TV アニメ『ひぐらしのく頃に 卒』OP テーマなど歴代「ひぐらしのく頃に」シリーズや、「ネプテューヌ」シリーズなど数多くの楽曲を担当するアーティスト・彩音。作品に寄り添った歌唱や作詞が人気となり、海外にもファンが多い。そんな彼女が8月24日(水)にパチンコ『Pひぐらしのく頃に~彩~』収録曲である「Anagram of Coda」をリリースする。本作のリリース記念としてインタビューを行い、作品に込めた想いから彼女の素顔までを知れる様々な質問をさせてもらった。是非楽曲と合わせて楽しんでほしい。

 

ファンの方にたくさん考察をしていただけたら嬉しいです

 

──新曲「Anagram of Coda」を完成させた感想を教えてください。

 

この楽曲は、最新作のパチンコ『Pひぐらしのく頃に~彩~』収録曲なんです。偶然ではありますが、名前に私の彩音の“彩”が使われていることもあり、このひぐらしという作品を、より盛り上げていけたらいいなと思い、作詞もさせていただきました。

 

──歌詞を書くときに大事にしたことはどんなことでしょうか。

 

これまでのひぐらしの楽曲は、プロデューサーの志倉千代丸さんが作詞と作曲を担当されていたんです。でも、『ひぐらしのく頃に 卒』というアニメの楽曲で、ありがたいことに初めて私が作詞を担当させていただくことになったんですよね。その流れで、また自分が歌詞を書けることがすごく嬉しくて!今年2022年で『ひぐらしのく頃に』が20周年を迎えたので、その節目の年に、たくさんの“ひぐらしソング”を担当してきた私が、こうして歌詞と歌唱で担当させてもらえるのはすごくありがたいです。そんなすべての感謝の気持ちを込めて歌いました。

 

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「Anagram of Coda」ジャケット写真

 

──レコーディングではどんなことに気をつけて歌いましたか?

 

歌詞を書くときに、“彩”という言葉をどこかに入れたいなと思っていたんです。その後、楽曲が届いたときに、考えていた“彩のあるこの景色”という言葉がサビのメロディにきっちりとハマったんですよ。それもあって、そこが私にとっては一番の大切なポイントとなったので、レコーディングではより気持ちを込めて歌いました。楽曲全体は、ものすごくテンポが速いので、歌詞が流れていかないよう、メロディと歌詞を大切にしながら歌うことを心掛けました。

 

──最初にこの曲を聴いたときの第一印象を教えてください。

 

ものすごくカッコいい楽曲だなと思いました。それに、作詞を担当することが決まっていたこともあって、作詞脳になっていたのか、歌詞のイメージがどんどん湧いてきたんです。ただ、メロディが詰まっていたので、“これは難しい曲だな”と思いつつ、ライブではみなさんが支持してくれる楽曲になるんじゃないかなという期待感がある1曲だと思いました。

 

──たしかに、ライブの一体感が生まれそうな曲ですよね。

 

そうなんですよね。まだライブでは披露出来ていないので、早くみなさんの反応が聞きたいですね。

 

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──ちなみに、作詞を何度もしていくと、伝えたいことの輪郭がはっきりとしてくると思うのですが、彩音さんがよく使う言葉などはありますか?

 

私自身、自分から出てくる言葉は大事にしていますが、基本的にアニメや、ゲームのために書き下ろす曲がほとんどなので、つねに作品に寄り添った楽曲にしたいと思っています。ただ、すこしギミックを入れるのが好きで、歌詞を縦に読むとメッセージが込められていたり、同じ作品に限っては、過去のシリーズとリンクした歌詞の内容にしたりもしているんです。作品のファンの方が、そこに気づいてちょっと嬉しくなるような、そういう要素を入れたいなと思いながら作っています。

 

──遊び心に溢れているんですね。

 

ひとつ仕掛けを入れるのに、とっても悩むんですけどね。でも、やっぱりファンの方が喜んでもらえることが一番嬉しいことなので、気づくか気づかないかくらいのことを入れることも大事にしています。

 

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──縦読みはレベルが高そうですね。

 

それこそ、制作スタッフさんやプロデューサーさんは気づかないだろうなと思っていたんですが、意外と気づいてくれるんですよ。私を起用してくれたスタッフさんにも、少しでも恩返しができたのなら、嬉しいですね。

 

──ちなみに、今回の曲にはどんなことを仕掛けたのでしょうか。

 

以前、パチンコ『Pひぐらしのく頃に~廻~』で歌わせていただいた「Resonant fragments」という曲があるんですが、そこからのこの曲の流れとなるので、「Anagram of Coda」には“廻”という言葉が入っているんです。これは、お話を頂いたときからマストで入れたいと思っていたので、実現出来て嬉しいですね。その他にも、ファンの方にたくさん考察をしていただけたら嬉しいです。

 

──ファンの方たちの考察も良く見られますか?

 

私の公式YouTubeのコメント欄に、考察を残してくれる方達がいるんですが、そこに正解があったり、“そういう考えもあったか!”と思うようなこともあるんです。私もファンの方たちに、いつも楽しませてもらっています(笑)。

 

──さて、2曲目である「Fight for Victory」は、ゲーム『超次元ゲイム ネプテューヌSistersvs Sisters』のOP曲となります。こちらも歌詞を担当されているんですね。

 

はい。このゲームには前作までに登場したキャラクターの妹たちがいっぱい出てくるので、それを思い浮かべながら歌詞を書きました。絶望と希望、破壊と再生というのをテーマにして書いたんですが、レコーディングでサビの英語の歌詞にすごく苦労したんです。“VS”ということもあり、力強さが楽曲でも表せたらいいなというところから頑張ってレコーディングをしていきました。そして過去にもネプテューヌの楽曲を作詞と歌唱のセットで担当させていただいていて、それとも関わりを持たせている歌詞になっているので、ぜひそこもチェックしてもらいたいですね。

 

──英語にしたのは、サウンドを聴いたときのインスピレーションですか?

 

そうですね。曲を聴いた瞬間、英語にしたいなって思ったんです。あまり得意ではないんですが、挑戦してみました。この曲を通して、“諦めないで”というメッセージが伝わればいいなと思っています。くじける日もあるけれど、最後に希望と再生が待っているよねという、少し希望の光が見えるような世界観が書けたらいいなと思いながら書きました。

 

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──いま、お話を聞いていると、彩音さんはすごく穏やかですし、優しい感じがありますが、タイアップとなるアニメはかなりハードなものが多いですよね。

 

そうなんです!90%、戦っている作品になります(笑)。でも、歌詞を書く時は、作詞脳になっているので、そのことしか考えられなくなっているんです。客観的にどう思われているのかはファンのみなさんに聞かないとわからないですが、みなさんからは“あや姉”と呼ばれているんですよ。それは年下の方だけではなく、明らかに年上の方もそう呼んでくださるんですよね(笑)。それもあるからこそ、戦闘モノの楽曲を歌う時は、「“あや姉”で行くぞ!」というスイッチを入れて、舞台袖で切り替えています。

 

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──みなさんに頼りがいのある方だと思われているんですね。

 

自分ではそういう要素は1ミリもないと思っているんですが、皆さんがそう言ってくださるので、そのイメージは壊さないようにアートワークもカッコよくしているんです。……いかがでしょうか?

 

──素敵です!

 

よかった…!ただ、やっぱりギャップがあるのか、プライベートだとまったく気づかれないんですよ。以前、ワンマンライブをしたときに、開演前にファンの方と同じフロアに行った時があったんですが、誰も気づいてくれなくて(笑)。その時に“あや姉”のスイッチを入れることの大切さを実感しました(笑)。

 

──レコチョクが運営するワンストップECソリューション・murketを活用してオープンした『MAGES. DL STORE』限定でスペシャルトーク付きシングルが販売されますが(https://mages.murket.jp/)、どんな内容ですか?

 

すごく自然な感じでお話をさせてもらっているので、ぜひ楽しみにチェックしてほしいですね。ここでは、作詞と歌詞についてお話しさせていただきました。

 

──これもまた面白い試みですよね。

 

そうですね。たくさんの方に私を知ってもらえるきっかけとなればいいなと思っています。

 

──この音源の販売のように、デジタルで出来ることが多様化していますが、今後はどんなことに挑戦してみたいですか?

 

以前はラジオのパーソナリティをしていたので、私のひとことボイスなども届けられたらいいなと思っています。癒しなのか、力強いボイスなのか、いろんなパターンがあったら面白いですよね。それに、日本だけではなく、海外にもたくさんのファンがいてくれるので、世界に向けて発信して行けたらいいなと思っています。

 

──ちなみに、彩音さんの音楽をもっと聴いてみたいと思う人にオススメの曲を教えてください。

 

ひぐらしの作品はもちろん、ネプテューヌの作品、あとは『STEINS;GATE』の作品も日本だけではなく、海外の方達にたくさんの支持を頂いているので、聴いてもらえたら嬉しいです。あと『Memories Off』という作品ではたくさんの主題歌を歌わせていただいているんですが、この作品だけのワンマンライブができるくらい楽曲がたくさんあるんです。

 

──アニソンシンガーのおもしろいところですよね。

 

そうですね。作品ごとに楽曲も表情も変えることができますし、基本的に私の曲はテンポが速いんですが、その分めちゃくちゃカッコいい曲しかないんです。さらに、みなさんの心に響く言葉がたっぷり使われているので、きっと背中を押される曲がたくさんあると思います。

 

──さて、彩音さんのプライベートな部分も知りたいのですが、どんなものにハマっているのでしょうか。

 

私はディズニーランドとディズニーシーが大好きなんです。なので、コロナ禍になる前は年間パスポートを持っていたくらいなんですよ。

 

──そうなんですね!好きなキャラクターはどなたなんですか?

 

ミッキーマウスとミニーマウスです。王道と言われることも多いんですが、いつも彼と彼女に癒しをもらって、頑張ることができるんです。いつかは、ディズニーソングが歌えたらいいなと思うんですよね。夢は大きく!

 

──素敵ですね。いつかその夢が叶うのを楽しみにしています!

 

ありがとうございます。世界一のスターであるミッキーとミニーから、いろいろ学んで頑張りたいと思います!

 

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文:吉田可奈

写真:平野哲郎

 

 

▼レコチョクが運営するワンストップECソリューション・murketを活用してオープンした『MAGES. DL STORE』限定!

スペシャルトーク付きシングルはこちらから(2022年8月24日(水)0:00~販売開始)

https://mages.murket.jp/

  • 彩音

    彩音

    誕生日:10月9日
    血液型:O型
    出身地:埼玉県
    趣味:野球観戦
    スポーツ:水泳、テニス

    2004年デビュー。人気ゲーム「ひぐらしのなく頃に」シリーズ他、「メモリーズオフシリーズ」「11eyes」、科学アドベンチャーシリーズ「STEINS;GATE」など数多くの作品を担当。

    ライブパフォーマンスにも定評があり、自身のワンマンライブや国内イベントはもちろん、韓国、中国、ロシア、シカゴなど海外イベントの招聘も多い。

    2019年には15周年ワンマンライブ『彩音 15th Anniversary LIVE 〜for Dearest〜』を開催。

    2020年は『STEINS;GATE』10周年記念の大型ライブ「科学ADVライブ S;G 1010th ANNIVERSARY」にも出演し、自身初の配信イベント「Ayane FAN“MEAT”ing -Online Christmas Live-」も開催した。

    2020年10月より放送中のTVアニメ「ひぐらしのなく頃に 業」エンディングテーマを担当。11月4日に、シングル「神様のシンドローム」を発売。2021年2月6日には、「ひぐらしのなく頃に 業」新エンディングテーマシングル「不規則性エントロピー」を発売。

    前作「ひぐらしのなく頃に 業」に続き、2021年7月放送予定のTVアニメ「ひぐらしのなく頃に 卒」のオープニングテーマを担当し、オープニングテーマ「Analogy」を含む彩音が歌唱する歴代ひぐらしソングを多数収録した全13曲入りの豪華アルバムを7月28日(水)発売。メモリーズオフの新作「シンスメモリーズ 星天の下で」ではエンディングテーマを担当し、9月22日(水)に主題歌集を発売した。

    12月にはゲストに岡本美歌、島みやえいこを迎え、『メモリーズオフ』シリーズ楽曲を中心とした昼公演「-Memories of rain-」と『ひぐらしのなく頃に』シリーズ楽曲中心の夜公演「-Darkness-」、と自身初となる全く異なるセットリストでのワンマンライブを行った。

    2022年8月24日(水)『Pひぐらしのなく頃に~彩~』収録曲「Anagram of Coda」と、PS5、PS4『超次元ゲイム ネプテューヌ Sisters vs Sisters』オープニングテーマ「Fight for Victory」が収録されたシングルを発売する。