも無くて。ここまで、間違いない歩みができてるんだと思います。

 

脇山翔(Key:最初、安宅くんと僕と2人で活動を始めたんですけど、確かに出会った時に作ってた曲とバンドでできていく曲が変わってきてるんです。安宅くんが曲を作る段階でフジカケが弾きそうなフレーズとか、川原さんが叩きそうなリズムを想像したりして、5人として出す世界観が出せるようになってて。アルバム収録曲は最新の10曲になるんですが、どれもこの5人じゃなきゃ生まれてこなかった楽曲たちだと思います。

 

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――メンバーのみなさんはアルバムができあがって感じたことはありますか?

 

フジカケウミ(Ba:私は2月からメンバーとしてやらせてもらって、そこから毎月、新曲をリリースしてきたんです。最初に4月にリリースした「北のほうから」の寄り添ってくれてる印象から、曲ができるにつれて情景が見えるものになっていったなと思ってて、どんどん曲が良くなっていくのを感じてて。ドラマみたいに時間の経過や変化を感じるアルバムになったと思います。私自身、これだけ立て続けにレコーディングしたことも初めてで、怒涛の毎日でした。

 

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daisansei「北のほうから」 (Official Music Video)

 

 

 

――まさに『ドラマのデー』と、タイトル通りの日々だったと。

 

安宅:アルバムタイトルを『ドトウのデー』にすれば良かったね(笑)。

 

川原徹也(Dr:あはは(笑)。連続リリースする中で「しおさい」って曲を録ってた時が、緊急事態宣言の真っ最中で。アレンジするにもメンバー同士が会えなくて、口頭や文章で伝えてアレンジを進めていったんです。思ったより上手くいったので、そのやり方が今も続いてるんですけど。やっと会えてレコーディングできたことが、僕はすごく思い出深かったですね。

 

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小山るい(Gt:私もこんなに立て続けにレコーディングすることは初めてだったし、自粛中もバンドの動きが止まらなかったことが心に残ってて。今後もこのスピード感を止めずに、バンドをやっていければ良いなと思っています。

 

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安宅:あのタイミングで4ヶ月連続デジタルシングルリリースできたのは良かったかも知れないね。あの時期だったから出来たこともあるし、あの状況だったからできた曲もあったと思うし。

 

 

 

daisansei「しおさい」 (Official Music Video)

 

 

 

――自粛期間は曲作りに影響は与えました?

 

安宅:あまりなかったです。生活リズムも変わらないし、休みの日はずっと家にいるし。むしろ時間を与えられて、より濃い俺の日常になってくれて、「毎日、曲作れんじゃん!やった!」と思ってたんですけど。その後、なんか落ちる期間があったり、そんな自分に曲を作る期間もあったり・・・。なんか、おかしかったですね。

 

脇山:やっぱりライブができなかったのが大きかったんだろうね。

 

安宅:そうだね、それがデカかった。

 

脇山:「誰に届けるために音楽を作ってるのか?」っていうのが、シンプルじゃなくなってたから、戸惑うところはありましたね。

 

安宅:そうそう。誰のために何のためにを考えちゃって、ライブをやってそれで良しにならなかったからね。スタジオ入ってリハとか始めたら、とたんに元気になりましたもん。

 

脇山:あの頃はバンドに限らず、みんなそんな気持ちだったと思うし、不安だったと思って。「北のほうから」とかは自分自身に向けた歌みたいな局面が強いので、自分に向けた曲がみんなにも共感してもらえたと思うし、刺さったのかなと思います。

 

安宅「北のほうから」は自分で聴いても毎回助けてくれるので、作って良かったランキング1位みたいな曲ですね。自分がそう思うってことは、そう思ってくれてる人がいてくれると思って、意味のある曲が書けたなと思ってます。

 

 

 

daisansei 「ざらめ、綿飴」(Official Music Video)

 

 

 

――daisanseiの楽曲はバンド名通り、聴く人を全肯定してくれるというか。すごく近いところから、「大丈夫」って言ってくれてるような力強さがありますよね。

 

安宅:でも、僕は全員を肯定したいとは思ってなくて。ちゃんと「大丈夫」を受け取って、行動してくれる人を肯定したいんです。そもそも「大丈夫」と言われたい人って、行動したいのに何かに止められてできないとか、今から行動しようとしてる人だと思って。僕は必要な人が受け取れる「大丈夫」を発信してるつもりだし、そこに「大賛成」したいと思ってるんです。

 

――「大丈夫」にすがる人じゃなくて、「大丈夫」を糧に出来る人、というか。

 

安宅:まさにそんな人に届けられたら、一番幸せですね。僕はもともとお笑いをやりたかったんですけど、想像以上に人前に出るのが苦手で挫折した過去があって。裏では曲を作っていたんですが、「これが自分の作ったものです」といつか胸を張って発表したいなとずっと思ってたから、いまは間違いなくそれが開放できてて。“あの時の俺”みたいな人に届けたい言葉が出てくる瞬間があるので、少し芽が出た種に水をかけてあげることができたらすごく嬉しいなって思ってます。

 

――すごく良くわかかりました。脇山くんは安宅くんの作る曲のどんなところに魅力を感じて、一緒にやりたいと思ったんですか?

 

脇山:初めて会った頃から情景の見える美しい言葉を使う人だなと思ってて、それはすごく素敵だなと思ったし。最近はそれプラス、いま話していたような心を打つような共感性も出てきてると思って。今は出会った頃の安宅くんより素敵になったなと思ってます。

 

安宅:俺のこと、あの頃より素敵だと思ってくれてたんだ。嬉しいなぁ(笑)。

 

――確かにdaisanseiの曲は風景が見えてきて、そこにバンドサウンドが風景をより色鮮やかに描く役割も果たしていると思います。

 

脇山:そこはメンバー同士で共有しようとしてますね。スタジオ練習は基本、そういう話しかしなくて、「ここはこういう景色だろう」とか、みんなで歌詞の展開を研究してます。一音ずつの抑揚とか音の鳴りとか、言葉ひとつに対する音の役割を考えたり。やってることはバンドというよりは、オーケストラに近いかも知れないですね。

 

安宅:でもさ、俺の見えてる景色と全く同じ景色が見えたら、それって最強なのかな? それぞれに思い浮かぶ景色を描いた方がいいんじゃない?

 

川原:いや、昼と夜みたいな大きな誤解がなければ、それでいいんじゃない?

 

――限りなく似た風景が見えてるけど、それぞれの捉え方が違うところにバンドマジックみたいなものが生まれるんだと思います。

 

安宅:じゃあ、それで! そんなバンドがやりたいです(笑)。

 

フジカケ:きっと、それぞれ曲を聴いて思うことは違うと思うんですけど。私も歌詞を聴きながら、「ここは波打つ感じで」とか考えながら弾くと、川原さんもわかってくれたり。

 

川原:そう言われて「分かった!」ってストンと腑に落ちることもあるしね。

 

安宅:お客さん一人ひとりにも聞いてみたいですよね、「この曲聴いて、どんな景色を思い浮かべました?」って。

 

脇山:たまにSNSで曲の感想を書いてくれてる人がいて。「この人はこういう解釈で聴いてくれてるんだ!」と思ってめっちゃ嬉しいし、めっちゃ見てます。

 

川原:僕もたぶん全部見てると思います。すごい嬉しいですね。

 

 

 

daisansei「体育館」(Official Lyric Video)

 

 

 

 

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