2021年1月27日(水)に最新EP『LOVE, MUSIC AND DANCE』をリリースしたALI。
本作では数々の注目アーティストが客演として参加するなど、楽曲でも注目を集めているALIのボーカルであるLEOに話を聞いた。さらに、今回WIZYではALIの世界観が表現されたオリジナルデザインのポーダブルレコードプレイヤーを販売するプロジェクトを実施(https://wizy.jp/project/580/)。本プロジェクトについてはもちろん、LEOのルーツ、音楽にかける想い、そしてこれからのALIが目指す未来についてなど、盛りだくさんの内容になっているので、是非最後まで読んでほしい。
愛情を込めて作ったのでぜひ手に取って遊んでくれれば良いなと思ってます
――日頃、LEOさんがよく聴いている音楽について教えてください。
ジャズ、ヒップホップ、ソウル、ジャマイカの音楽、最近はカントリーなんかをよく聴いています。本当に幅広く音楽は聴いてますね。
――どんなきっかけで曲を聴くことが多いですか?
僕はかなりDJ文化に影響を受けてるので、一番はそこからが多いんですが、厄介なのはミックスで流れるから曲名が表示されないんで、かけてる曲がわからないことが多いんですよ…(笑)。
なので、最近は音楽配信サービスのユーザーが作るプレイリストをいろいろ聴いてますね。そのプレイリストのレベルがめちゃくちゃ高くて、「トップDJが選んだプレイリストなんじゃないかな」と思うレベルなんですよ。
プレイリストの中には、以前にミックスで聴いていて良いなと思ってた楽曲が入ってることもあり、そこで初めて「あの曲はこんなタイトルなんだ」と知ることが多いですね。
――どんな楽曲やアーティストに影響を受けてきましたか?エピソードも交えて教えてください。
影響を受けたアーティストは本当にたくさんいて、今まではボブ・マーリーなどを挙げてて…。影響を受けたことは事実なんですけど、アーティストになりたいと思うきっかけになった楽曲はTHE BLUE HEARTSの「青空」です。僕にとって大事な楽曲だったんだなと最近よく思うんですよね。
僕が中学の時の友達が年上の兄貴の影響を受けて、ハイスタ(Hi-STANDARD)とかビートルズとか、いろいろ教えてくれたんですけど、その時にTHE BLUE HEARTSの存在も教えてくれて。その時に「青空」という楽曲を聴いたんですけど、歌詞の中に出てくる「生まれた所や皮膚や目の色で いったいこの僕の何がわかるというのだろう」という歌詞に突きつけられたんですよ。「なんで僕の気持ちがここに書いてあるんだろう」と思いました。
その時の衝撃が、そのまま僕をロックに誘っていってくれたような感覚がありますね。
僕の感情を助けてくれるとか、そういうことじゃなくて、感情をむき出しにされて、そのまま崖からおとされたくらいの衝撃があって。
そこから自分でロックやパンクの道を探していって今に至っているので、この曲は僕が音楽の道を歩んでいくきっかけになった楽曲ですね。
――大人気アニメ『呪術廻戦』のエンディング楽曲として起用された「LOST IN PARADISE feat.AKLO」はYouTube動画再生回数が2000万回再生を突破し、多くの方々を魅了する楽曲となりましたが、楽曲を改めて振り返ってみて、いかがですか?また、制作の段階で意識されたことはどんなことでしょうか?
ずっと悔しい時期があって。というか、毎日悔しい思いをしてるんですけど、その反発としてこの楽曲を作ったという背景があるんですよ。そういった「怒り」や「反骨心」のような気持ちがベースになった楽曲が、すごく綺麗にポジティブな力をまとって、世界中の人に届いて、僕が憧れだったAKLOさんとの制作もできて。僕自身が10歳から続けてきた『ジャンプ』を読むっていう行為の行き着く先が、『呪術廻戦』という素晴らしい作品のエンディングになるという…。やっぱり、人生諦めちゃいけないなと改めて思わせてくれた楽曲ですね。
それが歌詞の通りになっていて。「I won’t give up the fight in my life」(※訳:俺は諦めるわけにはいかない、自分の人生のために戦う)という歌詞に全てが詰まってるなと思いましたね。
ALI – LOST IN PARADISE feat. AKLO(Music Video)
――ALIの特徴として、新進気鋭のクリエイターの方々と作り出すMVも毎回話題を呼びますが、制作のクリエイションにはメンバーの皆様も参加されているのでしょうか?
僕が代表してアートディレクターや監督の方と話していくんですけど、だいたいALIとして伝えたいことは過去の作品や歌詞や音源を聴いてもらえれば伝わるように作ってきたんで、そこまで議論になることはないですね。
作品としては、時には世の中へのカウンターとしての作品も作りますし、時には楽曲の世界観をまんま反映したりと、いろいろやらせていただいています。
デザイン周りでいうと、ALIのジャケデザインなど含む全てのデザインをずっと一緒にやってくれている方が元WACKO MARIA(ファッション・ブランド)の方なんです。僕自身のカルチャーやルーツもWACKO MARIAで形成された側面が大いにあるので、同じカルチャーやルーツを持つものとして、その方は僕が憧れるものだったり、好きなものだったりを全部わかってるからこそ、目指したい方向性などを共有するだけで納得いくものを作ってくれるのでありがたいです。
――ALIの音楽は英語、日本語だけでなくスペイン語やポルトガル語なども取り入れて制作をされていると思いますが、改めて、多言語にて制作を行う魅力を教えてください。
ポルトガル語とかラテン語などの多言語を使う理由としては、単純に僕がレコードでクンビアっていう音楽のジャンルを聴いたり、あっちのファンクとかが好きで、音楽と語呂の組み合わせが気持ち良いんですよ。
気持ち良い=快楽性というのは僕らの音楽には重要なことで、そこをピュアに追い求めている結果として多言語での制作に繋がっていますね。そういった快楽性を追求して、多言語で音楽を出しても良い時代に生きれていることは、すごく幸せなことだと感じてます。
なので、音楽の快楽性というのは僕たちの重要なキーワードの1つですね。
――1月にリリースされた『LOVE,MUSIC AND DANCE』にはJ-REXXXやRUEED、DOS MONOSなどいま話題のアーティストが客演として参加するなど豪華なラインアップとなっていますが、それぞれのアーティストの方々とはどのような経緯で楽曲を制作する運びになったのでしょうか?
ずっとラップが好きで、どんな人たちと一緒に音楽をやりたいか、常にアンテナを張って生きてるので、一緒にやりたい方のリストが膨大にあるんですよ。そんな中で、DOS MONOS やなみちえという、旬な2人と繋がれたというのが嬉しかったですね。
経緯としては、僕たちからご一緒させて頂きたいとオファーを出させていただきました。最初は年下で哲学的な思想を持ってる二組なんで、思いが伝わるかどうか不安でしたけど、いろいろとすったもんだしながらやらせていただいていくうちに、今は相思相愛でやらせてもらってますね(笑)。
ALI – Better Days feat. Dos Monos(Music Video)
ALI – MUZIK CITY feat.なみちえ, Alonzo, 6B(MUSIC OF MANY COLOURS VER.)
J-REXXX君とは目指したい方向や同い年など、共通点も多くて、シンパシーを感じる部分も多かったので、連絡先を探り当てて、お手紙を出せて頂いたのがきっかけです。
RUEED君はWACKO MARIAでのイベントでご一緒させて頂いていて、接点はいろいろあったんですけど、僕が音楽をやってることを最初は黙ってたんですよね。ただ、良いタイミングで対バンなどでご一緒させて頂いて、仲良くなっていく中で一緒に音楽をやりたいという気持ちも高まっていって。今回、セッションという良い機会を頂いたんで、今回はジャンルレスな本当にカッコ良い2人を見せつけたいなと思い制作しました。
ALI – FIGHT DUB CLUB feat. J-REXXX, RUEED(Music Video)